コナカ株を9年5ヶ月損切りできない理由|散々酷評してきた株を、それでも手放さない私の本音

含み損を抱えた株、売れずにそのまま持っていませんか。 私も同じです。コナカ(7494)という株を9年5ヶ月塩漬けにし、確定損益はマイナス29,930円。しかもこのブログで、この株を何度も「優待だけで選んだ失敗例」として酷評してきました。 それでも私は売っていません。理由は業績でも将来性でもありません。好きだからです。この記事では、投資として褒められたものではないと分かった上で、なぜこの株を持ち続けているのかを、酷評してきた過去記事との矛盾も含めてそのまま書きます。 平成時代を生きた30代・川崎市在住のHIKOです。投資歴11年・FP2級。この記事は私個人の体験と心情の記録であり、特定銘柄の購入や保有継続を勧めるものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。 まず、私がコナカをどれだけ酷評してきたか 読み返してみると、自分でも辛辣だと思います。 NISA個別株の失敗談では、コナカを「業績も財務も見ずに、知名度と株価の安さと優待だけで選んだ失敗の代表例」として書きました 株主優待で選んだコナカは9年塩漬けでは、業績を確認して保有している巴工業と並べて、コナカを「順番を間違えた優待株」の見本として使いました 旧NISAで個別株投資に失敗した話でも、買える金額で銘柄を選んでいた失敗例としてコナカを登場させています 数字も繰り返し書いてきました。2015年5月に738円で買った100株は、2024年11月に247円で旧NISA売却・同日248円で特定口座買い戻し。旧NISAの売買だけでマイナス49,100円、配当や特定口座の損益を全部合わせても確定損益はマイナス29,930円です。詳しい経緯は旧NISAから新NISAへの移行の記事にも書きました。 この数字を見れば、「損切りすべきだった株」の教科書的な例だと思います。私自身、記事の中でそう書いてきました。 それでも、正直に言うと私はコナカが好きです ここまで散々な言い方をしてきて今さらですが、白状します。 私はコナカという会社が好きです。投資として合理的な理由ではありません。地元の会社であることと、スーツセレクトというブランドが好きだということ。それだけです。 過去記事の辛口評価と、この気持ちは矛盾しています。矛盾していることは自分でも分かっています。それでも、この矛盾を隠して「業績が良いから持っている」というきれいな理由をでっちあげるより、感情で持ち続けていると正直に書く方が、塩漬け株に悩んでいる人には役に立つ気がしています。「損切りできないのは投資家として失格」という正論は分かっていても、実際には情が移って手放せない株が1つくらいある。塩漬け株に情が移ってしまう人は、決して珍しくないと思います。 理由①:コナカが地元・横浜の会社だから コナカの本社は神奈川県横浜市戸塚区品濃町にあります(出典:コナカ「会社概要」 https://www.konaka.co.jp/company/gaikyo.html )。私は川崎市在住で生活圏が近く、地元の会社というだけでなんとなく応援したくなってしまいます。投資理論としては何の根拠にもならない感情ですが、正直に書くとこれも理由の1つです。 理由②:スーツセレクトのサイズ感とデザインが好きだから もう1つの理由は、コナカが展開するスーツセレクトというブランドそのものが好きだということです。 社会人になってスーツを買う機会が増える中、Men’s EXやMen’s Clubで紹介されるような10万円以上のスーツには、社会人2〜3年目の給料では正直手が出ませんでした。そんな中で刺さったのがスーツセレクトです。イタリアの紳士服見本市ピッティウオモのトレンドを取り入れつつツープライスで提供しており、サイズ感も私にぴったりで、「知識はついてきたけれど予算は限られている」という当時のニーズにちょうどはまりました。 保険業界に勤めていた頃は、株主優待で春夏物・秋冬物の年2回、よく恵比寿の旗艦店でスーツセレクトの服を購入していました。誕生日月にワイシャツがもらえる特典があったので、春夏スーツを買うタイミングをその月に合わせていたのを覚えています。 コナカの株主優待は、100株以上の保有で20%割引券が年2回(3月・9月の株主に対して6月・12月頃)届きます。使えるのはコナカ・フタタ・SUIT SELECT・FUTATA THE FLAG・DIFFERENCEの全店舗です(出典:コナカ「株主ご優待制度」 https://www.konaka.co.jp/ir/yuutai2.html )。 この優待は今も続いています。転職した今は保険業界時代のようにスーツをまとめ買いすることは減りましたが、今もこの割引券でシャツなど小物を買うことがあります。サイズ感とデザインが好みに合っていて、単純に着心地がいいというのが正直なところです。 それでも、投資判断としては勧められません ここまで書いた理由は、どちらも投資の合理性とは関係ありません。業績が伸びているとか、配当性向が健全だとか、そういう説明は一切していません。 行動経済学でいう保有効果(自分が持っているものに愛着が湧いて手放しにくくなる心理)や、サンクコスト(すでに投じた金額や年数が惜しくて撤退しづらくなる心理)に、私は素直に当てはまっていると思います。これは投資家として褒められた状態ではありません。 もし本気で資産を増やすことを最優先にするなら、感情的な理由で塩漬け株を持ち続けるより、損切りして別の銘柄やインデックス投資に振り向ける方が合理的な場合が多いはずです。実際、個別株11年のポートフォリオを見ても、コナカが良い成績を残しているわけではありません。 この記事は「感情で株を持ち続けてもいい」という話をしているわけではなく、「感情で持ち続けている自分を自覚した上で、それを正直に書いている」というだけです。投資判断はご自身の状況と目的に応じて、ご自身の責任で行ってください。 私が「売る」と決めているタイミング 感情だけで持ち続けているとはいえ、何も基準がないわけではありません。今のところ、次のどちらかが起きたら売却を検討します。 株主優待が縮小・廃止される:優待自体が今の保有理由の半分を占めているので、なくなれば持ち続ける理由が大きく減ります 経営に重大な懸念が生じる:地元愛という理由の前提が崩れた場合です 逆に言えば、この2つが起きない限り、株価の上下だけでは売る予定はありません。合理的な投資判断としては褒められたものではないと分かった上で、それでも今の私の本音です。 まとめ:損切りできない株が1つあってもいい コナカ(7494)は確定損益-29,930円・9年5ヶ月塩漬けの、過去記事で何度も酷評してきた失敗株です それでも売っていません。理由は業績ではなく、地元・横浜の会社であることとスーツセレクトが好きだという感情です 保険業界時代は恵比寿の旗艦店で優待を使ってスーツを年2回購入し、今も優待でシャツなど小物を買っています 投資家としては保有効果・サンクコストに当てはまる状態で、褒められた判断ではありません。真似を勧めるものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします 損切りできない株が1つくらいあっても、それを自覚して向き合っていれば、投資全体が壊れるわけではないと思っています。私の場合は、コナカがポートフォリオ全体のごく一部だからこそ許容できている面もあります 大切なのは、感情で持っていることを合理的だと思い込まないことです。私は合理的ではないと理解した上で、それでも保有することを選んでいます あわせて読みたい 株主優待で選んだコナカは9年塩漬け、業績を見た巴工業は含み益+30%|優待株で確認する3つの数字 NISA個別株の失敗談|2015年に株価の安さだけで選んだ結果9年含み損【旧NISAシリーズ①】 旧NISAで個別株投資に失敗した話|買える金額で銘柄を選んでいた私の後悔 個別株11年、TOPIXに勝てなかった話|73銘柄2,194万円の業界別ポートフォリオ全公開 ※ 本記事の保有状況・損益は2026年5月時点、コナカの優待制度は2026年7月時点で公式サイトにて確認した内容にもとづきます。最新の情報は公式サイト・開示資料をご確認ください。 HIKO 保険業界10年勤務・30代IT会社員ブロガー 保険業界10年勤務後、IT企業に転職。生命保険・損害保険の「売り手側の論理」を知った上で、本当に必要な家計管理・投資の情報を発信。NISAや固定費削減の実体験をもとに、30代サラリーマンのお金の不安を減らすことを目指しています。 保険業界10年 IT転職 NISA実践中 固定費削減経験あり

2026年7月16日 · 最終更新: 2026年7月18日 · HIKO

アサックス(8772)の株主優待はクオカード|500株必要・改悪の有無と利回りを解説

この記事は連載「ラスト一押しの株主優待」の第7回です。業績・財務で持ちたいと判断した会社に、優待が「最後のひと押し」として付いてくる——そんな順番で保有してきた優待銘柄を1記事1銘柄で紹介している連載です。 アサックス(8772)は、不動産を担保にした融資を専門にしている金融会社です。株主優待としてクオカードがもらえる銘柄で、2021年3月末基準から必要株数が500株に変わりました。私は権利確定月の3月に合わせて500株まで買い増し、2026年もクオカード5,000円分を受け取っています。 この記事の結論 アサックスの優待は、3月末・500株以上の保有でクオカード5,000円分がもらえます(継続保有条件なし)。2019年に100株/2,000円で再開したあと、2020年に500株/5,000円へ変更された経緯があり、小口保有者には改悪、500株以上には拡充という両面の変更でした。優待利回りは1.2%前後で、投資リターンの本体は予想配当利回り2.6%台のほうです。私は権利確定時に500株を保有してクオカードを受け取ったあと、より優先順位の高い投資先に資金を回すため、現在は100株まで株数を調整しています。 なお、この記事にはアフィリエイトリンク(PR)を含みます。また、特定銘柄の売買をすすめるものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。 この記事で分かること アサックスの優待内容(クオカード・必要株数・権利確定月・継続保有条件) 500株を新規で買うといくら必要か 2020年の優待変更は改悪か、拡充か(一次資料で確認) 優待利回りと配当利回り、どちらが大きいか 不動産担保ローンという会社の中身と、財務・配当の実績 よくある質問(継続保有条件・貸株の扱いなど) アサックスの株主優待とは?内容と必要株数 アサックスの株主優待は、公式の適時開示で確認すると次のとおりです。毎年3月31日現在で、普通株式500株以上を保有している株主に、クオカード5,000円分が贈られます。権利確定は年1回・3月末のみで、継続保有期間の条件はありません。基準日に500株を持っていれば、保有して間もなくてもクオカードを受け取れます(出典:アサックス「配当予想の修正(増配)及び株主優待制度の変更に関するお知らせ」2020年10月28日開示 https://f.irbank.net/pdf/20201028/140120201027409857.pdf )。 私自身、権利確定日である3月末の時点で500株を保有していたため、2026年もクオカード5,000円分を受け取りました。クオカードは近所のコンビニでの「ちょっとしたご褒美」に使っています。5,000円分を一度に使い切るのではなく、数か月かけて少しずつ使えるので、金額以上に満足感があるというのが正直な実感です。 その後、私はより優先順位の高い投資先に資金を回すため、保有株数を調整し、現在は100株を保有しています。アサックスの優待には継続保有条件がないぶん、株数を減らせば優待の対象からも外れる、というシンプルな設計です。なお、優待の正確な内容・条件は改定されることがあります。実際に確認する際は、必ず公式の開示情報をご自身でご確認ください。 500株を新規で買うといくらかかる? 2026年7月13日時点の株価834円で確認すると、優待の対象になる500株を新規に取得するには約41万7,000円が必要です(出典:IR BANK アサックス https://irbank.net/8772 、2026年7月13日確認)。100株や400株では優待の対象にならないため、優待だけを目的にするなら500株というまとまった金額が前提になる点は、あらかじめ押さえておく必要があります。 アサックスの優待は改悪された?2019年・2020年の変更を一次資料で確認 優待株を検討するときに気になるのが「過去に改悪・廃止はなかったか」だと思います。アサックスの優待には、はっきりした変更の履歴があるので、適時開示のPDF原文で確認した事実を時系列で整理します。 2019年1月29日開示:優待の再開 アサックスは、2009年3月期をもって一度休止していた株主優待を再開しました。このときの内容は、3月末・100株以上の保有でクオカード2,000円分でした(出典:アサックス「株主優待制度の再開に関するお知らせ」2019年1月29日開示 https://f.irbank.net/pdf/20190129/140120190124462897.pdf )。 2020年10月28日開示:500株/5,000円への変更 その後、2020年10月28日に、期末配当の増配(15円→18円)と同時に優待制度の変更が開示されました。内容は、2021年3月末基準から、100株/2,000円分を500株/5,000円分に変更するというものです。会社が挙げている理由は「株主構成の変化やコーポレートガバナンス・コードの株主平等の原則を考慮した、より適切な株主還元」です(出典:アサックス「配当予想の修正(増配)及び株主優待制度の変更に関するお知らせ」2020年10月28日開示 https://f.irbank.net/pdf/20201028/140120201027409857.pdf )。 —変更前(2020年3月末まで)変更後(2021年3月末から)必要株数100株以上500株以上優待内容クオカード2,000円分クオカード5,000円分継続保有条件なしなし この2020年の変更は、改悪と拡充の両面があると私は見ています。改悪の面は、100〜400株の小口保有者が優待の対象から外れたこと。以前は100株で2,000円分がもらえたのが、変更後は500株を持たないと何ももらえなくなりました。一方で拡充の面は、500株以上の保有者にとっては金額が2,000円分から5,000円分に増えたことです。まとまった株数を持つ株主に還元を寄せる方向の見直し、という整理ができます。なお、2020年10月の変更以降、優待の改定を示す新たな開示は見当たらず、現行制度が続いています(今後も変わらないことを保証するものではありません)。 優待利回りと配当利回り、どちらが高い? 2026年7月13日時点の株価834円で優待利回りを単純計算すると、500株(5,000円分)は約1.2%です。500株というまとまった株数が前提になるため、必要資金あたりの優待利回りとしてはそこまで大きくありません。 一方、同時点の予想配当利回りは2.6%台です(出典:IR BANK アサックス https://irbank.net/8772 、2026年7月13日確認)。優待利回り(約1.2%)と比べて、配当利回りのほうが大きい数字です。アサックスでも、投資リターンの本体は配当であり、クオカードの優待はそこに付いてくるおまけという位置づけだと考えています。 一目評価|私の見方 ここまでの内容を、私の主観で5段階評価にまとめると次のとおりです。あくまで私個人の見方であり、投資を推奨するものではありません。 項目評価根拠総合評価★★★★☆優待は500株必須でハードルはあるが、高い利益率と増配基調・低PBRのバランスが良い優待★★★☆☆クオカード5,000円分は使い勝手が良いが、500株必須で優待利回りは約1.2%配当★★★★☆予想配当利回り2.6%台、一株配当は18円→22円へ段階的に増配財務★★★★☆経常利益率が70%前後と高く、株主資本比率も40%台割安度★★★★☆PER6.7倍前後・PBR0.5倍台と、指標上は割安な水準長期保有★★★★☆売上・経常利益とも右肩上がりで、増配を続けている アサックスはどんな会社?不動産担保ローンの中身を解説 アサックスは、1969年設立、東京・渋谷に本社を置く、**不動産担保ローンを専門とする金融会社(ノンバンク)**です(出典:アサックス公式サイト「会社概要」 https://www.asax.co.jp/company/ 、2026年7月13日確認)。個人・個人事業主・法人に対して、不動産を担保にした融資を行う事業が柱です。銀行から資金を調達し、それを担保付きで貸し出して金利差で稼ぐ、というシンプルなビジネスモデルです。 経常利益率が66〜70%と非常に高いのは、業績が突出しているというより、金利収入が中心の貸金業という事業構造によるものです。仕入れや在庫を持つメーカーや商社と違い、原価にあたる部分が資金調達コスト中心なので、利益率は高く出ます。不動産を担保に取っているため、貸し倒れが起きても担保処分で回収しやすい設計になっている点が、この会社の収益の安定性につながっていると私は見ています。 一方で、金融業である以上、不動産市況の悪化や金利上昇による調達コストの増加、貸出残高の伸び悩みといったリスクは常にあります。担保価値が下がる局面では、収益にも影響が出やすい事業だという点は踏まえておく必要があります。 アサックスの財務・配当・株価指標 数字を1つの表にまとめると次のとおりです(出典:IR BANK アサックス https://irbank.net/8772 、同/kessan、同/dividend、いずれも2026年7月13日確認)。 指標数値補足株主資本比率40.55%銀行から調達して貸し出す業態としては厚めの水準経常利益率66.3%(2026年3月期)金利収入が中心の貸金業で構造的に高い経常利益60.8億円(2026年3月期)2022年3月期38.7億円から5年で約1.5倍ROE(予想)7.8%大きくはないが安定して黒字を積み上げている一株配当22円(2026年3月期)2021年18円から段階的に増配配当性向18.4%(2026年3月期)会社は配当性向20%以上を目安。利益成長で数字は低下傾向株価834円(2026年7月13日時点)—PER6.68倍(予想)指標上は割安な水準PBR0.52倍解散価値の半分程度の評価予想配当利回り2.6%台優待利回り(約1.2%)を上回る アサックス(8772)の経常利益の推移 38.7億円 2022/3 43.0億円 2023/3 50.6億円 2024/3 51.7億円 2025/3 60.8億円 2026/3 経常利益(億円)の推移。不動産担保ローンの貸出残高拡大とともに、5年で約1.5倍に伸びています。出典:IR BANK アサックス 業績 https://irbank.net/8772/kessan 配当は、2021年3月期18円・2022年18円・2023年18円・2024年20円・2025年20円・2026年22円と、段階的に引き上げられてきています。配当性向は20%前後を目安にしつつ、利益成長のぶん実際の性向はやや低下しています。 ...

2026年7月13日 · 最終更新: 2026年7月14日 · HIKO

レンティオで掃除機を3機種レンタルした口コミ|39,000円かけて分かった後悔しない選び方

なお、この記事にはアフィリエイトリンク(PR)を含みます。 「5万円以上する掃除機、買って後悔したくない」「レンティオで掃除機を借りるって実際どうなの」——そう思って検索している方に向けて書きます。 私は2024年から2025年にかけて、家電レンタルサービス「レンティオ」で高価格帯のコードレス掃除機を3機種、順番にレンタルして比較しました。Anker(アンカー)のコードレススティッククリーナー、ダイソンのコードレスクリーナー、そしてNarwal S20 Pro(ナーワル)です。3機種とも水拭き機能自体は搭載していましたが、実際に買う前に試してみると、吸引力や水拭きの使い勝手にはっきりとした差がありました。レンタルにかけた料金は合計39,000円。最終的には、レンタルではなく別途Narwal S20 Proの新品を自分で購入して、今も使っています。 この記事では、実際に借りた3機種の違いと、乗り換えを重ねた理由、そしてなぜレンタルを続けずに新品を買い直したのかまで、正直にまとめます。 結論から言うと、私にとっては、10万円近い掃除機選びで失敗を避けられたことを考えると、39,000円は十分に価値のある先行投資でした。 なぜ掃除機を「買う前に試す」ことにしたのか コードレス掃除機は、人気モデルになると5万円から10万円ほどします。私は年収300万円台からスタートして生活防衛を軸に家計を組んできたので、この価格帯の家電を「スペック表とレビューだけを見て一発で買う」ことに、どうしても踏み切れませんでした。 特に気になっていたのが「水拭き」です。フローリング中心の住まいだと、吸引だけでは取りきれない皮脂汚れやベタつきが残りがちで、水拭きまでできる掃除機が気になっていました。ただ、実際に使ってみないと、水拭きの「使い勝手」までは分かりません。カタログスペックだけでは判断できない部分こそ、買う前に試す価値があると考えました。 そこで選んだのが、月額制で家電を借りられるレンティオです。気になった機種を実際の自宅で数週間から数ヶ月使ってみて、合わなければ返却できる。高価格帯の家電を買う前に、レンタルして比較する——これが私のやり方でした。 1台目:Anker MACH V1(水拭きは一体型、私の使い方では吸引力が物足りず) 最初に借りたのは、Anker(アンカー)のコードレススティッククリーナー「MACH V1」です。吸引と水拭きが一体になったモデルで、ヘッドを交換する必要はありません。 レンタル開始:2024年10月6日(自宅到着は10月8日午前) 月額料金:2,600円(新品プロモーションで最初の3ヶ月は無料) 最低レンタル期間:6ヶ月 一体型なので水拭き自体は手軽にできたのですが、私の使い方では吸引力に物足りなさを感じました。特に気になったのが、玄関やドア付近のちょっとした段差です。水拭きで噴射した水が、段差の部分でうまく吸いきれずに残ってしまうことがあり、それが私にとっては不満でした。 このプランも、24ヶ月間レンタルを継続すると所有権が利用者側に移り返却不要になる仕組みでしたが、私は最低期間の6ヶ月で返却しています。吸引力への物足りなさから、次は吸引力の評価が高いダイソンを試すことにしました。 2台目:ダイソン V12s Submarine(吸引力はピカイチ、水拭きの実装には期待外れ) 次に借りたのは、ダイソンのコードレスクリーナー「V12s Origin Submarine(SV49)」です。「Submarine」は水拭き用のローラーヘッドのアタッチメント名で、こちらも実は水拭きに対応したモデルでした。 レンタル開始:2025年3月27日 月額料金:5,000円 最低レンタル期間:3ヶ月 このプラン条件のとおり、ちょうど最低期間の3ヶ月使って返却しました。 まず吸引力については、私が触った中ではピカイチでした。通常の吸引(乾拭き)性能に不満はまったくありません。パーツもある程度分解して洗えるので、清潔に保ちやすい点はありがたく感じました。 ただ、水拭きについては、Ankerとは別の意味で期待外れでした。ダイソンの水拭きは専用のローラーヘッドに交換する方式で、掃除のたびにヘッドを付け替えるのが面倒でした。さらに、実際に水拭きローラーヘッドを使ってみると、汚れ自体は取れるものの、私の使い方では汚水が十分に回収されず、床が濡れたままになる場面がありました。期待していたレベルには届かず、この点は少し残念でした。 吸引力は申し分ない、でも水拭きの実装は物足りない——3ヶ月使って、私が本当に欲しいのは「吸引力が高くて、かつ水拭きの実装も良い掃除機」だと確信しました。そこで、両方を兼ね備えていそうなNarwal S20 Proを試すことにしました。 3台目:Narwal S20 Pro(水拭きも吸引力も、私には不満がなかった) 3機種目に借りたのが、Narwal S20 Proです。Ankerと同じ一体型の水拭き対応で、かつ吸引力もしっかりしていました。 レンタル開始:2025年6月30日(自宅到着は7月3日の午前中) 月額料金:6,000円(プロモーション適用で初回〜3ヶ月目は5,400円、4ヶ月目以降は6,000円) 最低レンタル期間:3ヶ月 こちらもちょうど3ヶ月使って返却しました。プロモーション価格の3ヶ月ぶんで、支払った合計は5,400円×3ヶ月=16,200円です。 Ankerで感じた「段差に水が残る」という不満も、ダイソンで感じた「汚水がうまく回収されず床が濡れたままになる」という不満も、Narwalでは感じませんでした。吸引力・水拭きの実装ともに私には不満がなく、3機種の中で最も自分の使い方に合っていました。 このプランにも、12ヶ月間レンタルを継続すると所有権が利用者側に移り、返却不要になる仕組みがありました。それでも私は12ヶ月続けず、3ヶ月で返却しています。その理由は後述します。 3機種を比較して分かったこと 3機種とも水拭き機能自体はありましたが、実装方式と私の感想はそれぞれ違いました。買う前にレンタルして比較したからこそ見えた違いです。 項目Anker MACH V1ダイソン V12sNarwal S20 Pro水拭き方式一体型ヘッド交換式一体型月額レンタル料金2,600円5,000円6,000円(プロモ5,400円)実質支払額(3ヶ月)7,800円15,000円16,200円私の感想吸引が物足りず段差に水が残る水拭きヘッドの汚水回収が弱く床が濡れたまま吸引・水拭きとも実装が良好で不満なし最終判断返却返却購入(新品を別途購入) これはあくまで私自身の使い方・自宅環境での感想です。ヘッド交換の手間を気にしない方や、通常の吸引力だけを重視する方にとっては、また違う評価になると思います。 レンティオの利用体験(配送・梱包について) 3機種とも新品プランでのレンタルだったので、届いた時点でどれも新品同様のきれいな状態でした。使用感を確かめる上で、これは安心材料になりました。 一方で、返却のたびに届いたときと同じ梱包に戻す作業には、少し手間を感じる場面もありました。配送日数や集荷の具体的な流れまでは記事に書けるほど詳しく確認できていないので、ここでは「新品できれい」「返却時の梱包がやや煩わしい」という実感に留めておきます。 レンタル総額39,000円という「先行投資」 3機種のレンタルにかかった実際の支払いは、次のとおりです。 Anker MACH V1:2,600円×3ヶ月分=7,800円(最低利用期間6ヶ月のうち、最初の3ヶ月は新品プロモーションで無料だったため、実際の支払いは3ヶ月分) ダイソン V12s:5,000円×3ヶ月=15,000円 Narwal S20 Pro:5,400円×3ヶ月(プロモ適用)=16,200円 合計:39,000円 10万円近くする掃除機を、試さずに買って「思っていたのと違った」となれば、この金額はまるごと無駄になっていたかもしれません。私にとって39,000円は、高価格帯の掃除機選びで失敗を避けるための先行投資でした。3機種を実際に自宅で使い比べた上で、最終的に自分に合う1台を見極められたことを考えると、十分に見合う金額だったと感じています。 ...

2026年7月11日 · 最終更新: 2026年7月13日 · HIKO

ラクト・ジャパン(3139)の株主優待はカタログギフト|300株保有者が改悪の有無と必要株数を解説

この記事は連載「ラスト一押しの株主優待」の第6回です。業績・財務で持ちたいと判断した会社に、優待が「最後のひと押し」として付いてくる——そんな順番で保有している優待銘柄を1記事1銘柄で紹介してきた連載です。 ラクト・ジャパン(3139)は、チーズやバターなどの乳製品と、食肉・畜産物の原料を扱う食品専門商社です。株主優待として食品のカタログギフトがもらえる銘柄で、2025年に優待制度の変更がありました。私はこの株を300株保有しています。 この記事の結論 ラクト・ジャパンの優待は、2025年11月末基準から2年以上の継続保有が必須になり、100株で3,000円相当、300株で5,000円相当のカタログギフトです。優待利回りは0.5〜0.9%と大きくなく、投資リターンの本体は予想配当利回り3.79%のほうです。私は優待目的ではなく、アジア11カ国に展開する事業基盤と配当を本線として300株を保有しています。 なお、この記事にはアフィリエイトリンク(PR)を含みます。また、特定銘柄の売買をすすめるものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。 この記事で分かること ラクト・ジャパンの優待内容(カタログギフト・必要株数・継続保有条件) 100株・300株を新規で買うといくら必要か 2025年の優待変更は改悪か、拡充か 優待利回りと配当利回り、どちらが大きいか アジア展開という会社の強みと、財務・配当の実績 よくある質問(買い増し時の継続年数、貸株の扱いなど) ラクト・ジャパンの株主優待とは?内容と必要株数 ラクト・ジャパンの株主優待は、公式IRの株主優待ページで確認すると次のとおりです(出典:ラクト・ジャパン公式IR「株主優待」 http://www.lactojapan.com/ja/ir/about/benefit.html 、2026年7月9日確認)。 毎年11月30日現在で、普通株式100株以上を保有し、かつ2年以上継続して保有している株主が対象です。権利確定は年1回・11月末のみです。 コース保有株式数継続保有2年未満継続保有2年以上Aコース100株以上300株未満対象外カタログギフト3,000円相当Bコース300株以上対象外カタログギフト5,000円相当 継続保有2年以上の判定は、株主名簿の基準日である11月30日と5月31日の時点で該当株数を保有し、すべての基準日の株主名簿に同一株主番号で5回以上連続して記載されていることが条件です。連続記載の回数は、その株数(100株もしくは300株)を保有した時点からカウントされるため、100株から300株に買い増した場合、Bコースの継続カウントは300株にした時点から数え直しになります。 カタログの中身は、同社が選定した食品ギフトです。Aコース(3,000円相当)は三祐のチーズセット(パルミジャーノレジャーノ・デンマーククリームチーズ・ゴーダなど)、Peekabooの生乳ジェラート、町村農場のバターセット、マイスター山野井の焼豚とソーセージのスライスセットなど。Bコース(5,000円相当)はチーズ6種セット、キハチフードホールのアイスギフト12個、平田牧場の金華豚ローススライスとバラのしゃぶしゃぶセットなど、より充実したラインナップになります。優待品の代わりに、認定NPO法人セカンドハーベスト・ジャパンへの寄付を選ぶこともでき、発送時期は毎年2月末を目処です。 私自身、300株に買い増したのが最近のため、Bコースの継続保有2年以上の条件を満たすのはこれからで、まだ優待は受け取っていません。なお、優待の正確な内容・条件は改定されることがあります。実際に確認・申し込みをする際は、必ず公式IRをご自身でご確認ください。 100株・300株を新規で買うといくらかかる? 2026年7月8日時点の株価3,480円で確認すると、Aコースの対象になる最低ラインの100株を新規に取得するには約34万8,000円、Bコース(5,000円相当)になる300株なら約104万4,000円が必要です(出典:IR BANK ラクト・ジャパン https://irbank.net/3139 、2026年7月8日確認)。前述のとおり、買ってすぐ優待がもらえるわけではなく、2年以上の継続保有を満たして初めてカタログギフトが届く点には注意が必要です。 ラクト・ジャパンの優待は改悪された?2025年の変更内容 優待株を検討するときに気になるのが「過去に改悪・廃止はなかったか」だと思います。この連載でもKDDIや松風では実際に優待の変更がありました。ラクト・ジャパンも、2025年1月14日に優待制度の変更を開示しています(出典:ラクト・ジャパン「株主優待制度の変更に関するお知らせ」2025年1月14日開示)。基準日(11月30日)と進呈時期は変更されていません。 変更前(2024年11月末基準まで) 保有株式数継続保有3年未満継続保有3年以上100株以上クオカード1,000円分カタログギフト3,000円相当 変更後(2025年11月末基準から) コース保有株式数優待内容(2年以上保有)Aコース100株以上300株未満カタログギフト3,000円相当Bコース300株以上カタログギフト5,000円相当 会社が挙げている変更点は2つです。1つ目は、300株以上の区分(Bコース・5,000円相当)を新設し、まとまった株数を持つ株主への優待を拡充したこと。2つ目は、優待の対象になる継続保有期間を**「3年以上」から「2年以上」に短縮**したことです。 この変更は、改悪と拡充の両面があると私は見ています。拡充の面は、300株で5,000円相当という上位コースができたことと、上位優待に届くまでの期間が3年から2年に縮んだこと。一方で改悪の面は、以前は継続保有年数に関係なく100株を持っていればクオカード1,000円分がもらえたのが、変更後は**2年未満だと一切対象外(ゼロ)**になったことです。中長期で保有する株主に還元を寄せる方向の見直し、という整理ができます。 優待利回りと配当利回り、どちらが高い? 2026年7月8日時点の株価3,480円で優待利回りを単純計算すると、Aコースの100株(3,000円相当)は約0.86%、Bコースの300株(5,000円相当)は約0.48%です。金額が大きいBコースのほうが、必要な投資額が3倍になるぶん、優待利回り自体はむしろ下がります。 一方、同時点の予想配当利回りは**3.79%**です(出典:IR BANK ラクト・ジャパン https://irbank.net/3139 、2026年7月8日確認)。優待利回り(0.5〜0.9%)と比べて、配当利回りのほうがはるかに大きい数字です。ラクト・ジャパンでも、投資リターンの本体は配当であり、食品カタログの優待はそこに付いてくるおまけという位置づけだと考えています。 一目評価|私の見方 ここまでの内容を、私の主観で5段階評価にまとめると次のとおりです。あくまで私個人の見方であり、投資を推奨するものではありません。 項目評価根拠総合評価★★★☆☆優待も配当も突出はしないが、アジア展開を含めた事業基盤とのバランスは取れている優待★★★☆☆100株3,000円・300株5,000円相当のカタログ。2年継続保有が必須で優待利回りは0.5〜0.9%配当★★★★☆予想配当利回り3.79%、配当性向を14%台から25%台へ段階的に引き上げ財務★★★☆☆自己資本比率33%。商社型のビジネスで薄利だがROEは12.1%まで改善割安度★★★☆☆PER10.09倍(予)・PBR1.08倍で、極端な割安でも割高でもない長期保有★★★★☆優待は中長期保有者に還元を寄せる方向。売上は5年で+54%と成長 ラクト・ジャパンはどんな会社?海外事業の強みを解説 ラクト・ジャパンの営業利益率が2%台にとどまるのは、業績が悪いからではなく、原料を仕入れて売るトレーディング(商社)が事業の中心だからです。薄い利幅で大量にさばくビジネスモデルなので、利益率は構造的に低く出ます。 この会社の特徴は、海外事業の広さです。1998年の創業直後からシンガポールに駐在員事務所を開設し、現在はシンガポール・マレーシア・タイ・インドネシア・フィリピン・中国・米国・オーストラリア・オランダ・イタリア・日本の11カ国14拠点に展開しています(出典:ラクト・ジャパン公式サイト「グループ会社・拠点一覧」、2026年7月9日確認)。世界各国から調達した乳原料を、アジアの日系企業や現地食品メーカーに供給する事業が柱の1つです。 会社の決算説明資料によると、2024年11月期の事業部門別売上高構成比は、国内の乳原料・チーズ部門が66.8%、食肉食材部門が約12.8%、機能性食品原料部門が3.0%で、アジア事業(乳原料販売12.6%+チーズ製造販売3.3%)は合計**15.9%(271億78百万円)**を占めています(出典:ラクト・ジャパン「2024年11月期 決算説明資料」、2026年7月9日確認)。国内の乳原料・チーズ部門も海外から原料を調達しているため、実質的な海外関連の取引はこの数字以上に広がっていると考えられますが、確認できる開示ベースの数字としてはアジア事業単体で売上の約16%です。 売上高は2020年11月期の約1,108億円から2024年11月期の約1,709億円まで、5年で約54%伸びています(出典:IR BANK ラクト・ジャパン https://irbank.net/3139/kessan 、2026年7月8日確認)。世界各国から乳原料を調達し、アジアを含む販売ネットワークを拡大してきたことが、売上成長の背景にあると私は見ています。 ラクト・ジャパンの財務・配当・株価指標 数字を1つの表にまとめると次のとおりです(出典:IR BANK ラクト・ジャパン https://irbank.net/3139 、同/kessan、およびラクト・ジャパン「2024年11月期 決算説明資料」、いずれも2026年7月8〜9日確認)。 指標数値補足自己資本比率33.05%商社型で在庫・仕入れが大きく、極端に高くはない営業利益率2.61%(2024年11月期)薄利多売型の商社ビジネス営業利益額44.6億円(2024年11月期)2020年11月期29.6億円から5年で約1.5倍ROE12.1%(2024年11月期実績)前期比で大幅に改善、会社は今後もレベルアップを目指す方針営業キャッシュ・フロー+6.36億円(2024年11月期)運転資本が増加する中でもプラスを確保一株配当130円(2024年11月期)予想は132円(2025年11月期)配当性向25.3%(2024年11月期)2020年14.3%から段階的に上昇株価3,480円(2026年7月8日時点)—PER10.09倍(予想)割高感は薄い水準PBR1.08倍解散価値をわずかに上回る予想配当利回り3.79%優待利回り(0.5〜0.9%)を大きく上回る ラクト・ジャパン(3139)の営業利益率の推移 2.67% 2020/11 2.51% 2021/11 2.02% 2022/11 2.01% 2023/11 2.61% 2024/11 営業利益率(%)の推移。2%前後で推移する薄利型の商社ビジネスですが、営業利益額そのものは5年で約1.5倍に伸びています。出典:IR BANK ラクト・ジャパン 業績 https://irbank.net/3139/kessan 配当は、2020年11月期87円・2021年55円・2022年85円・2023年100円・2024年130円と、年ごとの利益変動で上下しつつも、配当性向を14.3%から25.3%へ段階的に引き上げてきています。 ...

2026年7月9日 · 最終更新: 2026年7月14日 · HIKO

ニチリン(5184)の株主優待はクオカード|100株保有者が必要株数と改悪の有無を解説

この記事は連載「ラスト一押しの株主優待」の第5回です。業績・財務で持ちたいと判断した会社に、優待が「最後のひと押し」として付いてくる——そんな順番で保有している優待銘柄を1記事1銘柄で紹介してきた連載です。 ニチリン(5184)は、自動車やバイクのブレーキホース、住宅用の給水給湯配管などを手がけるゴムホース・配管部品の専門メーカーです。株主優待としてクオカードがもらえる銘柄として知られています。私はこの株を100株保有しています。 この記事の結論 ニチリンの優待は、100株なら継続3年以上でもクオカード3,000円分にとどまり、優待利回りとしては大きくありません。一方で確認した限り優待の改悪・廃止の履歴はなく、自己資本比率68.5%・予想配当利回り4.6%という財務と配当の実績があります。私なら、優待目的ではなく高配当株として今も100株を買う判断をします。クオカードはあくまでおまけです。 なお、この記事にはアフィリエイトリンク(PR)を含みます。また、特定銘柄の売買をすすめるものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。 この記事で分かること ニチリンの優待内容(クオカード・必要株数・継続保有条件) 100株を新規で買うといくら必要か・いつもらえるか ニチリンの優待に改悪はあったか 優待利回りと配当利回り、どちらが大きいか 財務・配当の実績と、今の株価4,130円で新規に買うか ニチリンの株主優待はクオカード|必要株数と金額表 ニチリンの株主優待は、公式IRの株主優待ページで確認すると次のとおりです(出典:ニチリン公式IR「株主優待」 https://www.nichirin.co.jp/ir/ir03 、2026年7月4日確認)。 毎年12月31日現在で、普通株式100株(1単元)以上を1年以上継続保有している株主が対象です。権利確定は年1回・12月末のみで、木徳神糧のような6月末・12月末の年2回基準ではありません。 優待の中身はクオカードで、保有株数と継続保有年数に応じて金額が変わります。公式IRの金額表を整理すると次のとおりです。 所有株式数継続1年未満継続1年以上3年未満継続3年以上100株以上なしクオカード1,000円分クオカード3,000円分1,000株以上なしクオカード2,000円分クオカード4,000円分5,000株以上なしクオカード3,000円分クオカード5,000円分 私が保有している100株の場合、継続1年未満は対象外、1年以上3年未満で1,000円分、3年以上で3,000円分のクオカードがもらえる計算です。発送時期は毎年3月下旬ごろとされています。 継続保有の判定は、毎年6月30日および12月31日を基準日とする株主名簿に、同一株主番号で連続3回以上記載(1年以上3年未満の区分)、連続7回以上記載(3年以上の区分)で決まります。優待の権利確定日は12月末の年1回ですが、継続年数のカウントは6月・12月の年2回の基準日で数える仕組みです。 証券会社の貸株サービスを利用するなどして株主番号が変わった場合や、直近2回の基準日で保有株数が一度でも100株を下回った場合は、継続保有の対象外になります。いったん売って買い直すと、このカウントはリセットされます。 (優待の正確な内容・条件は改定されることがあります。実際に確認・申し込みをする際は、必ずニチリンの公式IR・株主優待ページをご自身でご確認ください。) 100株を新規で買うといくら必要か 2026年7月3日時点の株価4,130円で確認すると、優待の対象になる最低ラインの100株を新規に取得するには、約41万3,000円が必要です(出典:IR BANK ニチリン https://irbank.net/5184 、2026年7月3日確認)。 ニチリンの優待に改悪はあったか 優待株を検討するときに気になるのが「過去に改悪・廃止はなかったか」だと思います。この連載でもKDDIや松風では実際に優待の変更がありました。 ニチリンについて公式IRの株主優待ページ・適時開示情報を確認した限り、優待制度の改悪・廃止・変更を示す開示は見つかりませんでした(確認日:2026年7月4日)。金額表・必要株数・継続保有の判定基準について、開始時期や過去の変更履歴を示す記載も公式ページ上にはありませんでした。 ただし、これは「今後も変わらない」ことを保証するものではありません。優待制度は会社の判断でいつでも見直される可能性があります。最新の状況は、購入・保有を検討する時点で必ず公式IRをご自身で確認してください。 優待利回りより配当利回りのほうが大きい 100株保有・継続3年以上でもらえるクオカード3,000円分を、投資額約41万3,000円に対する利回りとして単純計算すると、約0.73%です。継続1年以上3年未満の段階では約0.24%にとどまります。 一方、2026年7月3日時点の予想配当利回りは**4.6%**です(出典:IR BANK ニチリン https://irbank.net/5184 、2026年7月3日確認)。優待利回り(最大でも約0.73%)と比べて、配当利回りのほうがはるかに大きい数字です。ニチリンの場合、投資リターンの本体は配当であり、クオカードの優待はそこに付いてくるおまけという位置づけだと考えています。 一目評価|私の見方 ここまでの内容を、私の主観で5段階評価にまとめると次のとおりです。あくまで私個人の見方であり、投資を推奨するものではありません。 項目評価根拠総合評価★★★★☆優待は物足りないが、配当・財務・長期保有の実績が高評価優待★★☆☆☆クオカード最大3,000円分(100株・継続3年以上)、優待利回り約0.73%と大きくない配当★★★★★予想配当利回り4.6%、配当性向を26.9%→38.1%へ段階的に引き上げ財務★★★★★自己資本比率68.5%、2009年33.1%から一貫して改善割安度★★★★☆PER9.73倍(予)・PBR0.89倍で解散価値をやや下回る水準長期保有★★★★★優待の改悪履歴なし・営業利益率12〜13%台で安定 財務・配当・株価指標|自己資本比率68.5%、配当利回り4.6% 私がニチリンを持ち続けている根拠は、優待ではなく財務と配当の中身です。数字を1つの表にまとめると次のとおりです(出典:IR BANK ニチリン https://irbank.net/5184 、同/dividend、同/results、いずれも2026年7月3〜4日確認)。 指標数値補足自己資本比率68.5%(2025年12月期)2009年33.1%から一貫して改善営業利益率12.30%(2025年12月期)2023年12月期13.62%がピーク、以降やや低下一株配当176円(2024年12月期)2020年45円から5年で約4倍配当性向38.1%(2024年12月期)2020年26.9%から段階的に上昇株価4,130円(2026年7月3日時点)—PER9.73倍(予想)割高感は薄い水準PBR0.89倍解散価値をやや下回る予想配当利回り4.6%優待利回り(最大約0.73%)を大きく上回る 売上高・営業利益も直近5期で安定して推移しています。 決算期売上高営業利益営業利益率2021年12月期582.6億円68.4億円11.74%2022年12月期641.7億円76.8億円11.97%2023年12月期706.3億円96.2億円13.62%2024年12月期713.6億円91.8億円12.87%2025年12月期736.7億円90.6億円12.30% 出典:IR BANK ニチリン 業績推移( https://irbank.net/5184/results 、2026年7月4日確認) ニチリン(5184)の営業利益率の推移 11.74% 2021/12 11.97% 2022/12 13.62% 2023/12 12.87% 2024/12 12.30% 2025/12 営業利益率(%)の推移。2023年12月期の13.62%をピークにやや低下していますが、安定して2桁台を確保しています。出典:IR BANK ニチリン 業績推移 https://irbank.net/5184/results 配当は、株式分割や特別配当で数字が跳ねているわけではなく、配当額そのものを2020年の45円から2024年の176円まで、5年間で約4倍に積み上げてきています。会社は将来にわたる株主利益の確保と必要な内部留保を行いながら、業績も勘案して安定配当を継続する方針を掲げており、この推移はその方針と整合しています。 ...

2026年7月5日 · 最終更新: 2026年7月14日 · HIKO

家具レンタルは高い?4年以上使って分かったメリット・デメリット【かしてどっとこむ口コミ】

なお、この記事にはアフィリエイトリンク(PR)を含みます。 「家具レンタルって結局高いのでは」「かして!どっとこむの口コミが知りたい」——そう思って検索している方に向けて書きます。 私は2021年から2025年まで、家具レンタルサービス「かして!どっとこむ」(運営: 株式会社サークランド)を利用していました。2024年には都内から現在の川崎市の自宅へ引っ越しましたが、家具を運ぶことなく契約を継続できました。実際に支払った引っ越し不要サービスの料金は33,000円(税込)でした。その後、結婚を機に大きな家具・家電を長く使う見通しが立ったことから、2025年に主要な品目のレンタルを終了し、購入に切り替えています。 この記事では、良い面だけでなく「レンタルは思ったより高くつくのか」「新品を買うのとどちらが得なのか」まで、実際にかかった金額と、最終的にレンタルをやめた理由を含めて正直にまとめます。 結論から言うと、約4年間利用した結果、「数年以内に引っ越す可能性がある時期はレンタル、長く住む見通しが立ったら購入」が私にとって最も合理的な使い分けでした。 家具レンタルとは何か(引っ越し不要サービスの仕組み) まず前提として、家具レンタルの基本的な仕組みと、今回体験した「引っ越し不要サービス」がどういうものかを整理します。 家具・家電を購入せず、月額や期間契約で「借りる」サービス 契約満了時は返却・買取・再レンタル継続などを選べる 「引っ越し不要サービス」は、家具そのものを運ぶわけではなく、旧居でレンタル品をいったん回収し、新居ではメンテナンス済みの同等の中古品に差し替えて再配送してもらう仕組み レンタル契約自体は解約されず、契約満了日もそのまま引き継がれる つまり「引っ越しのたびに配送業者を手配して同じ現物を運ぶ」のではなく、「新居に別の在庫品が届く代わりに、契約と満了日はリセットされない」というのがこのサービスの正体です。この仕組みを理解しておくと、料金体系や後述のデメリットも納得しやすくなります。 実際にレンタルしていた家具・家電 2024年7月に引っ越しをした際、レンタル中だったのは以下の品目でした。 冷蔵庫(140L・2ドア) ドラム式洗濯乾燥機(7kg・左開き) オーブンレンジ ダブルベッド(寝具なし) ダイニング3点セット(テーブル1台+イス2脚) 生活に必要な家電・家具がひととおり揃っている状態でした。 家具レンタルのデメリット(正直に書きます) まず検索意図として多いであろう「デメリット」「高い」という不安に先に答えます。 無料ではない: 後述の通り、引っ越し時の差し替えには実費(私の場合33,000円)がかかりました 現物への愛着は持ちにくい: 借り物である以上、購入した家具のような「自分だけの一台」という満足感は薄いです 長期利用ではトータルで割高になりうる: 月額料金が続くため、同じ品を何年も使い続ける前提なら、途中から購入より支払総額が上回る可能性があります 在庫・機種を選べない場合がある: 差し替え時は同等品への交換になるため、同一メーカー・同一型番にこだわりたい人には向きません こうしたデメリットを踏まえた上で、それでも私が2021年から4年ほど利用していた理由を次で説明します。 家具レンタルを利用していた理由 賃貸暮らしをしていると、数年後にまた引っ越しをする可能性は十分にあります。そのたびに家具を買い直したり、逆に大きな家具を手放したりするのは負担が大きいと感じていました。 かといって、何も置かずに生活するわけにもいきません。冷蔵庫や洗濯機のような生活必需品は、購入するとまとまった初期費用がかかります。 そこで「必要な期間だけ借りて、不要になったら返す」というかして!どっとこむの仕組みに興味を持ち、2021年から利用を始めました。 その後、結婚をきっかけに、これから先も長期間同じ家具・家電を使い続ける見通しが立ったことから、レンタルではなく購入に切り替える判断をしました。冷蔵庫・ドラム式洗濯乾燥機・オーブンレンジ・ダブルベッド・ダイニング3点セットの回収を申込み、2025年8月に回収が完了しています。「借りて済ませる」段階から「長く使うものは持つ」段階へライフステージが変わったタイミングだったと感じています。 レンタルと購入、結局どちらが得なのか【比較表】 家具レンタルを検討する上でいちばん気になるのが「新品を買うのと比べてどちらが得か」だと思います。ここでは一般的な傾向として整理します。 比較項目家具レンタル新品購入初期費用の負担◎ 小さい(月額課金が中心)△ まとまった支出が一度に発生引っ越し時の手間◎ 差し替え対応あり(実費は発生)△ 運搬・処分・買い直しの手間とコスト長期利用時の総コスト△ 使うほど支払総額がかさむ◎ 一定期間を超えると割安になりやすい家具の好み・こだわり△ 同等品への交換が前提◎ 自分で選んだものを使い続けられる 私が今回の引っ越しでかかった実費は「引っ越し不要サービス」利用料の33,000円(税込)でした。一方、レンタルしていた構成に近い商品を価格比較サイトで実際に調べたところ、次のような価格帯が確認できました(下表の金額は新品購入時の価格であり、上記の引っ越し不要サービス代とは別のものです)。 品目実売価格帯の目安冷蔵庫(140L・2ドア相当)小型モデルで33,000円前後〜ドラム式洗濯乾燥機(7〜8kg相当)133,000円〜235,000円程度オーブンレンジ16,800円〜105,000円程度(機能差が大きい)ダイニング3点セット(テーブル+イス2脚)29,000円〜40,000円程度ダブルベッドフレーム(マットレス別)14,000円〜35,000円程度(フレーム単体) 今回私がレンタルしていた構成を新品でそろえると、各品目の安価なモデルを組み合わせた場合で合計約22万円台、機能重視の高めのモデルを選ぶと45万円近くになる計算でした(各品目とも価格帯には幅があり、実際の合計額は選ぶグレードによって変わります。価格.com等の価格比較サイトで2026年7月時点に調査した実売価格の目安であり、店舗・時期によって変動します)。 引っ越しの都度、初期費用として20万円規模の出費をするのか、月額料金を払い続けながら差し替え実費だけで済ませるのかは、今後の居住予定によって損益分岐点が変わってきます。 FPとして数字を整理すると FPとして考えると、家具レンタルと購入の損益分岐点は、月額料金や購入する家具の価格、使用年数によって変わるため、一律に「何年ならこちら」と言い切れるものではありません。私自身は、今後数年以内に住まいが変わる可能性がある時期はレンタル、長く住む見通しが立ったタイミングで購入へ切り替える、という判断をしました。月額料金と契約期間、購入した場合の想定使用年数を掛け算して比較すれば、自分にとっての損益分岐点はおおよそ見えてきます。 引っ越しをまたいでレンタルを使い続けた体験 2024年7月30日から8月11日にかけて、都内から現在の川崎市内の自宅へ引っ越しをしました。 このとき利用したのが「引っ越し不要サービス」です。旧居でレンタル中の家具・家電をいったん回収してもらい、新居ではメンテナンス済みの中古品に差し替えて再配送してもらえる仕組みでした。 利用してみて一番助かったのは、レンタル期間や満了日がそのまま引き継がれる点です。私の場合、当時の満了日は2025年8月29日でしたが、引っ越し後もその日付のまま契約が継続しました。契約をいったん解約して新居で結び直す、といった手間は一切ありませんでした。 家具を購入していた場合、引っ越しのたびに「運ぶかどうか」「新居のサイズに合うか」を考える必要があります。処分するなら処分費用もかかりますし、新居用に買い直せば当然また出費が発生します。レンタルであれば、こうした判断や手間からある程度解放されると実感しました。 引っ越し不要サービスにかかった費用 メリットだけでなく、実際にかかった費用も正直に書きます。 引っ越し不要サービスの利用料は33,000円(税込)でした。この料金は地域等に関わらず一律で、支払いは新居への再配送時に現金のみ(クレジットカード不可)という条件でした。 この33,000円とは別に、配送・回収の時間帯によって追加料金がかかる点も見落とせません。私が確認した時間指定料は次の通りでした。 フリー便(9:00〜18:00): 0円 AM・PM指定(9:00〜13:00/12:00〜18:00): 3,300円 2時間枠指定(9:00〜11:00など8区分): 5,500円 節約のポイント:フリー便なら追加料金0円 私は納品・回収とも時間を指定せず、フリー便を選んで追加料金を発生させませんでした。仮に納品・回収の両方で2時間枠を指定していたら、11,000円がさらに上乗せされていた計算です。日中に在宅できる方であれば、フリー便を選ぶだけで実費を抑えられます。 ...

2026年7月4日 · 最終更新: 2026年7月10日 · HIKO

ライフプランシミュレーションの作り方|95歳まで試算する30代夫婦の実例

「ライフプランシミュレーション エクセル」「ライフプラン 表 自作」で検索してこのページに来た方も多いと思います。テンプレートは検索すれば見つかります。ただ「結局何を入力すればいいのか」で止まってしまう人が多い印象です。 平成時代を生きた30代、川崎市在住・夫婦二人暮らし(子どもなし)のHIKOです。投資歴11年・FP2級。2026年6月に自作のライフプランシミュレーションを作り、95歳まで57年分の家計を複数シナリオで試算しました。この記事では、そのときに実際に組んだシート構成と、作成の5ステップを具体例つきで紹介します。 なお、本記事はマネーフォワード MEのようなツールで日々の家計を可視化した「その次」の段階を想定しています。まだ家計簿アプリで支出を把握していない方は、先にそちらから始めることをおすすめします。 ※本記事にはアフィリエイトリンクを含みます。 なぜ家計簿の次にライフプランシミュレーションが必要なのか 家計簿アプリは「今月いくら使ったか」を教えてくれます。しかし「このペースで貯めて、老後まで資産は持つのか」「住宅を買うべきか、賃貸を続けるべきか」「早期リタイアは現実的か」といった問いには答えてくれません。 これらに答えるには、単年ではなく数十年単位で家計を先に延ばして試算する必要があります。私がライフプランシミュレーションを作ったきっかけも、家計を可視化しただけでは「このままで大丈夫なのか」という不安が消えなかったからです。 ライフプランシミュレーションでできることは、大きく3つあります。 収入・支出・資産の推移を長期で可視化する 「賃貸 vs 住宅購入」「早期リタイアするなら何歳か」のような複数シナリオを比較する 前提条件(昇給率・利回り・支出)を変えたときの感度を確認する マネーフォワード MEで家計を自動で可視化する 銀行・証券口座・クレジットカードを連携するだけで、資産推移が自動でグラフ化されます。ライフプランシミュレーションの土台となる支出データもここから拾えます。 マネーフォワード MEを無料で試す → ※アクセストレード経由のアフィリエイトリンクです。 ライフプランシミュレーションに必要な項目 作り込む前に、最低限そろえておきたい項目を整理します。 項目内容例前提条件現在の年齢、退職想定年齢、想定寿命(何歳まで試算するか)収入現在の手取り年収、昇給率の想定、退職金・年金の見込み支出生活費、住居費、教育費(子どもがいる場合)、大型出費の予定ライフイベント住宅購入、車の買い替え、子どもの進学、早期リタイアなど資産・運用現在の資産額、NISA・企業型DCなどの積立額、想定利回り ポイントは、収入や支出を1本の数字で固定せず、「昇給率が低かった場合」「利回りが想定より低かった場合」のように複数パターンで置けるようにしておくことです。前提条件をシートの先頭にまとめておくと、後から一括で変更できて楽になります。 ライフプランシミュレーションの作り方【5ステップ】 ここからは、私が実際に組んだ手順を、例として「30代夫婦」のモデルケースに当てはめながら説明します。以下のケースはあくまで説明用の例示であり、私自身の実額ではありません。 例)30代夫婦(夫35歳・妻33歳)、子どもなし、賃貸暮らし 65歳を退職想定年齢、95歳を試算の終点に設定 30年後に住宅購入を検討するかどうかで悩んでいる 早期リタイア(FIRE)にも興味があるが、何歳なら現実的か分からない このようなケースを想定しながら、シートを組んでいきます。全体の流れを図にすると、次のような構成になります。 順番ステップ1前提条件2ベースシナリオ(現状維持)3ライフイベント別シナリオ(住宅購入/子ども1人/子ども2人/早期リタイア/逆算DieWithZero)4感度分析(年金/昇給/育休)5定期更新 ステップ1:前提条件シートを作る 最初に「前提条件」だけをまとめた1枚のシートを作ります。現在の年齢、退職想定年齢、試算の終点、想定利回り(保守1%・標準3%のように複数パターン)、昇給率などです。 私は試算の終点を95歳に設定しました。平均寿命(男性約81歳・女性約87歳)まででは老後資金を過小評価する可能性がある一方、FPが作成するライフプランでも95歳前後まで試算するケースは多く、長寿リスクを考慮すると現実的な終点だと考えたためです。 この前提条件シートの数字を、他のすべてのシートから参照する形にしておくと、前提が変わったときにここだけ直せば全体に反映されます。私の場合、作成後20日間で少なくとも10回以上、前提条件を見直して更新しました。月1回のような定期更新ではなく、「ニュースで金利や物価の話を見た」「昇給額が確定した」など、前提が変わるたびに触るイベントドリブンの運用です。 なお、家計の土台となる支出データは、マネーフォワード MEで日々自動集計されたものを使うと、シミュレーション側の入力の手間がかなり減ります。 ステップ2:ベースシナリオ(現状維持)を作る 次に、今の生活を続けた場合の家計推移を、年次で試算します。私は「ベース_賃貸」というシートを作り、95歳までの57年分を1行ずつ、収入・支出・資産残高が並ぶ形で組みました。 このベースシナリオが、後で他のシナリオと比較するときの基準になります。ここを丁寧に作っておくほど、以降の比較が楽になります。 こうした年次の合計や条件分岐には、一般的にSUM関数(合計を出す)やIF関数(条件によって数値を切り替える)を使うことが多いです。前提条件シートの数字を各年の行に参照させ、その上で収入・支出・資産残高を積み上げていくイメージです。 ステップ3:ライフイベント別のシナリオシートを増やす ベースシナリオができたら、検討したいライフイベントごとにシートを複製して分岐させていきます。私が実際に作ったシートは次のようなものです。 住宅購入(賃貸継続との比較用) 子ども1人・子ども2人(それぞれ教育費を反映したケース) 早期リタイア 逆算DieWithZero(95歳時点の目標資産から逆算して、いつまで働けばよいかを計算するシート) 例えば「住宅購入」を検討する場合、「ベース_賃貸」シートと「住宅購入」シートを、95歳までの57年間、実質利回り1%(保守)と3%(標準)の2パターンで並べて比較します。私の場合はこの比較の結果、賃貸を継続する判断をし、現在も賃貸に住んでいます。実際に試算してみると、住宅購入シナリオは賃貸継続シナリオより、95歳時点の資産残高が少ない結果になりました。金額差を確認できたことで、感覚ではなく数字をもとに判断できたことが、このシートを作った一番の収穫でした。 早期リタイアを検討したい場合は、資産の使い方(今の支出水準を維持する/老後の支出水準まで切り詰める/サイドFIREとして一部収入を残す)と利回り(保守1%・標準3%)を掛け合わせたマトリクスで比較すると、「何歳ならリタイアできそうか」が具体的に見えてきます。私は「逆算DieWithZero」というシートも別に用意し、95歳時点で目標の残高になるよう逆算して、賃貸シナリオと子ども2人シナリオの2ケースで最短のリタイア可能年齢を比較しました。 ステップ4:感度分析シートで前提のブレを確認する シナリオが一通りできたら、前提条件を意図的に動かして結果がどう変わるかを確認します。私は「年金感度」「昇給感度」「育休感度」という3つのシートを用意し、それぞれの前提を上下に振ったときに、最終的な資産残高がどう変化するかを確認しました。 例えば昇給率を1%下げて試算すると、95歳時点の資産残高が減る結果になりました。年金の受給額が想定より少なかった場合の感度も合わせて確認しておくと、「最悪のケースでも詰まないか」を事前にチェックできます。長期の複利計算では、こうした将来値の見積もりにFV関数(将来価値を計算する関数)が使われることも一般的です。 ステップ5:定期的に前提を更新し、シナリオを追い足す ライフプランシミュレーションは一度作って終わりではなく、状況が変わるたびに更新していくものです。私は最終的に「専業主婦逆算」「副業逆算」といったシートも追加し、全部で12シートの構成になりました。すべて2026年6月に作り始めたばかりで、まだ運用歴としては数週間ですが、短期間で何度も改訂を重ねたことで、自分たちの家計の「効きどころ」がかなりクリアになりました。 ライフプランシミュレーションを作るときの注意点 利回りは複数パターンで試算する:1つの利回りだけで試算すると、相場が想定を外れたときに計画が根本から崩れます。保守的な数字と標準的な数字の両方で試すことをおすすめします 将来の数字は「予測」ではなく「仮置き」と捉える:ライフプランシミュレーションは未来を正確に当てるものではなく、前提が変わったときにどう資産が動くかを確認するための道具です。数字を鵜呑みにせず、定期的に前提を見直す運用が前提になります 投資判断は自己責任で行う:本記事で紹介した利回り前提やシナリオ比較は、あくまで私個人の試算例です。実際の投資判断や住宅購入の意思決定は、ご自身の状況を踏まえて自己責任で行ってください まとめ ライフプランシミュレーションは、家計簿アプリで「今」を可視化した次に、「この先数十年」を可視化するための道具です。私は前提条件シート・ベースシナリオ・ライフイベント別シナリオ・感度分析シートという流れで、95歳までの57年分を複数パターンで試算しました。 最初から12シートを目指す必要はありません。まずは前提条件とベースシナリオの2つだけで十分です。住宅購入もFIREも、必要になったタイミングでシートを追加すればよいので、「完璧な状態で始める」より「小さく始めて更新し続ける」ことのほうが、結果的に長続きします。 今日やること 手元の家計簿アプリ(なければマネーフォワード MEなど)で、直近3ヶ月の平均支出を確認する 「何歳まで試算するか」「退職想定年齢は何歳か」の2つだけ、まず自分の前提条件として決める スプレッドシートを1枚開き、年齢・収入・支出・資産残高の4列だけのベースシナリオを作ってみる あわせて読みたい 2026年4月末の資産配分(アセットアロケーション)と保有商品、今後の投資方針 企業型DCの含み益と今後の運用方針 NISAで投資を始める30代のための基礎知識

2026年7月1日 · 最終更新: 2026年7月8日 · HIKO

バンカーズを退会できなかった話|11年・389万円運用して分かった投資の出口問題

投資歴11年のHIKOです。最初はクラウドクレジットで始め、現在はバンカーズで管理している融資型クラウドファンディングを退会しようとしたところ、その場では手続きできませんでした。その実体験を紹介します。 「もうこのサービスは使わないから退会しよう」。そう思って手続きを進めたら、その場では退会できませんでした。 なお、バンカーズでは口座を閉じる手続きを「退会」と呼びます。本記事では検索されやすい「解約」とも表記しますが、どちらも同じアカウントを閉じる手続きを指しています。 結論|取引があった年は退会できない 先に、この記事でいちばん伝えたいことを置いておきます。 結論:バンカーズは、預託金残高ゼロ・未償還ファンドなしでも、その年に分配や償還などの取引がある場合は退会できません。私の場合、預託金も未償還ファンドも残っていませんでしたが、その年に償還があったため退会できず、手続きできるのは取引のない翌年以降でした。「自分も残高ゼロなのになぜ退会できないの?」という疑問の答えは、この3つ目の条件にあります。 最初はクラウドクレジットで始めた融資型クラウドファンディングを長年続け、元本は累計389万円。私の集計では最終的な利益は税引後で18,304円でした。 投資を始めるときの口座開設の話はよく見かけますが、やめるときの段取りはあまり語られません。だからこそ、私が実際にバンカーズの退会でつまずいた体験を、事実ベースで残しておきます。退会条件の細部や、最終的な損益の中身は、このあと順番に見ていきます。 ※この記事は、私個人が利用した範囲での体験談です。退会条件はサービス側の運用や規約改定で変わる可能性があるため、実際に手続きする際は必ずバンカーズ公式の最新情報をご確認ください。投資判断・退会判断は自己責任でお願いします。 バンカーズの解約ができない|取引があった年は退会できなかった まず、私が実際につまずいた退会手続きの話からです。 新規の申し込みを止めても、すでに出資しているファンドは満期まで残ります。私の場合、ほとんどのファンドは償還が終わっていたので、「もう退会してアカウントを整理しよう」と考えました。 ところが、退会の手続きを進めようとしたところ、その場では手続きを完了できませんでした。マイページの「退会のお手続きを進める前に」という画面で止まったのです。 この画面には、退会の前提として3つの条件が示されていました。画面の説明文は「退会のお手続きにはお客様保護の観点から一定の条件を設けております。以下の項目がすべてOKの状態であれば、退会のお手続きに進むことができます」というものです。実際に表示された3条件と、私のときの状態は次のとおりでした。 退会の条件私のときの状態預託金残高が0円OK未償還のファンドがないOK本年中に取引をしていないNG 最初の2つはクリアしていました。預託金は出金済みで残高ゼロ、未償還のファンドも残っていません。引っかかったのは3つ目の「本年中に取引をしていない」で、画面には「お取り引きがあった年の退会はできません」と表示されていました。私はその年のうちに分配や償還を受け取っていたため、この条件を満たせず、退会の手続きには進めませんでした。 つまり、バンカーズの退会には「預託金残高ゼロ・未償還ファンドなし・本年中に取引なし」の3条件がすべて満たされている必要があり、私は最後のひとつでその年は退会できなかった、というわけです。 私のケースで確認できた「取引」と、一般的に考えられる範囲 私が画面で確認できたのは「本年中に取引をしていない」という条件文言だけで、行為ごとの細かい判定までは表示されていませんでした。そのうえで、一般的な考え方として整理すると次のようになります。 行為の例「取引」に含まれるか(一般的な考え方)ファンドの購入(出資)含まれると考えられる分配金の受け取り含まれると考えられる償還金の受け取り含まれると考えられるログイン・残高照会取引ではないと考えられる預託金の出金扱いは要確認 ※どの行為が「取引」に該当するかの正確な判定は、バンカーズ公式・問い合わせ窓口でご確認ください。上記はあくまで一般的な考え方を整理したもので、私が画面で確認できたのは「本年中に取引をしていない」という条件文言のみです。 なぜ取引があった年は退会できないのか。理由については、私が確認できた範囲では「お客様保護の観点から一定の条件を設けている」という説明のみでした。税務書類の発行や取引履歴の管理といった事情がある可能性はありますが、正確な理由はバンカーズへの確認が必要です。気になる方は問い合わせ窓口(マイページの問い合わせフォーム、または専用ダイヤル)で確認するのが確実です。 退会条件の細かい内容は、サービス側の運用や規約改定で変わる可能性があります。実際に手続きする際は、ご自身でバンカーズ公式の最新の案内をご確認ください。私が体験したのは「やめたいと思ったそのタイミングでは、すぐには退会できなかった」という事実と、その理由が画面上で3条件として明示されていた、ということです。 最初はクラウドクレジットで始めた|389万円運用して税引後+18,304円 なぜ私が「もう退会しよう」と思ったのか。それを説明するために、ここまでの経緯と成績を正直に出しておきます。 私がこの手のサービスを使い始めたのは、最初はクラウドクレジットというサービスでした。投資歴11年(2015年スタート)のなかで、株式とは別にコツコツ続けてきたのがこの融資型クラウドファンディングです。新興国の事業者への融資など、聞き慣れない国の名前が並ぶファンドに、1本あたり1万〜2万円ずつ、気づけば300本超、最終的に316本に分散していました。その後サービスが統合され、現在はバンカーズの口座でこれらの履歴が管理されています。 少額でいろんな国に投資できるのは面白く、最初は「銀行預金よりはマシな利回りで回るのでは」という軽い気持ちで始めました。バンカーズ自体は、事業者にお金を貸し付けるファンドに出資し、その利息を分配として受け取る「融資型クラウドファンディング」のサービスです。1万円程度の少額から申し込めて、申し込んだあとは満期(償還)まで基本的にほったらかし、というのが特徴でした。 2026年5月時点で、マイページからダウンロードした入出金データを自分で集計した結果は次のとおりです。 項目金額投資元本(累計316本)3,890,000円税引前の損益+122,653円源泉徴収された税金約104,349円税引後の損益+18,304円 元本389万円を長年回して、手元に残った利益は税引後で約1万8千円。これは私自身が集計した実額です。途中で何度も資金を追加しながら回していたので単純な年率では言い切れませんが、私の入出金ベースで見ると、最終的な実感リターンは非常に低い結果になった、というのが正直な感想です。表面上の利回りは魅力的に見えても、税金と元本割れの分を差し引くと、最終的にはこの程度だった、というのが私の結論です。 通貨別の損益(私の集計・円換算) 96182円 タンザニア 42583円 メキシコ -48583円 円建て -21366円 ロシア 私のマイページ入出金データを2026年5月に自分で集計した実額。少額分散した新興国通貨建てはプラス、資金を集中させた円建てとロシアルーブル建てが全体の足を引っ張った。過去の実績であり、将来の成果を保証するものではありません。 通貨ごとに見ると、少額ずつ分散したタンザニアシリング建てやメキシコペソ建てはプラスで終えられました。一方で、資金の6割以上を集中させてしまった円建てファンドはマイナス。ロシアルーブル建ては為替の急落と回収の難しさが重なり、私の集計では2割近いマイナスでした。 同じ日にまとめて7本が満期を迎えたときには、その7本すべてが元本割れで返ってきて、合計で4万4千円ほどの損失が確定したこともありました。「分散しているから大丈夫」と思っていたものが、同時に揃って沈むこともある、と実感した出来事です。 こうした結果を見て、私は「自分にはこの商品は合わない」と判断し、新規の申し込みをやめ、最終的に退会することにしました。これはあくまで私個人の判断で、この商品が良い・悪いという話ではありません。少額分散で淡々と回せる人には向いている面もあると思います。私が続けてきた融資型クラウドファンディングの損益全体については、ソーシャルレンディングの実績と損失を11年分まとめた記事で全316本の数字を公開しています。 投資は「入口」より「出口」の段取りを先に調べておく 今回いちばん学んだのは、投資を始める前に「やめるときどうなるか」を調べておくことの大切さです。 新規の口座開設や、いくらから始められるかという入口の情報は、どのサービスでもたくさん用意されています。一方で、「途中でやめたくなったらすぐに資金を引き上げられるのか」「アカウントの退会はいつでもできるのか」といった出口の情報は、自分から探しにいかないと出てきません。 融資型クラウドファンディングの場合、出資したお金は満期(償還)まで原則として引き出せません。途中解約ができない設計のものが多く、満期が数年先のファンドに申し込めば、その間は資金が拘束されます。さらに私のケースのように、退会というアカウント自体の整理にも、タイミングの制約があることがあります。 私が次に同じような商品を検討するなら、最低でも次の3点は申し込み前に確認します。 確認したい項目なぜ大事か満期前に途中解約できるかできない場合、満期まで資金が拘束される退会(アカウント解約)の条件バンカーズの場合「預託金ゼロ・未償還なし・本年中の取引なし」の3条件があり、取引があった年は退会できない税金と手数料を引いた後の実質利回り表面の利回りと手取りは大きく違うことがある 特に3つ目は、私自身が元本389万円・税引後+18,304円という実績で痛感した点です。表面の利回りが高く見えても、源泉徴収や元本割れを引いた後に手元に残るお金で考えないと、実態を見誤ります。 バンカーズの解約・退会に関するよくある質問 私が体験した範囲で、退会まわりのよくある疑問に答えておきます。日数や細かい運用はサービス側で変わり得るため、確実なところは公式・問い合わせ窓口でご確認ください。 バンカーズは途中解約できますか? 私が出資していたファンドは、満期(償還)前に途中解約して資金を引き出す仕組みではありませんでした。融資型クラウドファンディングは、満期まで資金が拘束される設計のものが多く、満期が数年先のファンドに申し込めば、その間は引き出せないと考えておくのが安全です。最新の取り扱いは公式の各ファンド説明で確認してください。 なぜバンカーズは退会できないのですか? 正確には「退会できない」のではなく、「本年中に取引があった年は、その年内は退会手続きに進めない」という条件があります。私の場合、その年に分配や償還を受け取っていたため、3条件のうち「本年中に取引なし」を満たせず、退会できるのは取引のない翌年以降でした。理由については画面上で「お客様保護の観点から」という説明があったのみで、詳しい理由はバンカーズへの確認が必要です。 退会前にやっておくことは? 私が経験した3条件をふまえると、退会前にやっておきたいのは次の3つです。1つ目は、預託金(口座に残っているお金)を出金して残高をゼロにすること。2つ目は、未償還のファンドが残っていないかを確認すること。3つ目は、その年に分配や償還などの取引があると退会できないため、取引のない翌年以降にあらためて手続きすること。あわせて、年間取引報告書など税務に使う書類のダウンロードも済ませておくと安心です。 ...

2026年6月29日 · 最終更新: 2026年7月12日 · HIKO

木徳神糧(2700)の株主優待はお米5kg|優待目的だけでは買わない500株保有者の本音

この記事は連載「ラスト一押しの株主優待」の第4回です。業績・財務で持ちたいと判断した会社に、優待が「最後のひと押し」として付いてくる——そんな順番で保有している優待銘柄を1記事1銘柄で紹介してきた連載で、第1回はコナカと巴工業の比較、第2回はKDDIの優待変更、第3回は松風の優待変更でした。 木徳神糧(2700)の株主優待は、お米がもらえる銘柄として個人投資家に知られています。生活に直結するお米が現物で届く優待は、優待初心者にも分かりやすく人気があります。 この記事の結論 木徳神糧は、優待目的だけで買うならおすすめしない銘柄だと考えています。お米5kgの優待利回りは投資額に対して約0.3%にとどまり、財務も薄利のコメ卸という事業特性も、優待だけで持つには心もとないからです。一方で、お米の優待を楽しみながらコメ関連企業を長期で保有したい人にとっては、検討の余地がある銘柄という位置づけです。私自身が500株を保有している立場で、なぜそう考えるのかを一次情報で整理します。 なお、この記事にはアフィリエイトリンク(PR)を含みます。また、特定銘柄の売買をすすめるものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。 この記事で分かること 木徳神糧の優待内容(お米5kg・年2回基準と必要株数) 500株を新規で買うといくら必要か 過去に優待の改悪・廃止はあったか(一次情報で確認) お米の優待利回りと、薄利のコメ卸という事業・財務の中身 私が今も500株を保有している理由と、売る条件 今の株価1,790円で新規に買うかどうか 私は木徳神糧を500株保有しています。お米の優待が届くのは素直にうれしいのですが、私がこの株を持っている根拠は優待そのものではなく、コメ卸という事業の位置づけと、買った水準に対して株価が上がってきた結果です。この連載で取り上げてきた松風や巴工業のような「自己資本比率80%超の財務優良株」とは、まったくタイプの違う銘柄です。 木徳神糧は、年間でお茶碗およそ44億杯分のお米を扱う、国内大手のコメ卸売会社です(出典:木徳神糧 公式サイト https://www.kitoku-shinryo.co.jp/ 、2026年6月26日確認)。そのお米そのものが株主優待としてもらえるため、優待目当てで保有する個人投資家も多い銘柄です。まずは制度の中身を会社の一次情報で正確に整理していきます。 木徳神糧の株主優待はお米5kg|必要株数と権利確定月 木徳神糧の株主優待は、6月末と12月末の年2回に権利が確定します。基準日ごとに必要株数と内容が違うので、ここが少しややこしい部分です。木徳神糧の公式IR(株主優待ページ)で確認した内容を整理すると、次のとおりです。 12月末基準(500株以上) 保有株数・条件優待内容500株以上・継続保有3年未満5kg相当の米穀製品等500株以上・継続保有3年以上10kg相当の米穀製品等 12月末基準は 500株以上 が条件です。継続保有が3年以上になると、お米が5kgから10kgへ倍になります。発送は翌年3月頃です。 6月末基準(1,000株以上) 保有株数優待内容1,000株以上2,000株未満2,000円相当の米穀製品等2,000株以上4,000円相当の米穀製品等(うち2,000円相当は切り餅750g×2袋) 6月末基準は 1,000株以上 からが条件です。米穀製品の発送は10月頃、切り餅は12月中旬とされています。いずれの基準でも、米穀製品の受け取りに代えて社会貢献活動への寄付を選ぶこともできます。なお、後述する2025年12月の表記見直し(金額→容量表記)の対象は12月末基準のお米部分に限られるため、6月末基準は公式開示でも金額表記のまま案内されています。 500株で受け取れるのは12月末の年1回ぶん 500株を保有していると、対象になるのは**12月末基準のお米5kg(継続3年以上になれば10kg)**です。一方、6月末基準は1,000株以上が条件なので、500株では対象外です。 「木徳神糧はお米がもらえる」とだけ覚えていると500株で年2回もらえる気がしてしまいますが、500株で受け取れるのは12月末基準の年1回ぶんだけで、年2回(6月・12月)の優待を狙うなら1,000株以上が必要です。 私(500株保有)の場合はどうなるか ここまでの「12月末は500株、6月末は1,000株」という必要株数は、2025年7月の株式分割を経た分割後の基準です(分割の経緯は次章で時系列にまとめます)。私はこの分割の前から保有しているので、自分の体験に引きつけて整理しておきます。 私は2024年12月5日に分割前の100株を取得し、現在は分割後の500株を持っています。したがって12月末基準のお米5kg(継続3年以上になれば10kg)が対象で、6月末基準(1,000株以上)は対象外です。買い付けた2024年12月時点は分割前で12月末基準の必要株数は100株でしたから、私は2024年12月31日の基準日で優待の対象になり、初めての優待をすでに受け取っています(当時の優待は容量表記ではなく「2,000円相当の米穀製品等」という金額表記でした)。 なお、優待品の「お米◯kg」という容量表記は、2025年12月に表記方法が見直されたものです。もともと「2,000円相当」「4,000円相当」と金額で表記していましたが、米価が大きく変動して金額表記が実態に合いにくくなったため、容量表記に改められました(出典:木徳神糧 公式IR「株主優待制度の表記方法の見直しに関するお知らせ」2025年12月19日)。中身は従来どおりで表記だけの変更です。 私が保有を始めてからまだ継続保有3年以上の判定(連続7回)には届いていないため、いま受け取れるのは基準ランクのお米5kg相当で、10kgに増えるのはもう少し先です。継続保有3年以上の条件は、公式では「6月末日と12月末日の株主名簿において、変更後の保有株式数で換算して500株(5単元)以上の保有が同一株主番号で連続して7回以上記載または記録されていること」と定義されています。年2回の基準日で連続7回ですから、おおむね3年以上の継続保有が条件です。いったん売って買い直すと株主番号が変わり、このカウントはリセットされます。これは巴工業の「継続1年以上」と同じ考え方で、長期保有優待では一般的な条件です。 このカウントは株式分割をまたいでも途切れません。公式の条件文に「変更後の保有株式数で換算して500株(5単元)」とわざわざ書かれているのはそのためで、分割前から保有していた株主の連続保有期間は分割後もそのまま引き継がれます。私は分割前の2024年12月から保有しているので、このカウントは分割をまたいで進行しています。 (優待の正確な内容・条件・対象品目は改定されることがあります。実際に確認・申し込みをする際は、必ず木徳神糧の公式IR・株主優待ページと、当該の告知文をご自身でご確認ください。出典:木徳神糧 公式IR「株主優待制度の一部変更に関するお知らせ」2025年5月8日/「株主優待制度の表記方法の見直しに関するお知らせ」2025年12月19日、および公式IR 株主優待 https://www.kitoku-shinryo.co.jp/ja/ir/stock/dividend2.html 、2026年6月26日確認。) 木徳神糧の株主優待の変更履歴|廃止・改悪ではなく「拡充寄り」の変遷 この連載のテーマは「優待は変わる、だから優待だけで買ってはいけない」でした。KDDIも松風も過去に優待を変更しています。では木徳神糧はどうか。優待目的で入る人が気にする「過去に改悪・廃止があったか」を、公式IRの適時開示で一件ずつ確認しました。 結論を先に書くと、木徳神糧の優待は、廃止や大幅改悪ではなく、単元株式数の変更・株式分割・長期保有優遇の追加という、どちらかといえば拡充寄りの変遷をたどってきました。主なコーポレートアクションを時系列で並べると次のとおりです。 時期できごと内容(一次情報で確認)2018年7月1日株式併合+単元変更5株を1株に併合し、単元株式数を1,000株から100株に変更。あわせて優待基準を見直し、100株から優待がもらえる形に2024年12月31日基準〜優待内容見直し+長期保有優遇導入12月末基準で、それまでの「株数で金額が変わる方式」から「100株以上・継続3年で増える長期優遇方式」へ。3年未満2,000円相当/3年以上4,000円相当2025年7月1日1対5の株式分割1株を5株に分割。これに伴い優待の必要株数も5倍に調整(12月末は100株→500株など)。会社は「分割比率に基づく調整で実質的な変更はない」と明記2025年12月31日基準〜表記方法の見直し12月末基準のお米の優待を「2,000円相当・4,000円相当」という金額表記から「5kg相当・10kg相当」という容量表記へ。中身は同じで表記だけ変更 出典:木徳神糧 公式IR適時開示「単元株式数の変更、株式併合および定款一部変更に関するお知らせ」2018年2月16日/「株主優待制度の変更(優待内容見直し及び長期保有優遇)に関するお知らせ」2024年10月24日/「株式分割及び株式分割に伴う定款の一部変更、配当予想の修正並びに株主優待制度の一部変更に関するお知らせ」2025年5月8日/「株主優待制度の表記方法の見直しに関するお知らせ」2025年12月19日(いずれも公式IRニュース https://www.kitoku-shinryo.co.jp/ja/ir/news.html 、2026年6月27日確認)。 この4つを通して見ると、木徳神糧は優待を「縮小」してきたのではなく、長く持つ株主を厚く扱う方向に組み替えてきたことが分かります。2018年に1,000株必要だった優待を100株から取れるよう間口を広げ、2024年に3年以上保有で金額が倍になる長期優遇を入れ、2025年の分割は買いやすくする狙いでした。 ただし、優待を取る側から見て見落としやすい点が一つあります。2025年の分割で、12月末基準の必要株数が100株から500株に上がったことです。分割前から100株を持っていた人は自動的に500株になるので不利益はありませんが、分割後にこの株を新しく買う人は、12月末のお米をもらうために500株が必要になります。2026年6月26日時点の株価1,790円なら約89万5,000円です。「昔は10万円台の100株でお米がもらえた」という分割前のイメージのまま100株だけ買うと優待の対象にならないので、ここは注意が必要です。分割によって1株あたりの株価は下がりましたが、優待の取得ラインが100株から500株に引き上げられたため、優待取得を目的とする新規投資家から見ると、必要資金はむしろ増えました。 私自身は、ちょうどこの分割の前、2024年12月に分割前の100株で入りました。間口が広かった最後の局面で入った形ですが、狙ってそうしたというより結果的にそうなったというのが正直なところです。 お米の優待利回りは魅力的に見えるが、ここに罠がある お米5kgの市場価格を、仮に1kgあたり600円とすると、5kg相当でおおよそ3,000円前後の価値になります。2026年6月26日時点の株価は1,790円で、500株なら投資額は約89万5,000円です(出典:IR BANK 木徳神糧 https://irbank.net/2700/per 、2026年6月26日確認)。これで優待利回りを単純計算すると、3,000円÷895,000円で約0.3%にとどまります。 ここで連載第1回で書いた「優待利回りの罠」が効いてきます。優待利回りは株価が下がるほど数字が良く見えますが、それは分母が小さくなっているだけです。約90万円を投じてもらえるお米が年1回5kgというのは、金額ベースで見れば決して高い利回りではありません。 つまり木徳神糧は「優待利回りでお得だから買う」銘柄ではない、というのが私の率直な見方です。お米が現物で届くうれしさは確かにありますが、利回りという数字で正当化できるほどの優待ではなく、持ち続けるかどうかは優待ではなく事業と株価の話になります。 私が見ているのは「コメ卸という事業」と買った水準 ここからが本題です。木徳神糧を持ち続けるかどうかの判断は、お米5kgではなく、事業の中身と財務の数字で決まります。 私の保有状況は、2026年6月27日時点で次のとおりです。**私は2024年12月5日に分割前の木徳神糧を100株、1株5,650円(取得総額565,000円)で買い付け、**2025年7月1日付の1対5分割で保有が自動的に500株になりました。分割換算後の平均取得単価は1,130円です。 項目内容取得日2024年12月5日取得時の保有株数100株(株式分割前)取得単価5,650円(分割前の市場株価)取得総額(取得価額)565,000円現在の保有株数500株(2025年7月の1対5分割後)分割換算後の平均取得単価1,130円現在値1株1,790円現在の評価額895,000円評価損益含み益 +330,000円(+58.40%/2026年6月27日時点) 含み益が出ている状態ですが、ここで正直に書いておくべきことがあります。木徳神糧の株価がここまで上がってきた背景には、近年のお米の価格上昇という、会社の実力だけでは説明しきれない追い風があります。この追い風がいつまで続くかは誰にも分かりません。だから私は、この含み益を「自分の銘柄選びが正しかった証拠」とは思っていません。あくまで結果としてこうなった、というだけです。 業績:薄利のコメ卸が、米価高騰で一時的に大きく伸びた 木徳神糧の通期業績の推移を、IR BANKで確認すると次のとおりです。 ...

2026年6月26日 · 最終更新: 2026年7月14日 · HIKO

一時払い終身保険の予定利率2.25%引き上げは“買い時”か|元保険業界FPが見た41年ぶりの上げ幅

結論を先に言います。 一時払い終身保険の予定利率2.25%は「増やす商品」としてはおすすめしません。これは死亡保障と相続・資金の置き場所のための商品で、純粋に増やすならNISAが先です。一方、預貯金がすでに潤沢で、相続対策や確実に遺す手段がほしい人には役割があります。この記事は、退職金・相続の置き場所を考えている50〜60代の方、そして親世代の相談を受ける立場の30代に向けて、予定利率2.25%を実質利回り(IRR)の試算で冷静に見ていきます。 保険業界に10年、その後IT企業に転職したFP2級・投資歴11年のHIKOが書いています。 ※本記事は特定の保険商品の加入・解約を勧めるものではありません。投資・保険の最終判断はご自身の責任で行ってください。記事中のIRR試算は一般的な前提を置いた試算例で、特定商品の確定値ではありません。 結論:予定利率の引き上げは事実だが「増やす目的」ならNISAが先 先に私の見方をまとめます。 予定利率が上がったのは事実で、契約者にとっては条件が良くなる方向の話です ただし一時払い終身保険は「お金を増やす商品」ではなく、「死亡保障」と「まとまった資金の置き場所・相続対策」のための商品です 純粋に資産を増やしたいなら、まず使うべき枠はNISA(と、会社員なら企業型DC・iDeCo)です 予定利率2.25%は「契約者が手にする実質利回り」とイコールではありません。保障や手数料のコストが乗るため、実際の利回りはそれより低くなります 「41年ぶり」という言葉に押されて慌てる必要はない、というのが私の立場です。順番に説明します。 報道された内容を整理する まず、報じられた事実を簡単に整理します(出典:2026年6月25日 TBS NEWS DIG)。 項目内容会社住友生命対象一時払い終身保険予定利率1.75% → 2.25%上げ幅0.5%(41年ぶりの大きさ)2.25%という水準1998年以来、28年ぶり適用2026年7月1日の契約分から背景日銀の利上げなどによる国内金利の上昇 報道では、保険料がどれくらい安くなるかの例も示されていました。60歳男性・保険金額1,000万円のケースで、保険料はおよそ663万円となり、68万円ほど安くなるという内容です。 予定利率が上がると、同じ保険金額を用意するために必要な保険料は下がります。だから「保険料が安くなる=条件が良くなる」というのは、その通りです。 ただ、ここで一度立ち止まりたいのです。この商品は、そもそも何のための商品なのでしょうか。 そもそも一時払い終身保険とは|「増やす」より「遺す・置く」商品 一時払い終身保険は、契約時に保険料をまとめて一括で支払う死亡保険です。月払いや年払いではなく、最初に何百万円〜という単位でドンと払い込みます。 特徴を整理すると、こうなります。 死亡保障が一生涯続く:被保険者が亡くなったとき、保険金が支払われます 払った保険料より保険金が大きくなる設計:例の60歳男性なら、約663万円を払って1,000万円の保障を確保するイメージです 解約返戻金が時間とともに増える:据え置くほど返戻金が払込額に近づき、やがて上回っていきます つまりこの商品は、「お金を増やすこと」よりも、まとまった資金に死亡保障という形を与えて、確実に遺す・置いておくことに主眼があります。実際、相続対策(生命保険の非課税枠の活用)や、退職金など使う予定のないまとまった資金の置き場所として語られることが多い商品です。 ここが、NISAやインデックス投資と決定的に違うところです。NISAは「増やす」ための枠、一時払い終身保険は「遺す・守る」ための器、と役割が違います。 一時払い終身保険とNISAの比較表|目的・元本・利回り・流動性・相続 「どちらが得か」ではなく「役割が違う」ことが伝わるように、5つの軸で並べてみます。 比較軸一時払い終身保険NISA(インデックス投資)主な目的死亡保障・遺す・資金の置き場所資産を増やす元本の安全性据え置けば元本確保に近い(早期解約は元本割れ)元本保証なし(値動きする)期待できる収益低め(予定利率より下。後述の試算で年1%前後の例)過去実績ベースで年3〜7%想定(将来は不確実)流動性(引き出しやすさ)低い(早期解約は元本割れ・原則寝かせる前提)高い(いつでも売却・引き出し可能)相続対策生命保険の非課税枠(500万円×法定相続人)が使える非課税枠の対象外(通常の相続財産)向いている人預貯金が潤沢で遺す・守る目的の人これから増やしたい現役世代 NISAは値動きを受け入れて増やす器、一時払い終身保険は値動きを抑えて遺す・守る器です。期待収益・流動性ではNISAが上ですが、相続の非課税枠は保険ならではの強みです。優劣ではなく目的で選ぶ、というのが結論になります。 予定利率2.25%=あなたの利回り、ではない|IRRの試算例で見る ここが一番の注意点であり、第三者からも「ここを数字で見せてほしい」と指摘された核心部分です。 「予定利率2.25%」と聞くと、預けたお金が年2.25%で増えていくように感じます。でも、予定利率は保険会社が運用する前提の利率であって、契約者が実際に受け取る利回り(実質利回り・IRR)とは別物です。一時払い終身保険には、死亡保障というコストと保険会社の経費(付加保険料)が乗っているからです。 そこで、報道の数字(約663万円払って保険金1,000万円)を起点に、実質利回り(IRR)がどう見えるかを試算してみます。 重要な前提です。 以下は私が一般的な前提を置いて計算した試算例であり、住友生命など特定商品の確定した解約返戻金推移ではありません。解約時期ごとの返戻率(100%・110%・120%・130%)は、説明のために私が置いた仮定値です。実際の返戻金は商品・契約年齢・経過年数で異なるため、必ず契約時の設計書で確認してください。前提は「一時払い663万円・保険金1,000万円・追加の保険料なし」とします。 まず、生きていて途中で解約する場合の実質利回り(IRR)の試算です。 解約時の返戻率(仮定)受取額10年後20年後30年後100%(払込と同額)663万円年0.00%年0.00%年0.00%110%約729万円年0.96%年0.48%年0.32%120%約796万円年1.84%年0.92%年0.61%130%約862万円年2.66%年1.32%年0.88% 返戻率が育っても、年数で割り戻すと実質利回りは年1%前後にとどまるケースが多いことが分かります。予定利率2.25%という見出しの数字と、契約者が手にする利回りは別物だということです。これは私が過去に検証したオリックス生命「エンキャン」(返戻率139.5%でも実利回り年1.34%)や、明治安田の積立保険(予定利率1.6%でも実利回り年1%台)と同じ構造です。 次に、死亡して保険金1,000万円を受け取る場合の試算です。 受取受取額10年後20年後30年後死亡保険金1,000万円年4.20%年2.08%年1.38% 「663万円が1,000万円になるなら年率は高いのでは」と思うかもしれません。確かに10年で亡くなれば年4.2%相当に見えます。ただ、これは「亡くなる」という条件が満たされた場合の数字です。長生きするほど年数で割り戻されてIRRは下がり、30年生きれば年1.38%まで落ちます。そして長生きして解約すれば、上の表のとおり年1%前後に収れんしていきます。 ここから見えるのは、単純な「663万円払って1,000万円だから337万円増える」という話ではないということです。差額の337万円は「いつ亡くなるか分からない死亡保障」というコストの裏返しで、保障コストがある分だけ生存時の実質利回りは予定利率2.25%より押し下げられます。これは商品の欠陥ではなく、保険という仕組みの当然の構造です。増やす道具ではなく、保障と置き場所の道具だと割り切る理由はここにあります。 なぜ今、予定利率が上がったのか|金利上昇局面の話 ここは投資家目線で補足したい部分です。 予定利率は、保険会社が「契約者から預かったお金をこれくらいの利回りで運用できる見込みだから、その分を保険料に織り込みます」という前提の利率です。保険会社の運用先の中心は国債などの債券なので、国内金利が上がれば、予定利率も上げやすくなります。 近年は日銀が利上げに動き、長期金利も上昇してきました。今回の「41年ぶりの上げ幅」は、その金利上昇を保険商品の側が反映した動き、と理解すると腑に落ちます。明治安田生命が積立保険の予定利率を引き上げた件など、ここ最近は各社が同じ方向に動いています。 ここで投資家として一つ言いたいのは、金利が上がる局面というのは、保険だけでなく、個人向け国債や債券、定期預金など他の「増やし方」の条件も良くなっているということです。予定利率2.25%だけを単独で見て「お得になった」と判断するのではなく、同じ局面で他の選択肢の条件も上がっていることをセットで考えたいところです。とくに個人向け国債(変動10年)は、金利上昇局面では半年ごとに適用利率が見直され、元本割れもしない設計です。「安全に置く」目的なら、保険と並べて検討する価値があります。 私(HIKO)はどう考えるか 私自身は、保険と投資を分けて考える派です。 自分のお金は、増やす部分はNISAと企業型DCに寄せています。会社の企業型DCは外国株インデックス中心で運用していて、評価額は約114万円、含み益は20万円ほどになりました。NISAは夫婦で積立を続けています。「増やす」ための器は、低コストのインデックス投資で十分だと考えているからです。 一方で、死亡保障は保障として別に確保する、という整理です。増やす機能と保障する機能を一つの商品に詰め込むと、コストの内訳が見えにくくなり、「自分が今いくらの利回りで・いくらの保障に・いくら払っているのか」が分からなくなりがちです。 保険業界に10年いて感じていたのは、貯蓄性保険は「強制的に積み立てられる」「途中で引き出しにくいから貯まる」という行動面のメリットが確かにある、ということでした。意志の力で投資を続けられない人にとって、半強制的に貯まる仕組みは価値があります。ここは否定しません。 ただ、私自身はその強制力よりも、コストの透明さと流動性(必要なときに引き出せること)を優先しました。だからNISA中心の組み立てにしています。これはあくまで私の選択で、正解は人それぞれです。 一時払い終身保険を「買ってもいい人」の具体的な条件 向く・向かないを、より具体的な条件で示します。次のような状況に当てはまる人ほど、一時払い終身保険が選択肢になり得ます。 買ってもいい可能性が高い人(目安) 預貯金が3,000万円以上など、生活防衛資金と当面の生活費を十分に確保したうえで、なお使う予定のないまとまった資金がある人 遺したい相続人がいて、生命保険の非課税枠(500万円×法定相続人の数)をまだ使っていない人 NISA・iDeCo・企業型DCなど、増やすための非課税枠をすでに活用済みの人 そのお金を10年以上、できれば一生使う予定がなく、寝かせておける人 値動きのある投資が性格的に向かず、確定した受け取り・遺し方を重視する人 買わないほうがいい可能性が高い人 主目的が「資産を増やすこと」の人(→ まずNISA・企業型DC・iDeCoの枠を使うほうが合理的) まとまった資金を長期間動かせなくなるのが困る人(早期解約は元本割れの可能性) 30代など、これから資産形成を始める段階で、一時払いの原資をまだ作っている途中の世代 生活防衛資金がまだ十分でない人 ポイントは、増やす枠を使い切ったあとの、余ったまとまった資金の置き場所として検討する順番だということです。最初の一手ではありません。 ...

2026年6月25日 · 最終更新: 2026年7月8日 · HIKO