【2026年NISA改正まとめ】結局どうする?30代投資家の結論
2026年のNISA改正、結論は「やることは変わりません」 いきなり結論です。ほとんどの人にとって、やることは変わりません。 毎月無理のない金額を積み立てる 全世界株(オルカン)1本 そのまま続ける この記事は、主にこういう方に向けて書いています。 貯金はあるけれど、投資はまだ始めていない NISAは気になっているけれど、なんとなく放置している 「2026年に改正があるらしいから、そのタイミングで始めようかな」と思っている 「制度が変わるなら待ったほうがいいのでは」と考えるのは自然です。ただ、投資の結果を左右するのは主に「どれだけ長く続けたか」なので、確定を待って動かない期間が長くなるほど、その分だけ複利の効く時間は短くなります。私自身は、待つ理由にはなりにくいと考えています。 投資歴10年超(2015年NISAスタート)・保険業界10年・FP2級のHIKOが、30代目線でまとめました。 2026年NISA改正の現在地|確定した内容と、まだ議論中の内容 まず情報の確度を整理します。この記事の更新時点は2026年8月です。 内容現時点の状態こどもNISA(0〜17歳が使えるつみたて枠)法律で確定。「所得税法等の一部を改正する法律」が2026年3月31日に成立・公布され、施行日は2026年4月1日(別段の定めがあるものを除く)。勘定を設けられるのは2027年以後非課税枠の復活を「時価」ベースに変更議論段階。令和8年度税制改正の大綱にも記載がなく、確定した制度設計は見当たりませんつみたて投資枠の対象商品の見直し(公社債・指定指数)大綱に明記。指定インデックス投資信託以外の公募株式投資信託の主たる投資対象資産を「株式」から「株式又は公社債」へ。指定指数に読売株価指数とJPXプライム150指数を追加 2026年春の時点では「全部まだ検討中」という整理でしたが、こどもNISAはその段階を越えて、法律の成立・公布まで進みました。財務省が公表した法律案の概要にも「NISAの拡充(つみたて投資枠の口座開設可能年齢を0〜17歳に拡充(年間投資枠は60万円、非課税保有限度額は600万円))」と明記されています(出典: 財務省第221回国会における財務省関連法律・2026年8月13日確認)。 一方で、法律が通ったからといって手元の実務まで決まったわけではありません。年齢確認の方法や金融機関での手続き、つみたて投資枠の対象商品の細目(公社債や指定指数の要件)は政令・告示で定められる部分が残ります。SNSで断言している情報は、出典と日付を確認してから読むことをおすすめします。 こどもNISAとは|0〜17歳・年間60万円・2027年開始予定 成立した法律で示されている骨格は次のとおりです。 項目内容対象年齢0〜17歳(非課税口座の口座開設可能年齢の下限を撤廃)年間投資枠60万円非課税保有限度額600万円開始時期未成年者特定累積投資勘定を設けられるのは2027年(令和9年)以後の各年投資対象つみたて投資枠の対象商品(公募等株式投資信託の受益権) かつてのジュニアNISAとの一番の違いは、払出し制限の設計です。 こどもNISAの払出し制限|12歳以降も「使いみち」は限定されます ここは誤解されやすいので、成立した法律の要綱に沿って正確に書きます。 時期払い出せる場合3月31日時点で12歳である年の前年以前災害・疾病その他のやむを得ない事由による場合のみ(勘定と口座の全額払出し)3月31日時点で12歳である年以後上記に加えて、教育費または生活費の支払に充てるためという事由を記載した書類を提出した場合 つまり12歳以降も、用途を問わず自由に引き出せるようになるわけではありません。学校の入学金・授業料などの教育費や生活費に充てる場合に限られ、金融機関へ書類を出す手続きが必要です(令和8年度税制改正の大綱では、この手続きは親権者等が行い、本人の同意を証する書類を添付するとされています)。取扱いに反する払出しをした場合は、それまでの譲渡益と配当に課税されます。 出典: 財務省「所得税法等の一部を改正する法律案要綱」(PDF)および「令和8年度税制改正の大綱」(PDF p.19-20)・いずれも2026年8月13日確認。 ジュニアNISAは「18歳まで払い出せない」という制限の厳しさが敬遠された面がありました。今回は12歳という区切りが入り、教育費・生活費という出口が用意された形です。ただし「途中で自由に引き出せる口座」ではないので、教育費以外の用途も想定するお金を入れる場所としては向きません。 子どもがいない私から見た距離感 私は夫婦二人暮らしで子どもがいないので、こどもNISAを使う立場ではありません。当事者としての体験は書けないので、制度の距離感だけ書いておきます。 家族構成によっては効く制度だと思います。大学入学まで15年以上あるなら、非課税で積み立てられる枠が増える意味は小さくありません。一方で、数年以内に教育費が必要な場合は、期間が短いぶん元本割れのリスクが相対的に大きくなります。 そして、これは制度に関係なく言えることですが、親自身のNISA枠が余っているなら、そちらを先に埋めるほうが順番としては自然だと私は考えています。子ども名義の枠を作ること自体が目的化しないほうがいい、という程度の話です。 出典は財務省「第221回国会における財務省関連法律」(法律案・要綱・概要)と「令和8年度税制改正の大綱」(2025年12月26日閣議決定)です。→ https://www.mof.go.jp/about_mof/bills/221diet/index.html / https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2026/20251226taikou.pdf 非課税枠の「時価」ベース復活案|長期積立にはほぼ影響なし 現行のNISAでは、売却した分の取得額(買った値段)が翌年に復活します。これを売却時の時価ベースに変える案が議論されています。 たとえば10万円で買った投資信託が15万円になった時点で売却した場合、現行なら翌年に10万円分の枠が戻り、案のとおりになれば15万円分が戻る、という違いです。 これは値上がりした商品を売って別の商品に乗り換える人には効きます。ただ、オルカンを淡々と積み立てるだけの層は、そもそも売らないのでほぼ関係がありません。 むしろ気になるのは「枠が多く戻るなら売ってもいいか」と考えてしまうことのほうです。長期投資では、不要な売買や感情に流された判断がリターンを削る要因になりやすいと言われています。私は積立中のオルカンを売る理由がないので、この案が確定しても行動は変えない予定です。 つみたて投資枠への債券型ファンド追加案|選択肢が増えると迷いも増える これは議論段階ではなく、令和8年度税制改正の大綱に書き込まれています。大綱の金融・証券税制には、指定インデックス投資信託以外の公募株式投資信託について「主たる投資の対象資産に係る要件について、対象資産を株式又は公社債(現行:株式)とする」と明記されています。あわせて、指定インデックス投資信託の指定指数に読売株価指数とJPXプライム150指数を加えることも記載されています(出典: 財務省「令和8年度税制改正の大綱」PDF p.21-22・2026年8月13日確認)。実際にどのファンドが対象になるかは、政令・告示で要件が定まってから金融庁の対象商品リストに反映されます。 選択肢が増えること自体は悪いことではありません。ただ、投資を始めたばかりの人にとっては「株と債券どちらにするか」「比率はどうするか」という新しい悩みが増えます。 最初に必要なのは商品の最適解を出すことではなく、続けられる形で始めることだと私は考えています。選択肢が増えたせいで「もう少し考えてから始めよう」と先送りする人が出るのがいちばんもったいない、というのが正直な感想です。 2026年NISA改正でもオルカン1本の方針は変えない 「でもS&P500のほうがいいのでは」「日本株は入れなくていいのか」と思った方もいると思います。 私の考えはシンプルで、オルカンはすでに分散が完成しているので、つみたて投資枠の中で他に足す必要がないというものです。米国、その他の先進国、新興国が1本の中に自動で入っています。国の選び方も、乗り換えのタイミングも、将来予測も自分でやらなくて済みます。 考えなくていい設計だから続く。これがオルカンの一番の価値だと私は思っています。 実際の積立データ(投資元本280万円に対して評価額3,696,937円)や、市場効率性・リバランス不要・通貨分散という3つの根拠は、別記事で詳しく書いています。→ オルカン積立の実績を公開|個別株の98%が日本株だった私が全世界株を選んだ理由【30代・新NISA】 NISAを今すぐ始めるべき理由|年利5%が続いた場合の試算 「改正の確定を待ってから動こう」という気持ちはわかります。ただ、待っている期間は複利が効かない期間でもあります。 以下は、月3万円の積立で年利5%がずっと続いたと仮定した場合の概算です。実際の運用成績は年ごとに大きく変動し、元本割れの可能性もあります。あくまで「開始が遅れると計算上どれくらい差がつくか」のイメージとして読んでください。 開始が遅れる期間20年後の差(年利5%が続いた場合の試算)1ヶ月約1,500円1年約2万円5年約30万円以上 これは損失が確定するという意味ではありません。仮定した利回りが実現した場合に生じる差の目安です。 制度改正の確定を待つより、少額でも先に始めて仕組みを回しておくほうが、私には合理的に見えます。 私の新NISAの使い方|つみたて枠はオルカン、成長投資枠は個別株とETF 「制度が変わって自分はどう動いたか」を、私の実際の使い分けとして書いておきます。 旧NISAのコナカ株はクロス取引で特定口座へ移した 旧NISA(2015〜2023年購入分)は、購入から5年で非課税期間が終わります。私の最古の銘柄はコナカ(7494)で、2015年5月に738円×100株で買ったものでした。 これを2024年11月26日に247円で売却し、同じ日に特定口座で248円を買い戻しました。いわゆるクロス取引で、口座の区分だけを切り替えて保有は継続しています。旧NISAの売買損-49,100円はNISA口座内なので損益通算できず、そのまま確定しました。配当16,000円と合わせた確定損益は約-3万円です。 なお、旧NISA口座がこれで空になったわけではありません。購入年ごとに非課税期間の終了タイミングが違うので、まだ旧NISAに残っている銘柄もあります。非課税期間が終わって特定口座へ移る場合、税務上の取得単価は移管時の時価になります。含み損の銘柄は取得単価が下がるため、将来売却したときの譲渡益が大きく見える、という点は覚えておいて損はありません。 詳しい経緯はこちらに書いています。→ コナカ株を9年5ヶ月損切りできない理由|散々酷評してきた株を、それでも手放さない私の本音 新NISAの成長投資枠は個別株とETFで使っている 新NISAでの私の使い分けは、つみたて投資枠をオルカン、成長投資枠を配当目的の個別株とETFに充てる、という形です。インデックス一本に絞ったわけではありません。 旧NISA時代に個別株も毎月分配型投信も一通り試して、配当を累計約90万円受け取る一方で、青山商事-310,960円という失敗も出しました。そこで得た結論は「個別株をやめる」ではなく「銘柄選びで勝てる前提を置かない」でした。配当という形でリターンが読める部分は個別株で持ち、地域の偏りを直す部分は銘柄を選ばずに済むオルカンに任せる、という分担です。 実際、成長投資枠には住友林業、伊藤ハム、ジャックス、サンゲツ、積水ハウス、ショーボンド、クミアイ化学、ファインデックス、王子ホールディングス、そしてETFのMXS全世界株式(2559)などが入っています。含み損の銘柄もあります。 2026年分のNISA枠は、両方とも使い切りました。現状は次のとおりです。 枠中身つみたて投資枠オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)の積立で充当成長投資枠個別株とETFで消化済み。2026年分の残りはなし 枠ごとに役割を分けた結果がこの形です。つみたて投資枠のオルカンだけは崩さない、というルールは守っています。個別株で判断を誤ってきた自覚があるからこそ、判断が要らない部分は必ず残しておきたい、という考え方です。 ...