コナカ株を9年5ヶ月損切りできない理由|散々酷評してきた株を、それでも手放さない私の本音

含み損を抱えた株、売れずにそのまま持っていませんか。 私も同じです。コナカ(7494)という株を9年5ヶ月塩漬けにし、確定損益はマイナス29,930円。しかもこのブログで、この株を何度も「優待だけで選んだ失敗例」として酷評してきました。 それでも私は売っていません。理由は業績でも将来性でもありません。好きだからです。この記事では、投資として褒められたものではないと分かった上で、なぜこの株を持ち続けているのかを、酷評してきた過去記事との矛盾も含めてそのまま書きます。 平成時代を生きた30代・川崎市在住のHIKOです。投資歴11年・FP2級。この記事は私個人の体験と心情の記録であり、特定銘柄の購入や保有継続を勧めるものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。 まず、私がコナカをどれだけ酷評してきたか 読み返してみると、自分でも辛辣だと思います。 NISA個別株の失敗談では、コナカを「業績も財務も見ずに、知名度と株価の安さと優待だけで選んだ失敗の代表例」として書きました 株主優待で選んだコナカは9年塩漬けでは、業績を確認して保有している巴工業と並べて、コナカを「順番を間違えた優待株」の見本として使いました 旧NISAで個別株投資に失敗した話でも、買える金額で銘柄を選んでいた失敗例としてコナカを登場させています 数字も繰り返し書いてきました。2015年5月に738円で買った100株は、2024年11月に247円で旧NISA売却・同日248円で特定口座買い戻し。旧NISAの売買だけでマイナス49,100円、配当や特定口座の損益を全部合わせても確定損益はマイナス29,930円です。詳しい経緯は旧NISAから新NISAへの移行の記事にも書きました。 この数字を見れば、「損切りすべきだった株」の教科書的な例だと思います。私自身、記事の中でそう書いてきました。 それでも、正直に言うと私はコナカが好きです ここまで散々な言い方をしてきて今さらですが、白状します。 私はコナカという会社が好きです。投資として合理的な理由ではありません。地元の会社であることと、スーツセレクトというブランドが好きだということ。それだけです。 過去記事の辛口評価と、この気持ちは矛盾しています。矛盾していることは自分でも分かっています。それでも、この矛盾を隠して「業績が良いから持っている」というきれいな理由をでっちあげるより、感情で持ち続けていると正直に書く方が、塩漬け株に悩んでいる人には役に立つ気がしています。「損切りできないのは投資家として失格」という正論は分かっていても、実際には情が移って手放せない株が1つくらいある。塩漬け株に情が移ってしまう人は、決して珍しくないと思います。 理由①:コナカが地元・横浜の会社だから コナカの本社は神奈川県横浜市戸塚区品濃町にあります(出典:コナカ「会社概要」 https://www.konaka.co.jp/company/gaikyo.html )。私は川崎市在住で生活圏が近く、地元の会社というだけでなんとなく応援したくなってしまいます。投資理論としては何の根拠にもならない感情ですが、正直に書くとこれも理由の1つです。 理由②:スーツセレクトのサイズ感とデザインが好きだから もう1つの理由は、コナカが展開するスーツセレクトというブランドそのものが好きだということです。 社会人になってスーツを買う機会が増える中、Men’s EXやMen’s Clubで紹介されるような10万円以上のスーツには、社会人2〜3年目の給料では正直手が出ませんでした。そんな中で刺さったのがスーツセレクトです。イタリアの紳士服見本市ピッティウオモのトレンドを取り入れつつツープライスで提供しており、サイズ感も私にぴったりで、「知識はついてきたけれど予算は限られている」という当時のニーズにちょうどはまりました。 保険業界に勤めていた頃は、株主優待で春夏物・秋冬物の年2回、よく恵比寿の旗艦店でスーツセレクトの服を購入していました。誕生日月にワイシャツがもらえる特典があったので、春夏スーツを買うタイミングをその月に合わせていたのを覚えています。 コナカの株主優待は、100株以上の保有で20%割引券が年2回(3月・9月の株主に対して6月・12月頃)届きます。使えるのはコナカ・フタタ・SUIT SELECT・FUTATA THE FLAG・DIFFERENCEの全店舗です(出典:コナカ「株主ご優待制度」 https://www.konaka.co.jp/ir/yuutai2.html )。 この優待は今も続いています。転職した今は保険業界時代のようにスーツをまとめ買いすることは減りましたが、今もこの割引券でシャツなど小物を買うことがあります。サイズ感とデザインが好みに合っていて、単純に着心地がいいというのが正直なところです。 それでも、投資判断としては勧められません ここまで書いた理由は、どちらも投資の合理性とは関係ありません。業績が伸びているとか、配当性向が健全だとか、そういう説明は一切していません。 行動経済学でいう保有効果(自分が持っているものに愛着が湧いて手放しにくくなる心理)や、サンクコスト(すでに投じた金額や年数が惜しくて撤退しづらくなる心理)に、私は素直に当てはまっていると思います。これは投資家として褒められた状態ではありません。 もし本気で資産を増やすことを最優先にするなら、感情的な理由で塩漬け株を持ち続けるより、損切りして別の銘柄やインデックス投資に振り向ける方が合理的な場合が多いはずです。実際、個別株11年のポートフォリオを見ても、コナカが良い成績を残しているわけではありません。 この記事は「感情で株を持ち続けてもいい」という話をしているわけではなく、「感情で持ち続けている自分を自覚した上で、それを正直に書いている」というだけです。投資判断はご自身の状況と目的に応じて、ご自身の責任で行ってください。 私が「売る」と決めているタイミング 感情だけで持ち続けているとはいえ、何も基準がないわけではありません。今のところ、次のどちらかが起きたら売却を検討します。 株主優待が縮小・廃止される:優待自体が今の保有理由の半分を占めているので、なくなれば持ち続ける理由が大きく減ります 経営に重大な懸念が生じる:地元愛という理由の前提が崩れた場合です 逆に言えば、この2つが起きない限り、株価の上下だけでは売る予定はありません。合理的な投資判断としては褒められたものではないと分かった上で、それでも今の私の本音です。 まとめ:損切りできない株が1つあってもいい コナカ(7494)は確定損益-29,930円・9年5ヶ月塩漬けの、過去記事で何度も酷評してきた失敗株です それでも売っていません。理由は業績ではなく、地元・横浜の会社であることとスーツセレクトが好きだという感情です 保険業界時代は恵比寿の旗艦店で優待を使ってスーツを年2回購入し、今も優待でシャツなど小物を買っています 投資家としては保有効果・サンクコストに当てはまる状態で、褒められた判断ではありません。真似を勧めるものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします 損切りできない株が1つくらいあっても、それを自覚して向き合っていれば、投資全体が壊れるわけではないと思っています。私の場合は、コナカがポートフォリオ全体のごく一部だからこそ許容できている面もあります 大切なのは、感情で持っていることを合理的だと思い込まないことです。私は合理的ではないと理解した上で、それでも保有することを選んでいます あわせて読みたい 株主優待で選んだコナカは9年塩漬け、業績を見た巴工業は含み益+30%|優待株で確認する3つの数字 NISA個別株の失敗談|2015年に株価の安さだけで選んだ結果9年含み損【旧NISAシリーズ①】 旧NISAで個別株投資に失敗した話|買える金額で銘柄を選んでいた私の後悔 個別株11年、TOPIXに勝てなかった話|73銘柄2,194万円の業界別ポートフォリオ全公開 ※ 本記事の保有状況・損益は2026年5月時点、コナカの優待制度は2026年7月時点で公式サイトにて確認した内容にもとづきます。最新の情報は公式サイト・開示資料をご確認ください。 HIKO 保険業界10年勤務・30代IT会社員ブロガー 保険業界10年勤務後、IT企業に転職。生命保険・損害保険の「売り手側の論理」を知った上で、本当に必要な家計管理・投資の情報を発信。NISAや固定費削減の実体験をもとに、30代サラリーマンのお金の不安を減らすことを目指しています。 保険業界10年 IT転職 NISA実践中 固定費削減経験あり

2026年7月16日 · 最終更新: 2026年7月18日 · HIKO

アサックス(8772)の株主優待はクオカード|500株必要・改悪の有無と利回りを解説

この記事は連載「ラスト一押しの株主優待」の第7回です。業績・財務で持ちたいと判断した会社に、優待が「最後のひと押し」として付いてくる——そんな順番で保有してきた優待銘柄を1記事1銘柄で紹介している連載です。 アサックス(8772)は、不動産を担保にした融資を専門にしている金融会社です。株主優待としてクオカードがもらえる銘柄で、2021年3月末基準から必要株数が500株に変わりました。私は権利確定月の3月に合わせて500株まで買い増し、2026年もクオカード5,000円分を受け取っています。 この記事の結論 アサックスの優待は、3月末・500株以上の保有でクオカード5,000円分がもらえます(継続保有条件なし)。2019年に100株/2,000円で再開したあと、2020年に500株/5,000円へ変更された経緯があり、小口保有者には改悪、500株以上には拡充という両面の変更でした。優待利回りは1.2%前後で、投資リターンの本体は予想配当利回り2.6%台のほうです。私は権利確定時に500株を保有してクオカードを受け取ったあと、より優先順位の高い投資先に資金を回すため、現在は100株まで株数を調整しています。 なお、この記事にはアフィリエイトリンク(PR)を含みます。また、特定銘柄の売買をすすめるものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。 この記事で分かること アサックスの優待内容(クオカード・必要株数・権利確定月・継続保有条件) 500株を新規で買うといくら必要か 2020年の優待変更は改悪か、拡充か(一次資料で確認) 優待利回りと配当利回り、どちらが大きいか 不動産担保ローンという会社の中身と、財務・配当の実績 よくある質問(継続保有条件・貸株の扱いなど) アサックスの株主優待とは?内容と必要株数 アサックスの株主優待は、公式の適時開示で確認すると次のとおりです。毎年3月31日現在で、普通株式500株以上を保有している株主に、クオカード5,000円分が贈られます。権利確定は年1回・3月末のみで、継続保有期間の条件はありません。基準日に500株を持っていれば、保有して間もなくてもクオカードを受け取れます(出典:アサックス「配当予想の修正(増配)及び株主優待制度の変更に関するお知らせ」2020年10月28日開示 https://f.irbank.net/pdf/20201028/140120201027409857.pdf )。 私自身、権利確定日である3月末の時点で500株を保有していたため、2026年もクオカード5,000円分を受け取りました。クオカードは近所のコンビニでの「ちょっとしたご褒美」に使っています。5,000円分を一度に使い切るのではなく、数か月かけて少しずつ使えるので、金額以上に満足感があるというのが正直な実感です。 その後、私はより優先順位の高い投資先に資金を回すため、保有株数を調整し、現在は100株を保有しています。アサックスの優待には継続保有条件がないぶん、株数を減らせば優待の対象からも外れる、というシンプルな設計です。なお、優待の正確な内容・条件は改定されることがあります。実際に確認する際は、必ず公式の開示情報をご自身でご確認ください。 500株を新規で買うといくらかかる? 2026年7月13日時点の株価834円で確認すると、優待の対象になる500株を新規に取得するには約41万7,000円が必要です(出典:IR BANK アサックス https://irbank.net/8772 、2026年7月13日確認)。100株や400株では優待の対象にならないため、優待だけを目的にするなら500株というまとまった金額が前提になる点は、あらかじめ押さえておく必要があります。 アサックスの優待は改悪された?2019年・2020年の変更を一次資料で確認 優待株を検討するときに気になるのが「過去に改悪・廃止はなかったか」だと思います。アサックスの優待には、はっきりした変更の履歴があるので、適時開示のPDF原文で確認した事実を時系列で整理します。 2019年1月29日開示:優待の再開 アサックスは、2009年3月期をもって一度休止していた株主優待を再開しました。このときの内容は、3月末・100株以上の保有でクオカード2,000円分でした(出典:アサックス「株主優待制度の再開に関するお知らせ」2019年1月29日開示 https://f.irbank.net/pdf/20190129/140120190124462897.pdf )。 2020年10月28日開示:500株/5,000円への変更 その後、2020年10月28日に、期末配当の増配(15円→18円)と同時に優待制度の変更が開示されました。内容は、2021年3月末基準から、100株/2,000円分を500株/5,000円分に変更するというものです。会社が挙げている理由は「株主構成の変化やコーポレートガバナンス・コードの株主平等の原則を考慮した、より適切な株主還元」です(出典:アサックス「配当予想の修正(増配)及び株主優待制度の変更に関するお知らせ」2020年10月28日開示 https://f.irbank.net/pdf/20201028/140120201027409857.pdf )。 —変更前(2020年3月末まで)変更後(2021年3月末から)必要株数100株以上500株以上優待内容クオカード2,000円分クオカード5,000円分継続保有条件なしなし この2020年の変更は、改悪と拡充の両面があると私は見ています。改悪の面は、100〜400株の小口保有者が優待の対象から外れたこと。以前は100株で2,000円分がもらえたのが、変更後は500株を持たないと何ももらえなくなりました。一方で拡充の面は、500株以上の保有者にとっては金額が2,000円分から5,000円分に増えたことです。まとまった株数を持つ株主に還元を寄せる方向の見直し、という整理ができます。なお、2020年10月の変更以降、優待の改定を示す新たな開示は見当たらず、現行制度が続いています(今後も変わらないことを保証するものではありません)。 優待利回りと配当利回り、どちらが高い? 2026年7月13日時点の株価834円で優待利回りを単純計算すると、500株(5,000円分)は約1.2%です。500株というまとまった株数が前提になるため、必要資金あたりの優待利回りとしてはそこまで大きくありません。 一方、同時点の予想配当利回りは2.6%台です(出典:IR BANK アサックス https://irbank.net/8772 、2026年7月13日確認)。優待利回り(約1.2%)と比べて、配当利回りのほうが大きい数字です。アサックスでも、投資リターンの本体は配当であり、クオカードの優待はそこに付いてくるおまけという位置づけだと考えています。 一目評価|私の見方 ここまでの内容を、私の主観で5段階評価にまとめると次のとおりです。あくまで私個人の見方であり、投資を推奨するものではありません。 項目評価根拠総合評価★★★★☆優待は500株必須でハードルはあるが、高い利益率と増配基調・低PBRのバランスが良い優待★★★☆☆クオカード5,000円分は使い勝手が良いが、500株必須で優待利回りは約1.2%配当★★★★☆予想配当利回り2.6%台、一株配当は18円→22円へ段階的に増配財務★★★★☆経常利益率が70%前後と高く、株主資本比率も40%台割安度★★★★☆PER6.7倍前後・PBR0.5倍台と、指標上は割安な水準長期保有★★★★☆売上・経常利益とも右肩上がりで、増配を続けている アサックスはどんな会社?不動産担保ローンの中身を解説 アサックスは、1969年設立、東京・渋谷に本社を置く、**不動産担保ローンを専門とする金融会社(ノンバンク)**です(出典:アサックス公式サイト「会社概要」 https://www.asax.co.jp/company/ 、2026年7月13日確認)。個人・個人事業主・法人に対して、不動産を担保にした融資を行う事業が柱です。銀行から資金を調達し、それを担保付きで貸し出して金利差で稼ぐ、というシンプルなビジネスモデルです。 経常利益率が66〜70%と非常に高いのは、業績が突出しているというより、金利収入が中心の貸金業という事業構造によるものです。仕入れや在庫を持つメーカーや商社と違い、原価にあたる部分が資金調達コスト中心なので、利益率は高く出ます。不動産を担保に取っているため、貸し倒れが起きても担保処分で回収しやすい設計になっている点が、この会社の収益の安定性につながっていると私は見ています。 一方で、金融業である以上、不動産市況の悪化や金利上昇による調達コストの増加、貸出残高の伸び悩みといったリスクは常にあります。担保価値が下がる局面では、収益にも影響が出やすい事業だという点は踏まえておく必要があります。 アサックスの財務・配当・株価指標 数字を1つの表にまとめると次のとおりです(出典:IR BANK アサックス https://irbank.net/8772 、同/kessan、同/dividend、いずれも2026年7月13日確認)。 指標数値補足株主資本比率40.55%銀行から調達して貸し出す業態としては厚めの水準経常利益率66.3%(2026年3月期)金利収入が中心の貸金業で構造的に高い経常利益60.8億円(2026年3月期)2022年3月期38.7億円から5年で約1.5倍ROE(予想)7.8%大きくはないが安定して黒字を積み上げている一株配当22円(2026年3月期)2021年18円から段階的に増配配当性向18.4%(2026年3月期)会社は配当性向20%以上を目安。利益成長で数字は低下傾向株価834円(2026年7月13日時点)—PER6.68倍(予想)指標上は割安な水準PBR0.52倍解散価値の半分程度の評価予想配当利回り2.6%台優待利回り(約1.2%)を上回る アサックス(8772)の経常利益の推移 38.7億円 2022/3 43.0億円 2023/3 50.6億円 2024/3 51.7億円 2025/3 60.8億円 2026/3 経常利益(億円)の推移。不動産担保ローンの貸出残高拡大とともに、5年で約1.5倍に伸びています。出典:IR BANK アサックス 業績 https://irbank.net/8772/kessan 配当は、2021年3月期18円・2022年18円・2023年18円・2024年20円・2025年20円・2026年22円と、段階的に引き上げられてきています。配当性向は20%前後を目安にしつつ、利益成長のぶん実際の性向はやや低下しています。 ...

2026年7月13日 · 最終更新: 2026年7月14日 · HIKO

ラクト・ジャパン(3139)の株主優待はカタログギフト|300株保有者が改悪の有無と必要株数を解説

この記事は連載「ラスト一押しの株主優待」の第6回です。業績・財務で持ちたいと判断した会社に、優待が「最後のひと押し」として付いてくる——そんな順番で保有している優待銘柄を1記事1銘柄で紹介してきた連載です。 ラクト・ジャパン(3139)は、チーズやバターなどの乳製品と、食肉・畜産物の原料を扱う食品専門商社です。株主優待として食品のカタログギフトがもらえる銘柄で、2025年に優待制度の変更がありました。私はこの株を300株保有しています。 この記事の結論 ラクト・ジャパンの優待は、2025年11月末基準から2年以上の継続保有が必須になり、100株で3,000円相当、300株で5,000円相当のカタログギフトです。優待利回りは0.5〜0.9%と大きくなく、投資リターンの本体は予想配当利回り3.79%のほうです。私は優待目的ではなく、アジア11カ国に展開する事業基盤と配当を本線として300株を保有しています。 なお、この記事にはアフィリエイトリンク(PR)を含みます。また、特定銘柄の売買をすすめるものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。 この記事で分かること ラクト・ジャパンの優待内容(カタログギフト・必要株数・継続保有条件) 100株・300株を新規で買うといくら必要か 2025年の優待変更は改悪か、拡充か 優待利回りと配当利回り、どちらが大きいか アジア展開という会社の強みと、財務・配当の実績 よくある質問(買い増し時の継続年数、貸株の扱いなど) ラクト・ジャパンの株主優待とは?内容と必要株数 ラクト・ジャパンの株主優待は、公式IRの株主優待ページで確認すると次のとおりです(出典:ラクト・ジャパン公式IR「株主優待」 http://www.lactojapan.com/ja/ir/about/benefit.html 、2026年7月9日確認)。 毎年11月30日現在で、普通株式100株以上を保有し、かつ2年以上継続して保有している株主が対象です。権利確定は年1回・11月末のみです。 コース保有株式数継続保有2年未満継続保有2年以上Aコース100株以上300株未満対象外カタログギフト3,000円相当Bコース300株以上対象外カタログギフト5,000円相当 継続保有2年以上の判定は、株主名簿の基準日である11月30日と5月31日の時点で該当株数を保有し、すべての基準日の株主名簿に同一株主番号で5回以上連続して記載されていることが条件です。連続記載の回数は、その株数(100株もしくは300株)を保有した時点からカウントされるため、100株から300株に買い増した場合、Bコースの継続カウントは300株にした時点から数え直しになります。 カタログの中身は、同社が選定した食品ギフトです。Aコース(3,000円相当)は三祐のチーズセット(パルミジャーノレジャーノ・デンマーククリームチーズ・ゴーダなど)、Peekabooの生乳ジェラート、町村農場のバターセット、マイスター山野井の焼豚とソーセージのスライスセットなど。Bコース(5,000円相当)はチーズ6種セット、キハチフードホールのアイスギフト12個、平田牧場の金華豚ローススライスとバラのしゃぶしゃぶセットなど、より充実したラインナップになります。優待品の代わりに、認定NPO法人セカンドハーベスト・ジャパンへの寄付を選ぶこともでき、発送時期は毎年2月末を目処です。 私自身、300株に買い増したのが最近のため、Bコースの継続保有2年以上の条件を満たすのはこれからで、まだ優待は受け取っていません。なお、優待の正確な内容・条件は改定されることがあります。実際に確認・申し込みをする際は、必ず公式IRをご自身でご確認ください。 100株・300株を新規で買うといくらかかる? 2026年7月8日時点の株価3,480円で確認すると、Aコースの対象になる最低ラインの100株を新規に取得するには約34万8,000円、Bコース(5,000円相当)になる300株なら約104万4,000円が必要です(出典:IR BANK ラクト・ジャパン https://irbank.net/3139 、2026年7月8日確認)。前述のとおり、買ってすぐ優待がもらえるわけではなく、2年以上の継続保有を満たして初めてカタログギフトが届く点には注意が必要です。 ラクト・ジャパンの優待は改悪された?2025年の変更内容 優待株を検討するときに気になるのが「過去に改悪・廃止はなかったか」だと思います。この連載でもKDDIや松風では実際に優待の変更がありました。ラクト・ジャパンも、2025年1月14日に優待制度の変更を開示しています(出典:ラクト・ジャパン「株主優待制度の変更に関するお知らせ」2025年1月14日開示)。基準日(11月30日)と進呈時期は変更されていません。 変更前(2024年11月末基準まで) 保有株式数継続保有3年未満継続保有3年以上100株以上クオカード1,000円分カタログギフト3,000円相当 変更後(2025年11月末基準から) コース保有株式数優待内容(2年以上保有)Aコース100株以上300株未満カタログギフト3,000円相当Bコース300株以上カタログギフト5,000円相当 会社が挙げている変更点は2つです。1つ目は、300株以上の区分(Bコース・5,000円相当)を新設し、まとまった株数を持つ株主への優待を拡充したこと。2つ目は、優待の対象になる継続保有期間を**「3年以上」から「2年以上」に短縮**したことです。 この変更は、改悪と拡充の両面があると私は見ています。拡充の面は、300株で5,000円相当という上位コースができたことと、上位優待に届くまでの期間が3年から2年に縮んだこと。一方で改悪の面は、以前は継続保有年数に関係なく100株を持っていればクオカード1,000円分がもらえたのが、変更後は**2年未満だと一切対象外(ゼロ)**になったことです。中長期で保有する株主に還元を寄せる方向の見直し、という整理ができます。 優待利回りと配当利回り、どちらが高い? 2026年7月8日時点の株価3,480円で優待利回りを単純計算すると、Aコースの100株(3,000円相当)は約0.86%、Bコースの300株(5,000円相当)は約0.48%です。金額が大きいBコースのほうが、必要な投資額が3倍になるぶん、優待利回り自体はむしろ下がります。 一方、同時点の予想配当利回りは**3.79%**です(出典:IR BANK ラクト・ジャパン https://irbank.net/3139 、2026年7月8日確認)。優待利回り(0.5〜0.9%)と比べて、配当利回りのほうがはるかに大きい数字です。ラクト・ジャパンでも、投資リターンの本体は配当であり、食品カタログの優待はそこに付いてくるおまけという位置づけだと考えています。 一目評価|私の見方 ここまでの内容を、私の主観で5段階評価にまとめると次のとおりです。あくまで私個人の見方であり、投資を推奨するものではありません。 項目評価根拠総合評価★★★☆☆優待も配当も突出はしないが、アジア展開を含めた事業基盤とのバランスは取れている優待★★★☆☆100株3,000円・300株5,000円相当のカタログ。2年継続保有が必須で優待利回りは0.5〜0.9%配当★★★★☆予想配当利回り3.79%、配当性向を14%台から25%台へ段階的に引き上げ財務★★★☆☆自己資本比率33%。商社型のビジネスで薄利だがROEは12.1%まで改善割安度★★★☆☆PER10.09倍(予)・PBR1.08倍で、極端な割安でも割高でもない長期保有★★★★☆優待は中長期保有者に還元を寄せる方向。売上は5年で+54%と成長 ラクト・ジャパンはどんな会社?海外事業の強みを解説 ラクト・ジャパンの営業利益率が2%台にとどまるのは、業績が悪いからではなく、原料を仕入れて売るトレーディング(商社)が事業の中心だからです。薄い利幅で大量にさばくビジネスモデルなので、利益率は構造的に低く出ます。 この会社の特徴は、海外事業の広さです。1998年の創業直後からシンガポールに駐在員事務所を開設し、現在はシンガポール・マレーシア・タイ・インドネシア・フィリピン・中国・米国・オーストラリア・オランダ・イタリア・日本の11カ国14拠点に展開しています(出典:ラクト・ジャパン公式サイト「グループ会社・拠点一覧」、2026年7月9日確認)。世界各国から調達した乳原料を、アジアの日系企業や現地食品メーカーに供給する事業が柱の1つです。 会社の決算説明資料によると、2024年11月期の事業部門別売上高構成比は、国内の乳原料・チーズ部門が66.8%、食肉食材部門が約12.8%、機能性食品原料部門が3.0%で、アジア事業(乳原料販売12.6%+チーズ製造販売3.3%)は合計**15.9%(271億78百万円)**を占めています(出典:ラクト・ジャパン「2024年11月期 決算説明資料」、2026年7月9日確認)。国内の乳原料・チーズ部門も海外から原料を調達しているため、実質的な海外関連の取引はこの数字以上に広がっていると考えられますが、確認できる開示ベースの数字としてはアジア事業単体で売上の約16%です。 売上高は2020年11月期の約1,108億円から2024年11月期の約1,709億円まで、5年で約54%伸びています(出典:IR BANK ラクト・ジャパン https://irbank.net/3139/kessan 、2026年7月8日確認)。世界各国から乳原料を調達し、アジアを含む販売ネットワークを拡大してきたことが、売上成長の背景にあると私は見ています。 ラクト・ジャパンの財務・配当・株価指標 数字を1つの表にまとめると次のとおりです(出典:IR BANK ラクト・ジャパン https://irbank.net/3139 、同/kessan、およびラクト・ジャパン「2024年11月期 決算説明資料」、いずれも2026年7月8〜9日確認)。 指標数値補足自己資本比率33.05%商社型で在庫・仕入れが大きく、極端に高くはない営業利益率2.61%(2024年11月期)薄利多売型の商社ビジネス営業利益額44.6億円(2024年11月期)2020年11月期29.6億円から5年で約1.5倍ROE12.1%(2024年11月期実績)前期比で大幅に改善、会社は今後もレベルアップを目指す方針営業キャッシュ・フロー+6.36億円(2024年11月期)運転資本が増加する中でもプラスを確保一株配当130円(2024年11月期)予想は132円(2025年11月期)配当性向25.3%(2024年11月期)2020年14.3%から段階的に上昇株価3,480円(2026年7月8日時点)—PER10.09倍(予想)割高感は薄い水準PBR1.08倍解散価値をわずかに上回る予想配当利回り3.79%優待利回り(0.5〜0.9%)を大きく上回る ラクト・ジャパン(3139)の営業利益率の推移 2.67% 2020/11 2.51% 2021/11 2.02% 2022/11 2.01% 2023/11 2.61% 2024/11 営業利益率(%)の推移。2%前後で推移する薄利型の商社ビジネスですが、営業利益額そのものは5年で約1.5倍に伸びています。出典:IR BANK ラクト・ジャパン 業績 https://irbank.net/3139/kessan 配当は、2020年11月期87円・2021年55円・2022年85円・2023年100円・2024年130円と、年ごとの利益変動で上下しつつも、配当性向を14.3%から25.3%へ段階的に引き上げてきています。 ...

2026年7月9日 · 最終更新: 2026年7月14日 · HIKO

ニチリン(5184)の株主優待はクオカード|100株保有者が必要株数と改悪の有無を解説

この記事は連載「ラスト一押しの株主優待」の第5回です。業績・財務で持ちたいと判断した会社に、優待が「最後のひと押し」として付いてくる——そんな順番で保有している優待銘柄を1記事1銘柄で紹介してきた連載です。 ニチリン(5184)は、自動車やバイクのブレーキホース、住宅用の給水給湯配管などを手がけるゴムホース・配管部品の専門メーカーです。株主優待としてクオカードがもらえる銘柄として知られています。私はこの株を100株保有しています。 この記事の結論 ニチリンの優待は、100株なら継続3年以上でもクオカード3,000円分にとどまり、優待利回りとしては大きくありません。一方で確認した限り優待の改悪・廃止の履歴はなく、自己資本比率68.5%・予想配当利回り4.6%という財務と配当の実績があります。私なら、優待目的ではなく高配当株として今も100株を買う判断をします。クオカードはあくまでおまけです。 なお、この記事にはアフィリエイトリンク(PR)を含みます。また、特定銘柄の売買をすすめるものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。 この記事で分かること ニチリンの優待内容(クオカード・必要株数・継続保有条件) 100株を新規で買うといくら必要か・いつもらえるか ニチリンの優待に改悪はあったか 優待利回りと配当利回り、どちらが大きいか 財務・配当の実績と、今の株価4,130円で新規に買うか ニチリンの株主優待はクオカード|必要株数と金額表 ニチリンの株主優待は、公式IRの株主優待ページで確認すると次のとおりです(出典:ニチリン公式IR「株主優待」 https://www.nichirin.co.jp/ir/ir03 、2026年7月4日確認)。 毎年12月31日現在で、普通株式100株(1単元)以上を1年以上継続保有している株主が対象です。権利確定は年1回・12月末のみで、木徳神糧のような6月末・12月末の年2回基準ではありません。 優待の中身はクオカードで、保有株数と継続保有年数に応じて金額が変わります。公式IRの金額表を整理すると次のとおりです。 所有株式数継続1年未満継続1年以上3年未満継続3年以上100株以上なしクオカード1,000円分クオカード3,000円分1,000株以上なしクオカード2,000円分クオカード4,000円分5,000株以上なしクオカード3,000円分クオカード5,000円分 私が保有している100株の場合、継続1年未満は対象外、1年以上3年未満で1,000円分、3年以上で3,000円分のクオカードがもらえる計算です。発送時期は毎年3月下旬ごろとされています。 継続保有の判定は、毎年6月30日および12月31日を基準日とする株主名簿に、同一株主番号で連続3回以上記載(1年以上3年未満の区分)、連続7回以上記載(3年以上の区分)で決まります。優待の権利確定日は12月末の年1回ですが、継続年数のカウントは6月・12月の年2回の基準日で数える仕組みです。 証券会社の貸株サービスを利用するなどして株主番号が変わった場合や、直近2回の基準日で保有株数が一度でも100株を下回った場合は、継続保有の対象外になります。いったん売って買い直すと、このカウントはリセットされます。 (優待の正確な内容・条件は改定されることがあります。実際に確認・申し込みをする際は、必ずニチリンの公式IR・株主優待ページをご自身でご確認ください。) 100株を新規で買うといくら必要か 2026年7月3日時点の株価4,130円で確認すると、優待の対象になる最低ラインの100株を新規に取得するには、約41万3,000円が必要です(出典:IR BANK ニチリン https://irbank.net/5184 、2026年7月3日確認)。 ニチリンの優待に改悪はあったか 優待株を検討するときに気になるのが「過去に改悪・廃止はなかったか」だと思います。この連載でもKDDIや松風では実際に優待の変更がありました。 ニチリンについて公式IRの株主優待ページ・適時開示情報を確認した限り、優待制度の改悪・廃止・変更を示す開示は見つかりませんでした(確認日:2026年7月4日)。金額表・必要株数・継続保有の判定基準について、開始時期や過去の変更履歴を示す記載も公式ページ上にはありませんでした。 ただし、これは「今後も変わらない」ことを保証するものではありません。優待制度は会社の判断でいつでも見直される可能性があります。最新の状況は、購入・保有を検討する時点で必ず公式IRをご自身で確認してください。 優待利回りより配当利回りのほうが大きい 100株保有・継続3年以上でもらえるクオカード3,000円分を、投資額約41万3,000円に対する利回りとして単純計算すると、約0.73%です。継続1年以上3年未満の段階では約0.24%にとどまります。 一方、2026年7月3日時点の予想配当利回りは**4.6%**です(出典:IR BANK ニチリン https://irbank.net/5184 、2026年7月3日確認)。優待利回り(最大でも約0.73%)と比べて、配当利回りのほうがはるかに大きい数字です。ニチリンの場合、投資リターンの本体は配当であり、クオカードの優待はそこに付いてくるおまけという位置づけだと考えています。 一目評価|私の見方 ここまでの内容を、私の主観で5段階評価にまとめると次のとおりです。あくまで私個人の見方であり、投資を推奨するものではありません。 項目評価根拠総合評価★★★★☆優待は物足りないが、配当・財務・長期保有の実績が高評価優待★★☆☆☆クオカード最大3,000円分(100株・継続3年以上)、優待利回り約0.73%と大きくない配当★★★★★予想配当利回り4.6%、配当性向を26.9%→38.1%へ段階的に引き上げ財務★★★★★自己資本比率68.5%、2009年33.1%から一貫して改善割安度★★★★☆PER9.73倍(予)・PBR0.89倍で解散価値をやや下回る水準長期保有★★★★★優待の改悪履歴なし・営業利益率12〜13%台で安定 財務・配当・株価指標|自己資本比率68.5%、配当利回り4.6% 私がニチリンを持ち続けている根拠は、優待ではなく財務と配当の中身です。数字を1つの表にまとめると次のとおりです(出典:IR BANK ニチリン https://irbank.net/5184 、同/dividend、同/results、いずれも2026年7月3〜4日確認)。 指標数値補足自己資本比率68.5%(2025年12月期)2009年33.1%から一貫して改善営業利益率12.30%(2025年12月期)2023年12月期13.62%がピーク、以降やや低下一株配当176円(2024年12月期)2020年45円から5年で約4倍配当性向38.1%(2024年12月期)2020年26.9%から段階的に上昇株価4,130円(2026年7月3日時点)—PER9.73倍(予想)割高感は薄い水準PBR0.89倍解散価値をやや下回る予想配当利回り4.6%優待利回り(最大約0.73%)を大きく上回る 売上高・営業利益も直近5期で安定して推移しています。 決算期売上高営業利益営業利益率2021年12月期582.6億円68.4億円11.74%2022年12月期641.7億円76.8億円11.97%2023年12月期706.3億円96.2億円13.62%2024年12月期713.6億円91.8億円12.87%2025年12月期736.7億円90.6億円12.30% 出典:IR BANK ニチリン 業績推移( https://irbank.net/5184/results 、2026年7月4日確認) ニチリン(5184)の営業利益率の推移 11.74% 2021/12 11.97% 2022/12 13.62% 2023/12 12.87% 2024/12 12.30% 2025/12 営業利益率(%)の推移。2023年12月期の13.62%をピークにやや低下していますが、安定して2桁台を確保しています。出典:IR BANK ニチリン 業績推移 https://irbank.net/5184/results 配当は、株式分割や特別配当で数字が跳ねているわけではなく、配当額そのものを2020年の45円から2024年の176円まで、5年間で約4倍に積み上げてきています。会社は将来にわたる株主利益の確保と必要な内部留保を行いながら、業績も勘案して安定配当を継続する方針を掲げており、この推移はその方針と整合しています。 ...

2026年7月5日 · 最終更新: 2026年7月14日 · HIKO

木徳神糧(2700)の株主優待はお米5kg|優待目的だけでは買わない500株保有者の本音

この記事は連載「ラスト一押しの株主優待」の第4回です。業績・財務で持ちたいと判断した会社に、優待が「最後のひと押し」として付いてくる——そんな順番で保有している優待銘柄を1記事1銘柄で紹介してきた連載で、第1回はコナカと巴工業の比較、第2回はKDDIの優待変更、第3回は松風の優待変更でした。 木徳神糧(2700)の株主優待は、お米がもらえる銘柄として個人投資家に知られています。生活に直結するお米が現物で届く優待は、優待初心者にも分かりやすく人気があります。 この記事の結論 木徳神糧は、優待目的だけで買うならおすすめしない銘柄だと考えています。お米5kgの優待利回りは投資額に対して約0.3%にとどまり、財務も薄利のコメ卸という事業特性も、優待だけで持つには心もとないからです。一方で、お米の優待を楽しみながらコメ関連企業を長期で保有したい人にとっては、検討の余地がある銘柄という位置づけです。私自身が500株を保有している立場で、なぜそう考えるのかを一次情報で整理します。 なお、この記事にはアフィリエイトリンク(PR)を含みます。また、特定銘柄の売買をすすめるものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。 この記事で分かること 木徳神糧の優待内容(お米5kg・年2回基準と必要株数) 500株を新規で買うといくら必要か 過去に優待の改悪・廃止はあったか(一次情報で確認) お米の優待利回りと、薄利のコメ卸という事業・財務の中身 私が今も500株を保有している理由と、売る条件 今の株価1,790円で新規に買うかどうか 私は木徳神糧を500株保有しています。お米の優待が届くのは素直にうれしいのですが、私がこの株を持っている根拠は優待そのものではなく、コメ卸という事業の位置づけと、買った水準に対して株価が上がってきた結果です。この連載で取り上げてきた松風や巴工業のような「自己資本比率80%超の財務優良株」とは、まったくタイプの違う銘柄です。 木徳神糧は、年間でお茶碗およそ44億杯分のお米を扱う、国内大手のコメ卸売会社です(出典:木徳神糧 公式サイト https://www.kitoku-shinryo.co.jp/ 、2026年6月26日確認)。そのお米そのものが株主優待としてもらえるため、優待目当てで保有する個人投資家も多い銘柄です。まずは制度の中身を会社の一次情報で正確に整理していきます。 木徳神糧の株主優待はお米5kg|必要株数と権利確定月 木徳神糧の株主優待は、6月末と12月末の年2回に権利が確定します。基準日ごとに必要株数と内容が違うので、ここが少しややこしい部分です。木徳神糧の公式IR(株主優待ページ)で確認した内容を整理すると、次のとおりです。 12月末基準(500株以上) 保有株数・条件優待内容500株以上・継続保有3年未満5kg相当の米穀製品等500株以上・継続保有3年以上10kg相当の米穀製品等 12月末基準は 500株以上 が条件です。継続保有が3年以上になると、お米が5kgから10kgへ倍になります。発送は翌年3月頃です。 6月末基準(1,000株以上) 保有株数優待内容1,000株以上2,000株未満2,000円相当の米穀製品等2,000株以上4,000円相当の米穀製品等(うち2,000円相当は切り餅750g×2袋) 6月末基準は 1,000株以上 からが条件です。米穀製品の発送は10月頃、切り餅は12月中旬とされています。いずれの基準でも、米穀製品の受け取りに代えて社会貢献活動への寄付を選ぶこともできます。なお、後述する2025年12月の表記見直し(金額→容量表記)の対象は12月末基準のお米部分に限られるため、6月末基準は公式開示でも金額表記のまま案内されています。 500株で受け取れるのは12月末の年1回ぶん 500株を保有していると、対象になるのは**12月末基準のお米5kg(継続3年以上になれば10kg)**です。一方、6月末基準は1,000株以上が条件なので、500株では対象外です。 「木徳神糧はお米がもらえる」とだけ覚えていると500株で年2回もらえる気がしてしまいますが、500株で受け取れるのは12月末基準の年1回ぶんだけで、年2回(6月・12月)の優待を狙うなら1,000株以上が必要です。 私(500株保有)の場合はどうなるか ここまでの「12月末は500株、6月末は1,000株」という必要株数は、2025年7月の株式分割を経た分割後の基準です(分割の経緯は次章で時系列にまとめます)。私はこの分割の前から保有しているので、自分の体験に引きつけて整理しておきます。 私は2024年12月5日に分割前の100株を取得し、現在は分割後の500株を持っています。したがって12月末基準のお米5kg(継続3年以上になれば10kg)が対象で、6月末基準(1,000株以上)は対象外です。買い付けた2024年12月時点は分割前で12月末基準の必要株数は100株でしたから、私は2024年12月31日の基準日で優待の対象になり、初めての優待をすでに受け取っています(当時の優待は容量表記ではなく「2,000円相当の米穀製品等」という金額表記でした)。 なお、優待品の「お米◯kg」という容量表記は、2025年12月に表記方法が見直されたものです。もともと「2,000円相当」「4,000円相当」と金額で表記していましたが、米価が大きく変動して金額表記が実態に合いにくくなったため、容量表記に改められました(出典:木徳神糧 公式IR「株主優待制度の表記方法の見直しに関するお知らせ」2025年12月19日)。中身は従来どおりで表記だけの変更です。 私が保有を始めてからまだ継続保有3年以上の判定(連続7回)には届いていないため、いま受け取れるのは基準ランクのお米5kg相当で、10kgに増えるのはもう少し先です。継続保有3年以上の条件は、公式では「6月末日と12月末日の株主名簿において、変更後の保有株式数で換算して500株(5単元)以上の保有が同一株主番号で連続して7回以上記載または記録されていること」と定義されています。年2回の基準日で連続7回ですから、おおむね3年以上の継続保有が条件です。いったん売って買い直すと株主番号が変わり、このカウントはリセットされます。これは巴工業の「継続1年以上」と同じ考え方で、長期保有優待では一般的な条件です。 このカウントは株式分割をまたいでも途切れません。公式の条件文に「変更後の保有株式数で換算して500株(5単元)」とわざわざ書かれているのはそのためで、分割前から保有していた株主の連続保有期間は分割後もそのまま引き継がれます。私は分割前の2024年12月から保有しているので、このカウントは分割をまたいで進行しています。 (優待の正確な内容・条件・対象品目は改定されることがあります。実際に確認・申し込みをする際は、必ず木徳神糧の公式IR・株主優待ページと、当該の告知文をご自身でご確認ください。出典:木徳神糧 公式IR「株主優待制度の一部変更に関するお知らせ」2025年5月8日/「株主優待制度の表記方法の見直しに関するお知らせ」2025年12月19日、および公式IR 株主優待 https://www.kitoku-shinryo.co.jp/ja/ir/stock/dividend2.html 、2026年6月26日確認。) 木徳神糧の株主優待の変更履歴|廃止・改悪ではなく「拡充寄り」の変遷 この連載のテーマは「優待は変わる、だから優待だけで買ってはいけない」でした。KDDIも松風も過去に優待を変更しています。では木徳神糧はどうか。優待目的で入る人が気にする「過去に改悪・廃止があったか」を、公式IRの適時開示で一件ずつ確認しました。 結論を先に書くと、木徳神糧の優待は、廃止や大幅改悪ではなく、単元株式数の変更・株式分割・長期保有優遇の追加という、どちらかといえば拡充寄りの変遷をたどってきました。主なコーポレートアクションを時系列で並べると次のとおりです。 時期できごと内容(一次情報で確認)2018年7月1日株式併合+単元変更5株を1株に併合し、単元株式数を1,000株から100株に変更。あわせて優待基準を見直し、100株から優待がもらえる形に2024年12月31日基準〜優待内容見直し+長期保有優遇導入12月末基準で、それまでの「株数で金額が変わる方式」から「100株以上・継続3年で増える長期優遇方式」へ。3年未満2,000円相当/3年以上4,000円相当2025年7月1日1対5の株式分割1株を5株に分割。これに伴い優待の必要株数も5倍に調整(12月末は100株→500株など)。会社は「分割比率に基づく調整で実質的な変更はない」と明記2025年12月31日基準〜表記方法の見直し12月末基準のお米の優待を「2,000円相当・4,000円相当」という金額表記から「5kg相当・10kg相当」という容量表記へ。中身は同じで表記だけ変更 出典:木徳神糧 公式IR適時開示「単元株式数の変更、株式併合および定款一部変更に関するお知らせ」2018年2月16日/「株主優待制度の変更(優待内容見直し及び長期保有優遇)に関するお知らせ」2024年10月24日/「株式分割及び株式分割に伴う定款の一部変更、配当予想の修正並びに株主優待制度の一部変更に関するお知らせ」2025年5月8日/「株主優待制度の表記方法の見直しに関するお知らせ」2025年12月19日(いずれも公式IRニュース https://www.kitoku-shinryo.co.jp/ja/ir/news.html 、2026年6月27日確認)。 この4つを通して見ると、木徳神糧は優待を「縮小」してきたのではなく、長く持つ株主を厚く扱う方向に組み替えてきたことが分かります。2018年に1,000株必要だった優待を100株から取れるよう間口を広げ、2024年に3年以上保有で金額が倍になる長期優遇を入れ、2025年の分割は買いやすくする狙いでした。 ただし、優待を取る側から見て見落としやすい点が一つあります。2025年の分割で、12月末基準の必要株数が100株から500株に上がったことです。分割前から100株を持っていた人は自動的に500株になるので不利益はありませんが、分割後にこの株を新しく買う人は、12月末のお米をもらうために500株が必要になります。2026年6月26日時点の株価1,790円なら約89万5,000円です。「昔は10万円台の100株でお米がもらえた」という分割前のイメージのまま100株だけ買うと優待の対象にならないので、ここは注意が必要です。分割によって1株あたりの株価は下がりましたが、優待の取得ラインが100株から500株に引き上げられたため、優待取得を目的とする新規投資家から見ると、必要資金はむしろ増えました。 私自身は、ちょうどこの分割の前、2024年12月に分割前の100株で入りました。間口が広かった最後の局面で入った形ですが、狙ってそうしたというより結果的にそうなったというのが正直なところです。 お米の優待利回りは魅力的に見えるが、ここに罠がある お米5kgの市場価格を、仮に1kgあたり600円とすると、5kg相当でおおよそ3,000円前後の価値になります。2026年6月26日時点の株価は1,790円で、500株なら投資額は約89万5,000円です(出典:IR BANK 木徳神糧 https://irbank.net/2700/per 、2026年6月26日確認)。これで優待利回りを単純計算すると、3,000円÷895,000円で約0.3%にとどまります。 ここで連載第1回で書いた「優待利回りの罠」が効いてきます。優待利回りは株価が下がるほど数字が良く見えますが、それは分母が小さくなっているだけです。約90万円を投じてもらえるお米が年1回5kgというのは、金額ベースで見れば決して高い利回りではありません。 つまり木徳神糧は「優待利回りでお得だから買う」銘柄ではない、というのが私の率直な見方です。お米が現物で届くうれしさは確かにありますが、利回りという数字で正当化できるほどの優待ではなく、持ち続けるかどうかは優待ではなく事業と株価の話になります。 私が見ているのは「コメ卸という事業」と買った水準 ここからが本題です。木徳神糧を持ち続けるかどうかの判断は、お米5kgではなく、事業の中身と財務の数字で決まります。 私の保有状況は、2026年6月27日時点で次のとおりです。**私は2024年12月5日に分割前の木徳神糧を100株、1株5,650円(取得総額565,000円)で買い付け、**2025年7月1日付の1対5分割で保有が自動的に500株になりました。分割換算後の平均取得単価は1,130円です。 項目内容取得日2024年12月5日取得時の保有株数100株(株式分割前)取得単価5,650円(分割前の市場株価)取得総額(取得価額)565,000円現在の保有株数500株(2025年7月の1対5分割後)分割換算後の平均取得単価1,130円現在値1株1,790円現在の評価額895,000円評価損益含み益 +330,000円(+58.40%/2026年6月27日時点) 含み益が出ている状態ですが、ここで正直に書いておくべきことがあります。木徳神糧の株価がここまで上がってきた背景には、近年のお米の価格上昇という、会社の実力だけでは説明しきれない追い風があります。この追い風がいつまで続くかは誰にも分かりません。だから私は、この含み益を「自分の銘柄選びが正しかった証拠」とは思っていません。あくまで結果としてこうなった、というだけです。 業績:薄利のコメ卸が、米価高騰で一時的に大きく伸びた 木徳神糧の通期業績の推移を、IR BANKで確認すると次のとおりです。 ...

2026年6月26日 · 最終更新: 2026年7月14日 · HIKO

松風(7979)の株主優待は改悪?200株保有者が変更内容と「売らない理由」を解説

この記事は連載「ラスト一押しの株主優待」の第3回です。業績・財務で持ちたいと判断した会社に、優待が「最後のひと押し」として付いてくる——そんな順番で私が実際に保有している優待銘柄を、1記事1銘柄で紹介していく連載です。第1回はコナカと巴工業の比較、第2回はKDDIの優待変更でした。 松風(7979)の株主優待は改悪なのか。2026年に優待が一部変更され、ネットでもそう問う声が出ています。 先に私の結論を書きます。**私は松風を売っていません。理由は、私がこの株を持っている根拠が優待ではなく、歯科材料事業の成長性と配当だからです。**優待品が1本差し替わろうと、優待価格で買える本数の上限が縮んでも、私が見ている本線(業績・配当・財務)は変わっていません。だから今回の変更は、私にとって売る理由になりませんでした。詳しくは本文で、財務指標と「売る条件」もあわせて整理します。 なお、この記事にはアフィリエイトリンク(PR)を含みます。また、特定銘柄の売買をすすめるものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。 松風は歯科材料の会社で、株主優待として薬用歯磨などの自社製品がもらえることで個人投資家に知られています。その優待が、2026年6月3日付の会社からの告知で「一部変更」になりました。優待品の中身が一部差し替わり、優待価格で買える本数の上限も縮小されています。私は松風を200株保有し、優待品も受け取ってきた立場として、変更内容を会社の一次情報で整理していきます。 松風の株主優待が2026年にどう変わったのか(変更内容) まず、変更前の松風の株主優待を整理します。松風の公式IR(株主優待ページ)で確認した内容は、おおむね次のとおりです。 対象: 100株(1単元)以上を保有する株主 無料提供: 薬用歯磨など自社製品を、毎年6月下旬に発送 優待価格販売: 全株主を対象に、歯磨やネイル製品などを優待価格で購入できる 基準日: 3月31日(自社製品)と9月30日(ネイル製品)の2回 長期保有条件: 公式ページに記載なし(保有年数による段階はありません) そのうえで、2026年6月3日付で会社が出した「株主様ご優待製品等の変更に関するお詫びとお知らせ」の内容を、告知の範囲で整理すると、変更点は次のとおりです。 無料提供する優待品のうち1本が、別の歯磨製品へ差し替えになった 優待価格で購入できる本数の上限が、2箱から1箱へ縮小された 無料提供品の発送時期が、当初の予定より後ろ倒しになった 無料提供のセット自体は引き続き受け取れますが、優待価格で多めに買い足したい人にとっては、上限が半分になったぶん使い勝手が下がる形です。ネットで「松風の優待は改悪では」という声が出るのも、この上限縮小と発送遅延が理由でしょう。実際、優待価格販売を活用していた株主からすれば、体感として後退に映る変更だと思います。 (優待の正確な内容・条件・対象品目は改定されることがあります。実際に確認・申し込みをする際は、必ず松風の公式IR・株主優待ページと、当該の告知文をご自身でご確認ください。) 会社が挙げた変更理由は「株主数の増加」と「中東情勢」 今回の変更で私が注目したのは、会社が変更理由をきちんと説明している点です。 松風はお詫びの告知のなかで、変更の理由として「想定を上回る株主数の増加」と「中東情勢による原材料の供給不安」を挙げています。これは私の解釈ではなく、会社の告知文に書かれている内容です。 優待がもらえる会社の株主が増えること自体は、会社にとって悪い話ではありません。ただ、株主が増えれば、その人数分の優待品を用意するコストも増えます。そこに原材料の供給不安が重なれば、同じ条件のまま全員に配り続けるのが難しくなる、という事情は理解できます。 ここで大事なのは、これを「会社の経営が苦しいサイン」と読み違えないことだと思っています。今回の変更は、業績が悪化したからコストを削った、という話ではなく、株主数の増加と外部要因への対応として優待のかたちを調整した、というのが会社の説明です。原材料の供給不安は松風だけの問題ではなく、外部環境の話です。憶測で「経営がまずいから優待を削った」と決めつけるのは、フェアではないと考えています。 とはいえ、優待が縮小される方向の変更であることは事実です。だからこそ、この連載で繰り返してきた問いがまた効いてきます。「優待が縮小されても、この会社を持ち続けたいか」です。 「改悪」かどうかより、私が見ているのは業績・配当・財務 ここからが本題です。優待が縮小された「改悪」かどうかという議論はネットでも盛り上がりますが、私が松風を持ち続けるかどうかの判断は、優待ではなく業績・配当・財務の数字で決まります。私は松風を200株、取得単価のベースに対して含み益が出ている状態で保有していますが、その根拠は歯科材料分野で実績を積んできた事業のほうにあります。 業績:5年で売上約1.6倍、営業利益率は13%台へ 松風は売上を伸ばしてきた会社です。IR BANKで公開されている通期業績の推移は、おおまかに次のとおりです。 決算期売上高営業利益営業利益率営業CF2021年3月期247億円23.0億円9.3%28.3億円2022年3月期281億円32.2億円11.4%37.4億円2023年3月期317億円38.2億円12.1%31.7億円2024年3月期351億円47.1億円13.4%30.9億円2025年3月期387億円53.9億円13.9%34.5億円2026年3月期400億円52.3億円13.1%33.7億円 出典:IR BANK 松風 業績推移( https://irbank.net/7979/results 、2026年6月25日確認) 5年で売上は約1.6倍に伸び、営業利益率も9%台から13%台へ改善してきました。営業キャッシュフローも毎期30億円前後の黒字で安定しています。一方で直近の2026年3月期は、売上は過去最高を更新したものの営業利益は前の期(53.9億円)から52.3億円へ微減しました。ずっと右肩上がりが約束されているわけではありません。歯科材料は景気変動の影響を受けにくい面がある一方、海外売上比率や為替、今回のような原材料の供給環境にも左右されます。 財務:自己資本比率84%・ROE10%台と無理のない体質 私が優待株でいちばん安心材料にしているのが、財務の厚さです。IR BANKで確認した自己資本比率とROEの推移は次のとおりです。 決算期自己資本比率ROE2021年3月期79.4%5.6%2022年3月期80.5%7.8%2023年3月期80.8%8.9%2024年3月期82.7%8.8%2025年3月期85.2%10.1%2026年3月期84.1%10.1% 出典:IR BANK 松風 業績推移( https://irbank.net/7979/results 、2026年6月25日確認) 自己資本比率は一貫して80%前後と高く、借入に頼らない財務体質です。ROEも5.6%から10%台へ改善しており、自己資本が厚いままで資本効率も上がってきた形です。財務に余裕があることは、外部環境が荒れても配当や優待を急に切り詰めにくい、という意味で優待株では安心材料になります(もちろん将来を保証するものではありません)。 配当:予想利回り約3.1%、配当性向は40%台へ 配当の面では、松風は2024年10月に1株を2株にする株式分割を実施しています。分割の前後で1株あたりの配当金額の見え方が変わるので、推移を見るときは注意が必要です。IR BANKで確認した1株あたり年間配当金は、おおまかに次のとおりです。 決算期年間1株配当配当性向2021年3月期29円30.1%2022年3月期39円27.2%2023年3月期57円32.4%2024年3月期62円30.1%2025年3月期49円(分割後)40.3%2026年3月期60円(分割後・特別配当5円含む)43.7% 出典:IR BANK 松風 配当推移( https://irbank.net/7979/dividend 、2026年6月25日確認)。2024年10月に1対2の株式分割を実施しているため、2025年3月期以降の1株配当額は分割前の期と単純比較できません(分割前ベースでは2025年3月期・2026年3月期とも年間98円相当)。 会社は配当性向の目安として30%程度を掲げてきましたが、直近2期は記念配当・特別配当もあって実績ベースでは40%台で推移しています。予想ベースの配当利回りは、私が確認した2026年6月25日時点でおおむね3.1%(2027年3月期予想配当61円ベース)です。 優待人気で割高になっていないか(PER・PBRの確認) 優待株でひとつ気をつけているのが、「優待人気で株価が買われすぎていないか」です。優待目的の買いで割高になっている株は、優待が縮小されると株価のほうも調整しやすいからです。2026年6月25日時点でIR BANKで確認した株価指標は次のとおりです。 指標2026年6月25日時点補足株価1,957円—PER14.6倍過去5年平均は約15倍PBR1.43倍自己資本比率84%を踏まえると過度な割高感は薄い予想配当利回り約3.1%2027年3月期予想ベース時価総額約700億円— 出典:IR BANK 松風( https://irbank.net/7979/per 、2026年6月25日確認) ...

2026年6月24日 · 最終更新: 2026年6月25日 · HIKO

KDDI優待は改悪?2025年変更後の内容を200株保有者が解説|Pontaポイントも選択可能

この記事は連載「ラスト一押しの株主優待」の第2回です。業績・財務で持ちたいと判断した会社に、優待が「最後のひと押し」として付いてくる——そんな順番で私が実際に保有している優待銘柄を、1記事1銘柄で紹介していく連載です。第1回はコナカと巴工業の比較でした。 KDDI(9433)の株主優待が2025年に変わりました。 ネットでは「KDDI優待は改悪された」という声も見かけます。長年もらえていたカタログギフトがなくなり、内容が変わったのですから、そう感じる人がいるのも自然です。 私はKDDIを200株、長期間保有しています。配当も優待も受け取り続けてきた立場として、変更後の優待が実際どうなったのか、そして「改悪」と言われる中で私がそれでも持ち続けている理由を、配当や業績の数字とあわせて正直に整理します。 なお、この記事にはアフィリエイトリンク(PR)を含みます。また、特定銘柄の売買をすすめるものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。 KDDI優待は2025年にどう変わったのか(変更後の内容) まず、変更後の優待内容を整理します。KDDIの公式IR(株主優待ページ)で確認した、現行制度の内容は次のとおりです。 対象: 200株以上を保有する株主 1年以上5年未満の保有: 2,000円相当 5年以上の保有: 3,000円相当 そのうえで、受け取る内容を次の中から選べる形になっています。 Pontaポイント(au PAY マーケット限定のPontaポイントとして使うと1.5倍に増量できる選択肢あり) ローソン・成城石井の商品セット(お菓子、発泡酒、レトルト食品、コーヒー、ワインなどから選ぶ形) 寄付(優待相当額を社会貢献活動団体へ寄付) 以前のような「カタログギフトから商品を1つ選ぶ」形から、Pontaポイント・商品セット・寄付のいずれかを選ぶ形に整理された、という変化です。日常的にau PAYやPontaを使っている人なら、ポイントで受け取れる選択肢はむしろ使い勝手が良いと感じるかもしれません。 なお保有期間は、同一株主番号で3月31日の株主名簿に連続して記録されている年数で判定されます。証券会社の変更や相続などで株主番号が変わると、保有期間がリセットされて対象から外れる場合がある、という点は公式でも注意喚起されています。長期保有区分を狙うなら、口座をむやみに移さないほうが無難です。 (優待の正確な内容・条件は改定されることがあります。実際に確認・申し込みをする際は、必ずKDDIの公式IR・株主優待ページで最新の情報をご確認ください。) 株数基準は「200株以上」。2025年4月の株式分割もあわせて押さえる 優待を考えるうえで、もう一つ押さえておきたいのが株式分割です。 KDDIは2025年4月1日に、1株を2株にする株式分割を実施しています。つまり、分割前に100株を持っていた人は、分割後には自動的に200株になります。 現行の優待基準は200株以上です。分割前の株価でいきなり200株を買うのはハードルが高かったところもありますが、分割によって1株あたりの株価が下がり、新たに買う人にとっても株数を揃えやすくなったという面はあります。 ここで「100株だと優待がもらえないのか」が気になる人もいると思います。私が公式IRを確認した範囲では、現行の優待基準は200株以上という記載で、分割前100株保有者への経過措置について特別な記載は見当たりませんでした。ただ、分割前から100株を持っていた人は分割で自動的に200株になっているため、その時点で現行基準を満たしている、という整理になります。これから新しく買う人は、200株を意識して株数を揃える必要がある、ということです。 繰り返しになりますが、株数の基準や経過措置の有無は制度改定で変わり得ます。最終的な条件は必ず公式の株主優待ページでご確認ください。 「改悪」と言われても私が売らない理由は、優待ではなく配当と業績 ここからが本題です。優待が変わったいま、私がKDDIを売らずに持ち続けている理由は、結局のところ優待ではありません。 私はKDDIを、優待目的というより、安定した配当と業績を期待して長期で保有してきました。優待は、第1回でも書いたとおり「最後のひと押し」であって、保有を決める主役ではありません。 私の保有実績で見ると、KDDIは取得単価ベースに対して株価が大きく育ち、含み益も配当も両方を稼いでくれている主力銘柄の一つです。旧NISA時代から持ち続けてきた銘柄で、長期保有区分の3,000円相当の優待を受け取れる年数にもなっています。 配当の面でも、KDDIは長く増配を続けてきた会社として知られています。参考までに、IR BANKなどで公開されている1株あたり配当金の推移を、2025年4月の株式分割を考慮した「分割後換算」に統一して並べると、おおまかに次のようになります。 決算期年間配当(分割考慮後換算)2021年3月期60円相当2022年3月期62.5円相当2023年3月期67.5円相当2024年3月期70円相当2025年3月期72.5円相当 (出典: IR BANK。分割前の表示額を、2025年4月の1:2分割にあわせて半額換算した参考値です。実際の支払額・1株配当は各期の正式発表をご確認ください。) 分割後換算でそろえると、2026年3月期に予想される配当(分割後ベースのおおよそ80円相当)と地続きで、毎年少しずつ配当が積み上がってきたことが見て取れます。優待が2,000円から3,000円に変わったかどうか以上に、この配当の積み上がりのほうが、私にとっては持ち続ける根拠として大きいというのが正直なところです。 もちろん、通信業界にも価格競争や規制、設備投資といったリスクはあります。増配がこの先も続く保証はありません。あくまで過去の実績がこうだった、という話として読んでください。 優待が変わったとき、売るかどうかをどう考えたか 優待の内容が変わると、「改悪されたから売ろうか」という気持ちになることがあります。私もニュースを見たときは、一瞬そう思いました。 でも、自分の保有理由に立ち返ったとき、私がKDDIを持っている主な理由は配当と業績であって、優待ではありませんでした。だとすれば、優待がカタログからPontaポイントや商品セットに変わったこと自体は、売る理由にはならない、と整理できました。 逆に言えば、もし「優待だけ」が目当てで持っていたら、変更のたびに揺さぶられていたと思います。第1回のコナカで痛感したのは、まさにこれでした。優待目的で買った株が塩漬けになり、優待の魅力だけでは下落に耐えられなかったのです。 だから私は、優待つきの株でも「優待がなくなっても持ち続けられるか」を基準にするようにしています。KDDIは、優待がどう変わっても配当と業績で持てる、と判断しているので売っていません。これはあくまで私個人の判断であり、同じ判断をすすめるものではありません。 まとめ:優待は「最後のひと押し」、本線は配当・業績・財務 ここまでをまとめます。 KDDIの株主優待は2025年に変更され、現行は200株以上が対象。1年以上5年未満で2,000円相当、5年以上で3,000円相当 受け取り方はPontaポイント・商品セット・寄付から選ぶ形になった 2025年4月1日に1:2の株式分割があり、分割前に100株を持っていた人は分割後に200株になっている 私が売らない理由は優待ではなく、長く積み上がってきた配当と業績。優待はあくまで「最後のひと押し」 「優待が改悪されたから売る」ではなく、「この会社を優待抜きで持ち続けたいか」で考える——これが、コナカでの失敗を経た私の今の基準です。 KDDIのような大型株でも、私が買う前に見ているのは優待ではなく、配当・業績・財務です。優待は判断材料の最後に置いています。そうした個別株や配当の管理、NISAまで含めて、私は2015年からずっと楽天証券を1つの口座にまとめて使っています。11年使ってきて、今もメイン口座にしている証券会社です。 楽天証券で口座を開設する 私が11年使っているメイン口座。優待株を含む個別株もNISAも1つの口座で管理できます。 楽天証券の口座開設はこちら(無料) → ※TGアフィリエイトのリンクを使用しています。口座開設の判断はご自身でご確認ください。 なお、本記事は私個人の保有実績と考え方の整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。優待・配当の内容は改定されることがあり、最終的な条件は必ずKDDIの公式IRでご確認ください。株式投資には価格変動リスクがあり、投資判断はご自身の責任でお願いします。 連載「ラスト一押しの株主優待」 業績・財務で持ちたいと判断した会社に、優待が「最後のひと押し」として付いてくる、という順番で私が保有している優待銘柄を1記事1銘柄で紹介していくシリーズです。 第1回:コナカと巴工業——優待で買って失敗した株と、業績で買って優待がついてきた株 第2回:KDDI(9433)の優待変更と、それでも持ち続けている理由(本記事) 第3回:松風(7979)の優待変更と、それでも持ち続けている理由 第4回:木徳神糧(2700)のお米の優待と、薄利のコメ卸を持ち続けている理由 第5回:ニチリン(5184)のクオカード優待と、財務が厚い会社を持ち続けている理由 第6回:ラクト・ジャパン(3139)の食品カタログ優待と、アジア展開する食品商社を持ち続けている理由 第7回:アサックス(8772)のクオカード優待と、不動産担保ローンで稼ぐ会社の中身

2026年6月20日 · 最終更新: 2026年7月14日 · HIKO

株主優待で選んだコナカは9年塩漬け、業績を見た巴工業は含み益+30%|優待株で確認する3つの数字

この記事は連載「ラスト一押しの株主優待」の第1回です。業績・財務で持ちたいと判断した会社に、優待が「最後のひと押し」として付いてくる——そんな順番で私が実際に保有している優待銘柄を、1記事1銘柄で紹介していく連載です。 「株主優待が魅力的だから、この株を買おう」 11年前の私はこの考え方で銘柄を選び、9年5ヶ月の塩漬けを経験しました。一方で、業績と配当方針を確認した上で保有している優待つきの銘柄は、含み益+30%で優待のワインも毎年届いています。 結論を先に書きます。優待だけを最初の理由に株を買うと、私のように失敗することがあります。優待は株を買う最初の判断材料ではなく、業績・財務で持ちたいと判断した会社の「最後のひと押し」にするべきでした。 この順番を逆にした私の失敗と、今うまくいっている保有銘柄の対比を、実際の数字で書きます。 平成時代を生きた30代・川崎市在住のHIKOです。投資歴11年・FP2級。2015年に年収300万円台でNISAを始め、コナカの塩漬けと青山商事の-310,960円を経験してきました。この記事は私の体験談と一般的なチェック観点の整理であり、特定銘柄の購入を勧めるものではありません。 ※当記事にはアフィリエイトリンク(PR)を含みます。 優待で選んだコナカ(7494):9年5ヶ月の塩漬け 2015年5月、人生で初めて買った単元株がスーツ専門店のコナカでした。738円×100株、投資額73,800円です。 選んだ理由は3つでした。 知っている会社だから安心 100株7万円台で買える 株主優待でスーツがお得に買える 業績や財務は一切調べていません。「優待だけ」というより「知名度・手頃さ・優待」の3点セットですが、共通しているのはどれも会社の中身を見ていないことです。 その後、株価は200〜400円台で長く推移し、9年5ヶ月そのまま塩漬けになりました。2024年11月、旧NISAの非課税期間終了にあわせてクロス取引(旧NISAで売却→同日に特定口座で買い戻し)を実施し、損益を整理した結果がこれです。 項目金額旧NISA売買の確定損(738円買い→247円売り)-49,100円旧NISA配当累計(16回・非課税)+16,000円特定口座スイング益(2020〜2021年)+2,190円特定口座配当+980円確定損益合計-29,930円 配当を9年受け取り続けても、株価下落をカバーできませんでした。しかも旧NISAの損失は損益通算ができないため、-49,100円は税制上「無かったこと」になります。買う理由の1つだった優待(コナカ・フタタ・SUIT SELECT等で使える20%割引券)自体は現在も継続していますが、株価が7割下がった損失を埋められるものではありませんでした。 このときの詳しい経緯は2015年のNISA個別株失敗談に書いています。 業績を見て保有している巴工業(6309):含み益+30%とワイン 一方、現在の保有銘柄に巴工業という会社があります。遠心分離機などの機械製造と化学工業製品の商社という2つの事業を持つ会社です。 2026年5月時点の私の保有状況はこうです。 項目数値保有株数300株取得単価1,369円評価額537,900円含み損益+127,200円(+30.97%) 優待は200株以上の保有でワイン1本が年1回届きます(600株以上で2本。基準日は毎年10月31日・継続1年以上の保有が条件。出典:巴工業「株主優待制度」 https://www.tomo-e.co.jp/ir/benefit.html )。私も実際に受け取っており、これは素直にうれしい優待です。 ただし、私がこの株を持ち続けている理由はワインではありません。業績と配当方針です。 売上・営業利益が右肩上がり 決算期売上高営業利益2020年10月期392億円23億円2021年10月期451億円28億円2022年10月期456億円33億円2023年10月期496億円40億円2024年10月期521億円47億円2025年10月期594億円54億円 出典:IR BANK 巴工業 業績推移( https://irbank.net/6309/results ) 5年で売上は約1.5倍、営業利益は2倍以上になっています。営業利益率も5%台から9%台へ改善しています。 配当も増えている 決算期年間1株配当2020年10月期48円2021年10月期50円2022年10月期53円2023年10月期110円2024年10月期145円 出典:IR BANK 巴工業 配当推移( https://irbank.net/6309/dividend )。なお2025年5月に1対3の株式分割を実施しているため、2025年10月期以降の1株配当額は上の表と単純比較できません。 会社は連結配当性向40%以上を目標に掲げており、実績もその水準で推移しています。優待を抜きにしても、配当と業績だけで保有の説明がつく。これがコナカとの一番の違いです。 念のため繰り返しますが、巴工業を買うことを勧めているわけではありません。株価は今後下がるかもしれませんし、優待も廃止されるかもしれません。「業績で説明できる株を持ち、優待はおまけ」という選び方の実例として挙げています。 同じ「優待株」でもここまで差がつく コナカと巴工業の損益比較 ¥-29930 コナカ(確定損益) ¥127200 巴工業(含み益) コナカは2024年11月クロス取引までの確定損益(配当込)、巴工業は2026年5月12日時点の含み益。投資額はコナカ73,800円・巴工業410,700円で異なります どちらも「優待のある株」です。違いは、買う前(あるいは持ち続ける判断のとき)に業績と配当を見たかどうかだけです。 私が優待株で見ている3つの数字 コナカの失敗と、JPX・JT・オリックスでの優待廃止経験(詳細は優待入門の記事に書きました)を経て、優待のある銘柄では次の3つの数字を確認するようになりました。これは一般的なチェック観点としても通用する内容だと思います。 ① 優待を抜いた配当利回り 優待相当額を含めた「総合利回り」ではなく、配当だけの利回りをまず見ます。 理由は単純で、優待はいつでも廃止されるからです。JT・オリックスのような人気優待でも「配当への一本化」を理由に廃止されました。優待が消えても配当だけで持つ理由が残るか。残らないなら、その銘柄は優待ありきの選択になっています。 ② 業績の方向(売上・営業利益・配当性向) 直近5年程度の売上高と営業利益が伸びているか、横ばいか、下がっているかを見ます。あわせて配当性向(利益のうち配当に回す割合)に無理がないかも確認します。配当性向が100%を超えているような会社は、利益以上の配当を出している状態で、減配や優待廃止が起きやすい構造です。 ...

2026年6月11日 · 最終更新: 2026年7月10日 · HIKO

株主優待で年間10万円以上受け取っているが、3銘柄で廃止された話【30代の実録】

現在の保有銘柄で、年間10万円以上の優待を受け取っています。内訳はQUOカード系が最多で約4.5万円、食品・お米系が約2.3万円、カタログギフトや商品券系がそれぞれ約1万円ほどです。 ただし同じ期間に、保有していた3銘柄で優待が廃止されました。 「廃止されないだろう」と思っていた銘柄が、なくなりました。 今回はその両方をそのまま書きます。 「年間10万円」の内訳をもう一段くわしく 「優待で年10万円」と書くと派手に見えますが、実態は地味な積み上げです。私の保有14銘柄のうち、優待があるものを目的別に整理するとこうなります。 カテゴリ主な銘柄年間優待相当QUOカード系旭情報サービス・JPX系・通信系・小売系 など約45,000円食品・お米系KDDI(ローソン・成城石井の商品セット選択時)・食品メーカー優待約23,000円ポイント・カタログ系KDDI(200株・5年以上保有で3,000円相当)約10,000円商品券・割引券飲食・小売の優待券約10,000円ポイント・株主専用サービス各社株主限定特典約12,000円 合計で年10万円台に届くという感覚です。1銘柄で2万円・3万円もらえる派手な優待は1つもありません。1銘柄あたり3,000〜10,000円相当の優待を、14銘柄に分散させた結果として10万円になっています。 「優待だけで暮らせる」みたいな話ではなく、「QUOカードで毎月のコンビニ・書店利用がほぼ賄える」「ポイントや商品セットで日用品を1〜2回買える」という、生活コストの一部を肩代わりしてくれる規模です。 最初に正直な話:日本取引所グループの優待が廃止されました 投資歴11年の中で、優待絡みで一番学んだ出来事は日本取引所グループ(JPX、8697)の優待廃止です。 JPXはかつて、株主に対してクオカードを贈呈する優待制度を実施していました。証券取引所を運営する企業であり、財務的な安定感と知名度から「廃止されないだろう」と思って保有していたのが正直なところです。ところが、優待制度は廃止されました。 廃止後も株価は横ばい〜上昇傾向で推移し、配当も維持されていたため、実質的な影響はほとんどありませんでした。ただ、「廃止されないはず」という思い込みが根拠のない判断だったとあとから気づきます。どれだけ安定した企業に見えても、優待制度は企業が任意で設けているものです。業績悪化や株主還元方針の変更(優待を廃止して配当を増やすケースも多い)により、いつでもなくなります。 「優待ありき」で銘柄を選ぶことへの過信は捨てたほうがいいと感じました。 株主優待の基本:3分で押さえる 株主優待とは、企業が一定数以上の株を持つ株主に対して、自社の商品やサービスを無料・割引で提供する制度です。日本独自の文化で、多くの上場企業が実施しています。 優待の種類は大きく3つです。 ① 食事券・飲食割引券:レストランチェーンや居酒屋系の企業に多い。実生活でそのまま使えるのが魅力。 ② 商品券・買い物割引券:家電量販店やスーパーなどで使える金券。現金に近い使い勝手。 ③ 自社製品・カタログギフト:食品メーカーや日用品メーカーの優待。生活費の節約に直結。 ただし、優待の価値は「実際に使う人」にしか生まれません。自分が使わないサービスの優待をもらっても、金銭価値はゼロです。銘柄選びの前に「自分が日常的に使う場所・もの」を起点にするのが基本です。 株主優待は何株から?必要株数と長期保有優遇の確認方法 「何株買えばもらえるのか」は銘柄ごとに違います。最低単元の100株から優待がもらえる企業が多い一方で、条件が重い銘柄もあります。私が保有しているKDDIはその代表例で、優待の条件は200株以上、さらに保有1年以上5年未満は2,000円相当・5年以上は3,000円相当という長期保有優遇の設計です(2026年3月末基準日時点)。 確認手順は次の2つで足ります。 企業の公式IRサイトの「株主優待」ページを見る:必要株数・保有年数条件・優待内容の最新情報は、必ず企業公式の一次情報で確認します。優待まとめサイトの情報は変更が反映されていないことがあります。 権利確定日(基準日)を確認する:優待は基準日の時点で条件を満たす株数を保有している株主に贈られます。買った翌日にもらえるわけではなく、基準日を過ぎてから届くまでには時間がかかります。 とくに注意したいのは、KDDIのように優待の内容や条件が途中で変更されるケースです。私の保有中にも従来のカタログギフトから選択方式への変更がありました。「買ったときの条件がずっと続く」とは考えず、年1回は公式IRページを見直す習慣をつけておくと、変更や廃止のときに慌てずに済みます。 実際に保有している2銘柄の話 ユニバーサル園芸社(6061) フラワー装飾・緑化サービスを手がける会社で、現在も保有中の銘柄です。時価総額は数百億円規模で、小型株に分類されます。優待内容は保有株数に応じてクオカードが贈られてきます。コンビニ・書店・ドラッグストアなど幅広く使えるため、生活費の一部として自然に消化できます。 この銘柄を選んだのは財務の安定性と増配傾向が主な理由です。優待はあくまで「おまけ」として捉えており、企業として持ちたいと判断した上で選びました。小型株であるため株価の流動性については事前に確認しておく必要があります。現在も優待制度は継続中です。 KDDI(9433) 携帯キャリア大手で、200株を現在も保有中の銘柄です。優待は2025年に内容が変更され、従来のカタログギフトからPontaポイント・ローソン/成城石井の商品セット・社会貢献団体への寄付のいずれかを選ぶ方式になりました。200株以上が条件で、保有1年以上5年未満は2,000円相当、5年以上は3,000円相当と長期保有優遇があります(2026年3月末基準日。出典:KDDI公式IR「株主優待制度」 https://www.kddi.com/corporate/ir/individual/yutai/ )。 私は商品セットを選ぶことが多く、食品が中心なので生活費の足しになっています。配当も安定しており「優待+配当」として捉えると長期保有の判断が立てやすい銘柄です。ただし、優待は今後さらに変更・縮小される可能性がありますし、通信業界全体の規制や競争環境の変化が株価に影響するリスクは常にあります。あくまで私の保有状況の紹介であり、購入を勧めるものではありません。 優待廃止の経験:JPX・JT・オリックス 「廃止されないだろう」と思っていた銘柄の優待が、実際になくなりました。保有していた3銘柄の話です。 日本取引所グループ(JPX、8697) 冒頭で触れたとおりです。クオカード贈呈の優待が廃止されました。廃止後も株価・配当に大きな影響はありませんでしたが、「安定した企業だから廃止されない」という思い込みの危うさを実感しました。 JT(日本たばこ産業、2914) 高配当株として保有しており、食品や自社グループ商品のカタログギフト優待も魅力のひとつでした。「高配当+優待」という組み合わせで長期保有していましたが、2022年に優待制度が廃止されました。廃止の理由として、配当に一本化することで株主全体に公平に還元するという方針が示されました。年間2,500円相当の優待がなくなりましたが、配当水準は維持されたため実質的な影響は限定的でした。ただ「優待は続くもの」という前提が崩れた出来事でした。 オリックス(8591) 「優待株といえばオリックス」と言われるほど知名度が高く、カタログギフトの内容の充実さで人気のある銘柄でした。こちらも保有していましたが、2024年3月末をもって優待制度が廃止されています。年間5,000円相当のカタログギフトがなくなりました。理由はJT同様「株主への公平な利益還元」です。 この3社に共通しているのは、財務的に安定していて廃止される理由がないように見えたという点です。むしろ優待の充実度が高かったからこそ「このまま続くだろう」と思っていました。企業側の株主還元方針が変われば、どの銘柄でも優待は廃止されます。優待を「おまけ」として割り切り、企業そのものの価値で持つかどうかを判断することの大切さを、この3件で改めて感じました。 優待利回りの考え方:「利回りが高い≠安全」 よく「優待利回り3%以上を目安に」という情報を見かけます。優待の価値を株価で割った数字を指標にする考え方です。ただし、これだけで判断するのには注意が必要です。 優待利回りは使える人にしか意味がない:使わないものの利回りはゼロです。 高い優待利回りは株価が下落しているサインの場合がある:株価が下がった結果として相対的に利回りが高く見えているケースがあります。優待目当てに飛びついて買ったものの、株価がさらに下落して優待の価値を上回る含み損になる、という状況は起こり得ます。 優待は企業業績悪化時にまず削られやすい:コスト削減策として優待廃止を検討する企業は多く、高利回りほどその可能性を疑うべき場面もあります。 利回りの数字を見るとしても、企業の財務状況・配当実績・業績の安定性とあわせて判断することが必要です。 30代が優待投資に向いているとき・向いていないとき 向いている人 外食・日用品など、自分が使えるジャンルの優待がある銘柄を選べる 「配当+優待」でコツコツ受け取りながら長期保有できる 優待廃止・株価下落をある程度許容できる(優待は確定した収益ではない) NISAで個別株を持つ予定があり、その中の1銘柄として組み込む 30代は外食の機会がそれなりにあり、食事系・カフェ系の優待は実際に使いやすい年代です。 向いていない人 優待銘柄を優待目的だけで選んでいる(企業の実態を見ていない) 少額の優待のために10〜20万円の資金を1銘柄に集中させる 優待が廃止・縮小したときに、持ち続ける理由を説明できない NISAとの相性 新NISA口座で株を保有していても、株主優待は受け取れます。加えて、株が値上がりした際の売却益・配当金も非課税になります。 優待銘柄をNISAで持つ場合、特に長期保有を前提にするなら成長投資枠が使いやすいです。KDDI・ユニバーサル園芸社どちらもNISA口座で保有しています。 ただし、NISAの非課税枠(年間360万円・生涯1,800万円)は有限です。個別の優待銘柄に充てるより、インデックスファンドを優先したほうが資産形成効率は高い場合が多いです。優待銘柄はNISA枠の「一部」として考えることをお勧めします。 最初の1銘柄の探し方 優待投資を試してみたい場合、以下の手順が現実的です。 ...

2026年4月19日 · 最終更新: 2026年7月2日 · HIKO

貸株はやらなくていい?14銘柄・5年やった実績で出した結論【月800円の現実】

NISAを中心に資産形成している30代会社員向けに書いています。投資歴11年・FP2級のHIKO(平成時代を生きた30代、夫婦二人暮らし)です。特定口座で14銘柄に貸株を設定して5年運用した実績があります。結論を先に書くと「やってもいいけど、ほぼ誤差です」。月800円台の現実と、銘柄ごとの金利差、運用設計をすべて公開します。 貸株はやめたほうがいい?→私の答えと条件 「貸株はやめたほうがいい?」と検索してたどり着いた方への、私の答えを先に書きます。 基本はやらなくていい。ただし、特定口座の長期保有銘柄に「優待・有配優先」を設定できる人なら、続けても問題ない。 これが14銘柄・5年で48,426円(月平均807円)という一次データを持つ私の結論です。 「やめたほうがいい」と言われる理由(証券会社の信用リスク・配当金相当額が雑所得になる問題・優待や長期保有との相性)は実在します。本文で一つずつ実体験ベースで検証しますが、いずれも「条件を満たせば管理可能」なリスクで、逆に条件を満たせない人は最初からやらないほうがいい、という整理になります。 保有スタイル貸株の判断NISAがメインやらなくていい(そもそも使えない)優待株を特定口座で保有「優待・有配優先」設定を入れれば可能(金利は薄まる)高金利の小型株を特定口座で保有スポット的にはあり(ただし条件付き) この3行で判断できる人は、以降を読まなくても大丈夫です。 私の貸株14銘柄を全公開します 特定口座で実際に貸株設定している14銘柄をすべて出します。基本は「優待・有配優先」設定(権利確定日に自動解除→優待・配当を維持しつつ金利だけ取る)にしてあります。 コード銘柄株数金利9692シーイーシー1000.10%9799旭情報サービス1000.10%8931和田興産1000.10%9069センコーグループHLDGS1000.10%9233アジア航測1000.40%8697日本取引所グループ1000.10%8772アサックス5000.10%7494コナカ1000.10%7713シグマ光機1000.10%7730マニー1000.10%7856萩原工業1000.10%5388クニミネ工業1000.10%6061ユニバーサル園芸社2000.10%6091ウエスコホールディングス1000.10% 14銘柄のうち13銘柄は金利0.10%。唯一の例外がアジア航測(9233)で金利0.40%です。「貸株は高金利銘柄を狙う」と聞くと夢があるように感じますが、現実はほとんどの銘柄が0.1%前後で横並びになります。 アジア航測(9233)だけ高金利な理由 なぜアジア航測だけ金利が4倍ついているか。これは需要側、つまり「その銘柄を借りたい投資家がどれだけいるか」で決まります。空売り需要が多い銘柄や、信用取引で品薄になっている銘柄は貸株金利が上がりやすい傾向があります。 ただ重要なのは、この金利は証券会社の判断でいつでも変わるという点です。来月には0.10%に戻っているかもしれません。だから「アジア航測を貸株目的で買う」のは順序が逆です。あくまで保有している銘柄をたまたま貸し出した結果、金利が高かった、という話です。 「優待・有配優先」設定を全銘柄に入れている理由 貸株中は株の名義が証券会社に移るため、権利確定日をまたいで貸し出し状態だと株主優待・配当の権利が消えます。これを防ぐ設定が「優待・有配優先」です。 権利確定日の前に自動で返却→確定後に再度貸し出し、という挙動になります。返却中の数日間は金利がつかないので、その分だけ収入が薄まりますが、優待・配当を失うリスクと比べたら誤差です。 私の14銘柄はほぼ「優待・有配優先」で設定しています。コナカ(7494)の年8回優待カードや、JPX(8697)の配当などを失ったら、金利数百円どころの話ではなくなります。 5年累計の実績:合計48,426円・月平均807円 実際の収入を年ごとに出します。 年貸株金利配当金相当額合計20214,362円8,469円12,831円20229,395円0円9,395円20236,701円0円6,701円202410,979円0円10,979円20258,520円0円8,520円5年累計39,957円8,469円48,426円 5年で48,426円、月平均にして807円です。「貸株 月500円」という見出しを以前書きましたが、実際は月800円台が現実ラインでした。 ...

2026年4月19日 · 最終更新: 2026年6月10日 · HIKO