株主優待で年間10万円以上受け取っているが、3銘柄で廃止された話【30代の実録】
現在の保有銘柄で、年間10万円以上の優待を受け取っています。内訳はQUOカード系が最多で約4.5万円、食品・お米系が約2.3万円、カタログギフトや商品券系がそれぞれ約1万円ほどです。 ただし同じ期間に、保有していた3銘柄で優待が廃止されました。 「廃止されないだろう」と思っていた銘柄が、なくなりました。 今回はその両方をそのまま書きます。 「年間10万円」の内訳をもう一段くわしく 「優待で年10万円」と書くと派手に見えますが、実態は地味な積み上げです。私の保有14銘柄のうち、優待があるものを目的別に整理するとこうなります。 カテゴリ主な銘柄年間優待相当QUOカード系旭情報サービス・JPX系・通信系・小売系 など約45,000円食品・お米系KDDIカタログギフト(食品セレクト時)・食品メーカー優待約23,000円カタログギフトKDDI(保有3年以上で年間1万円相当)約10,000円商品券・割引券飲食・小売の優待券約10,000円ポイント・株主専用サービス各社株主限定特典約12,000円 合計で年10万円台に届くという感覚です。1銘柄で2万円・3万円もらえる派手な優待は1つもありません。1銘柄あたり3,000〜10,000円相当の優待を、14銘柄に分散させた結果として10万円になっています。 「優待だけで暮らせる」みたいな話ではなく、「QUOカードで毎月のコンビニ・書店利用がほぼ賄える」「カタログで日用品を1〜2回買える」という、生活コストの一部を肩代わりしてくれる規模です。 最初に正直な話:日本取引所グループの優待が廃止されました 投資歴11年の中で、優待絡みで一番学んだ出来事は日本取引所グループ(JPX、8697)の優待廃止です。 JPXはかつて、株主に対してクオカードを贈呈する優待制度を実施していました。証券取引所を運営する企業であり、財務的な安定感と知名度から「廃止されないだろう」と思って保有していたのが正直なところです。ところが、優待制度は廃止されました。 廃止後も株価は横ばい〜上昇傾向で推移し、配当も維持されていたため、実質的な影響はほとんどありませんでした。ただ、「廃止されないはず」という思い込みが根拠のない判断だったとあとから気づきます。どれだけ安定した企業に見えても、優待制度は企業が任意で設けているものです。業績悪化や株主還元方針の変更(優待を廃止して配当を増やすケースも多い)により、いつでもなくなります。 「優待ありき」で銘柄を選ぶことへの過信は捨てたほうがいいと感じました。 株主優待の基本:3分で押さえる 株主優待とは、企業が一定数以上の株を持つ株主に対して、自社の商品やサービスを無料・割引で提供する制度です。日本独自の文化で、多くの上場企業が実施しています。 優待の種類は大きく3つです。 ① 食事券・飲食割引券:レストランチェーンや居酒屋系の企業に多い。実生活でそのまま使えるのが魅力。 ② 商品券・買い物割引券:家電量販店やスーパーなどで使える金券。現金に近い使い勝手。 ③ 自社製品・カタログギフト:食品メーカーや日用品メーカーの優待。生活費の節約に直結。 ただし、優待の価値は「実際に使う人」にしか生まれません。自分が使わないサービスの優待をもらっても、金銭価値はゼロです。銘柄選びの前に「自分が日常的に使う場所・もの」を起点にするのが基本です。 実際に保有している2銘柄の話 ユニバーサル園芸社(6061) フラワー装飾・緑化サービスを手がける会社で、現在も保有中の銘柄です。時価総額は数百億円規模で、小型株に分類されます。優待内容は保有株数に応じてクオカードが贈られてきます。コンビニ・書店・ドラッグストアなど幅広く使えるため、生活費の一部として自然に消化できます。 この銘柄を選んだのは財務の安定性と増配傾向が主な理由です。優待はあくまで「おまけ」として捉えており、企業として持ちたいと判断した上で選びました。小型株であるため株価の流動性については事前に確認しておく必要があります。現在も優待制度は継続中です。 KDDI(9433) 携帯キャリア大手で、現在も保有中の銘柄です。優待内容は保有年数に応じたカタログギフト(食品・日用品など)で、3年未満で5,000円相当、3年以上で10,000円相当と長期保有優遇があります。 食品や日用品をカタログから選べるため実際の生活費節約に直結しています。配当も安定しており「優待+配当」として捉えると長期保有の判断が立てやすい銘柄です。ただし、通信業界全体の規制や競争環境の変化が株価に影響するリスクは常にあります。 優待廃止の経験:JPX・JT・オリックス 「廃止されないだろう」と思っていた銘柄の優待が、実際になくなりました。保有していた3銘柄の話です。 日本取引所グループ(JPX、8697) 冒頭で触れたとおりです。クオカード贈呈の優待が廃止されました。廃止後も株価・配当に大きな影響はありませんでしたが、「安定した企業だから廃止されない」という思い込みの危うさを実感しました。 JT(日本たばこ産業、2914) 高配当株として保有しており、食品や自社グループ商品のカタログギフト優待も魅力のひとつでした。「高配当+優待」という組み合わせで長期保有していましたが、2022年に優待制度が廃止されました。廃止の理由として、配当に一本化することで株主全体に公平に還元するという方針が示されました。年間2,500円相当の優待がなくなりましたが、配当水準は維持されたため実質的な影響は限定的でした。ただ「優待は続くもの」という前提が崩れた出来事でした。 オリックス(8591) 「優待株といえばオリックス」と言われるほど知名度が高く、カタログギフトの内容の充実さで人気のある銘柄でした。こちらも保有していましたが、2024年3月末をもって優待制度が廃止されています。年間5,000円相当のカタログギフトがなくなりました。理由はJT同様「株主への公平な利益還元」です。 この3社に共通しているのは、財務的に安定していて廃止される理由がないように見えたという点です。むしろ優待の充実度が高かったからこそ「このまま続くだろう」と思っていました。企業側の株主還元方針が変われば、どの銘柄でも優待は廃止されます。優待を「おまけ」として割り切り、企業そのものの価値で持つかどうかを判断することの大切さを、この3件で改めて感じました。 優待利回りの考え方:「利回りが高い≠安全」 よく「優待利回り3%以上を目安に」という情報を見かけます。優待の価値を株価で割った数字を指標にする考え方です。ただし、これだけで判断するのには注意が必要です。 優待利回りは使える人にしか意味がない:使わないものの利回りはゼロです。 高い優待利回りは株価が下落しているサインの場合がある:株価が下がった結果として相対的に利回りが高く見えているケースがあります。優待目当てに飛びついて買ったものの、株価がさらに下落して優待の価値を上回る含み損になる、という状況は起こり得ます。 優待は企業業績悪化時にまず削られやすい:コスト削減策として優待廃止を検討する企業は多く、高利回りほどその可能性を疑うべき場面もあります。 利回りの数字を見るとしても、企業の財務状況・配当実績・業績の安定性とあわせて判断することが必要です。 30代が優待投資に向いているとき・向いていないとき 向いている人 外食・日用品など、自分が使えるジャンルの優待がある銘柄を選べる 「配当+優待」でコツコツ受け取りながら長期保有できる 優待廃止・株価下落をある程度許容できる(優待は確定した収益ではない) NISAで個別株を持つ予定があり、その中の1銘柄として組み込む 30代は外食の機会がそれなりにあり、食事系・カフェ系の優待は実際に使いやすい年代です。 向いていない人 優待銘柄を優待目的だけで選んでいる(企業の実態を見ていない) 少額の優待のために10〜20万円の資金を1銘柄に集中させる 優待が廃止・縮小したときに、持ち続ける理由を説明できない NISAとの相性 新NISA口座で株を保有していても、株主優待は受け取れます。加えて、株が値上がりした際の売却益・配当金も非課税になります。 優待銘柄をNISAで持つ場合、特に長期保有を前提にするなら成長投資枠が使いやすいです。KDDI・ユニバーサル園芸社どちらもNISA口座で保有しています。 ただし、NISAの非課税枠(年間360万円・生涯1,800万円)は有限です。個別の優待銘柄に充てるより、インデックスファンドを優先したほうが資産形成効率は高い場合が多いです。優待銘柄はNISA枠の「一部」として考えることをお勧めします。 最初の1銘柄の探し方 優待投資を試してみたい場合、以下の手順が現実的です。 ① NISAの口座を用意する:楽天証券かSBI証券が使いやすいです。どちらも無料で開設できます。 ② 「銘柄名+株主優待」で検索する:よく使うお店・サービスの企業名で検索すると優待内容が確認できます。各証券会社の優待検索機能も便利です。 ③ 2つの数字を確認する:配当利回り(安定して出ているか)と自己資本比率(財務が健全か)を見ます。優待の内容だけでなく、企業として持ち続けられるかを確認する習慣をつけると、廃止時に慌てずに済みます。 ...