アサックス(8772)の株主優待はクオカード|500株必要・改悪の有無と利回りを解説

この記事は連載「ラスト一押しの株主優待」の第7回です。業績・財務で持ちたいと判断した会社に、優待が「最後のひと押し」として付いてくる——そんな順番で保有してきた優待銘柄を1記事1銘柄で紹介している連載です。 アサックス(8772)は、不動産を担保にした融資を専門にしている金融会社です。株主優待としてクオカードがもらえる銘柄で、2021年3月末基準から必要株数が500株に変わりました。私は権利確定月の3月に合わせて500株まで買い増し、2026年もクオカード5,000円分を受け取っています。 この記事の結論 アサックスの優待は、3月末・500株以上の保有でクオカード5,000円分がもらえます(継続保有条件なし)。2019年に100株/2,000円で再開したあと、2020年に500株/5,000円へ変更された経緯があり、小口保有者には改悪、500株以上には拡充という両面の変更でした。優待利回りは1.2%前後で、投資リターンの本体は予想配当利回り2.6%台のほうです。私は権利確定時に500株を保有してクオカードを受け取ったあと、より優先順位の高い投資先に資金を回すため、現在は100株まで株数を調整しています。 なお、この記事にはアフィリエイトリンク(PR)を含みます。また、特定銘柄の売買をすすめるものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。 この記事で分かること アサックスの優待内容(クオカード・必要株数・権利確定月・継続保有条件) 500株を新規で買うといくら必要か 2020年の優待変更は改悪か、拡充か(一次資料で確認) 優待利回りと配当利回り、どちらが大きいか 不動産担保ローンという会社の中身と、財務・配当の実績 よくある質問(継続保有条件・貸株の扱いなど) アサックスの株主優待とは?内容と必要株数 アサックスの株主優待は、公式の適時開示で確認すると次のとおりです。毎年3月31日現在で、普通株式500株以上を保有している株主に、クオカード5,000円分が贈られます。権利確定は年1回・3月末のみで、継続保有期間の条件はありません。基準日に500株を持っていれば、保有して間もなくてもクオカードを受け取れます(出典:アサックス「配当予想の修正(増配)及び株主優待制度の変更に関するお知らせ」2020年10月28日開示 https://f.irbank.net/pdf/20201028/140120201027409857.pdf )。 私自身、権利確定日である3月末の時点で500株を保有していたため、2026年もクオカード5,000円分を受け取りました。クオカードは近所のコンビニでの「ちょっとしたご褒美」に使っています。5,000円分を一度に使い切るのではなく、数か月かけて少しずつ使えるので、金額以上に満足感があるというのが正直な実感です。 その後、私はより優先順位の高い投資先に資金を回すため、保有株数を調整し、現在は100株を保有しています。アサックスの優待には継続保有条件がないぶん、株数を減らせば優待の対象からも外れる、というシンプルな設計です。なお、優待の正確な内容・条件は改定されることがあります。実際に確認する際は、必ず公式の開示情報をご自身でご確認ください。 500株を新規で買うといくらかかる? 2026年7月13日時点の株価834円で確認すると、優待の対象になる500株を新規に取得するには約41万7,000円が必要です(出典:IR BANK アサックス https://irbank.net/8772 、2026年7月13日確認)。100株や400株では優待の対象にならないため、優待だけを目的にするなら500株というまとまった金額が前提になる点は、あらかじめ押さえておく必要があります。 アサックスの優待は改悪された?2019年・2020年の変更を一次資料で確認 優待株を検討するときに気になるのが「過去に改悪・廃止はなかったか」だと思います。アサックスの優待には、はっきりした変更の履歴があるので、適時開示のPDF原文で確認した事実を時系列で整理します。 2019年1月29日開示:優待の再開 アサックスは、2009年3月期をもって一度休止していた株主優待を再開しました。このときの内容は、3月末・100株以上の保有でクオカード2,000円分でした(出典:アサックス「株主優待制度の再開に関するお知らせ」2019年1月29日開示 https://f.irbank.net/pdf/20190129/140120190124462897.pdf )。 2020年10月28日開示:500株/5,000円への変更 その後、2020年10月28日に、期末配当の増配(15円→18円)と同時に優待制度の変更が開示されました。内容は、2021年3月末基準から、100株/2,000円分を500株/5,000円分に変更するというものです。会社が挙げている理由は「株主構成の変化やコーポレートガバナンス・コードの株主平等の原則を考慮した、より適切な株主還元」です(出典:アサックス「配当予想の修正(増配)及び株主優待制度の変更に関するお知らせ」2020年10月28日開示 https://f.irbank.net/pdf/20201028/140120201027409857.pdf )。 —変更前(2020年3月末まで)変更後(2021年3月末から)必要株数100株以上500株以上優待内容クオカード2,000円分クオカード5,000円分継続保有条件なしなし この2020年の変更は、改悪と拡充の両面があると私は見ています。改悪の面は、100〜400株の小口保有者が優待の対象から外れたこと。以前は100株で2,000円分がもらえたのが、変更後は500株を持たないと何ももらえなくなりました。一方で拡充の面は、500株以上の保有者にとっては金額が2,000円分から5,000円分に増えたことです。まとまった株数を持つ株主に還元を寄せる方向の見直し、という整理ができます。なお、2020年10月の変更以降、優待の改定を示す新たな開示は見当たらず、現行制度が続いています(今後も変わらないことを保証するものではありません)。 優待利回りと配当利回り、どちらが高い? 2026年7月13日時点の株価834円で優待利回りを単純計算すると、500株(5,000円分)は約1.2%です。500株というまとまった株数が前提になるため、必要資金あたりの優待利回りとしてはそこまで大きくありません。 一方、同時点の予想配当利回りは2.6%台です(出典:IR BANK アサックス https://irbank.net/8772 、2026年7月13日確認)。優待利回り(約1.2%)と比べて、配当利回りのほうが大きい数字です。アサックスでも、投資リターンの本体は配当であり、クオカードの優待はそこに付いてくるおまけという位置づけだと考えています。 一目評価|私の見方 ここまでの内容を、私の主観で5段階評価にまとめると次のとおりです。あくまで私個人の見方であり、投資を推奨するものではありません。 項目評価根拠総合評価★★★★☆優待は500株必須でハードルはあるが、高い利益率と増配基調・低PBRのバランスが良い優待★★★☆☆クオカード5,000円分は使い勝手が良いが、500株必須で優待利回りは約1.2%配当★★★★☆予想配当利回り2.6%台、一株配当は18円→22円へ段階的に増配財務★★★★☆経常利益率が70%前後と高く、株主資本比率も40%台割安度★★★★☆PER6.7倍前後・PBR0.5倍台と、指標上は割安な水準長期保有★★★★☆売上・経常利益とも右肩上がりで、増配を続けている アサックスはどんな会社?不動産担保ローンの中身を解説 アサックスは、1969年設立、東京・渋谷に本社を置く、**不動産担保ローンを専門とする金融会社(ノンバンク)**です(出典:アサックス公式サイト「会社概要」 https://www.asax.co.jp/company/ 、2026年7月13日確認)。個人・個人事業主・法人に対して、不動産を担保にした融資を行う事業が柱です。銀行から資金を調達し、それを担保付きで貸し出して金利差で稼ぐ、というシンプルなビジネスモデルです。 経常利益率が66〜70%と非常に高いのは、業績が突出しているというより、金利収入が中心の貸金業という事業構造によるものです。仕入れや在庫を持つメーカーや商社と違い、原価にあたる部分が資金調達コスト中心なので、利益率は高く出ます。不動産を担保に取っているため、貸し倒れが起きても担保処分で回収しやすい設計になっている点が、この会社の収益の安定性につながっていると私は見ています。 一方で、金融業である以上、不動産市況の悪化や金利上昇による調達コストの増加、貸出残高の伸び悩みといったリスクは常にあります。担保価値が下がる局面では、収益にも影響が出やすい事業だという点は踏まえておく必要があります。 アサックスの財務・配当・株価指標 数字を1つの表にまとめると次のとおりです(出典:IR BANK アサックス https://irbank.net/8772 、同/kessan、同/dividend、いずれも2026年7月13日確認)。 指標数値補足株主資本比率40.55%銀行から調達して貸し出す業態としては厚めの水準経常利益率66.3%(2026年3月期)金利収入が中心の貸金業で構造的に高い経常利益60.8億円(2026年3月期)2022年3月期38.7億円から5年で約1.5倍ROE(予想)7.8%大きくはないが安定して黒字を積み上げている一株配当22円(2026年3月期)2021年18円から段階的に増配配当性向18.4%(2026年3月期)会社は配当性向20%以上を目安。利益成長で数字は低下傾向株価834円(2026年7月13日時点)—PER6.68倍(予想)指標上は割安な水準PBR0.52倍解散価値の半分程度の評価予想配当利回り2.6%台優待利回り(約1.2%)を上回る アサックス(8772)の経常利益の推移 38.7億円 2022/3 43.0億円 2023/3 50.6億円 2024/3 51.7億円 2025/3 60.8億円 2026/3 経常利益(億円)の推移。不動産担保ローンの貸出残高拡大とともに、5年で約1.5倍に伸びています。出典:IR BANK アサックス 業績 https://irbank.net/8772/kessan 配当は、2021年3月期18円・2022年18円・2023年18円・2024年20円・2025年20円・2026年22円と、段階的に引き上げられてきています。配当性向は20%前後を目安にしつつ、利益成長のぶん実際の性向はやや低下しています。 ...

2026年7月13日 · 最終更新: 2026年7月14日 · HIKO

ラクト・ジャパン(3139)の株主優待はカタログギフト|300株保有者が改悪の有無と必要株数を解説

この記事は連載「ラスト一押しの株主優待」の第6回です。業績・財務で持ちたいと判断した会社に、優待が「最後のひと押し」として付いてくる——そんな順番で保有している優待銘柄を1記事1銘柄で紹介してきた連載です。 ラクト・ジャパン(3139)は、チーズやバターなどの乳製品と、食肉・畜産物の原料を扱う食品専門商社です。株主優待として食品のカタログギフトがもらえる銘柄で、2025年に優待制度の変更がありました。私はこの株を300株保有しています。 この記事の結論 ラクト・ジャパンの優待は、2025年11月末基準から2年以上の継続保有が必須になり、100株で3,000円相当、300株で5,000円相当のカタログギフトです。優待利回りは0.5〜0.9%と大きくなく、投資リターンの本体は予想配当利回り3.79%のほうです。私は優待目的ではなく、アジア11カ国に展開する事業基盤と配当を本線として300株を保有しています。 なお、この記事にはアフィリエイトリンク(PR)を含みます。また、特定銘柄の売買をすすめるものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。 この記事で分かること ラクト・ジャパンの優待内容(カタログギフト・必要株数・継続保有条件) 100株・300株を新規で買うといくら必要か 2025年の優待変更は改悪か、拡充か 優待利回りと配当利回り、どちらが大きいか アジア展開という会社の強みと、財務・配当の実績 よくある質問(買い増し時の継続年数、貸株の扱いなど) ラクト・ジャパンの株主優待とは?内容と必要株数 ラクト・ジャパンの株主優待は、公式IRの株主優待ページで確認すると次のとおりです(出典:ラクト・ジャパン公式IR「株主優待」 http://www.lactojapan.com/ja/ir/about/benefit.html 、2026年7月9日確認)。 毎年11月30日現在で、普通株式100株以上を保有し、かつ2年以上継続して保有している株主が対象です。権利確定は年1回・11月末のみです。 コース保有株式数継続保有2年未満継続保有2年以上Aコース100株以上300株未満対象外カタログギフト3,000円相当Bコース300株以上対象外カタログギフト5,000円相当 継続保有2年以上の判定は、株主名簿の基準日である11月30日と5月31日の時点で該当株数を保有し、すべての基準日の株主名簿に同一株主番号で5回以上連続して記載されていることが条件です。連続記載の回数は、その株数(100株もしくは300株)を保有した時点からカウントされるため、100株から300株に買い増した場合、Bコースの継続カウントは300株にした時点から数え直しになります。 カタログの中身は、同社が選定した食品ギフトです。Aコース(3,000円相当)は三祐のチーズセット(パルミジャーノレジャーノ・デンマーククリームチーズ・ゴーダなど)、Peekabooの生乳ジェラート、町村農場のバターセット、マイスター山野井の焼豚とソーセージのスライスセットなど。Bコース(5,000円相当)はチーズ6種セット、キハチフードホールのアイスギフト12個、平田牧場の金華豚ローススライスとバラのしゃぶしゃぶセットなど、より充実したラインナップになります。優待品の代わりに、認定NPO法人セカンドハーベスト・ジャパンへの寄付を選ぶこともでき、発送時期は毎年2月末を目処です。 私自身、300株に買い増したのが最近のため、Bコースの継続保有2年以上の条件を満たすのはこれからで、まだ優待は受け取っていません。なお、優待の正確な内容・条件は改定されることがあります。実際に確認・申し込みをする際は、必ず公式IRをご自身でご確認ください。 100株・300株を新規で買うといくらかかる? 2026年7月8日時点の株価3,480円で確認すると、Aコースの対象になる最低ラインの100株を新規に取得するには約34万8,000円、Bコース(5,000円相当)になる300株なら約104万4,000円が必要です(出典:IR BANK ラクト・ジャパン https://irbank.net/3139 、2026年7月8日確認)。前述のとおり、買ってすぐ優待がもらえるわけではなく、2年以上の継続保有を満たして初めてカタログギフトが届く点には注意が必要です。 ラクト・ジャパンの優待は改悪された?2025年の変更内容 優待株を検討するときに気になるのが「過去に改悪・廃止はなかったか」だと思います。この連載でもKDDIや松風では実際に優待の変更がありました。ラクト・ジャパンも、2025年1月14日に優待制度の変更を開示しています(出典:ラクト・ジャパン「株主優待制度の変更に関するお知らせ」2025年1月14日開示)。基準日(11月30日)と進呈時期は変更されていません。 変更前(2024年11月末基準まで) 保有株式数継続保有3年未満継続保有3年以上100株以上クオカード1,000円分カタログギフト3,000円相当 変更後(2025年11月末基準から) コース保有株式数優待内容(2年以上保有)Aコース100株以上300株未満カタログギフト3,000円相当Bコース300株以上カタログギフト5,000円相当 会社が挙げている変更点は2つです。1つ目は、300株以上の区分(Bコース・5,000円相当)を新設し、まとまった株数を持つ株主への優待を拡充したこと。2つ目は、優待の対象になる継続保有期間を**「3年以上」から「2年以上」に短縮**したことです。 この変更は、改悪と拡充の両面があると私は見ています。拡充の面は、300株で5,000円相当という上位コースができたことと、上位優待に届くまでの期間が3年から2年に縮んだこと。一方で改悪の面は、以前は継続保有年数に関係なく100株を持っていればクオカード1,000円分がもらえたのが、変更後は**2年未満だと一切対象外(ゼロ)**になったことです。中長期で保有する株主に還元を寄せる方向の見直し、という整理ができます。 優待利回りと配当利回り、どちらが高い? 2026年7月8日時点の株価3,480円で優待利回りを単純計算すると、Aコースの100株(3,000円相当)は約0.86%、Bコースの300株(5,000円相当)は約0.48%です。金額が大きいBコースのほうが、必要な投資額が3倍になるぶん、優待利回り自体はむしろ下がります。 一方、同時点の予想配当利回りは**3.79%**です(出典:IR BANK ラクト・ジャパン https://irbank.net/3139 、2026年7月8日確認)。優待利回り(0.5〜0.9%)と比べて、配当利回りのほうがはるかに大きい数字です。ラクト・ジャパンでも、投資リターンの本体は配当であり、食品カタログの優待はそこに付いてくるおまけという位置づけだと考えています。 一目評価|私の見方 ここまでの内容を、私の主観で5段階評価にまとめると次のとおりです。あくまで私個人の見方であり、投資を推奨するものではありません。 項目評価根拠総合評価★★★☆☆優待も配当も突出はしないが、アジア展開を含めた事業基盤とのバランスは取れている優待★★★☆☆100株3,000円・300株5,000円相当のカタログ。2年継続保有が必須で優待利回りは0.5〜0.9%配当★★★★☆予想配当利回り3.79%、配当性向を14%台から25%台へ段階的に引き上げ財務★★★☆☆自己資本比率33%。商社型のビジネスで薄利だがROEは12.1%まで改善割安度★★★☆☆PER10.09倍(予)・PBR1.08倍で、極端な割安でも割高でもない長期保有★★★★☆優待は中長期保有者に還元を寄せる方向。売上は5年で+54%と成長 ラクト・ジャパンはどんな会社?海外事業の強みを解説 ラクト・ジャパンの営業利益率が2%台にとどまるのは、業績が悪いからではなく、原料を仕入れて売るトレーディング(商社)が事業の中心だからです。薄い利幅で大量にさばくビジネスモデルなので、利益率は構造的に低く出ます。 この会社の特徴は、海外事業の広さです。1998年の創業直後からシンガポールに駐在員事務所を開設し、現在はシンガポール・マレーシア・タイ・インドネシア・フィリピン・中国・米国・オーストラリア・オランダ・イタリア・日本の11カ国14拠点に展開しています(出典:ラクト・ジャパン公式サイト「グループ会社・拠点一覧」、2026年7月9日確認)。世界各国から調達した乳原料を、アジアの日系企業や現地食品メーカーに供給する事業が柱の1つです。 会社の決算説明資料によると、2024年11月期の事業部門別売上高構成比は、国内の乳原料・チーズ部門が66.8%、食肉食材部門が約12.8%、機能性食品原料部門が3.0%で、アジア事業(乳原料販売12.6%+チーズ製造販売3.3%)は合計**15.9%(271億78百万円)**を占めています(出典:ラクト・ジャパン「2024年11月期 決算説明資料」、2026年7月9日確認)。国内の乳原料・チーズ部門も海外から原料を調達しているため、実質的な海外関連の取引はこの数字以上に広がっていると考えられますが、確認できる開示ベースの数字としてはアジア事業単体で売上の約16%です。 売上高は2020年11月期の約1,108億円から2024年11月期の約1,709億円まで、5年で約54%伸びています(出典:IR BANK ラクト・ジャパン https://irbank.net/3139/kessan 、2026年7月8日確認)。世界各国から乳原料を調達し、アジアを含む販売ネットワークを拡大してきたことが、売上成長の背景にあると私は見ています。 ラクト・ジャパンの財務・配当・株価指標 数字を1つの表にまとめると次のとおりです(出典:IR BANK ラクト・ジャパン https://irbank.net/3139 、同/kessan、およびラクト・ジャパン「2024年11月期 決算説明資料」、いずれも2026年7月8〜9日確認)。 指標数値補足自己資本比率33.05%商社型で在庫・仕入れが大きく、極端に高くはない営業利益率2.61%(2024年11月期)薄利多売型の商社ビジネス営業利益額44.6億円(2024年11月期)2020年11月期29.6億円から5年で約1.5倍ROE12.1%(2024年11月期実績)前期比で大幅に改善、会社は今後もレベルアップを目指す方針営業キャッシュ・フロー+6.36億円(2024年11月期)運転資本が増加する中でもプラスを確保一株配当130円(2024年11月期)予想は132円(2025年11月期)配当性向25.3%(2024年11月期)2020年14.3%から段階的に上昇株価3,480円(2026年7月8日時点)—PER10.09倍(予想)割高感は薄い水準PBR1.08倍解散価値をわずかに上回る予想配当利回り3.79%優待利回り(0.5〜0.9%)を大きく上回る ラクト・ジャパン(3139)の営業利益率の推移 2.67% 2020/11 2.51% 2021/11 2.02% 2022/11 2.01% 2023/11 2.61% 2024/11 営業利益率(%)の推移。2%前後で推移する薄利型の商社ビジネスですが、営業利益額そのものは5年で約1.5倍に伸びています。出典:IR BANK ラクト・ジャパン 業績 https://irbank.net/3139/kessan 配当は、2020年11月期87円・2021年55円・2022年85円・2023年100円・2024年130円と、年ごとの利益変動で上下しつつも、配当性向を14.3%から25.3%へ段階的に引き上げてきています。 ...

2026年7月9日 · 最終更新: 2026年7月14日 · HIKO

ライフプランシミュレーションの作り方|95歳まで試算する30代夫婦の実例

「ライフプランシミュレーション エクセル」「ライフプラン 表 自作」で検索してこのページに来た方も多いと思います。テンプレートは検索すれば見つかります。ただ「結局何を入力すればいいのか」で止まってしまう人が多い印象です。 平成時代を生きた30代、川崎市在住・夫婦二人暮らし(子どもなし)のHIKOです。投資歴11年・FP2級。2026年6月に自作のライフプランシミュレーションを作り、95歳まで57年分の家計を複数シナリオで試算しました。この記事では、そのときに実際に組んだシート構成と、作成の5ステップを具体例つきで紹介します。 なお、本記事はマネーフォワード MEのようなツールで日々の家計を可視化した「その次」の段階を想定しています。まだ家計簿アプリで支出を把握していない方は、先にそちらから始めることをおすすめします。 ※本記事にはアフィリエイトリンクを含みます。 なぜ家計簿の次にライフプランシミュレーションが必要なのか 家計簿アプリは「今月いくら使ったか」を教えてくれます。しかし「このペースで貯めて、老後まで資産は持つのか」「住宅を買うべきか、賃貸を続けるべきか」「早期リタイアは現実的か」といった問いには答えてくれません。 これらに答えるには、単年ではなく数十年単位で家計を先に延ばして試算する必要があります。私がライフプランシミュレーションを作ったきっかけも、家計を可視化しただけでは「このままで大丈夫なのか」という不安が消えなかったからです。 ライフプランシミュレーションでできることは、大きく3つあります。 収入・支出・資産の推移を長期で可視化する 「賃貸 vs 住宅購入」「早期リタイアするなら何歳か」のような複数シナリオを比較する 前提条件(昇給率・利回り・支出)を変えたときの感度を確認する マネーフォワード MEで家計を自動で可視化する 銀行・証券口座・クレジットカードを連携するだけで、資産推移が自動でグラフ化されます。ライフプランシミュレーションの土台となる支出データもここから拾えます。 マネーフォワード MEを無料で試す → ※アクセストレード経由のアフィリエイトリンクです。 ライフプランシミュレーションに必要な項目 作り込む前に、最低限そろえておきたい項目を整理します。 項目内容例前提条件現在の年齢、退職想定年齢、想定寿命(何歳まで試算するか)収入現在の手取り年収、昇給率の想定、退職金・年金の見込み支出生活費、住居費、教育費(子どもがいる場合)、大型出費の予定ライフイベント住宅購入、車の買い替え、子どもの進学、早期リタイアなど資産・運用現在の資産額、NISA・企業型DCなどの積立額、想定利回り ポイントは、収入や支出を1本の数字で固定せず、「昇給率が低かった場合」「利回りが想定より低かった場合」のように複数パターンで置けるようにしておくことです。前提条件をシートの先頭にまとめておくと、後から一括で変更できて楽になります。 ライフプランシミュレーションの作り方【5ステップ】 ここからは、私が実際に組んだ手順を、例として「30代夫婦」のモデルケースに当てはめながら説明します。以下のケースはあくまで説明用の例示であり、私自身の実額ではありません。 例)30代夫婦(夫35歳・妻33歳)、子どもなし、賃貸暮らし 65歳を退職想定年齢、95歳を試算の終点に設定 30年後に住宅購入を検討するかどうかで悩んでいる 早期リタイア(FIRE)にも興味があるが、何歳なら現実的か分からない このようなケースを想定しながら、シートを組んでいきます。全体の流れを図にすると、次のような構成になります。 順番ステップ1前提条件2ベースシナリオ(現状維持)3ライフイベント別シナリオ(住宅購入/子ども1人/子ども2人/早期リタイア/逆算DieWithZero)4感度分析(年金/昇給/育休)5定期更新 ステップ1:前提条件シートを作る 最初に「前提条件」だけをまとめた1枚のシートを作ります。現在の年齢、退職想定年齢、試算の終点、想定利回り(保守1%・標準3%のように複数パターン)、昇給率などです。 私は試算の終点を95歳に設定しました。平均寿命(男性約81歳・女性約87歳)まででは老後資金を過小評価する可能性がある一方、FPが作成するライフプランでも95歳前後まで試算するケースは多く、長寿リスクを考慮すると現実的な終点だと考えたためです。 この前提条件シートの数字を、他のすべてのシートから参照する形にしておくと、前提が変わったときにここだけ直せば全体に反映されます。私の場合、作成後20日間で少なくとも10回以上、前提条件を見直して更新しました。月1回のような定期更新ではなく、「ニュースで金利や物価の話を見た」「昇給額が確定した」など、前提が変わるたびに触るイベントドリブンの運用です。 なお、家計の土台となる支出データは、マネーフォワード MEで日々自動集計されたものを使うと、シミュレーション側の入力の手間がかなり減ります。 ステップ2:ベースシナリオ(現状維持)を作る 次に、今の生活を続けた場合の家計推移を、年次で試算します。私は「ベース_賃貸」というシートを作り、95歳までの57年分を1行ずつ、収入・支出・資産残高が並ぶ形で組みました。 このベースシナリオが、後で他のシナリオと比較するときの基準になります。ここを丁寧に作っておくほど、以降の比較が楽になります。 こうした年次の合計や条件分岐には、一般的にSUM関数(合計を出す)やIF関数(条件によって数値を切り替える)を使うことが多いです。前提条件シートの数字を各年の行に参照させ、その上で収入・支出・資産残高を積み上げていくイメージです。 ステップ3:ライフイベント別のシナリオシートを増やす ベースシナリオができたら、検討したいライフイベントごとにシートを複製して分岐させていきます。私が実際に作ったシートは次のようなものです。 住宅購入(賃貸継続との比較用) 子ども1人・子ども2人(それぞれ教育費を反映したケース) 早期リタイア 逆算DieWithZero(95歳時点の目標資産から逆算して、いつまで働けばよいかを計算するシート) 例えば「住宅購入」を検討する場合、「ベース_賃貸」シートと「住宅購入」シートを、95歳までの57年間、実質利回り1%(保守)と3%(標準)の2パターンで並べて比較します。私の場合はこの比較の結果、賃貸を継続する判断をし、現在も賃貸に住んでいます。実際に試算してみると、住宅購入シナリオは賃貸継続シナリオより、95歳時点の資産残高が少ない結果になりました。金額差を確認できたことで、感覚ではなく数字をもとに判断できたことが、このシートを作った一番の収穫でした。 早期リタイアを検討したい場合は、資産の使い方(今の支出水準を維持する/老後の支出水準まで切り詰める/サイドFIREとして一部収入を残す)と利回り(保守1%・標準3%)を掛け合わせたマトリクスで比較すると、「何歳ならリタイアできそうか」が具体的に見えてきます。私は「逆算DieWithZero」というシートも別に用意し、95歳時点で目標の残高になるよう逆算して、賃貸シナリオと子ども2人シナリオの2ケースで最短のリタイア可能年齢を比較しました。 ステップ4:感度分析シートで前提のブレを確認する シナリオが一通りできたら、前提条件を意図的に動かして結果がどう変わるかを確認します。私は「年金感度」「昇給感度」「育休感度」という3つのシートを用意し、それぞれの前提を上下に振ったときに、最終的な資産残高がどう変化するかを確認しました。 例えば昇給率を1%下げて試算すると、95歳時点の資産残高が減る結果になりました。年金の受給額が想定より少なかった場合の感度も合わせて確認しておくと、「最悪のケースでも詰まないか」を事前にチェックできます。長期の複利計算では、こうした将来値の見積もりにFV関数(将来価値を計算する関数)が使われることも一般的です。 ステップ5:定期的に前提を更新し、シナリオを追い足す ライフプランシミュレーションは一度作って終わりではなく、状況が変わるたびに更新していくものです。私は最終的に「専業主婦逆算」「副業逆算」といったシートも追加し、全部で12シートの構成になりました。すべて2026年6月に作り始めたばかりで、まだ運用歴としては数週間ですが、短期間で何度も改訂を重ねたことで、自分たちの家計の「効きどころ」がかなりクリアになりました。 ライフプランシミュレーションを作るときの注意点 利回りは複数パターンで試算する:1つの利回りだけで試算すると、相場が想定を外れたときに計画が根本から崩れます。保守的な数字と標準的な数字の両方で試すことをおすすめします 将来の数字は「予測」ではなく「仮置き」と捉える:ライフプランシミュレーションは未来を正確に当てるものではなく、前提が変わったときにどう資産が動くかを確認するための道具です。数字を鵜呑みにせず、定期的に前提を見直す運用が前提になります 投資判断は自己責任で行う:本記事で紹介した利回り前提やシナリオ比較は、あくまで私個人の試算例です。実際の投資判断や住宅購入の意思決定は、ご自身の状況を踏まえて自己責任で行ってください まとめ ライフプランシミュレーションは、家計簿アプリで「今」を可視化した次に、「この先数十年」を可視化するための道具です。私は前提条件シート・ベースシナリオ・ライフイベント別シナリオ・感度分析シートという流れで、95歳までの57年分を複数パターンで試算しました。 最初から12シートを目指す必要はありません。まずは前提条件とベースシナリオの2つだけで十分です。住宅購入もFIREも、必要になったタイミングでシートを追加すればよいので、「完璧な状態で始める」より「小さく始めて更新し続ける」ことのほうが、結果的に長続きします。 今日やること 手元の家計簿アプリ(なければマネーフォワード MEなど)で、直近3ヶ月の平均支出を確認する 「何歳まで試算するか」「退職想定年齢は何歳か」の2つだけ、まず自分の前提条件として決める スプレッドシートを1枚開き、年齢・収入・支出・資産残高の4列だけのベースシナリオを作ってみる あわせて読みたい 2026年4月末の資産配分(アセットアロケーション)と保有商品、今後の投資方針 企業型DCの含み益と今後の運用方針 NISAで投資を始める30代のための基礎知識

2026年7月1日 · 最終更新: 2026年7月8日 · HIKO

バンカーズを退会できなかった話|11年・389万円運用して分かった投資の出口問題

投資歴11年のHIKOです。最初はクラウドクレジットで始め、現在はバンカーズで管理している融資型クラウドファンディングを退会しようとしたところ、その場では手続きできませんでした。その実体験を紹介します。 「もうこのサービスは使わないから退会しよう」。そう思って手続きを進めたら、その場では退会できませんでした。 なお、バンカーズでは口座を閉じる手続きを「退会」と呼びます。本記事では検索されやすい「解約」とも表記しますが、どちらも同じアカウントを閉じる手続きを指しています。 結論|取引があった年は退会できない 先に、この記事でいちばん伝えたいことを置いておきます。 結論:バンカーズは、預託金残高ゼロ・未償還ファンドなしでも、その年に分配や償還などの取引がある場合は退会できません。私の場合、預託金も未償還ファンドも残っていませんでしたが、その年に償還があったため退会できず、手続きできるのは取引のない翌年以降でした。「自分も残高ゼロなのになぜ退会できないの?」という疑問の答えは、この3つ目の条件にあります。 最初はクラウドクレジットで始めた融資型クラウドファンディングを長年続け、元本は累計389万円。私の集計では最終的な利益は税引後で18,304円でした。 投資を始めるときの口座開設の話はよく見かけますが、やめるときの段取りはあまり語られません。だからこそ、私が実際にバンカーズの退会でつまずいた体験を、事実ベースで残しておきます。退会条件の細部や、最終的な損益の中身は、このあと順番に見ていきます。 ※この記事は、私個人が利用した範囲での体験談です。退会条件はサービス側の運用や規約改定で変わる可能性があるため、実際に手続きする際は必ずバンカーズ公式の最新情報をご確認ください。投資判断・退会判断は自己責任でお願いします。 バンカーズの解約ができない|取引があった年は退会できなかった まず、私が実際につまずいた退会手続きの話からです。 新規の申し込みを止めても、すでに出資しているファンドは満期まで残ります。私の場合、ほとんどのファンドは償還が終わっていたので、「もう退会してアカウントを整理しよう」と考えました。 ところが、退会の手続きを進めようとしたところ、その場では手続きを完了できませんでした。マイページの「退会のお手続きを進める前に」という画面で止まったのです。 この画面には、退会の前提として3つの条件が示されていました。画面の説明文は「退会のお手続きにはお客様保護の観点から一定の条件を設けております。以下の項目がすべてOKの状態であれば、退会のお手続きに進むことができます」というものです。実際に表示された3条件と、私のときの状態は次のとおりでした。 退会の条件私のときの状態預託金残高が0円OK未償還のファンドがないOK本年中に取引をしていないNG 最初の2つはクリアしていました。預託金は出金済みで残高ゼロ、未償還のファンドも残っていません。引っかかったのは3つ目の「本年中に取引をしていない」で、画面には「お取り引きがあった年の退会はできません」と表示されていました。私はその年のうちに分配や償還を受け取っていたため、この条件を満たせず、退会の手続きには進めませんでした。 つまり、バンカーズの退会には「預託金残高ゼロ・未償還ファンドなし・本年中に取引なし」の3条件がすべて満たされている必要があり、私は最後のひとつでその年は退会できなかった、というわけです。 私のケースで確認できた「取引」と、一般的に考えられる範囲 私が画面で確認できたのは「本年中に取引をしていない」という条件文言だけで、行為ごとの細かい判定までは表示されていませんでした。そのうえで、一般的な考え方として整理すると次のようになります。 行為の例「取引」に含まれるか(一般的な考え方)ファンドの購入(出資)含まれると考えられる分配金の受け取り含まれると考えられる償還金の受け取り含まれると考えられるログイン・残高照会取引ではないと考えられる預託金の出金扱いは要確認 ※どの行為が「取引」に該当するかの正確な判定は、バンカーズ公式・問い合わせ窓口でご確認ください。上記はあくまで一般的な考え方を整理したもので、私が画面で確認できたのは「本年中に取引をしていない」という条件文言のみです。 なぜ取引があった年は退会できないのか。理由については、私が確認できた範囲では「お客様保護の観点から一定の条件を設けている」という説明のみでした。税務書類の発行や取引履歴の管理といった事情がある可能性はありますが、正確な理由はバンカーズへの確認が必要です。気になる方は問い合わせ窓口(マイページの問い合わせフォーム、または専用ダイヤル)で確認するのが確実です。 退会条件の細かい内容は、サービス側の運用や規約改定で変わる可能性があります。実際に手続きする際は、ご自身でバンカーズ公式の最新の案内をご確認ください。私が体験したのは「やめたいと思ったそのタイミングでは、すぐには退会できなかった」という事実と、その理由が画面上で3条件として明示されていた、ということです。 最初はクラウドクレジットで始めた|389万円運用して税引後+18,304円 なぜ私が「もう退会しよう」と思ったのか。それを説明するために、ここまでの経緯と成績を正直に出しておきます。 私がこの手のサービスを使い始めたのは、最初はクラウドクレジットというサービスでした。投資歴11年(2015年スタート)のなかで、株式とは別にコツコツ続けてきたのがこの融資型クラウドファンディングです。新興国の事業者への融資など、聞き慣れない国の名前が並ぶファンドに、1本あたり1万〜2万円ずつ、気づけば300本超、最終的に316本に分散していました。その後サービスが統合され、現在はバンカーズの口座でこれらの履歴が管理されています。 少額でいろんな国に投資できるのは面白く、最初は「銀行預金よりはマシな利回りで回るのでは」という軽い気持ちで始めました。バンカーズ自体は、事業者にお金を貸し付けるファンドに出資し、その利息を分配として受け取る「融資型クラウドファンディング」のサービスです。1万円程度の少額から申し込めて、申し込んだあとは満期(償還)まで基本的にほったらかし、というのが特徴でした。 2026年5月時点で、マイページからダウンロードした入出金データを自分で集計した結果は次のとおりです。 項目金額投資元本(累計316本)3,890,000円税引前の損益+122,653円源泉徴収された税金約104,349円税引後の損益+18,304円 元本389万円を長年回して、手元に残った利益は税引後で約1万8千円。これは私自身が集計した実額です。途中で何度も資金を追加しながら回していたので単純な年率では言い切れませんが、私の入出金ベースで見ると、最終的な実感リターンは非常に低い結果になった、というのが正直な感想です。表面上の利回りは魅力的に見えても、税金と元本割れの分を差し引くと、最終的にはこの程度だった、というのが私の結論です。 通貨別の損益(私の集計・円換算) 96182円 タンザニア 42583円 メキシコ -48583円 円建て -21366円 ロシア 私のマイページ入出金データを2026年5月に自分で集計した実額。少額分散した新興国通貨建てはプラス、資金を集中させた円建てとロシアルーブル建てが全体の足を引っ張った。過去の実績であり、将来の成果を保証するものではありません。 通貨ごとに見ると、少額ずつ分散したタンザニアシリング建てやメキシコペソ建てはプラスで終えられました。一方で、資金の6割以上を集中させてしまった円建てファンドはマイナス。ロシアルーブル建ては為替の急落と回収の難しさが重なり、私の集計では2割近いマイナスでした。 同じ日にまとめて7本が満期を迎えたときには、その7本すべてが元本割れで返ってきて、合計で4万4千円ほどの損失が確定したこともありました。「分散しているから大丈夫」と思っていたものが、同時に揃って沈むこともある、と実感した出来事です。 こうした結果を見て、私は「自分にはこの商品は合わない」と判断し、新規の申し込みをやめ、最終的に退会することにしました。これはあくまで私個人の判断で、この商品が良い・悪いという話ではありません。少額分散で淡々と回せる人には向いている面もあると思います。私が続けてきた融資型クラウドファンディングの損益全体については、ソーシャルレンディングの実績と損失を11年分まとめた記事で全316本の数字を公開しています。 投資は「入口」より「出口」の段取りを先に調べておく 今回いちばん学んだのは、投資を始める前に「やめるときどうなるか」を調べておくことの大切さです。 新規の口座開設や、いくらから始められるかという入口の情報は、どのサービスでもたくさん用意されています。一方で、「途中でやめたくなったらすぐに資金を引き上げられるのか」「アカウントの退会はいつでもできるのか」といった出口の情報は、自分から探しにいかないと出てきません。 融資型クラウドファンディングの場合、出資したお金は満期(償還)まで原則として引き出せません。途中解約ができない設計のものが多く、満期が数年先のファンドに申し込めば、その間は資金が拘束されます。さらに私のケースのように、退会というアカウント自体の整理にも、タイミングの制約があることがあります。 私が次に同じような商品を検討するなら、最低でも次の3点は申し込み前に確認します。 確認したい項目なぜ大事か満期前に途中解約できるかできない場合、満期まで資金が拘束される退会(アカウント解約)の条件バンカーズの場合「預託金ゼロ・未償還なし・本年中の取引なし」の3条件があり、取引があった年は退会できない税金と手数料を引いた後の実質利回り表面の利回りと手取りは大きく違うことがある 特に3つ目は、私自身が元本389万円・税引後+18,304円という実績で痛感した点です。表面の利回りが高く見えても、源泉徴収や元本割れを引いた後に手元に残るお金で考えないと、実態を見誤ります。 バンカーズの解約・退会に関するよくある質問 私が体験した範囲で、退会まわりのよくある疑問に答えておきます。日数や細かい運用はサービス側で変わり得るため、確実なところは公式・問い合わせ窓口でご確認ください。 バンカーズは途中解約できますか? 私が出資していたファンドは、満期(償還)前に途中解約して資金を引き出す仕組みではありませんでした。融資型クラウドファンディングは、満期まで資金が拘束される設計のものが多く、満期が数年先のファンドに申し込めば、その間は引き出せないと考えておくのが安全です。最新の取り扱いは公式の各ファンド説明で確認してください。 なぜバンカーズは退会できないのですか? 正確には「退会できない」のではなく、「本年中に取引があった年は、その年内は退会手続きに進めない」という条件があります。私の場合、その年に分配や償還を受け取っていたため、3条件のうち「本年中に取引なし」を満たせず、退会できるのは取引のない翌年以降でした。理由については画面上で「お客様保護の観点から」という説明があったのみで、詳しい理由はバンカーズへの確認が必要です。 退会前にやっておくことは? 私が経験した3条件をふまえると、退会前にやっておきたいのは次の3つです。1つ目は、預託金(口座に残っているお金)を出金して残高をゼロにすること。2つ目は、未償還のファンドが残っていないかを確認すること。3つ目は、その年に分配や償還などの取引があると退会できないため、取引のない翌年以降にあらためて手続きすること。あわせて、年間取引報告書など税務に使う書類のダウンロードも済ませておくと安心です。 ...

2026年6月29日 · 最終更新: 2026年7月12日 · HIKO

一時払い終身保険の予定利率2.25%引き上げは“買い時”か|元保険業界FPが見た41年ぶりの上げ幅

結論を先に言います。 一時払い終身保険の予定利率2.25%は「増やす商品」としてはおすすめしません。これは死亡保障と相続・資金の置き場所のための商品で、純粋に増やすならNISAが先です。一方、預貯金がすでに潤沢で、相続対策や確実に遺す手段がほしい人には役割があります。この記事は、退職金・相続の置き場所を考えている50〜60代の方、そして親世代の相談を受ける立場の30代に向けて、予定利率2.25%を実質利回り(IRR)の試算で冷静に見ていきます。 保険業界に10年、その後IT企業に転職したFP2級・投資歴11年のHIKOが書いています。 ※本記事は特定の保険商品の加入・解約を勧めるものではありません。投資・保険の最終判断はご自身の責任で行ってください。記事中のIRR試算は一般的な前提を置いた試算例で、特定商品の確定値ではありません。 結論:予定利率の引き上げは事実だが「増やす目的」ならNISAが先 先に私の見方をまとめます。 予定利率が上がったのは事実で、契約者にとっては条件が良くなる方向の話です ただし一時払い終身保険は「お金を増やす商品」ではなく、「死亡保障」と「まとまった資金の置き場所・相続対策」のための商品です 純粋に資産を増やしたいなら、まず使うべき枠はNISA(と、会社員なら企業型DC・iDeCo)です 予定利率2.25%は「契約者が手にする実質利回り」とイコールではありません。保障や手数料のコストが乗るため、実際の利回りはそれより低くなります 「41年ぶり」という言葉に押されて慌てる必要はない、というのが私の立場です。順番に説明します。 報道された内容を整理する まず、報じられた事実を簡単に整理します(出典:2026年6月25日 TBS NEWS DIG)。 項目内容会社住友生命対象一時払い終身保険予定利率1.75% → 2.25%上げ幅0.5%(41年ぶりの大きさ)2.25%という水準1998年以来、28年ぶり適用2026年7月1日の契約分から背景日銀の利上げなどによる国内金利の上昇 報道では、保険料がどれくらい安くなるかの例も示されていました。60歳男性・保険金額1,000万円のケースで、保険料はおよそ663万円となり、68万円ほど安くなるという内容です。 予定利率が上がると、同じ保険金額を用意するために必要な保険料は下がります。だから「保険料が安くなる=条件が良くなる」というのは、その通りです。 ただ、ここで一度立ち止まりたいのです。この商品は、そもそも何のための商品なのでしょうか。 そもそも一時払い終身保険とは|「増やす」より「遺す・置く」商品 一時払い終身保険は、契約時に保険料をまとめて一括で支払う死亡保険です。月払いや年払いではなく、最初に何百万円〜という単位でドンと払い込みます。 特徴を整理すると、こうなります。 死亡保障が一生涯続く:被保険者が亡くなったとき、保険金が支払われます 払った保険料より保険金が大きくなる設計:例の60歳男性なら、約663万円を払って1,000万円の保障を確保するイメージです 解約返戻金が時間とともに増える:据え置くほど返戻金が払込額に近づき、やがて上回っていきます つまりこの商品は、「お金を増やすこと」よりも、まとまった資金に死亡保障という形を与えて、確実に遺す・置いておくことに主眼があります。実際、相続対策(生命保険の非課税枠の活用)や、退職金など使う予定のないまとまった資金の置き場所として語られることが多い商品です。 ここが、NISAやインデックス投資と決定的に違うところです。NISAは「増やす」ための枠、一時払い終身保険は「遺す・守る」ための器、と役割が違います。 一時払い終身保険とNISAの比較表|目的・元本・利回り・流動性・相続 「どちらが得か」ではなく「役割が違う」ことが伝わるように、5つの軸で並べてみます。 比較軸一時払い終身保険NISA(インデックス投資)主な目的死亡保障・遺す・資金の置き場所資産を増やす元本の安全性据え置けば元本確保に近い(早期解約は元本割れ)元本保証なし(値動きする)期待できる収益低め(予定利率より下。後述の試算で年1%前後の例)過去実績ベースで年3〜7%想定(将来は不確実)流動性(引き出しやすさ)低い(早期解約は元本割れ・原則寝かせる前提)高い(いつでも売却・引き出し可能)相続対策生命保険の非課税枠(500万円×法定相続人)が使える非課税枠の対象外(通常の相続財産)向いている人預貯金が潤沢で遺す・守る目的の人これから増やしたい現役世代 NISAは値動きを受け入れて増やす器、一時払い終身保険は値動きを抑えて遺す・守る器です。期待収益・流動性ではNISAが上ですが、相続の非課税枠は保険ならではの強みです。優劣ではなく目的で選ぶ、というのが結論になります。 予定利率2.25%=あなたの利回り、ではない|IRRの試算例で見る ここが一番の注意点であり、第三者からも「ここを数字で見せてほしい」と指摘された核心部分です。 「予定利率2.25%」と聞くと、預けたお金が年2.25%で増えていくように感じます。でも、予定利率は保険会社が運用する前提の利率であって、契約者が実際に受け取る利回り(実質利回り・IRR)とは別物です。一時払い終身保険には、死亡保障というコストと保険会社の経費(付加保険料)が乗っているからです。 そこで、報道の数字(約663万円払って保険金1,000万円)を起点に、実質利回り(IRR)がどう見えるかを試算してみます。 重要な前提です。 以下は私が一般的な前提を置いて計算した試算例であり、住友生命など特定商品の確定した解約返戻金推移ではありません。解約時期ごとの返戻率(100%・110%・120%・130%)は、説明のために私が置いた仮定値です。実際の返戻金は商品・契約年齢・経過年数で異なるため、必ず契約時の設計書で確認してください。前提は「一時払い663万円・保険金1,000万円・追加の保険料なし」とします。 まず、生きていて途中で解約する場合の実質利回り(IRR)の試算です。 解約時の返戻率(仮定)受取額10年後20年後30年後100%(払込と同額)663万円年0.00%年0.00%年0.00%110%約729万円年0.96%年0.48%年0.32%120%約796万円年1.84%年0.92%年0.61%130%約862万円年2.66%年1.32%年0.88% 返戻率が育っても、年数で割り戻すと実質利回りは年1%前後にとどまるケースが多いことが分かります。予定利率2.25%という見出しの数字と、契約者が手にする利回りは別物だということです。これは私が過去に検証したオリックス生命「エンキャン」(返戻率139.5%でも実利回り年1.34%)や、明治安田の積立保険(予定利率1.6%でも実利回り年1%台)と同じ構造です。 次に、死亡して保険金1,000万円を受け取る場合の試算です。 受取受取額10年後20年後30年後死亡保険金1,000万円年4.20%年2.08%年1.38% 「663万円が1,000万円になるなら年率は高いのでは」と思うかもしれません。確かに10年で亡くなれば年4.2%相当に見えます。ただ、これは「亡くなる」という条件が満たされた場合の数字です。長生きするほど年数で割り戻されてIRRは下がり、30年生きれば年1.38%まで落ちます。そして長生きして解約すれば、上の表のとおり年1%前後に収れんしていきます。 ここから見えるのは、単純な「663万円払って1,000万円だから337万円増える」という話ではないということです。差額の337万円は「いつ亡くなるか分からない死亡保障」というコストの裏返しで、保障コストがある分だけ生存時の実質利回りは予定利率2.25%より押し下げられます。これは商品の欠陥ではなく、保険という仕組みの当然の構造です。増やす道具ではなく、保障と置き場所の道具だと割り切る理由はここにあります。 なぜ今、予定利率が上がったのか|金利上昇局面の話 ここは投資家目線で補足したい部分です。 予定利率は、保険会社が「契約者から預かったお金をこれくらいの利回りで運用できる見込みだから、その分を保険料に織り込みます」という前提の利率です。保険会社の運用先の中心は国債などの債券なので、国内金利が上がれば、予定利率も上げやすくなります。 近年は日銀が利上げに動き、長期金利も上昇してきました。今回の「41年ぶりの上げ幅」は、その金利上昇を保険商品の側が反映した動き、と理解すると腑に落ちます。明治安田生命が積立保険の予定利率を引き上げた件など、ここ最近は各社が同じ方向に動いています。 ここで投資家として一つ言いたいのは、金利が上がる局面というのは、保険だけでなく、個人向け国債や債券、定期預金など他の「増やし方」の条件も良くなっているということです。予定利率2.25%だけを単独で見て「お得になった」と判断するのではなく、同じ局面で他の選択肢の条件も上がっていることをセットで考えたいところです。とくに個人向け国債(変動10年)は、金利上昇局面では半年ごとに適用利率が見直され、元本割れもしない設計です。「安全に置く」目的なら、保険と並べて検討する価値があります。 私(HIKO)はどう考えるか 私自身は、保険と投資を分けて考える派です。 自分のお金は、増やす部分はNISAと企業型DCに寄せています。会社の企業型DCは外国株インデックス中心で運用していて、評価額は約114万円、含み益は20万円ほどになりました。NISAは夫婦で積立を続けています。「増やす」ための器は、低コストのインデックス投資で十分だと考えているからです。 一方で、死亡保障は保障として別に確保する、という整理です。増やす機能と保障する機能を一つの商品に詰め込むと、コストの内訳が見えにくくなり、「自分が今いくらの利回りで・いくらの保障に・いくら払っているのか」が分からなくなりがちです。 保険業界に10年いて感じていたのは、貯蓄性保険は「強制的に積み立てられる」「途中で引き出しにくいから貯まる」という行動面のメリットが確かにある、ということでした。意志の力で投資を続けられない人にとって、半強制的に貯まる仕組みは価値があります。ここは否定しません。 ただ、私自身はその強制力よりも、コストの透明さと流動性(必要なときに引き出せること)を優先しました。だからNISA中心の組み立てにしています。これはあくまで私の選択で、正解は人それぞれです。 一時払い終身保険を「買ってもいい人」の具体的な条件 向く・向かないを、より具体的な条件で示します。次のような状況に当てはまる人ほど、一時払い終身保険が選択肢になり得ます。 買ってもいい可能性が高い人(目安) 預貯金が3,000万円以上など、生活防衛資金と当面の生活費を十分に確保したうえで、なお使う予定のないまとまった資金がある人 遺したい相続人がいて、生命保険の非課税枠(500万円×法定相続人の数)をまだ使っていない人 NISA・iDeCo・企業型DCなど、増やすための非課税枠をすでに活用済みの人 そのお金を10年以上、できれば一生使う予定がなく、寝かせておける人 値動きのある投資が性格的に向かず、確定した受け取り・遺し方を重視する人 買わないほうがいい可能性が高い人 主目的が「資産を増やすこと」の人(→ まずNISA・企業型DC・iDeCoの枠を使うほうが合理的) まとまった資金を長期間動かせなくなるのが困る人(早期解約は元本割れの可能性) 30代など、これから資産形成を始める段階で、一時払いの原資をまだ作っている途中の世代 生活防衛資金がまだ十分でない人 ポイントは、増やす枠を使い切ったあとの、余ったまとまった資金の置き場所として検討する順番だということです。最初の一手ではありません。 ...

2026年6月25日 · 最終更新: 2026年7月8日 · HIKO

2258はHYGの円版ではなかった|620株買った後に気づいた本当の違い

結論を先に書きます。2258はHYGの円版ではありません。連動指数もファンドの籍も異なる、日本籍の独立したETFです。この記事では、HYGの円版だと思い込んで620株買った私の実体験をもとに、両者の違いと、620株分の分配金実績(税引後の実額)を整理します。 「HYGを買いたい。でも米国ETFを買うのはちょっと面倒だな」 そう思っていた私が、東証で「2258 iシェアーズ 米ドル建てハイイールド社債 ETF」を見つけたとき、こう思い込みました。 「これはHYGの円で買える版だろう。中身は同じHYGだろう」 そしてNISAの成長投資枠で、2258を620株(取得単価228円・楽天証券)買いました。 ところが、あとで連動指数と目論見書を確認したら、2258はHYGそのものでも、HYGを箱に入れただけの商品でもありませんでした。連動する指数も、ファンドの籍も別物だったのです。 それでも結果として困らなかったのは、私が買いたかったのが「HYGという固有の商品」ではなく「米ドル建てハイイールド社債市場へのまとまった投資」という目的だったからです。名前やブランドの印象でETFを判断すると、別物をつかむことがある。それでも"目的"で投資していれば、ズレに気づいたときに困らない――この記事で本当に伝えたいのは、その一点です。「2258とHYGは何が違うのか」を、私の思い込み→検証→納得の順で整理しながら、ETF選びで名前に頼ることの危うさを共有します。 ※本記事は私個人の投資判断と整理の記録です。特定の商品の購入を勧めるものではありません。投資の最終判断はご自身でお願いします。 【思い込み】私は「2258=HYGそのもの」だと思って買った HYG(iShares iBoxx $ High Yield Corporate Bond ETF)は、米ドル建てハイイールド社債(いわゆるジャンク債)にまとめて投資できる、世界的に有名なETFです。米国の高利回り社債に分散投資したい、という需要にぴったりの商品です。 私もそこに魅力を感じていました。ただ、米国ETFを買うとなると、円をドルに替えて、外国株式の口座で買って…と、ひと手間あります。 そんなときに東証の「2258 iシェアーズ 米ドル建てハイイールド社債 ETF」を見つけました。名前もiシェアーズ(HYGと同じブランド)で「米ドル建てハイイールド社債」。私はほとんど確認もせず、こう思い込みました。 「これはHYGの日本版だ。東証でHYGそのものを円で買えるんだ」 そしてNISAの成長投資枠で620株、取得単価228円で買いました。「HYGを円で買えた」という満足感さえありました。 【検証】毎月分配型ETFの買付制限を調べたのがきっかけで、別物だと気づいた 別物だと気づいたきっかけは、ハイイールド系ETFまわりの「分配のしくみ」を調べていたことでした。 ちょうどその頃、私は米国高配当ETFのHDVが四半期分配から毎月分配へ変更され、毎月分配型が新NISA成長投資枠の対象外になることで、楽天証券で買付注文が失効してしまう、という出来事を別記事で整理していました。詳しくは下のリンク記事にまとめています。 このとき「米国の高配当・高利回り系ETFは、分配のしくみや器の作りによって、NISAでの扱いまで変わってくるんだな」と実感したのです。そこで、自分が持っているハイイールド系の2258についても「これは本当にHYGと同じものなんだろうか?」と、改めて中身を確認する気になりました。 そして2258の連動指数と目論見書をきちんと確認したところ、自分の思い込みが間違っていたことに気づきました。2258はHYGそのものではなく、HYGを裏付けにした商品(いわゆるJDR)でもなかったのです。 あわせて読みたい:毎月分配型がNISA対象外な理由|HDV毎月分配化と楽天証券の買付失効を30代FPが解説 連動している指数が違う ETFは「どの指数に連動するか」で中身が決まります。ここが両者で違いました。 2258(iシェアーズ 米ドル建てハイイールド社債 ETF)HYG(iShares iBoxx $ High Yield Corporate Bond ETF)上場市場東京証券取引所米国(NYSE Arca)ファンドの籍日本籍の独立したETF米国籍のETF連動指数ICE BofA US ハイ・イールド・コンストレインド・インデックスMarkit iBoxx USD リキッド・ハイイールド指数通貨円で売買・投資対象はドル建て資産ドル建て経費率(信託報酬)年0.209%(税込)0.49%(目論見書記載値)流動性低め(規模が小さく歴史も浅い)非常に高い(世界最大級・取引活発)向いている人日本居住で円のまま管理したい人ドル資産・海外ETFの口座を使う人 連動する指数の名前からして違います。どちらも「米ドル建てのハイイールド社債をまとめて買う」指数ではありますが、組み入れ銘柄・残存期間・格付け構成・セクター比率などの細かいルールが違う、別の指数です。 「箱を開けたらHYGが入っている」わけではなかった 私が思い込んでいたのは、いわば「2258という箱を開けたら、中身はHYGが入っている」というイメージでした。海外ETFを裏付けにして日本で売買できるようにしたJDR(預託証券)なら、そういう構造もあります。 しかし2258はJDRではなく、HYGとは独立に、自前で米ドル建てハイイールド社債を組み入れて運用している、日本籍の別ファンドでした。「HYGの円版」ではなく、「HYGと似た市場を狙う、別のETF」だったわけです。 正直に言うと、最初の理解は間違っていました。2258はHYGではありません。 HDVの件をきっかけに「ETFの中身をちゃんと確認していたか」と立ち止まらなければ、ずっと「2258=HYG」と思い込んだままだったかもしれません。 【納得】それでも自分の目的には十分な代替候補になった では「思い込みで別物を買ってしまった、失敗だった」かというと、そうは感じていません。あくまで自分の目的(米ドル建てハイイールド社債への投資)においては、2258は十分な代替候補になりました。理由を順に書きます。 「別物」と「目的を満たす」は両立する ここがこの記事でいちばん伝えたい点です。 器(ファンド)も指数も別物 … これは事実。2258とHYGは違う商品。 でも狙っている市場は近い … どちらも「米ドル建てのハイイールド社債市場を広く」買う、分散された指数。 どちらも米ドル建てハイイールド社債市場を広く狙う指数なので、値動きの方向感は似やすいといえます。「景気が悪化すると下がりやすい・利回りで取りにいく」という大きな性格は共通だからです。ただし連動指数が違うため、値動きが完全には一致しません。組入銘柄・残存期間・格付け構成・セクター比率・信用スプレッドへの感応度・分配の方針などが異なり、得られるリターンが完全に同じになるわけではない点には留保が必要です。どちらが優れているという話ではなく、別物だという前提を置いておく必要があります。 ...

2026年6月20日 · 最終更新: 2026年7月2日 · HIKO

積立保険は続けるべき?|ドル建て終身・個人年金・学資保険をIRR比較

保険業界に10年在籍したのちIT企業へ転職した、平成時代を生きた30代のHIKOです。FP2級保有、年収300万円台からのスタートで投資歴は11年(2015年NISA開始)。失敗もしながら資産形成を続けています。今回は「保険外交員に積立保険を勧められたけれど、本当に得なのか」と悩む30代会社員に向けて、主要な積立保険の実利回り(IRR)を概算で比較し、NISAやiDeCoとの機会損失差まで整理します。 先に 住友生命Chakinの実利回り検証記事 を書いたところ、検索からの流入が想像以上にありました。Chakinは新商品ですが、既存の「明治安田生命 つみたて」「日本生命 みらいのカタチ」「ドル建て終身保険」「学資保険」「養老保険」「変額保険」も、考え方の枠組みは同じです。本記事はそのクラスター記事として、検討対象になりやすい6タイプを横並びで見られるようにまとめます。 この記事の要点 積立保険のIRRは年0.3〜1.5%が中心 NISA/iDeCoの期待リターンとの差は長期で大きく開く ただし「強制貯蓄」「相続対策」など保険が合理的なケースもある 結論|積立保険の実利回りはNISAやiDeCoの数分の一 最初に結論を出します。日本で売られている主要な積立保険の実利回りは、概ね年0.3〜1.5%のレンジに収まります。一方、NISAやiDeCoで全世界株式・S&P500などのインデックス投信を積み立てた場合、過去実績の長期想定利回りは**年3〜5%**で語られることが一般的です。 (注:NISA・iDeCoの「年3〜5%」は過去の長期インデックス投信実績から語られる目安で、将来を保証する数値ではありません。詳細な前提は記事末尾の免責に記載しています) 両者の差は単年で見ると小さく見えますが、20〜30年の積立では複利で数百万円〜1,000万円規模の機会損失になり得ます。「積立保険=悪」という極論ではなく、**「同じ金額を税優遇つき投資に回した場合との差を必ず計算する」**ことが、30代の資産形成では非常に重要です。 ただし、保険には「死亡保障」「就業不能保障」など投資商品にはない機能があります。本記事では「保障」と「貯蓄」を切り分けて考え、貯蓄部分の実利回りに絞って評価します。これは保険業界10年で見てきた中で、もっとも現実的な判断軸でした。 実利回り(IRR)とは何か|表面利回りとの違い 比較に入る前に、用語を整理します。 表面利回り:保険会社が提示する「予定利率」「返戻率」など。総払込額に対する増加額を単純に比率化したもの 実利回り(IRR:内部収益率):「いつ払って、いつ受け取るか」のキャッシュフロー時間軸を組み込んだ年率換算の利回り。投資商品の利回りと比較できる唯一の指標 たとえば「30年で返戻率120%」と聞くと一見大きく見えますが、IRR換算すると年率約0.6%です。表面利回りはマーケティング上の数値、IRRが現実の数値、と覚えておくと判断を間違えにくくなります。 なお、本記事の試算はすべて2025〜2026年時点の公開情報および各社販売設計例から逆算した概算値であり、実際の契約条件・付帯保障内容・予定利率改定によって変動します。最終判断は契約書の設計書と直近の予定利率で行ってください。 主要積立保険6タイプの実利回り比較【円建て・ドル建て・変額別】 代表的な積立保険6タイプを、概算ベースで一覧にします。具体的な商品名はあくまで「カテゴリ代表例」として挙げています。 商品タイプ代表商品例表面利回り(予定利率/返戻率換算)実利回り(IRR概算)NISAインデックス(年5%想定)との差円建て終身保険各社の低解約返戻金型終身予定利率 約0.5〜1.0%約0.3〜0.7%大きい(複利差で数百万円規模)個人年金保険日本生命「みらいのカタチ」年金保険 等返戻率 約110〜125%(30年)約0.4〜1.2%中〜大ドル建て終身保険各社のドル建て一時払・平準払終身予定利率 約3.0〜4.0%約1.0〜2.0%(為替+コスト控除後)中(為替変動リスク込み)変額保険各社の変額終身・変額個人年金ファンド連動信託報酬控除後で投信よりやや劣後同等運用が低コストで可能学資保険各社の学資保険返戻率 約103〜108%(17〜18年)約0.3〜0.8%大きい養老保険各社の養老保険返戻率 約103〜108%(10〜30年)約0.3〜0.7%大きい 上表のIRR概算値は、2025〜2026年時点の各社公開設計書・販売設計例・予定利率の一般的な水準をもとに逆算した概算です。実際の数値は契約年・健康状態・特約付加・予定利率の改定により変動します。本記事の数値は「商品カテゴリの大まかな水準」を示すもので、個別契約の最終判断は最新の設計書に基づいてください。 ここから1つずつ詳細を見ていきます。 明治安田生命「つみたてだいすき」は得か?|実利回りを試算 「つみたてだいすき」(明治安田生命の積立保険)は、毎月の保険料を一定期間払い込んで、満期で受け取る平準払い型の積立保険です。販売現場では「銀行に預けるよりは増える」「強制力があって貯まる」という訴求でよく勧められます。 ここでは、よく案内される設計に近い月1万円・10年払い込み・満期一括受取を前提に、概算IRRを試算します。具体の返戻率は契約年・健康条件で変動するため、ここでは「総払込額120万円→満期受取126万円(返戻率105%)」を仮置きします。 項目値月払い保険料10,000円払込期間10年(120ヶ月)総払込額1,200,000円満期受取額(仮定)1,260,000円返戻率(表面)105%実利回り(IRR概算)年率 約0.9% 返戻率105%は「10年で5%増えた」という見え方ですが、毎月積み立てている時間軸を反映するとIRRは年0.9%程度に落ち着きます。 参考:IRR(実利回り)の計算過程 上記の年率0.9%という数値は、以下のキャッシュフローからExcelのXIRR関数で逆算したものです。 経過年キャッシュフロー(円)備考1年目-120,000月1万円×12ヶ月の払込2年目-120,000同上3〜9年目各 -120,000同上10年目-120,000払込最終年10年目満期+1,260,000満期受取金 このキャッシュフローをExcel/Google Sheetsに貼り付け、=XIRR(値の範囲, 日付の範囲) を実行すると年率約0.9%が算出されます。返戻率105%(10年で5%増)という見え方と、年率0.9%という数値の差は、「お金を払ってから受け取るまでの時間」を年率に均す処理から生まれています。 ※本記事のNISA試算はすべて「毎月積立・年率5%複利・手数料および税金は考慮外」の単純シミュレーションです。将来のリターンを保証するものではなく、市場環境により元本割れの可能性もあります。 同じ月1万円を10年間、NISAでインデックス投信(年5%想定)に積み立てた場合の評価額は約155万円となり、両者の差は約29万円です。 10年で30万円弱の差なら許容範囲、と感じる人もいると思います。ただし「積立保険を10年継続できる人は、その後の20年も同じ習慣を維持できる」傾向が強いです。同じペースを30年続けると差は数百万円規模に広がります。 日本生命「みらいのカタチ」個人年金は得か?|実利回りとデメリット 日本生命「みらいのカタチ」は、終身保険・年金保険・医療保険などをパーツで組み合わせる商品群の総称です。ここでは個人年金保険部分にフォーカスします。 個人年金保険の魅力としてよく挙げられるのが、**個人年金保険料控除(年最大4万円)**です。所得税率10%・住民税率10%の年収帯(概ね課税所得330万円以下)なら、年間8,000円程度の節税効果があります。 しかし、利回り側を冷静に見ると以下のとおりです。 項目値(概算)月払い保険料10,000円払込期間30年総払込額3,600,000円受取総額(10年確定年金など)約4,000,000〜4,300,000円返戻率約111〜119%実利回り(IRR概算)年率 約0.7〜1.2% ここに節税効果を加算しても、トータルの実質リターンは年1.0〜1.5%程度にしか届きません。同じ30年で同額をiDeCoに拠出した場合、所得控除(年12〜27.6万円拠出可、所得税+住民税で同率の節税)と運用益非課税が両方効くため、想定利回り3%でも実質的な手残り効率は個人年金保険を大幅に上回ります。 主なデメリットを3つ整理しておきます。 流動性が低い:途中解約で元本割れの可能性が高い インフレに弱い:名目固定利率なので、物価上昇局面では実質目減りする 保険会社の信用リスク:30年単位で1社の破綻リスクを背負う 「みらいのカタチ」自体は柔軟性のある商品設計ですが、年金保険パートに関してはiDeCoの方が税優遇・運用効率の両面で優位というのが、FP視点での評価です。 ドル建て終身保険は解約したほうがいい?|表面と実質の利回りギャップ ここ数年、超低金利環境下で「ドル建て終身保険」の販売が増えました。提案書には「予定利率3〜4%」と書かれていることが多く、円建て商品と比べて見栄えが良いのは事実です。 ただし、表面の予定利率と実質利回りの間には大きなギャップがあります。 控除要因概算インパクト保険関係費用(死亡保障・運営コスト)年 -0.8〜-1.5%為替手数料(円→ドル、ドル→円)一般的に片道50銭〜1円/ドル為替変動リスク円高方向に振れた場合は元本割れリスク 予定利率3.5%の商品でも、コスト控除後のドルベースIRRは概ね年1.5〜2.5%、円換算で受け取った場合の最終的な実利回りは為替次第で年0〜2%程度のレンジに落ちることが多いです。 「予定利率3.5%」を期待してドル建て終身保険に加入すると、為替リスクを取った割にリターンが米国株インデックス投資より低いという結果になりがちです。米国株インデックス(S&P500)の長期想定利回りはドルベースで年6〜8%が一般的に語られる水準で、同じ為替リスクを取るならインデックス投信の方が圧倒的に効率が良いです。 ドル建て終身保険が向いているのは、「死亡保障をドル資産で持ちたい」かつ「30年以上保有可能」かつ「為替変動を許容できる」人に限定されます。「なんとなく利回りが良さそうだから」で入るのは、機会損失が大きすぎます。 変額保険の実利回りはなぜNISAに劣後するのか 変額保険(変額終身・変額個人年金)は「投資型の保険」と訴求され、表面的にはNISAと似た構造に見えます。実際は以下の要因で長期リターンがNISAインデックス投資に劣後するケースが大半です。 ...

2026年6月18日 · 最終更新: 2026年7月14日 · HIKO

予定利率1.6%でも利回りは1%台?明治安田の積立保険をNISA比較

保険業界10年・投資歴11年・FP2級の HIKO です。保険会社で10年働いたあと IT企業へ転職し、家計と投資の発信をしています。 ※当記事はアフィリエイトリンク(PR)を含みます。また、本記事で扱う数値は 2026年6月の報道による情報 をもとにしており、商品名や条件は公式の最新情報をご自身でご確認ください。投資・契約の判断は自己責任でお願いします。 2026年6月、明治安田生命が平準払い(毎月払い)の積立保険の予定利率を、現行の1.4%から1.6%へ引き上げると報じられました。報道によると、契約から10年たった満期で受け取れる金額は払込総額の110%になり、これは2026年4月に続く同年2度目の引き上げとのことです。建付け(5年払込・10年満期)から、これは当ブログで以前検証した「じぶんの積立」とみられる商品ですが、公式での裏取りは取れていないため、本記事では報道ベースの慎重な表現で進めます。 ニュースを見て「予定利率が上がったなら、今が買い時では?」と感じた方も多いはずです。本記事では、その予定利率1.6%・満期110%という数字を、実質利回り(IRR)に翻訳して冷静に見ていきます。 結論:利上げは朗報だが、IRRで見ると依然「年1%台」 先に結論を3点に整理します。 利上げは確かに朗報:満期返戻率が報道前の108.3%から110%へ上がるなら、実質利回り(IRR)は年率約1.07%から 年率約1.28% へ改善します(いずれも本記事の試算)。 ただしNISAとは役割が違う:積立保険は「満期まで保有すれば払込総額を上回る設計の確定リターン商品」、NISAインデックスは「元本割れリスクと引き換えに高い期待リターンを狙う商品」。同じ土俵で「どちらが得」とは言い切れません。なお保険は預金保険の対象外で、保険会社が破綻した場合は生命保険契約者保護機構による補償(責任準備金の原則90%まで等)に拠ることになり、預金と完全に同じ安全性ではない点には留意が必要です。 「予定利率が上がった=今すぐ買い時」という話には乗らない:予定利率1.6%という数字と、あなたが手にする実質利回りは別物です。数字の見え方に流されず、自分の家計の中での役割で判断するのが現実的です。 ここから先は、報道された数字と一般的な税制値を使って、順番に整理していきます。 報道された内容を整理する まず、2026年6月の報道で示された内容を整理します。以下はすべて報道ベースの数値であり、公式の最新条件はご自身でご確認ください。 項目報道された内容対象平準払い(毎月払い)の積立保険予定利率1.4% → 1.6%(2026年7月申込分から)払込期間5年保険期間10年10年満期時の受取払込総額の110%例(月2万円の場合)払込総額120万円に対し満期132万円(+12万円)引き上げの背景国内金利の上昇を反映。2026年内2度目の引き上げ 報道では「投資信託などに比べて元本割れのリスクが少なく、銀行預金よりも金利は高い」という商品の位置づけも示されていました(報道の文言)。ただし、これはあくまで満期まで保有した場合の話で、途中解約時は解約返戻率が100%を下回り元本割れする期間があること、将来的に商品条件が変更される可能性があること、保険である以上は保険会社の信用力に依存することは、地の文として補っておきます。元本保証ではなく「満期まで保有すれば払込総額を上回る設計の確定リターン商品」と捉えるのが正確です。 なお、当ブログで以前検証した時点(2026年5月)の満期返戻率は108.3%でした。今回の報道どおりであれば、満期返戻率が110%へ上がる点が新しい情報になります。 予定利率1.6%・満期110%をIRRに翻訳すると年率いくらか ここが本記事の核です。「予定利率1.6%」と聞くと、年1.6%で増えるように感じます。しかし、私たちが実際に手にする利回りは、もっと低くなります。 報道の例にならって、月2万円×60ヶ月(5年)払い込み、その後5年据え置いて10年満期で132万円を受け取るケースで計算します。 払込総額:20,000円 × 60ヶ月 = 1,200,000円 満期受取額:1,200,000円 × 110% = 1,320,000円 増加額:120,000円 ポイントは「120万円を一括で預けたわけではない」「毎月2万円ずつ5年かけて積み立て、その後5年は据え置いた」という時間構造です。最後に積んだお金は数年しか運用されず、最初に積んだお金だけが約10年運用されます。 この時間価値を考慮した内部収益率(IRR)を計算すると、次のようになります。 満期返戻率実質利回り(IRR・年率換算)110%(今回の報道)約1.28%108.3%(報道前・参考)約1.07% 返戻率110%という見た目に対し、実質利回りは年率約1.28%。利上げによって約0.2ポイント改善した計算ですが、依然として年1%台です。「予定利率1.6%」という数字とは、はっきり差があります。 ※IRRは、毎月末に2万円を5年間(計60回)払い込み、最後の払込から5年後に満期金132万円を一括で受け取る前提で、月次キャッシュフローから内部収益率を求めて年率換算したものです(手数料・税・配当等の細目は加味しない簡易試算)。前提が変われば数値も変わります。 なぜ「予定利率1.6%」と「実質利回り」はズレるのか ここがFPとして一番お伝えしたい部分です。両者がズレる理由は大きく2つあります。 1つ目は、予定利率がかかるのは「払い込んだお金のうち、運用に回る部分」だけだからです。 保険には保険会社の運営経費(付加保険料)や、わずかでも付帯する保障コストが含まれます。払込総額のすべてに予定利率1.6%がそのまま乗るわけではありません。 2つ目は、先ほど触れた時間構造です。 積立保険は「毎月コツコツ積む→さらに数年据え置く」という形のため、お金ごとに運用される期間がバラバラです。満期時点の「払込総額に対する増加率(返戻率110%)」を、毎年の利回り(IRR)に直すと、必ず小さく見えます。 だからこそ、「予定利率◯%」や「返戻率◯%」という表示は、商品同士を比べる物差しとしては不十分です。私はいつも、こうした商品を見るときは返戻率を一度IRRに翻訳してから判断するようにしています。今回のように予定利率が引き上げられたニュースでも、まず実質利回りに直してみると、過度に期待しすぎず冷静に見られます。 同じ月2万円をNISAに入れたら、10年後どうなるか では、同じ月2万円を NISAつみたて投資枠で全世界株インデックスに5年間積み立て、その後5年間そのまま保有した場合の評価額を試算します。 株式市場では長期的に年率数%〜7%程度のリターンが期待されることがありますが、将来の成果は保証されません。ここでは幅を取って3%・5%・7%の3シナリオで比較します。 シナリオ10年後評価額(NISA)積立保険(満期110%)差額年率3%(保守)約1,497,341円1,320,000円+約177,000円年率5%(中央値弱め)約1,730,988円1,320,000円+約411,000円年率7%(強気)約1,997,117円1,320,000円+約677,000円 月2万円×5年積立・10年後評価額(NISA vs 積立保険・満期110%) 1320000円 積立保険110% 1497341円 NISA年率3% 1730988円 NISA年率5% 1997117円 NISA年率7% 数値は本記事の試算(NISAは年率3/5/7%・運用益非課税)。期待値であり確定リターンではありません。 NISA枠なので運用益はすべて非課税です。控えめな年率3%でも約18万円、年率5%なら約41万円、年率7%なら約68万円の差になります。 ...

2026年6月17日 · 最終更新: 2026年7月14日 · HIKO

はなさく生命「はなさく定期」は得か損か|掛け捨て定期をFP目線で数字検証

平成時代を生きた30代・川崎市在住の HIKO です。保険業界で10年働いたあと IT企業へ転職し、現在は FP2級として家計と投資の発信をしています。 この記事では、日本生命グループの通販系生保・はなさく生命の掛け捨て定期保険「はなさく定期」を、得か損かという損得検証の視点で見ていきます。 最初にはっきりさせておきます。この記事は特定の保険への加入をすすめるものでも、はなさく生命を批判するものでもありません。「掛け捨て定期はムダ」「ネット系は不安」といった印象論ではなく、商品の設計(無解約払戻金型・歳満期と年満期の違い・特約)が家計と相性が良いのはどういう人で、合わないのはどういう人か、を数字と仕組みで整理します。最終的な加入判断はご自身で行っていただく前提で読んでください。 結論:「はなさく定期」の損得は3つの軸で評価できる 先に結論から整理します。いずれも一般論としての評価であり、特定の人へのおすすめではありません。 無解約払戻金型なので「貯蓄」を期待する商品ではない:解約返戻金がない代わりに、同じ保障額なら保険料は割安になりやすい設計です。「払ったお金が戻る」ことを求める人には向きません。 歳満期か年満期かで、生涯コストの見え方が大きく変わる:年満期(10年など)は入口の保険料が安く見えても、更新のたびに保険料が上がります。歳満期(60歳まで等)は入口は高めでも更新による上昇がありません。 保障が必要な期間だけ買えば合理的、不要な人が惰性で持つと割高:定期保険の損得は商品そのものより「自分にいま死亡保障が必要か」で決まります。 ここから、それぞれを公式条件と数字で確認していきます。 「はなさく定期」の公式条件を整理する まず2026年6月時点ではなさく生命公式が示している「はなさく定期」の条件を整理します。数字は公式商品ページの記載に基づきます。 項目内容商品種類定期保険(死亡・所定の高度障害状態を保障)解約返戻金なし(無解約払戻金型)保険金額200万円から設定可能(契約年齢60歳以上かつ90歳満期の場合は100万円から)保険期間(歳満期)60歳・90歳など年齢で設定(最長90歳まで)保険期間(年満期)10年・20年など年数で設定更新年満期は更新可能(更新時に保険料が上がるのが一般的)。歳満期は満期後の更新なし付加できる特約3大疾病保険料払込免除特約(がん・心疾患・脳血管疾患、歳満期のみ対応) ポイントは「無解約払戻金型」という一点に集約されます。これは貯蓄機能を切り落とし、保障に保険料を集中させた設計です。掛け捨てと聞くと損なイメージを持つ人がいますが、これは設計思想の違いであって、それ自体が損というわけではありません。 なぜ通販系の定期保険は保険料が割安になりやすいのか はなさく生命は日本生命グループの通販・代理店チャネル中心の生保です。対面営業の生保と比べて保険料が抑えられやすい背景には、コスト構造の違いがあります。 対面の営業人件費が相対的に軽い:販売チャネルが通販・代理店中心だと、大規模な営業組織を維持するコストが保険料に乗りにくくなります。 無解約払戻金型である:解約返戻金を積み立てない分、保険料を純粋な保障コストに寄せられます。 保障内容がシンプル:死亡・高度障害というわかりやすい保障に絞ることで、商品コストが膨らみにくくなります。 保険業界で働いていた頃の感覚としても、定期保険の保険料差は「保障の中身」よりも「販売チャネルと付帯機能の有無」で説明できる部分が大きいと感じていました。通販系が安く見えるのは魔法ではなく、コスト構造を素直に反映しているだけ、というのが私の理解です。ただし保険料は会社・年齢・性別・保障額で変わるため、安さだけで優劣を断定はできません。複数社を同条件で見積もって比べるのが基本です。 損得を分ける最大のポイントは「歳満期」か「年満期」か 「はなさく定期」を含め、掛け捨て定期で最も損得が分かれるのは、保険期間を年満期にするか歳満期にするかです。ここを誤解すると、入口の安さに引っ張られて生涯コストを見誤ります。 年満期(たとえば10年更新)は、加入時点の年齢で保険料が決まるため、若いうちは保険料が安く見えます。しかし更新のたびにそのときの年齢で保険料が再計算されるため、年齢が上がるほど更新後の保険料は上がっていきます。一方、歳満期(たとえば60歳まで)は、加入時点で満了までの保険料が固定され、途中で上がりません。 下のグラフは「年満期を更新し続けた場合」と「歳満期で固定した場合」の保険料負担イメージを、概念図として並べたものです。実額ではなく、上がり方の方向性を示すための模式値です。 保険料負担の上がり方イメージ(概念図・実額ではありません) 3 年満期(若年期) 6 年満期(中年期) 12 年満期(高年期) 7 歳満期(固定) 年満期は更新ごとに上昇、歳満期は加入時に固定。数値は上がり方の方向性を示す模式値で、実際の保険料ではありません。 ここで損得の考え方が分かれます。 保障が必要な期間が長い人(たとえば子どもが独立するまで20年以上保障が欲しい人)は、歳満期や長めの年満期で保険料を固定したほうが、生涯の合計負担を読みやすくなります。 保障が必要な期間が短い人(数年だけ大きな保障が欲しい人)は、短い年満期のほうが入口も総額も軽くなりやすいです。 つまり「年満期と歳満期のどちらが得か」に一律の正解はなく、自分が保障を必要とする期間で決まる、というのが本質です。 3大疾病保険料払込免除特約は得か 「はなさく定期」には、歳満期で3大疾病(がん・心疾患・脳血管疾患)保険料払込免除特約を付けられます。所定の状態に該当すると以後の保険料が免除される仕組みです。 これは家計の安心材料になりますが、損得の観点では次の点を冷静に見る必要があります。 特約を付けるとその分の保険料が上乗せされる:免除という保障を買う以上、コストはゼロではありません。 免除の発動条件は約款で細かく定められている:「3大疾病にかかれば必ず免除」ではなく、所定の状態・期間などの要件があります。条件は必ず約款で確認すべき部分です。 発動しなければ上乗せ分は掛け捨てになる:保険である以上当然ですが、特約も「使わなければ戻らない」コストです。 私の評価としては、この特約の損得は「主契約の保険料に対して上乗せ分が何割か」「自分が免除のありがたみを感じる家計状況か」で判断するもので、付ければ得・付けなければ損と単純化できるものではありません。判断材料は設計書の上乗せ額と約款の発動条件です。 そもそも「掛け捨て定期に入るべきか」を先に決める 定期保険の損得検証で最も大事なのは、商品の比較より前に「自分にいま死亡保障がいくら必要か」を決めることです。ここがずれていると、どんなに保険料が安い商品を選んでも家計目線では損になります。 必要保障額のざっくりした考え方は次のとおりです。 状況死亡保障の必要度独身・扶養家族なし低い(葬儀費用程度で足りることが多い)共働き・子どもなし中〜低(遺された側も働ける場合は過大保障になりやすい)子育て世帯・片働き高い(教育費・生活費を保障で埋める必要が出やすい) 我が家は夫婦二人暮らしで子どもがいないため、大きな死亡保障の必要度は高くないと判断しています。こういう世帯が「掛け捨てはもったいないから」と大きな保障を持つと、保険料は割安でも保障自体が過大で、家計目線ではムダになります。逆に、片働きで小さな子どもがいる世帯にとっては、割安な掛け捨て定期で大きな保障を確保することは合理的な選択になり得ます。 「はなさく定期が得か損か」より先に、「自分に死亡保障がいくら必要か」を決める。順番を間違えないことが、保険の損得検証では一番効きます。 「保障は保障、運用はNISA」で考える 無解約払戻金型の掛け捨て定期は、貯蓄機能を持ちません。これを「お金が戻らなくて損」と捉えるか、「保障コストを最小化できて合理的」と捉えるかで評価は分かれます。 私自身は、保障と運用は分けて考えています。死亡保障が必要なら割安な掛け捨てで保障だけを買い、お金を増やす役割はNISAなどの非課税投資に任せる、という切り分けです。貯蓄型保険のように保障と運用を一本化すると、どちらのコストや利回りが効いているのかが見えにくくなります。役割を分けたほうが、家計の中で何にいくら払っているかを管理しやすいというのが、投資歴11年・FP2級としての私の考えです。 この考え方の詳細は、掛け捨てと貯蓄型のコスト構造を分解した記事で整理しています。あわせて読んでみてください。 ...

2026年6月15日 · HIKO

掛け捨て定期保険と貯蓄型保険、コスト構造をFP目線で解剖してみた【保障は保障、運用はNISA】

「掛け捨ては払ったお金が戻ってこなくてもったいない、貯蓄型のほうがお得」。保険の話になると、今でもよく聞くフレーズです。 ※当記事にはアフィリエイトリンク(PR)を含みます。 私はFP2級を持っていて、投資歴は11年になります。前職では保険業界に10年いました。その立場から正直に言うと、掛け捨てか貯蓄型かという二択そのものが、論点をずらしてしまっているように感じます。本当に見るべきなのは「払った保険料の中身がどう使われているか」というコスト構造のほうだからです。 この記事では特定の商品をすすめるものではありません。掛け捨て定期保険と貯蓄型保険の中身を一般論として分解し、「保障は保障で買い、運用はNISAでやる」という私自身の考え方を整理します。最終的にどの保険に入るか・入らないかは、あくまでご自身で判断していただく前提で読んでいただければと思います。 そもそも「掛け捨て」と「貯蓄型」は何が違うのか まず言葉の整理からです。 掛け捨て定期保険:一定期間だけ死亡保障などを用意する保険。満期金や解約返戻金は基本的にありません。その代わり、同じ保障額なら保険料は割安です。 貯蓄型保険(終身保険・養老保険・学資保険など):保障に加えて、解約返戻金や満期金という形でお金が戻ってくる設計の保険。その分、同じ保障額でも保険料はかなり高くなります。 ここで多くの人が「貯蓄型は戻ってくるからお得」と考えます。でも、戻ってくるお金は誰かが運用して増やしてくれた魔法のお金ではありません。自分が多めに払った保険料の一部が、コストを差し引かれたうえで戻ってきているだけです。この前提を押さえると、見え方が変わってきます。 保険料の中身を分解してみる 保険料は、ざっくり次の3つに分かれます。専門用語では純保険料と付加保険料と呼ばれますが、ここでは平たく書きます。 内訳役割保障の原価実際に保険金を支払うための部分運営コスト保険会社の人件費・販売手数料・システム費など積立部分貯蓄型だけにある、将来戻ってくるための積み立て 掛け捨て定期は、このうち「積立部分」がほぼゼロです。だから保険料が安い。 貯蓄型は「積立部分」を上乗せして払う設計なので保険料が高くなります。問題は、この積立部分が運用される際に運営コストを先に差し引かれてから回るという点です。同じお金を自分でインデックスファンドに積み立てた場合と比べると、コストの差がそのまま将来のリターン差になって表れやすくなります。 ここを直感的にイメージするために、同じ「毎月の支出」を保障と運用にどう振り分けるかを比べてみます。 同じ月1万円を払うとき、運用に回る額のイメージ 6千円 貯蓄型保険 9千円 掛け捨て+NISA あくまで構造を説明するためのイメージ図です。実際の比率は商品・年齢・保障額で変わります。 貯蓄型は、保障の原価と運営コストを差し引いた残りが積み立てに回ります。一方で「掛け捨てで保障だけ安く確保し、浮いたお金をNISAで運用する」場合、運用に回せるお金そのものが増えやすい、という構造です。あくまでイメージであって、実際の数字は商品や年齢、保障額によって変わります。 「戻り率」と「利回り」は別物 貯蓄型保険のパンフレットでよく見るのが「返戻率○○%」という表記です。たとえば総額300万円払って330万円戻れば返戻率110%、というような書き方です。 数字だけ見ると増えているように感じますが、これは投資の利回り(年率)とは性質がまったく違います。10年・20年という長い期間をかけてようやく110%になることも珍しくありません。これを年率に直すと、実質的な利回りはかなり小さくなります。 私は投資を11年やってきて、旧NISAの配当だけで累計約90万円を受け取ってきました(2015〜2024年の合計で904,551円です)。インデックス投資の世界では、過去の実績として年率数%が一つの目安として語られることが多く、これは複利で効いてくると返戻率の世界とは桁が変わってきます。もちろん投資には元本割れのリスクがあるので、保険の確実性とそのまま比較できるものではありません。ただ、「お金を増やす目的」だけで貯蓄型保険を選ぶのは、土俵を間違えている可能性がある、というのが私の考えです。 私が行き着いた「保障は保障、運用はNISA」 私自身の投資は、決して成功談ばかりではありません。コナカ(7494)の株を2015年に738円で100株買って、今も塩漬けで持ち続けています。青山商事では約31万円の損切りも経験しました。だからこそ、保険と運用を一緒くたにすると判断がにぶる、という実感があります。 保険と運用を切り分けると、それぞれの目的がはっきりします。 掛け捨て定期 目的は保障 安く大きな保障を確保 シンプル 貯蓄型保険 保障+貯蓄を兼ねる コストが見えにくい 割高になりやすい NISAでの運用 目的は資産形成 低コストで非課税 相場リスクあり 保障は、万が一のときに残された家族が困らないためのもの。必要な時期に、必要な額を、安く確保できればそれで役割を果たします。掛け捨て定期はこの目的に素直な商品です。たとえば各社が出している割安な定期保険(はなさく生命の定期タイプなどもその具体例の一つです)は、保障を安く持つという発想に沿っています。 資産形成は、時間をかけてお金に働いてもらう領域。ここはコストの低さと非課税メリットが効くNISAの土俵だと、私は考えています。 この2つを別々の財布で考えると、「掛け捨てはもったいない」という感覚そのものが消えていきます。掛け捨ては保障を安く買うための合理的な選択であって、損ではないからです。 NISAで運用の土台をつくる 保障を掛け捨てで安く確保したら、浮いたお金を運用に回す土台が必要です。私はメインで楽天証券を使っていて、つみたて投資枠ではインデックスファンドをコツコツ積み立てています。NISAは運用益が非課税になる制度なので、長期の資産形成と相性がいいというのが、11年やってきた率直な感想です。 まずは運用の土俵を用意する 保障は掛け捨てで安く、運用はNISAで非課税で。この切り分けを実践するには、まず証券口座という土台が必要です。私が10年以上メインで使っている楽天証券は、楽天ポイントとの連携や使い勝手の面で個人的に気に入っています。口座開設・維持は無料なので、土台として持っておく価値はあると思います。 楽天証券でNISA口座を見てみる → まとめ 「掛け捨てか貯蓄型か」より、「払った保険料の中身がどう使われているか」を見るほうが本質的です。 貯蓄型の戻り率は投資の利回りとは別物で、長い期間をかけてようやく成り立つ数字であることが多いです。 保障は掛け捨てで安く確保し、運用はNISAで低コスト・非課税でやる。この切り分けが、私自身が11年の投資経験を経て行き着いた考え方です。 繰り返しになりますが、この記事は特定の保険商品をすすめるものではありません。掛け捨てが正解、貯蓄型がダメ、という単純な話でもありません。家族構成や価値観によって最適解は変わります。大事なのは、保障と運用をいったん切り離して、それぞれの目的とコストをご自身で確かめてみることだと思います。投資にはリスクがあり、保険の見直しを含め、最終的な判断はご自身の責任で行ってください。

2026年6月14日 · 最終更新: 2026年6月15日 · HIKO