コナカ株を9年5ヶ月損切りできない理由|散々酷評してきた株を、それでも手放さない私の本音

含み損を抱えた株、売れずにそのまま持っていませんか。 私も同じです。コナカ(7494)という株を9年5ヶ月塩漬けにし、確定損益はマイナス29,930円。しかもこのブログで、この株を何度も「優待だけで選んだ失敗例」として酷評してきました。 それでも私は売っていません。理由は業績でも将来性でもありません。好きだからです。この記事では、投資として褒められたものではないと分かった上で、なぜこの株を持ち続けているのかを、酷評してきた過去記事との矛盾も含めてそのまま書きます。 平成時代を生きた30代・川崎市在住のHIKOです。投資歴11年・FP2級。この記事は私個人の体験と心情の記録であり、特定銘柄の購入や保有継続を勧めるものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。 まず、私がコナカをどれだけ酷評してきたか 読み返してみると、自分でも辛辣だと思います。 NISA個別株の失敗談では、コナカを「業績も財務も見ずに、知名度と株価の安さと優待だけで選んだ失敗の代表例」として書きました 株主優待で選んだコナカは9年塩漬けでは、業績を確認して保有している巴工業と並べて、コナカを「順番を間違えた優待株」の見本として使いました 旧NISAで個別株投資に失敗した話でも、買える金額で銘柄を選んでいた失敗例としてコナカを登場させています 数字も繰り返し書いてきました。2015年5月に738円で買った100株は、2024年11月に247円で旧NISA売却・同日248円で特定口座買い戻し。旧NISAの売買だけでマイナス49,100円、配当や特定口座の損益を全部合わせても確定損益はマイナス29,930円です。詳しい経緯は旧NISAから新NISAへの移行の記事にも書きました。 この数字を見れば、「損切りすべきだった株」の教科書的な例だと思います。私自身、記事の中でそう書いてきました。 それでも、正直に言うと私はコナカが好きです ここまで散々な言い方をしてきて今さらですが、白状します。 私はコナカという会社が好きです。投資として合理的な理由ではありません。地元の会社であることと、スーツセレクトというブランドが好きだということ。それだけです。 過去記事の辛口評価と、この気持ちは矛盾しています。矛盾していることは自分でも分かっています。それでも、この矛盾を隠して「業績が良いから持っている」というきれいな理由をでっちあげるより、感情で持ち続けていると正直に書く方が、塩漬け株に悩んでいる人には役に立つ気がしています。「損切りできないのは投資家として失格」という正論は分かっていても、実際には情が移って手放せない株が1つくらいある。塩漬け株に情が移ってしまう人は、決して珍しくないと思います。 理由①:コナカが地元・横浜の会社だから コナカの本社は神奈川県横浜市戸塚区品濃町にあります(出典:コナカ「会社概要」 https://www.konaka.co.jp/company/gaikyo.html )。私は川崎市在住で生活圏が近く、地元の会社というだけでなんとなく応援したくなってしまいます。投資理論としては何の根拠にもならない感情ですが、正直に書くとこれも理由の1つです。 理由②:スーツセレクトのサイズ感とデザインが好きだから もう1つの理由は、コナカが展開するスーツセレクトというブランドそのものが好きだということです。 社会人になってスーツを買う機会が増える中、Men’s EXやMen’s Clubで紹介されるような10万円以上のスーツには、社会人2〜3年目の給料では正直手が出ませんでした。そんな中で刺さったのがスーツセレクトです。イタリアの紳士服見本市ピッティウオモのトレンドを取り入れつつツープライスで提供しており、サイズ感も私にぴったりで、「知識はついてきたけれど予算は限られている」という当時のニーズにちょうどはまりました。 保険業界に勤めていた頃は、株主優待で春夏物・秋冬物の年2回、よく恵比寿の旗艦店でスーツセレクトの服を購入していました。誕生日月にワイシャツがもらえる特典があったので、春夏スーツを買うタイミングをその月に合わせていたのを覚えています。 コナカの株主優待は、100株以上の保有で20%割引券が年2回(3月・9月の株主に対して6月・12月頃)届きます。使えるのはコナカ・フタタ・SUIT SELECT・FUTATA THE FLAG・DIFFERENCEの全店舗です(出典:コナカ「株主ご優待制度」 https://www.konaka.co.jp/ir/yuutai2.html )。 この優待は今も続いています。転職した今は保険業界時代のようにスーツをまとめ買いすることは減りましたが、今もこの割引券でシャツなど小物を買うことがあります。サイズ感とデザインが好みに合っていて、単純に着心地がいいというのが正直なところです。 それでも、投資判断としては勧められません ここまで書いた理由は、どちらも投資の合理性とは関係ありません。業績が伸びているとか、配当性向が健全だとか、そういう説明は一切していません。 行動経済学でいう保有効果(自分が持っているものに愛着が湧いて手放しにくくなる心理)や、サンクコスト(すでに投じた金額や年数が惜しくて撤退しづらくなる心理)に、私は素直に当てはまっていると思います。これは投資家として褒められた状態ではありません。 もし本気で資産を増やすことを最優先にするなら、感情的な理由で塩漬け株を持ち続けるより、損切りして別の銘柄やインデックス投資に振り向ける方が合理的な場合が多いはずです。実際、個別株11年のポートフォリオを見ても、コナカが良い成績を残しているわけではありません。 この記事は「感情で株を持ち続けてもいい」という話をしているわけではなく、「感情で持ち続けている自分を自覚した上で、それを正直に書いている」というだけです。投資判断はご自身の状況と目的に応じて、ご自身の責任で行ってください。 私が「売る」と決めているタイミング 感情だけで持ち続けているとはいえ、何も基準がないわけではありません。今のところ、次のどちらかが起きたら売却を検討します。 株主優待が縮小・廃止される:優待自体が今の保有理由の半分を占めているので、なくなれば持ち続ける理由が大きく減ります 経営に重大な懸念が生じる:地元愛という理由の前提が崩れた場合です 逆に言えば、この2つが起きない限り、株価の上下だけでは売る予定はありません。合理的な投資判断としては褒められたものではないと分かった上で、それでも今の私の本音です。 まとめ:損切りできない株が1つあってもいい コナカ(7494)は確定損益-29,930円・9年5ヶ月塩漬けの、過去記事で何度も酷評してきた失敗株です それでも売っていません。理由は業績ではなく、地元・横浜の会社であることとスーツセレクトが好きだという感情です 保険業界時代は恵比寿の旗艦店で優待を使ってスーツを年2回購入し、今も優待でシャツなど小物を買っています 投資家としては保有効果・サンクコストに当てはまる状態で、褒められた判断ではありません。真似を勧めるものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします 損切りできない株が1つくらいあっても、それを自覚して向き合っていれば、投資全体が壊れるわけではないと思っています。私の場合は、コナカがポートフォリオ全体のごく一部だからこそ許容できている面もあります 大切なのは、感情で持っていることを合理的だと思い込まないことです。私は合理的ではないと理解した上で、それでも保有することを選んでいます あわせて読みたい 株主優待で選んだコナカは9年塩漬け、業績を見た巴工業は含み益+30%|優待株で確認する3つの数字 NISA個別株の失敗談|2015年に株価の安さだけで選んだ結果9年含み損【旧NISAシリーズ①】 旧NISAで個別株投資に失敗した話|買える金額で銘柄を選んでいた私の後悔 個別株11年、TOPIXに勝てなかった話|73銘柄2,194万円の業界別ポートフォリオ全公開 ※ 本記事の保有状況・損益は2026年5月時点、コナカの優待制度は2026年7月時点で公式サイトにて確認した内容にもとづきます。最新の情報は公式サイト・開示資料をご確認ください。 HIKO 保険業界10年勤務・30代IT会社員ブロガー 保険業界10年勤務後、IT企業に転職。生命保険・損害保険の「売り手側の論理」を知った上で、本当に必要な家計管理・投資の情報を発信。NISAや固定費削減の実体験をもとに、30代サラリーマンのお金の不安を減らすことを目指しています。 保険業界10年 IT転職 NISA実践中 固定費削減経験あり

2026年7月16日 · 最終更新: 2026年7月18日 · HIKO

バンカーズを退会できなかった話|11年・389万円運用して分かった投資の出口問題

投資歴11年のHIKOです。最初はクラウドクレジットで始め、現在はバンカーズで管理している融資型クラウドファンディングを退会しようとしたところ、その場では手続きできませんでした。その実体験を紹介します。 「もうこのサービスは使わないから退会しよう」。そう思って手続きを進めたら、その場では退会できませんでした。 なお、バンカーズでは口座を閉じる手続きを「退会」と呼びます。本記事では検索されやすい「解約」とも表記しますが、どちらも同じアカウントを閉じる手続きを指しています。 結論|取引があった年は退会できない 先に、この記事でいちばん伝えたいことを置いておきます。 結論:バンカーズは、預託金残高ゼロ・未償還ファンドなしでも、その年に分配や償還などの取引がある場合は退会できません。私の場合、預託金も未償還ファンドも残っていませんでしたが、その年に償還があったため退会できず、手続きできるのは取引のない翌年以降でした。「自分も残高ゼロなのになぜ退会できないの?」という疑問の答えは、この3つ目の条件にあります。 最初はクラウドクレジットで始めた融資型クラウドファンディングを長年続け、元本は累計389万円。私の集計では最終的な利益は税引後で18,304円でした。 投資を始めるときの口座開設の話はよく見かけますが、やめるときの段取りはあまり語られません。だからこそ、私が実際にバンカーズの退会でつまずいた体験を、事実ベースで残しておきます。退会条件の細部や、最終的な損益の中身は、このあと順番に見ていきます。 ※この記事は、私個人が利用した範囲での体験談です。退会条件はサービス側の運用や規約改定で変わる可能性があるため、実際に手続きする際は必ずバンカーズ公式の最新情報をご確認ください。投資判断・退会判断は自己責任でお願いします。 バンカーズの解約ができない|取引があった年は退会できなかった まず、私が実際につまずいた退会手続きの話からです。 新規の申し込みを止めても、すでに出資しているファンドは満期まで残ります。私の場合、ほとんどのファンドは償還が終わっていたので、「もう退会してアカウントを整理しよう」と考えました。 ところが、退会の手続きを進めようとしたところ、その場では手続きを完了できませんでした。マイページの「退会のお手続きを進める前に」という画面で止まったのです。 この画面には、退会の前提として3つの条件が示されていました。画面の説明文は「退会のお手続きにはお客様保護の観点から一定の条件を設けております。以下の項目がすべてOKの状態であれば、退会のお手続きに進むことができます」というものです。実際に表示された3条件と、私のときの状態は次のとおりでした。 退会の条件私のときの状態預託金残高が0円OK未償還のファンドがないOK本年中に取引をしていないNG 最初の2つはクリアしていました。預託金は出金済みで残高ゼロ、未償還のファンドも残っていません。引っかかったのは3つ目の「本年中に取引をしていない」で、画面には「お取り引きがあった年の退会はできません」と表示されていました。私はその年のうちに分配や償還を受け取っていたため、この条件を満たせず、退会の手続きには進めませんでした。 つまり、バンカーズの退会には「預託金残高ゼロ・未償還ファンドなし・本年中に取引なし」の3条件がすべて満たされている必要があり、私は最後のひとつでその年は退会できなかった、というわけです。 私のケースで確認できた「取引」と、一般的に考えられる範囲 私が画面で確認できたのは「本年中に取引をしていない」という条件文言だけで、行為ごとの細かい判定までは表示されていませんでした。そのうえで、一般的な考え方として整理すると次のようになります。 行為の例「取引」に含まれるか(一般的な考え方)ファンドの購入(出資)含まれると考えられる分配金の受け取り含まれると考えられる償還金の受け取り含まれると考えられるログイン・残高照会取引ではないと考えられる預託金の出金扱いは要確認 ※どの行為が「取引」に該当するかの正確な判定は、バンカーズ公式・問い合わせ窓口でご確認ください。上記はあくまで一般的な考え方を整理したもので、私が画面で確認できたのは「本年中に取引をしていない」という条件文言のみです。 なぜ取引があった年は退会できないのか。理由については、私が確認できた範囲では「お客様保護の観点から一定の条件を設けている」という説明のみでした。税務書類の発行や取引履歴の管理といった事情がある可能性はありますが、正確な理由はバンカーズへの確認が必要です。気になる方は問い合わせ窓口(マイページの問い合わせフォーム、または専用ダイヤル)で確認するのが確実です。 退会条件の細かい内容は、サービス側の運用や規約改定で変わる可能性があります。実際に手続きする際は、ご自身でバンカーズ公式の最新の案内をご確認ください。私が体験したのは「やめたいと思ったそのタイミングでは、すぐには退会できなかった」という事実と、その理由が画面上で3条件として明示されていた、ということです。 最初はクラウドクレジットで始めた|389万円運用して税引後+18,304円 なぜ私が「もう退会しよう」と思ったのか。それを説明するために、ここまでの経緯と成績を正直に出しておきます。 私がこの手のサービスを使い始めたのは、最初はクラウドクレジットというサービスでした。投資歴11年(2015年スタート)のなかで、株式とは別にコツコツ続けてきたのがこの融資型クラウドファンディングです。新興国の事業者への融資など、聞き慣れない国の名前が並ぶファンドに、1本あたり1万〜2万円ずつ、気づけば300本超、最終的に316本に分散していました。その後サービスが統合され、現在はバンカーズの口座でこれらの履歴が管理されています。 少額でいろんな国に投資できるのは面白く、最初は「銀行預金よりはマシな利回りで回るのでは」という軽い気持ちで始めました。バンカーズ自体は、事業者にお金を貸し付けるファンドに出資し、その利息を分配として受け取る「融資型クラウドファンディング」のサービスです。1万円程度の少額から申し込めて、申し込んだあとは満期(償還)まで基本的にほったらかし、というのが特徴でした。 2026年5月時点で、マイページからダウンロードした入出金データを自分で集計した結果は次のとおりです。 項目金額投資元本(累計316本)3,890,000円税引前の損益+122,653円源泉徴収された税金約104,349円税引後の損益+18,304円 元本389万円を長年回して、手元に残った利益は税引後で約1万8千円。これは私自身が集計した実額です。途中で何度も資金を追加しながら回していたので単純な年率では言い切れませんが、私の入出金ベースで見ると、最終的な実感リターンは非常に低い結果になった、というのが正直な感想です。表面上の利回りは魅力的に見えても、税金と元本割れの分を差し引くと、最終的にはこの程度だった、というのが私の結論です。 通貨別の損益(私の集計・円換算) 96182円 タンザニア 42583円 メキシコ -48583円 円建て -21366円 ロシア 私のマイページ入出金データを2026年5月に自分で集計した実額。少額分散した新興国通貨建てはプラス、資金を集中させた円建てとロシアルーブル建てが全体の足を引っ張った。過去の実績であり、将来の成果を保証するものではありません。 通貨ごとに見ると、少額ずつ分散したタンザニアシリング建てやメキシコペソ建てはプラスで終えられました。一方で、資金の6割以上を集中させてしまった円建てファンドはマイナス。ロシアルーブル建ては為替の急落と回収の難しさが重なり、私の集計では2割近いマイナスでした。 同じ日にまとめて7本が満期を迎えたときには、その7本すべてが元本割れで返ってきて、合計で4万4千円ほどの損失が確定したこともありました。「分散しているから大丈夫」と思っていたものが、同時に揃って沈むこともある、と実感した出来事です。 こうした結果を見て、私は「自分にはこの商品は合わない」と判断し、新規の申し込みをやめ、最終的に退会することにしました。これはあくまで私個人の判断で、この商品が良い・悪いという話ではありません。少額分散で淡々と回せる人には向いている面もあると思います。私が続けてきた融資型クラウドファンディングの損益全体については、ソーシャルレンディングの実績と損失を11年分まとめた記事で全316本の数字を公開しています。 投資は「入口」より「出口」の段取りを先に調べておく 今回いちばん学んだのは、投資を始める前に「やめるときどうなるか」を調べておくことの大切さです。 新規の口座開設や、いくらから始められるかという入口の情報は、どのサービスでもたくさん用意されています。一方で、「途中でやめたくなったらすぐに資金を引き上げられるのか」「アカウントの退会はいつでもできるのか」といった出口の情報は、自分から探しにいかないと出てきません。 融資型クラウドファンディングの場合、出資したお金は満期(償還)まで原則として引き出せません。途中解約ができない設計のものが多く、満期が数年先のファンドに申し込めば、その間は資金が拘束されます。さらに私のケースのように、退会というアカウント自体の整理にも、タイミングの制約があることがあります。 私が次に同じような商品を検討するなら、最低でも次の3点は申し込み前に確認します。 確認したい項目なぜ大事か満期前に途中解約できるかできない場合、満期まで資金が拘束される退会(アカウント解約)の条件バンカーズの場合「預託金ゼロ・未償還なし・本年中の取引なし」の3条件があり、取引があった年は退会できない税金と手数料を引いた後の実質利回り表面の利回りと手取りは大きく違うことがある 特に3つ目は、私自身が元本389万円・税引後+18,304円という実績で痛感した点です。表面の利回りが高く見えても、源泉徴収や元本割れを引いた後に手元に残るお金で考えないと、実態を見誤ります。 バンカーズの解約・退会に関するよくある質問 私が体験した範囲で、退会まわりのよくある疑問に答えておきます。日数や細かい運用はサービス側で変わり得るため、確実なところは公式・問い合わせ窓口でご確認ください。 バンカーズは途中解約できますか? 私が出資していたファンドは、満期(償還)前に途中解約して資金を引き出す仕組みではありませんでした。融資型クラウドファンディングは、満期まで資金が拘束される設計のものが多く、満期が数年先のファンドに申し込めば、その間は引き出せないと考えておくのが安全です。最新の取り扱いは公式の各ファンド説明で確認してください。 なぜバンカーズは退会できないのですか? 正確には「退会できない」のではなく、「本年中に取引があった年は、その年内は退会手続きに進めない」という条件があります。私の場合、その年に分配や償還を受け取っていたため、3条件のうち「本年中に取引なし」を満たせず、退会できるのは取引のない翌年以降でした。理由については画面上で「お客様保護の観点から」という説明があったのみで、詳しい理由はバンカーズへの確認が必要です。 退会前にやっておくことは? 私が経験した3条件をふまえると、退会前にやっておきたいのは次の3つです。1つ目は、預託金(口座に残っているお金)を出金して残高をゼロにすること。2つ目は、未償還のファンドが残っていないかを確認すること。3つ目は、その年に分配や償還などの取引があると退会できないため、取引のない翌年以降にあらためて手続きすること。あわせて、年間取引報告書など税務に使う書類のダウンロードも済ませておくと安心です。 ...

2026年6月29日 · 最終更新: 2026年7月12日 · HIKO

株主優待で選んだコナカは9年塩漬け、業績を見た巴工業は含み益+30%|優待株で確認する3つの数字

この記事は連載「ラスト一押しの株主優待」の第1回です。業績・財務で持ちたいと判断した会社に、優待が「最後のひと押し」として付いてくる——そんな順番で私が実際に保有している優待銘柄を、1記事1銘柄で紹介していく連載です。 「株主優待が魅力的だから、この株を買おう」 11年前の私はこの考え方で銘柄を選び、9年5ヶ月の塩漬けを経験しました。一方で、業績と配当方針を確認した上で保有している優待つきの銘柄は、含み益+30%で優待のワインも毎年届いています。 結論を先に書きます。優待だけを最初の理由に株を買うと、私のように失敗することがあります。優待は株を買う最初の判断材料ではなく、業績・財務で持ちたいと判断した会社の「最後のひと押し」にするべきでした。 この順番を逆にした私の失敗と、今うまくいっている保有銘柄の対比を、実際の数字で書きます。 平成時代を生きた30代・川崎市在住のHIKOです。投資歴11年・FP2級。2015年に年収300万円台でNISAを始め、コナカの塩漬けと青山商事の-310,960円を経験してきました。この記事は私の体験談と一般的なチェック観点の整理であり、特定銘柄の購入を勧めるものではありません。 ※当記事にはアフィリエイトリンク(PR)を含みます。 優待で選んだコナカ(7494):9年5ヶ月の塩漬け 2015年5月、人生で初めて買った単元株がスーツ専門店のコナカでした。738円×100株、投資額73,800円です。 選んだ理由は3つでした。 知っている会社だから安心 100株7万円台で買える 株主優待でスーツがお得に買える 業績や財務は一切調べていません。「優待だけ」というより「知名度・手頃さ・優待」の3点セットですが、共通しているのはどれも会社の中身を見ていないことです。 その後、株価は200〜400円台で長く推移し、9年5ヶ月そのまま塩漬けになりました。2024年11月、旧NISAの非課税期間終了にあわせてクロス取引(旧NISAで売却→同日に特定口座で買い戻し)を実施し、損益を整理した結果がこれです。 項目金額旧NISA売買の確定損(738円買い→247円売り)-49,100円旧NISA配当累計(16回・非課税)+16,000円特定口座スイング益(2020〜2021年)+2,190円特定口座配当+980円確定損益合計-29,930円 配当を9年受け取り続けても、株価下落をカバーできませんでした。しかも旧NISAの損失は損益通算ができないため、-49,100円は税制上「無かったこと」になります。買う理由の1つだった優待(コナカ・フタタ・SUIT SELECT等で使える20%割引券)自体は現在も継続していますが、株価が7割下がった損失を埋められるものではありませんでした。 このときの詳しい経緯は2015年のNISA個別株失敗談に書いています。 業績を見て保有している巴工業(6309):含み益+30%とワイン 一方、現在の保有銘柄に巴工業という会社があります。遠心分離機などの機械製造と化学工業製品の商社という2つの事業を持つ会社です。 2026年5月時点の私の保有状況はこうです。 項目数値保有株数300株取得単価1,369円評価額537,900円含み損益+127,200円(+30.97%) 優待は200株以上の保有でワイン1本が年1回届きます(600株以上で2本。基準日は毎年10月31日・継続1年以上の保有が条件。出典:巴工業「株主優待制度」 https://www.tomo-e.co.jp/ir/benefit.html )。私も実際に受け取っており、これは素直にうれしい優待です。 ただし、私がこの株を持ち続けている理由はワインではありません。業績と配当方針です。 売上・営業利益が右肩上がり 決算期売上高営業利益2020年10月期392億円23億円2021年10月期451億円28億円2022年10月期456億円33億円2023年10月期496億円40億円2024年10月期521億円47億円2025年10月期594億円54億円 出典:IR BANK 巴工業 業績推移( https://irbank.net/6309/results ) 5年で売上は約1.5倍、営業利益は2倍以上になっています。営業利益率も5%台から9%台へ改善しています。 配当も増えている 決算期年間1株配当2020年10月期48円2021年10月期50円2022年10月期53円2023年10月期110円2024年10月期145円 出典:IR BANK 巴工業 配当推移( https://irbank.net/6309/dividend )。なお2025年5月に1対3の株式分割を実施しているため、2025年10月期以降の1株配当額は上の表と単純比較できません。 会社は連結配当性向40%以上を目標に掲げており、実績もその水準で推移しています。優待を抜きにしても、配当と業績だけで保有の説明がつく。これがコナカとの一番の違いです。 念のため繰り返しますが、巴工業を買うことを勧めているわけではありません。株価は今後下がるかもしれませんし、優待も廃止されるかもしれません。「業績で説明できる株を持ち、優待はおまけ」という選び方の実例として挙げています。 同じ「優待株」でもここまで差がつく コナカと巴工業の損益比較 ¥-29930 コナカ(確定損益) ¥127200 巴工業(含み益) コナカは2024年11月クロス取引までの確定損益(配当込)、巴工業は2026年5月12日時点の含み益。投資額はコナカ73,800円・巴工業410,700円で異なります どちらも「優待のある株」です。違いは、買う前(あるいは持ち続ける判断のとき)に業績と配当を見たかどうかだけです。 私が優待株で見ている3つの数字 コナカの失敗と、JPX・JT・オリックスでの優待廃止経験(詳細は優待入門の記事に書きました)を経て、優待のある銘柄では次の3つの数字を確認するようになりました。これは一般的なチェック観点としても通用する内容だと思います。 ① 優待を抜いた配当利回り 優待相当額を含めた「総合利回り」ではなく、配当だけの利回りをまず見ます。 理由は単純で、優待はいつでも廃止されるからです。JT・オリックスのような人気優待でも「配当への一本化」を理由に廃止されました。優待が消えても配当だけで持つ理由が残るか。残らないなら、その銘柄は優待ありきの選択になっています。 ② 業績の方向(売上・営業利益・配当性向) 直近5年程度の売上高と営業利益が伸びているか、横ばいか、下がっているかを見ます。あわせて配当性向(利益のうち配当に回す割合)に無理がないかも確認します。配当性向が100%を超えているような会社は、利益以上の配当を出している状態で、減配や優待廃止が起きやすい構造です。 ...

2026年6月11日 · 最終更新: 2026年7月10日 · HIKO

ソーシャルレンディングの実績と損失|389万円11年で手取り+18,304円・バンカーズ全316本完結

※当記事にはアフィリエイトリンクを含みます。 2026年6月、私の口座で最後の案件まで償還が終わり、全316本の損益が確定しました。運用残高はゼロです。本記事は私の口座で起きた事実の最終確定・全記録です。 私の口座で起きた事実を、先にお伝えします。 389万円を11年運用した結果 項目金額投資元本(316本)3,890,000円税引前利益+122,653円源泉徴収-104,349円税引後利益+18,304円年率換算約0.04% 年利7〜12%で募集された商品群に389万円投じた結果、11年後の手取りは18,304円でした。 年利7〜12%の商品を316本買いましたが、結果として手取りは銀行預金とほぼ同水準でした。 これは「ソーシャルレンディングは儲からない」という一般化された主張ではなく、私の口座で発生した実数の記録です。同じ商品・同じ時期に出資した別の方の結果は異なります。本記事は私の入出金CSV(316本・1423トランザクション)を全件集計したうえで、運用報告書の数字を引用しながら11年を振り返ったものです。 なお、融資型クラウドファンディングは元本保証のない金融商品です。本記事は特定の運営会社・商品・通貨を推奨または批判するものではなく、投資判断はご自身の責任で行ってください。 平成時代を生きた30代・夫婦二人暮らし(子どもなし)・川崎市在住・FP2級のHIKOが書いています。投資歴は2015年スタートで11年目。年収300万円台から投資を始め、青山商事で-310,960円・JTで+376,930円の成功と失敗を経験してきました。 11年運用の収支構造(内訳) 「税引後+18,304円」を分解すると、こうなります。 項目金額投資元本(316本)3,890,000円元本償還(戻ってきた元本)3,868,806円分配累計(マイナス分配=元本割れ償還も含む)143,847円源泉徴収-104,349円税引前損益+122,653円税引後損益+18,304円戻らなかった元本(焦げ付き確定4本)21,194円最終預託金残高(出金済み)27,876円 元本389万円のうち3,868,806円は無事に戻ってきました(99.5%)。減ったのは焦げ付きが確定した4本の21,194円ぶんで、これは最終的に戻りませんでした。そして元本に上乗せされた分配累計143,847円から源泉徴収104,349円が差し引かれ、結果として手取りは+18,304円でした。 11年運用の収支構造(円) 3868806円 元本償還 143847円 分配累計 -104349円 源泉徴収 18304円 税引後損益 元本はほぼ戻った(99.5%)が、分配で乗った3.7%を源泉徴収2.7%が削り、手取りは0.47%に着地 「99%の元本が戻り、分配で3.7%足され、税金で2.7%引かれて、手取り0.47%」というのが11年の総括です。広告でよく見る「年率7〜10%」の表面利回りとは、ずいぶん違う数字に着地しました。 なぜ手取り0.04%に着地したのか|3つの構造要因 表面利回りと税引後手取りに大きな差が生まれた理由は、3つの構造要因があります。 1. 源泉徴収20.42%が利益のみから天引きされる 融資型クラウドファンディングの分配金は雑所得相当として、受け取り時点で20.42%が源泉徴収されます。 利益が出たファンドの分配金から源泉徴収104,349円が天引き 損失が出たファンドからは源泉は引かれない(そもそも分配がマイナス) 結果として、粗利122,653円に対して源泉徴収104,349円が発生 雑所得の課税関係は複雑で、確定申告での扱いは個別事情によります。詳細は税理士または税務署にご確認ください。本記事は私個人の口座で発生した数字の記録であり、税務上のアドバイスを目的としたものではありません。 2. 元本割れ案件が利益を相殺する 11年間に投じた316本のうち、一定数が元本割れで償還されました。元本割れした案件の損失分は、利益が出た案件の分配金とは自動通算されません(雑所得の通算可否は個別事情によります)。結果として「勝った案件の利益から源泉が引かれ、負けた案件の損失はそのまま手元の負担」という形で集計に反映されました。 3. 流動性がないため当初予定の3倍まで運用が延びることがある 融資型クラウドファンディングは償還日まで途中解約できません。後述する2026年5月22日同日償還の4本では、当初予定567〜750日が実際1,868〜2,112日(予定の2.6〜3.3倍)まで延びました。この間の機会費用は表面利回りに織り込まれていません。 通貨別の明暗|勝った通貨と負けた通貨 316本を通貨別に集計したのが下の表です。 通貨本数元本税引前損益実質利回りタンザニアシリング建て12210,000+96,182+45.8%メキシコペソ建て13140,000+42,583+30.4%ペルーソル建て440,000+11,969+29.9%米ドル建て24260,000+20,220+7.8%ユーロ建て12200,000+8,092+4.0%円建て【】付き56880,000-8,033-0.9%円建て古参(無印)1391,580,000-48,583-3.1%ロシアルーブル建て10110,000-21,366-19.4%シンガポールドル建て110,000-6,243-62.4% 集計してみると、高金利新興国通貨(タンザニアシリング・メキシコペソ・ペルーソル)が勝ち、円建てとロシアルーブル建てが負けという結果でした。 ...

2026年5月21日 · 最終更新: 2026年5月23日 · HIKO

日本生命「みらいのカタチ」のデメリットは?得か損かを元保険屋FPが試算|月4万→更新で7万円台になる構造

平成時代を生きた30代・川崎市在住の HIKO です。年収300万円台で社会人生活を始め、保険業界で10年働いたあと IT 企業へ転職、現在は FP2級として家計と投資の発信をしています。本記事では、日本生命の主力商品「みらいのカタチ」を、30歳男性のモデルケースで検証します。 本記事は 公式の設計書ではなく、終身保険一般の保険料水準と返戻率水準に基づくモデルケース試算 です。実際の保険料・返戻金は契約年齢・性別・予定利率・契約者配当の有無・組み合わせるパーツ構成によって変動するため、最終判断は必ず設計書(個別見積もり)でご確認ください。 「みらいのカタチ」は最大13種類の保障パーツを自由に組み合わせる「組立型保険」です。営業職員の説明では「これ1本でライフプラン全部カバー」と紹介されることが多い商品ですが、本記事では (1) 世帯月4万円ケースの30年キャッシュフロー、(2) 10年更新型特約の保険料倍増リスク、(3) 終身保険パーツのIRR、を中心に一次計算で整理していきます。 結論:30歳モデルケースで見える4つの構造リスク 30歳男性・終身500万円+更新型特約パッケージのモデルケースで試算すると、みらいのカタチは次の4点の構造リスクが浮かび上がります。 世帯保険料が月4〜5万円規模になりやすい:終身+定期+医療+がん+介護+学資の組み合わせで30代夫婦の保険料が月5万円超になるケースが多かった 10年更新型特約は40歳・50歳の更新で保険料が倍増する:契約時の保険料はあくまで「最初の10年」だけ。子育て期の更新で家計が一気に重くなる 終身パーツのIRRは長期保有でも年率1%前後:払込終了(30年)直後ではまだ元本割れ、返戻率100%超えは払込終了から10年以上経過後 「組立型」ゆえに全体像が見えにくい:パーツ料金が合算請求のため、保障の必要性と価格の妥当性をパーツ単位で点検しない限り解約判断ができない ここから先は、公式条件と一般的な保険料水準を使って数字で整理していきます。 「みらいのカタチ」の公式条件を整理する まず2026年5月時点で日本生命公式が示している商品概要です。 項目内容商品種類組立総合保障保険(最大13種類の保障を自由組合せ)主な保障パーツ終身保険/定期保険/収入保障保険/総合医療特約/3大疾病保障保険/介護保障保険/年金保険/養老保険/生存給付金付定期 など契約可能年齢パーツごとに設定(終身は0〜85歳、定期は0〜80歳など)保険料払込期間パーツごとに設定(終身は60歳・65歳払込済/終身払い、定期・特約は10年・20年などの更新型)解約返戻金パーツごとに発生(終身・養老は累積、医療・介護・定期・収入保障は基本ゼロ)契約者配当5年ごと配当型あり(業績連動で配当額は変動)生命保険料控除終身・定期は一般/医療・介護特約は介護医療/年金パーツは個人年金(一定要件あり) 「組立型」の建付けは「13パーツの中から必要なものを選んでひとつの契約にする」というシンプルな構造です。一方で、貯蓄性パーツ(終身・養老・年金)と掛け捨て型パーツ(定期・収入保障・医療・介護)が同じ契約番号で混在するため、解約返戻金や実利回りをパーツ単位で見ないと「全体でいくら戻ってくるのか」が把握しづらくなります。 なぜ「みらいのカタチ」で保険料膨張が起きるのか みらいのカタチを検討する人の経路で多いのは「職場に来る生保レディから提案された」「親が長年契約していて勧められた」「結婚や出産のタイミングで相談した」というケースです。日本生命が個人保険市場でトップシェアを維持し続けている理由は、商品設計そのものより販売チャネルの圧倒的な規模にあります。 約5万人規模の営業職員ネットワーク:全国の事業所から職域・家庭訪問で接触するため、自分から保険ショップに足を運ばない層にも届く 対面で「組み立てて」もらえる安心感:終身・医療・介護・年金などをまとめて一人の担当者が説明するため、保険選びの心理的コストが小さく感じられる 節目ごとの見直し提案:結婚・出産・住宅購入・子の独立といったライフイベントごとに営業職員が訪問し、パーツの追加・変更を提案する仕組み 「日本生命」というブランドへの信頼:相互会社としての歴史と規模感から、商品内容を細部まで確認せず加入する層が一定数いる このアクセスの良さと提案力は、自分から金融商品の比較検討をしない層には大きな価値があります。一方で、同じ理由から次のような行動も起きやすくなります。 担当者の提案するパーツ構成を、保障の必要性と価格の妥当性を分けて検討せず受け入れる 「これ1本で安心」という説明から、貯蓄性パーツの実利回りを確認しないまま長期契約に入る 結婚・出産のたびにパーツを追加し、世帯保険料が月4〜5万円規模に膨らんでも全体像を再点検しない 業界全体の傾向として、30代夫婦で終身500万+医療+がん+介護+(子が生まれたら)学資を持ち、世帯保険料が月5万円超に膨らんでいる家計は珍しくありません。 一つひとつのパーツは数千円なので、追加するときに大きな違和感が出ません。気づくと固定費の最大項目が住居費の次に保険、という家計が普通に出来上がります。 商品自体の良し悪し以前に、「自分の目的が死亡保障なのか、医療保障なのか、貯蓄なのか」を契約前に明文化することが、後悔を避ける一番の近道です。 世帯4万円ケース:30歳夫婦のモデルパッケージを見える化する 以下は公式設計書ではなく、終身保険一般水準と日本生命の典型パッケージ提案を組み合わせたモデルケース試算 です。実際の保険料は契約条件で変動します。 30代既婚・夫婦+子1人想定で営業職員から提案される典型的なパッケージを再現すると、次のような構成になることが多いです。 夫(30歳)のパッケージ例 パーツ保障内容月額(概算)期間終身保険500万円・60歳払込済12,000円30年払い定期保険2,000万円・10年更新2,500円10年更新型収入保障保険月10万円・60歳まで2,800円60歳まで総合医療特約日額5,000円・10年更新3,200円10年更新型3大疾病保障保険500万円・10年更新2,500円10年更新型介護保障保険300万円・終身払い3,000円終身払い合計26,000円/月 妻(30歳)のパッケージ例 パーツ保障内容月額(概算)期間終身保険200万円・60歳払込済5,000円30年払い総合医療特約日額5,000円・10年更新2,800円10年更新型3大疾病保障保険300万円・10年更新1,800円10年更新型がん保険特約診断一時金100万円1,500円10年更新型介護保障保険200万円・終身払い2,000円終身払い合計13,100円/月 世帯合計:月39,100円・年47万円 夫26,000円+妻13,100円=世帯月額39,100円。年間にして約47万円です。ここに学資保険や個人年金を追加すれば月5万円台に到達します。 このパッケージのうち、貯蓄性として戻ってくるのは終身保険パーツの解約返戻金のみで、定期・収入保障・医療・3大疾病・介護・がんはすべて掛け捨てです。 なお、子育て期の死亡保障そのものは、掛け捨て定期保険のほうが合理的なケースも多い です。本記事で問題視しているのは「掛け捨てそのもの」ではなく、必要保障額を超えてパーツを積み上げた結果、世帯固定費が膨張する構造のほうです。「必要な保障に絞る」と「必要保障以上には積まない」の両方が家計効率の前提になります。 30年キャッシュフロー:固定費インパクトを月単位で見る 以下も終身保険一般水準のモデルケース試算です。実際の更新後保険料は契約条件で変動します。 「50年で900万円差」と言われてもピンと来ないので、30年のキャッシュフロー(月単位の固定費)で見える化 します。 世帯月4万円を30年続けると 期間月額年額累計30〜39歳(10年)約39,000円約47万円470万円40〜49歳(10年)更新で約55,000円に上昇約66万円1,130万円50〜59歳(10年)再更新で約75,000円に上昇約90万円2,030万円30年累計約2,030万円 10年更新型の医療・3大疾病・がん・定期は年齢が上がるごとに保険料が上昇するため、契約時の月4万円は最初の10年だけ です。40歳更新で月5.5万円、50歳更新で月7.5万円というのは、終身保険一般の更新型特約の年齢別保険料水準から見て モデルケースとして 十分起こり得る数字です。 月2万円を浮かせた場合のキャッシュフロー 仮に保障の優先順位を見直して、世帯月額を4万円→2万円に圧縮できた場合、30年で 720万円のキャッシュフロー余裕 が生まれます。これは「老後の総額」ではなく「毎月の家計の余裕」として効いてくる金額です。 ...

2026年5月17日 · 最終更新: 2026年7月14日 · HIKO

旧NISAから新NISAへの移行を全公開/2024年に私が下した判断と1年後の検証

2024年1月から新NISAが始まりました。同時に、旧NISAで持っていた銘柄を「ロールオーバーするのか」「特定口座に移管するのか」「売って新NISAで買い直すのか」を選ぶ判断が、誰にでも降りてきました。 私の場合、2015年から旧NISAで個別株を中心に積んできた残高が複数あり、移行の判断は1銘柄ずつ違う答えになりました。きれいに「全部こうしました」とはいきませんでした。 この記事では、その判断ロジックと、1年経った今の検証をすべて公開します。とくに、9年5ヶ月塩漬けにしていたコナカ株を、2024年11月26日に「旧NISAで247円売却→同日特定口座で248円買戻し」というクロス取引で処理した一次体験は、ネット上にもほとんど書かれていない実例なので詳しく書きます。 平成時代を生きた30代、川崎市在住、夫婦二人暮らしのHIKOです。投資歴11年(2015年NISAスタート)、保険業界10年からIT企業に転職、FP2級保有。最初の個別株は738円で買ったコナカ(7494)で、いまも特定口座に100株保有継続中です。最大の成功はJTの+376,930円、最大の失敗は青山商事の-310,960円。NISAという制度をフル活用してきたつもりが、移行のタイミングで「制度の限界」と「自分の判断ミス」が両方あぶり出された、という記事になります。 この記事はこんな人に向けて書いています。 旧NISAの非課税期間が終わる銘柄を、移管か売却か迷っている 新NISA成長投資枠を、旧NISA銘柄の買い直しに使うかどうか決めかねている 移管後の取得単価がどう扱われるかが正直よく分かっていない 旧NISAで含み損になった銘柄を「損切りして損益通算したい」と思っている 1年経過後、実際の手取り配当がどう変化したかの実例を知りたい 結論:私は「3パターン使い分け+1銘柄はクロス取引」で旧NISAを解体しました 最初に結論から書きます。私は旧NISA保有銘柄を以下の4処理に振り分けました。 処理主な対象判断基準自動移管(待つ)軽微な銘柄判断する手間に対してリターンが見合わない銘柄クロス取引で取得単価リセットコナカ(7494)含み損のまま長期保有予定だが、移管後の損益管理を簡単にしたい銘柄売却(益出し)JT(2914)含み益が大きく非課税のうちに利益確定したい銘柄売却(損切り)→新NISAで買い直さない青山商事・中北製作所銘柄選定の失敗を認めて資金を別へ振り向けるもの ロールオーバー(旧NISA→新NISA)はできません。 これが2024年改正の重要ポイントで、誤解している人がまだ多いです。詳しくは次のセクションで書きます。 大前提:旧NISA→新NISAへの「ロールオーバー」は廃止されました まず制度の話を整理しておきます。これを誤解したまま判断すると、後悔します。 2023年までの旧NISA(一般NISA・つみたてNISA)には、5年または20年の非課税期間がありました。一般NISAの場合、非課税期間が終わる年に「翌年の新しい非課税枠にロールオーバー(移管)する」ことで、非課税期間を延長できる仕組みがありました。 ところが、2024年からの新NISAスタートに伴い、この旧NISA→新NISAへのロールオーバーは制度として廃止されました。旧NISAの非課税期間が終わった銘柄は、自動的に特定口座(または一般口座)に払い出されることになります。 つまり、旧NISA銘柄に残された選択肢は、実質的に次の3つです。 非課税期間終了を待ち、特定口座に自動移管される(何もしない) 非課税期間内に売却する(益が出ていれば非課税で利益確定) 非課税期間内に売却し、新NISA成長投資枠で買い直す 「ロールオーバーで非課税延長」はもう選べません。私の場合、2015年に買ったコナカは2019年末で5年の非課税期間が終わったので、当時はロールオーバーで非課税を延長していました。延長後の非課税期間は2024年末で終了するため、2024年中に何らかの判断を下す必要がありました。 コナカ(7494):旧NISA247円売却→同日特定248円買戻しというクロス取引 ここが今回の記事の核です。ネット上の旧NISA移行記事はほとんどが「自動移管された/売却した/買い直した」の3択しか書いていませんが、私はもう一つの選択肢を取りました。 何をしたか 2024年11月26日、私は楽天証券の口座で次の取引を1日のうちに実行しました。 取引口座価格株数金額売却旧NISA247円100株24,700円買戻し特定口座248円100株24,800円 取得時738円×100株 = 73,800円なので、旧NISAで247円売却した時点で確定したのは -49,100円の譲渡損です。一方、買戻しによって特定口座に取得単価248円のコナカ100株が新規建玉として立ちました。 スプレッドは1円×100株 = 100円。手数料は楽天証券の現物売買手数料コース(私は一日定額コース)を使ったので0円。実質コスト100円で「旧NISA口座を清算しつつ、特定口座に取得単価をリセットした状態でコナカを引き継ぐ」ことができました。 なぜ自動移管ではなくクロス取引にしたか 自動移管を待つ場合、2024年末の最終取引日終値(仮に250円とする)が特定口座の取得単価として記録されます。これでも「移管後の取得単価リセット」自体は起きるので、結果はクロス取引と似ています。 それでも私がクロス取引を選んだ理由は3つあります。 タイミングを自分で選べること。年末の最終週は流動性が薄く、終値が想定外に動くリスクがある。11月の落ち着いた相場で処理したかった 取引履歴が明確に残ること。「旧NISA247円売却・特定248円買戻し」という記録が残ることで、将来このコナカを売却するときに「実際の本当の買値は738円だったが、税務上の取得単価は248円」という説明が自分に対しても明確になる 配当金の口座区分を早めに切り替えたかったこと。2024年内に特定口座の建玉にしておけば、2025年以降の配当金は特定口座の源泉徴収扱いに切り替わる クロス取引のメリット・デメリット整理 項目自動移管(待つ)クロス取引(自分で実行)手数料0円スプレッド+売買手数料(私の場合100円)タイミング12月末最終日に自動自分で選んだ任意の日取得単価その日の終値売却・買戻し当日の約定値取引履歴「払出」という形で残る売却・買戻しの2レコードが明確に残る損益通算できない(旧NISAの損は通算不可)できない(同上) ポイントは、いずれにしてもNISAの売却損は損益通算できないという点。これが次のセクションの落とし穴の話に直結します。 NISA損益通算不可という落とし穴 NISAの一番見落とされやすい仕様がこれです。 何が起きるか 通常、特定口座で株式を売却して譲渡損が出た場合、その損失は同年内のほかの譲渡益や配当益と損益通算でき、節税につながります。3年間の繰越控除も使えます。 ところが、NISA口座(旧・新どちらも)で発生した売却損は、 同年内の特定口座の譲渡益と損益通算できない 翌年以降の繰越控除に使えない 配当課税との通算もできない **「税金がかからない代わりに、損が出ても税務上の救済も一切ない」**というのがNISA口座の正体です。 私のコナカで具体的に何が起きたか 旧NISAでの売却損 -49,100円は、税務上は完全に「ないもの」として扱われます。 たとえば私が同じ年に特定口座で別の銘柄を売却して+50,000円の譲渡益が出ていた場合、 通常の特定口座同士の取引であれば、この+50,000円とコナカの-49,100円を相殺して、譲渡益はわずか900円。税金は20.315%×900円 = 約183円で済む ところが、コナカの売却損は旧NISA発のため通算できず、+50,000円の全額が課税対象になる。税金は20.315%×50,000円 = 10,158円 つまり、NISAで含み損になった銘柄を「損切りで節税」しようとしても、まったく節税にならないのです。これは旧NISAも新NISAも同じ仕様です。 じゃあクロス取引は無意味だったのか いいえ、無意味ではありません。クロス取引の目的は「節税」ではなく「税務上の取得単価のリセット」と「保有口座の整理」です。 私のコナカは特定口座に取得単価248円で再スタートしたので、もし将来400円まで上がって売却した場合、譲渡益は (400-248)×100 = 15,200円。税金は20.315%×15,200円 = 3,088円。本当の買値738円基準では大きな含み損のまま売っているのに、税務上は譲渡益として課税されるという捻じれた結論になります。 ...

2026年5月5日 · 最終更新: 2026年6月12日 · HIKO

楽天カードが突然使えない原因は?不正検知で止まった実体験と対処法

「こちらのカード、ご利用いただけないようです」——レジでこの一言を言われた瞬間、頭が真っ白になりました。普通に詰みます。後ろには列、財布の現金は数百円、PayPay残高もスカスカ。たまたまSuicaが入っていて事なきを得ましたが、ドキッとしました。 平成時代を生きた30代、投資歴11年のHIKOです。普段は楽天カードをメインで使っていて、レジで止まることなどまずありません。それが先日、いつものスーパーで突然エラー。原因は楽天カード側の不正検知システムによる自動停止でした。 この記事では、結論として「楽天カードが突然止まる主な原因」と「使えなくなったときの対処法」を先にまとめ、そのあと実際の体験談、再開と再発行のどちらを選ぶべきか、そして家計防衛の観点で別系統サブカードを2枚持ちすべき理由まで、ノウハウとして残します。 結論:楽天カードが突然止まる主な原因 楽天カードのコンタクトセンターでも、ネット上の体験談でも繰り返し挙がっているパターンを整理すると、突然停止される主な原因は次のとおりです。 原因内容短時間の連続決済数十分以内に複数店舗で連続して使うパターン普段と違う店舗・地域旅行先・初訪問のチェーンなど利用パターンと外れる決済高額決済普段の利用単価から外れた金額の決済海外利用・越境ECオンラインでの海外サイト決済短時間多重利用ECサイトで連続注文・サブスク連続登録など番号漏えい疑い別の漏えい事件のリストに番号が含まれていたケース 私のケースは、後述するように海外で身に覚えのない決済が走った典型的な不正利用パターンでした。ユーザーから見ると、原因が判明するのは結局のところコンタクトセンターに電話で問い合わせてからになります。だからこそ、止まったときの対処法を先に知っておく価値があります。 楽天カードが使えないときの対処法 レジでエラーが出てから、自宅で再開や再発行を判断するまでの動き方を、実体験ベースで手順化します。 1. その場の決済はカード以外で乗り切る レジで止まった瞬間にできることは、カード以外の決済手段に切り替えることだけです。基本はSuica、PayPay、楽天ペイ、デビットカードといったキャッシュレス手段で「いまの会計」を片付けます。現金は最終手段で、できれば避けたいところです。ATMで下ろす手間もありますし、盗難リスクや家計簿アプリでの追跡が効かないなど、デメリットがそれなりに多いからです。原因究明はその後で十分です。 2. メールとSMSを確認する 帰宅前にやるべきは、楽天カードからの本人確認メール・SMSが来ていないかのチェックです。不正検知が走った場合、楽天カードから本人確認用のURLが届いていることがあります。本人確認できれば即時で利用再開につながるケースもあるため、コンタクトセンターに電話する前に必ず確認します。 3. 楽天e-NAVI(会員サイト)にログインしてみる 会員サイト側で利用停止の通知やメッセージが出ていることもあります。アプリのプッシュ通知も同様です。 4. コンタクトセンターに電話する メールやSMSが来ていない、または本人確認しても再開されない場合は、コンタクトセンターへ電話します。電話で本人確認をしたうえで、停止理由のヒアリングと、再開か再発行かの判断に進みます。 5. 再開か再発行かを決める ここが分かれ道です。電話の中で「カードを再開しますか、それとも再発行にしますか」と必ず聞かれます。判断基準は次のセクションで詳しく書きます。 楽天カードから本人確認のメール・SMSが来ないときは 「不正検知で止まったならメールが来るはず」と思いがちですが、通知が一切来ないまま止まるケースは実際にあります。私自身がそうでした。カードが止まった当日、メール・SMS・アプリのプッシュ通知はどれも届いておらず、こちらからコンタクトセンターに電話して初めて不正検知の事実を知りました。 通知が見当たらないときの動き方は次のとおりです。 迷惑メールフォルダを確認する(カード会社のメールが振り分けられていることがあります) 楽天e-NAVIとアプリの通知欄を直接開いて確認する それでも何もなければ、コンタクトセンターへの電話が結局いちばん早い 再発防止として、楽天カードのアプリ通知をオンにしておくこと、カード会社のメールアドレスを連絡帳に登録して迷惑メール振り分けを防ぐことの2つは、今回の件を踏まえて私もやるようにした対策です。 再開と再発行、どっちを選ぶべきか オペレーターさんから提示された選択肢は2つでした。 選択メリットデメリット再開即時で使える・カード番号も変わらないのでサブスク差し替え不要同じ番号のまま再開するため、漏えい疑いが残る場合は再度止まるリスク再発行番号が変わるので漏えい・不正の根を断てる1週間ほど決済不可・サブスクや一部ECサイトの番号差し替えが必要(公共料金は自動引き継ぎ) 私は再発行を選びました。理由は3つあります。 1つ目は、止まった原因が結局明示されないからです。利用パターン由来の停止だったとしても、万が一の番号漏えいだった場合に同じ番号のまま使い続けるのが怖い。 2つ目は、再開してまた同じパターンで止まると、停止のたびにレジで頭を下げる体験を繰り返すことになります。これは精神的な消耗が大きいです。 3つ目は、サブカードを別系統で持っていたので、1週間決済不可でも生活が回ると確信できたからです。サブを持っていなかったら、間違いなく再開を選んでいたと思います。 なお、楽天カードは電気・ガス・水道・通信費といった公共料金については、再発行後の新カードに自動で引き継いでくれます。再発行のハードルが下がる地味に大きいポイントなので、覚えておいて損はないと思います。 実際に何が起きたか(時系列) ここから先は、当日と翌週の流れを記録として残します。 その日の動線はとてもシンプルでした。 まず100円ショップに立ち寄って、日用品を数百円ぶん買いました。ここでは楽天カードで普通に決済できています。 次に同じ商業エリアのスーパーで夕飯の食材をまとめ買いし、レジで楽天カードを差し込んだところ、突然エラー表示が出ました。店員さんが何度かやり直してくれましたが、何度試してもエラーで通りません。 後ろに人が並んでいたので、Suicaで決済しました。 帰宅途中のコンビニで一応もう一度試してみたのですが、こちらでも同じくエラー。これでようやく「あ、これはお店側ではなくカード側の問題だ」と気づきました。 家に着いてから楽天カードのコンタクトセンターに電話したところ、原因はすぐに判明しました。スロヴェニアで身に覚えのない決済が走っており、楽天カード側がそれを不正検知で自動停止していた、という説明でした。 自分はその日も国内にいましたし、そもそもスロヴェニアに行ったことすらありません。明らかに不正利用です。話を聞いた瞬間は「番号がどこかで漏れていたのか」とヒヤッとしましたが、同時に「止めてくれて助かった」という安心感もありました。気付かないまま海外で何件も決済が走っていたら、被害がどこまで膨らんだか分かりません。 再発行を選んだあとの流れはこうでした。 ステップ内容期間1現在のカードを停止即時2新しい番号でカードを再発行申し込み完了3自宅に新カードが届く約1週間4各種引き落としの番号変更順次 ここで地味に助かったのが、電気・ガス・水道・通信費といった公共料金の引き落としは、こちらで何もしなくても新カードに自動で引き継がれた点です。楽天カードは公共料金などのカード番号変更を発行会社側で自動引き継ぎしてくれるため、再発行で番号が変わっても継続されます。一方、サブスクや一部のECサイトに紐づけている番号は手動で差し替える必要があったので、そこは1件ずつ作業しました。それでも「全部自分でやり直し」とはならず、想像していたより負担は軽かったです。 オペレーターの対応自体は丁寧で、終始安心して話せました。ただ、こちらから電話をかけて初めて不正検知の事実を知るというのは正直いまいちだと感じました。本来であればメール・SMS・アプリのプッシュ通知などでカード会社側から能動的に連絡が来てほしい場面ですが、私の場合はそれらの通知が一切届いていませんでした。とはいえ、結果的に被害ゼロで止めてくれた点は素直にありがたかったので、総合的には結果オーライの一件でした。 サブカードを持つべき理由:構造的なキャッシュフローリスク ここからが今回いちばん書き残しておきたい部分です。投資歴11年で家計を運営してきた立場から言うと、メインカード1枚運用は構造的に危険です。日記レベルではなく、リスク管理としての話を書きます。 カード停止はキャッシュフローリスクそのもの 普段クレジットカードに集約している支出には、次のようなものがあります。 スーパー・コンビニ・ドラッグストアなどの日常決済 携帯料金・電気・ガス・水道などの公共料金 サブスク(動画配信・音楽・クラウドストレージなど) 家賃の支払い(カード引き落とし契約をしている場合) ふるさと納税・通販などのEC決済 保険料の口座振替代替 自動車関連費用 これらが1枚のカードに集中している状態で、そのカードが1週間止まったらどうなるか。仮に再発行を選ぶと、上記の引き落とし先すべてに番号変更を入れる必要が出てきます。気付かないまま放置すると、家賃やサブスクの引き落としが失敗し、滞納扱いになる可能性があります。 これはまさにキャッシュフローの一時停止であり、家計運営上の構造的なリスクです。 1枚運用は「支払いインフラの単一障害点」 ITの世界で「単一障害点(Single Point of Failure)」という概念があります。1か所が落ちると全体が止まる構造のことです。クレカ1枚運用は、家計の支払いインフラにおける単一障害点をわざわざ作っているのと同じ構造です。 ...

2026年5月4日 · 最終更新: 2026年7月2日 · HIKO

メットライフ生命の情報持ち出し2,476件、業界10年の人間が見た「怒りと構造」

平成時代を生きた30代、川崎市在住のHIKOです。新卒で入った会社で年収300万円スタート、保険業界に10年いてからIT企業に転職し、いまはFP2級として家計と投資の話をブログに書いています。今回は2026年5月1日に東洋経済オンラインが報じた、メットライフ生命の出向者による情報持ち出し問題について、業界の内側を見てきた立場から書きます。 東洋経済オンラインが2026年5月1日、次のように報じました。 メットライフ生命保険も出向者による「スパイ活動」/銀行など36代理店から2400件超の内部情報を無断で持ち出し ※詳細は東洋経済オンライン記事参照 タイトルの「も」が象徴的です。先行して第一生命でも類似の問題が表面化しており、個社というより業界構造の問題として捉える必要があります。 まず、報じられている事実関係を整理します。 出向者が銀行など36代理店から2,476件の内部情報を持ち出し 期間は2021年4月〜2025年10月(約4年半) 顧客情報(氏名・契約内容・保険料・満期予定)や販売資料、競合情報などが対象 紙資料のデータ化やスマホ撮影で送信 不正競争防止法・独禁法に抵触する可能性 当局は報告徴求済み 会社側は「営業利用の形跡は確認されていない」と説明 この記事では、「怒り」と「構造」の両方から整理します。 まず率直な違和感(感情の話) 「営業や商品開発への利用形跡は確認されていない」 この説明に違和感を持つ人は多いはずです。 4年半にわたって2,476件の情報が継続的に集められていたという事実だけを見ると、何らかの意思決定に影響していた可能性を疑うのは自然です。特に、満期予定や顧客情報の粒度を考えると、営業上の示唆を得やすいデータであることは間違いありません。 もちろん、公式には「利用されていない」とされていますし、外部から断定することはできません。ただ、「なぜ収集されたのか」という点については、合理的な説明を求めたくなるのも事実です。 構造の問題として見る ここからは個人の倫理ではなく、構造の話です。 なぜこの種の問題が複数社で似た形で発生するのか。鍵は「銀行窓販」と「出向制度」にあります。 銀行窓販は2000年代に解禁され、銀行は巨大な保険販売チャネルになりました。その過程で、保険会社は自社社員を「出向者」として銀行に常駐させてきました。 この仕組みには、もともと次のような歪みがあります。 出向者の所属と評価は保険会社側にある 業務上は銀行の情報にアクセスできる 自社商品が売れるほど評価が上がる この状態では、「どこまでが業務報告で、どこからが持ち出しなのか」の境界が曖昧になりやすい。 実際、現場レベルでは「販売状況の共有」や「動向報告」は日常的に求められます。その中に本来外に出すべきでない情報が混ざるリスクは、構造的に存在します。 アナログな抜け道が残る現実 今回の手口で象徴的なのが、 紙資料のデータ化 スマホ撮影 という点です。 デジタル監査が強化されても、人間はアナログな経路を使います。これは情報セキュリティではよく知られた現象です。 メールやファイル転送は検知できても、「紙→カメラ→私物端末」という経路は防ぎにくい。結果として、制度やシステムだけではカバーしきれない領域が残ります。 今回の件は、技術の問題というより「運用とインセンティブ設計の問題」が露出したケースと見るほうが自然です。 業界にいた立場からの補足 私自身、保険業界に10年いましたが、代理店情報や販売データが重要な経営資源であることは間違いありません。 銀行は特に重要なチャネルです。どの顧客がいつ資金を動かすのか、どの商品がどの層に売れているのか。これらは将来の売上を左右する情報です。 一方で、現場の出向者は「悪意ある不正」をしているというより、「求められる報告の延長」で行動してしまうケースもあり得ます。 ただし、意図に関係なく、結果として不適切な情報共有になれば問題になる。この「グレーな領域」が長年放置されてきた可能性は否定できません。 現場感覚で言うと「他社情報」は雑談レベルでも入ってくる 保険業界の現場で10年働いていて感じたのは、「他社の販売動向」は意識して取りに行かなくても、ある程度勝手に入ってくるということです。 代理店との会話、メーカーの勉強会、ベテラン担当者の世間話、業界誌、退職した同業者からの近況報告。これらの会話の中に、「今A社の○○商品が売れているらしい」「B社の代理店手数料が改定されるそうだ」という情報がさらっと混ざります。 この「自然に入ってくる情報」と「明確に持ち出された情報」の境界線が、現場で曖昧になりやすいのは事実です。担当者本人が「これは持ち出しに当たる」と意識する閾値は、人によって・組織風土によって、かなりブレます。 今回のケースが「業務上の自然なインプットの延長」なのか「明確な意図を持った持ち出し」なのかは外からは判断できません。ただ、業界の構造として、その境界線を一人ひとりの担当者の倫理観に委ねている状態が長く続いてきた、という点は指摘できます。 FPの立場で見ても「銀行窓口の比較は見せかけ」が多い 保険業界に身を置いてきた立場から見ても、銀行窓口経由の保険には注意が必要だと感じます。 一般に「銀行で複数社を比較してもらった」というケースでも、提案書に並ぶのは2〜3社にとどまり、しかもそのうち1社が明らかに有利な条件で書かれている、というパターンは珍しくありません。 比較の母数が市場全体ではなく、銀行の提携リストの中の一部。この時点で「中立な比較」とは言えません。今回の出向者問題は、そうした構造の延長線上にあります。 消費者としてどう考えるか ここが一番重要です。 結論はシンプルで、 銀行で勧められた保険は、その場で契約しない。 これに尽きます。 理由は3つです。 ① 中立ではない可能性がある 窓口担当者が出向者である場合、所属は保険会社です。提案は特定商品に寄りやすい構造があります。 ② 比較範囲が限定されている 銀行が扱う商品は提携先に限られます。市場全体から最適化されているわけではありません。 ③ 情報の非対称性が大きい 銀行は顧客の資産状況や満期情報を把握しています。提案のタイミングが「都合よく見える」ことはあり得ます。 具体的な自衛策 その場で契約しない 必ず持ち帰る 第三者(独立系FPなど)に確認する 複数の情報源で比較する これだけで、判断の質は大きく変わります。 ...

2026年5月2日 · 最終更新: 2026年6月12日 · HIKO

新社会人の給与明細『8割しか手取りない問題』|2026年から増えた天引きの正体と自衛策【30代失敗談】

4月下旬から5月頭。初任給の明細を受け取って「えっ、こんなに引かれるの?」と固まった新社会人の方、かなり多いと思います。この記事は、年収300万円台で社会人をスタートしてから11年、保険業界10年とIT企業を経てきた30代会社員の私(HIKO)が、「あの頃の自分に説明するなら」という目線で、給与明細の読み方・天引きの正体・2026年から新しく増える負担・そして今日からできる自衛策までを整理したものです。FP2級の知識と、自分の失敗談を混ぜて書きます。 結論:手取りは総支給の8割前後。残りは「将来の自分」と「社会」に回っている 先に結論です。 勤労者世帯(2人以上)の手取り率は平均82.8%(全国家計構造調査2024) 30歳未満世帯は85.2%、50代は80.6%と、年齢が上がるほど手取り率は下がる 単身世帯はさらに下がる 天引きの中身は大きく、厚生年金・健康保険・雇用保険・所得税・住民税の5つ 2026年度から「子ども・子育て支援金」が新しく健康保険料に上乗せされる(被保険者1人あたり初年度月250〜450円程度、5月から徴収開始) 40歳になると介護保険料も追加される 新社会人の年収帯(300〜400万円台)で言うと、「総支給22万円なら手取り約18万円、25万円なら手取り約20万円」が最初の感覚値です。額面と手取りの差4〜5万円が、毎月「将来の自分」と「社会」に消えていく構造になっています。 ここからが本題で、「なぜ引かれるのか」「全部ムダなのか」「若いうちに何をすればいいのか」を順番に解きほぐしていきます。 給与明細を分解する:天引きの正体はこの5つ 給与明細は、大きく分けて3つのブロックで構成されています。 支給(基本給+各種手当+残業代など) → これが総支給 控除(社会保険料+税金) → ここが天引きの正体 差引支給額(= 手取り) → 実際に口座に振り込まれる金額 控除の欄に並んでいる項目を、1つずつ分解します。 ① 厚生年金:料率18.3%(本人負担9.15%) 労使折半なので給与明細に出るのは9.15%。料率は2017年に18.3%で固定されて以降、名目上は上がっていません(後述「独身税」論争の伏線)。払った保険料は将来の年金額に比例して反映されます。 ② 健康保険:料率約10%(本人負担約5%) 健保組合・協会けんぽの支部で異なるが全体でおよそ10%、本人負担は5%前後。3割自己負担・高額療養費制度・傷病手当金など現在進行形でリターンがある保険なので、民間医療保険を検討する前にまず「すでに払っている保険」を思い出すのが先です。 ③ 雇用保険:料率0.6%(本人負担0.6%) 失業給付・育休給付・職業訓練の原資。負担額は小さく、いざというときの安心料と考えるとコスパは悪くありません。 ④ 所得税:超過累進税率(5〜45%) 年収に応じて税率が階段状に上がる仕組み。新社会人の年収300〜400万円帯なら課税所得は5〜10%帯に収まります。毎月概算で天引きされ、年末調整で精算。 ⑤ 住民税:税率10%(翌年課税) これが新社会人を2年目に襲う「第二の壁」です。 1年目:住民税ゼロ(前年所得がないため) 2年目:6月から前年所得ベースで課税開始 → 手取りが月1〜2万円減る 初任給で「意外と手取りあるな」と感じても、2年目6月にガクンと落ちる。私もここで「あれ、給料減った?」と明細を二度見した側です。 年収帯別・手取りシミュレーション 5つの控除項目を踏まえると、月の総支給と手取りの関係はおよそ次の通りです。住民税は2年目以降の課税、所得税は扶養なし単身者の概算値です。 総支給(月)手取り目安社保+税負担手取り率18万円約15.0万円約3.0万円83.3%22万円約18.2万円約3.8万円82.7%25万円約20.5万円約4.5万円82.0%30万円約24.3万円約5.7万円81.0%35万円約28.0万円約7.0万円80.0% ※住民税は2年目課税、所得税は標準的な扶養なし単身者の概算。2026年度から子ども・子育て支援金が上乗せされるため、実際の手取りはここからさらに月数百円程度下振れします。 総支給が上がるほど「税・社保の取り分」も増えて手取り率は下がっていく構造です。昇給してもなぜか「あまり増えた感じがしない」理由は、この手取り率の低下にあります。 2026年度から新登場:子ども・子育て支援金 朝日新聞の報道(2026-04-19付・中川透記者)によれば、2026年度(今年度)から「子ども・子育て支援金」が新設され、5月から徴収が始まります。 徴収方法:健康保険料に上乗せ 金額:被保険者1人あたり初年度(2026年度)は月250〜450円程度から開始し、段階的に引き上げ。2028年度に月450円前後で平準化する政府試算(収入や加入する健保組合で変動) 使途:児童手当の拡充、妊娠・出産時の給付、保育サービス拡充などの子育て支援 ポイント:子どもがいない人・独身の人も一律で負担 この「子どもがいない人も負担する」という設計が、ネット上で「独身税」と呼ばれて批判を集めています。 政府側の説明は「少子化は社会全体の問題であり、全世代で子どもを支える仕組みが必要」というもの。この見方自体は制度論としては一貫しています。 ここからは私個人の立ち位置を書きます。初年度月数百円なら正直、誤差レベル。問題はそこじゃない。気になっているのは2点です。 健保料率という「天井のない器」に乗せたこと。健保上乗せ方式は、料率さえ動かせば国会審議なしで上限を引き上げられる。2028年に月450円で本当に止まるのか、誰も保証していない 「全世代で支える」の建付けに、現役世代の負担超過が織り込まれていないこと。後述する所得再分配調査では、29歳以下世帯はすでに年40万円の払い超。そこへ「君も子育てを支えよう」と上乗せされる構造の説明が政府からはあまり聞こえてこない 私は子を持たない選択をしている独身ではありませんが、「独身税」と呼びたくなる気持ちは制度設計のあいまいさへの反発として理解できます。月額の金額より、拡張余地の大きさにこそ批判の目を向けるべきだと思っています。 なぜ厚生年金は18.3%で固定なのに、手取りは減っていくのか 「厚生年金料率は2017年から18.3%で固定されているはず。それなのに、なぜ手取り率は下がっていくのか?」 これは新社会人からもよく出る疑問です。答えはシンプルで、他の項目が増えているからです。 過去25年で静かに増えた項目 介護保険料の推移(全国平均・月額) 2075円 2000年度 4160円 2010年度 5869円 2020年度 6225円 第9期(2024-26年度) 出典: 厚生労働省(介護保険事業状況報告、第1号被保険者の全国平均月額保険料)。40歳から給与天引きで徴収される介護保険料(第2号被保険者分)もこのトレンドに連動して上昇しています。 40歳から始まる介護保険料は、制度創設当初(2000年度)の月2,075円から、第9期(2024〜2026年度)には全国平均で月6,225円まで約3倍に増えています。 ...

2026年4月24日 · 最終更新: 2026年6月18日 · HIKO

毎月分配型投信17本、10年後の結末|35%が償還で消滅していた

年収300万円代から資産形成をスタートした30代会社員のHIKOです。投資歴は11年(2015年NISAスタート)。保険業界で10年働いたあと、今はIT企業で会社員をしています。遠回りしたからこそ言える「やらなくていい失敗」を30代のリアル目線で発信しています。今回は、2015年に旧NISAで買って2年後に全部解約した毎月分配型投信17本が、解約から10年経った今どうなっているのかを一本ずつ追跡した話です。 先にこの記事の立ち位置を書いておきます。 2015年に旧NISAで毎月分配型投信を17本まとめ買いして、2017年に全解約し▲25万円を確定した話は、先に公開したこちらの記事で全貌を書きました。 → 旧NISAで毎月分配型投信に16本も手を出した失敗談|2015年の私が陥った「毎月おこづかい幻想」 今回の記事は、その続編というか、「自分が解約したあとの17本の行方」を2026年4月時点で全部追いかけた、という内容です。 なぜ今さら調べたかというと、「もしあのとき解約せずにホールドしていたら、今どうなっていたんだろう」という素朴な疑問があったからです。10年ってそれなりの期間で、当時20代だった私が30代になる時間幅です。ファンドの運命もそれなりに動いていました。 先に結論だけ書きます。 17本中、6本はすでに償還済み(=運用終了) 17本中、10本は2026年4月現在も運用継続中 17本中、1本は同名で追跡できず(リネームや統合の可能性) 率にすると、私が買った17本のうち6本(35%)が10年以内に消滅していました。ここで注意していただきたいのは、この35%は毎月分配型全体の償還率ではなく、あくまで「2015年に私が選んだ17本の中での比率」だということです。それでも「3本に1本が運用を終えていた」という体感は、当時の自分には想像もできなかった数字でした。 なお、この記事では満期償還と繰上償還をまとめて「償還(=運用終了)」と表現している箇所があります。厳密には、あらかじめ決めた信託期間の満了で終わる満期償還と、純資産の減少などで予定より前倒しに終わる繰上償還は性質が異なります。区別が重要な場面では、その都度どちらかを明記します。 「買った投信そのものが運用を終える」というのが、毎月分配型の地味だけれど重い構造リスクだと今は思っています。以下、1本ずつ見ていきます。 17本の10年後マップ(2026年4月時点) 先にサマリを1枚で見せます。 毎月分配型投信17本 10年後のステータス(本数) 6本 償還済 10本 運用継続中 1本 追跡不能 2026年4月時点、各運用会社の公式サイト・目論見書・運用報告書で確認。ステータス判定は運用継続/繰上償還/満期償還/同名ファンド確認不可の4区分。 17本を一覧にすると、次のようになります。 #ファンド名ステータス償還日/信託期間前編(2年保有時)の損益1グローバル・リート・トリプル・プレミアム(毎月分配型)償還済み(満期)2024年12月17日 満期償還▲62,235円(前編ワースト2位)2日本株ハイインカム(毎月分配型)ブラジルレアルコース償還済み2017年12月22日 償還本文未記載3アジア・エクイティ・インカム・ツインα(毎月分配型)償還済み(繰上)2020年8月11日 繰上償還▲23,526円(前編ワースト4位)4ニッセイブラジル高配当株ファンド(毎月決算型)償還済み2021年9月28日 償還本文未記載5楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)償還済み(満期)2025年8月15日 満期償還本文未記載6日本株ハイインカム(毎月分配型)円コース償還済み2017年12月22日 償還本文未記載7日本株アルファ・カルテット(毎月分配型)運用継続中信託期間〜2029年3月5日▲88,581円(前編ワースト1位)8三井住友・げんきシニアライフ・オープン運用継続中無期限+9,391円(前編で唯一プラス)9ニッセイ 健康応援ファンド運用継続中継続中▲435円10グローバル・ヘルスケア&バイオ・ファンド(健次)運用継続中継続中本文未記載11T&D 世界優良株ファンド(毎月決算型)運用継続中継続中分配金受取0円(全額特別分配金)12明治安田日本債券ファンド(ホワイトウィング)運用継続中無期限▲697円13DLIBJ公社債オープン(中期コース)運用継続中継続中+29円14好配当グローバルREITプレミアム 通貨セレクトコース運用継続中信託期間〜2027年12月16日▲39%(率ベース)15MHAMトリニティオープン(ファンド3兄弟)運用継続中無期限▲672円16ニッセイ/パトナム・毎月分配インカムオープン運用継続中継続中分配金受取0円(全額特別分配金)17国際オーストラリア債券オープン(毎月決算型)追跡不能本文未記載本文未記載 ※「前編(2年保有時)の損益」は、2015年に購入して2017年に解約した時点の損益です。10年後の現在の基準価額・設定来騰落率は本記事では個別に追跡していないため、この表には載せていません(裏取りできた項目だけを記載しています)。「本文未記載」は、この記事内に一次データの記述がない項目を指します。 私が買った17本のうち6本(35%)が10年以内に消滅していた。これが、10年追いかけてみて一番インパクトの大きかった数字です。繰り返しになりますが、これは毎月分配型全体の償還率ではなく、私が選んだ17本の中での比率です。 たとえば償還済みの1本「アジア・エクイティ・インカム・ツインα(毎月分配型)」は、当時の運用会社(国際投信投資顧問、現:三菱UFJアセットマネジメント)が発行した臨時報告書・繰上償還のお知らせで、2020年8月11日に純資産総額の減少を理由とする繰上償還と確認しました。このように「どの会社のどの書類で確認したか」を1本ずつ突き合わせていく作業です。 株と違って、投信の償還は保有者の意思とは関係なく訪れます。運用会社が「このファンドは維持が難しい」と判断すると、保有しているかどうかに関わらず運用が終了し、その時点の基準価額で現金化されます。損切りのタイミングを自分で選べない、という点が株式との大きな違いです。 ① すでに償還済み(6本) まず、消えていった6本から。 1. グローバル・リート・トリプル・プレミアム・ファンド(毎月分配型) 2024年12月17日、満期償還 設定日から運用期間を決め打ちしている「償還日設定型」で、満期まで持って終了したタイプ 前編で「ワースト2位 ▲62,235円」とした張本人です。三階建てREITの典型でしたが、満期日が最初から決まっていた分、いつ終わるかが見えていた点は、繰上償還よりまだ納得できる終わり方でした。 2. 日本株ハイインカム(毎月分配型)ブラジルレアルコース 2017年12月22日、償還 私が解約した2017年7月から、わずか5ヶ月後の償還です。同じコースの「円コース」も同日に終了しました。買って2年半で投信そのものが消えるという、当時の私にはレアに思えた体験でした。解約していなければ、償還時点で損失が確定していたはずです。 3. アジア・エクイティ・インカム・ツインα(毎月分配型) 2020年8月11日、繰上償還 こちらは「繰上償還」なので、当初の運用予定期間より前倒しで終了したタイプ 前編で「ワースト4位 ▲23,526円」としたファンドです。繰上償還に至った背景は、運用報告書を読む限り純資産総額が維持ラインを下回ったためと読み取れます。投資家が「もう少し待てば」と思っても、運用会社が見切ると保有者の意思とは関係なく終わる。そこが繰上償還の難しさだと感じます。 ...

2026年4月23日 · 最終更新: 2026年7月11日 · HIKO