保険業界に10年身を置いたあとIT企業へ転職したFP2級のHIKOです。私自身はサニーガーデンEXを契約していません。この記事は、メットライフ生命が公表している既契約者向け資料と公式サイトを読み込んで整理したものです。

「サニーガーデンEX デメリット」で検索する方の多くは、これから買うかどうかではなく、すでに持っている契約を続けるか解約するかで迷っているのだと思います。2015年発売で、現在は新規契約の取扱いが終了している商品です。確認できた数字と、私が置いた仮定は分けて示します。

本記事は特定の保険商品の解約・購入・継続を勧めるものではありません。保険・投資いずれも元本割れの可能性があり、最終的な判断はご自身で、保険証券・契約のしおり・約款と最新の情報を確認したうえで行ってください。記載の数値は、出典と確認時点を明記したもの以外はすべて私が置いた仮定にもとづく試算です。なお、本記事はアフィリエイトリンクを含みます。

この記事の結論

10年たったという事実だけでは、解約するかどうかは決められません。判断に必要なのは、①次の積立利率計算基準日に解約した場合の金額 ②更改後の積立利率 ③今後も死亡保障を持つ必要があるか、の3つです。この3つがそろわないうちは、続けるか解約するかを比べること自体ができません。

そして、①と②を左右するのが契約日です。まず保険証券で契約日を確認してください。サニーガーデンEXは契約日によって、解約控除率(契約日からの経過年数で決まります)・次の積立利率計算基準日(契約日から10年ごとの契約応当日)・保険関係費用の上限(契約日が2022年3月以前の契約は最大1.54%)が変わります。メットライフ生命のよくあるご質問にも「契約により、取り扱いが異なる場合があります」と記載されています。

サニーガーデンEXでは、積立利率計算基準日に解約・減額した場合、市場価格調整は適用されません。翌日以降は再び適用されます。契約日から10年以上経過していれば、解約控除もかかりません。つまり基準日は「解約すべき日」ではなく、いま解約した場合・基準日に解約した場合・そのまま次の10年を持ち続けた場合を比較するタイミングです。

まずは自分の状況から、見るところを絞ってください。

状況判断の方向
契約から10年未満で、いますぐ資金が必要解約控除と市場価格調整の両方が引かれます。まず解約返戻金の実額を照会し、引かれても必要額に足りるかで判断します
10年以上たっていて、次の基準日まで待てる基準日に解約すれば市場価格調整は適用されず、解約控除もかかりません。解約日をその日に合わせられるかを事前に確認します
10年以上たっていて、近く円で使う予定がある使う時期が次の基準日より前に来るなら、市場価格調整が適用される前提で、いま円に換えた場合の額で足りるかを見ます
外貨のまま長く持て、死亡保障もまだ必要更改後の積立利率と死亡保障をあわせて、外貨預金・外貨MMFなど同じ通貨の置き場所と比べます
死亡保障が不要で、同じ通貨により有利な置き場所がある保障の価値を差し引かずに利率だけで比べられます。解約返戻金の実額を照会し、代替先の利率と並べます
円建終身保険へ移行済み(目標設定付定期支払コース)市場価格調整も解約控除も適用されません。判断は円の利率と死亡保障の要否だけになります

この表は方向づけで、金額は照会が前提です。以下では①②の確認方法(解約控除率と基準日の仕組み)を公式資料で見てから、③を含めた3つの選択肢の比べ方を整理します。


サニーガーデンEXの注意点5つ|既契約者が確認したいデメリット

最初の2つは商品性そのもののデメリット、残りの3つは知らないと不利になる商品ルールです。記載はすべて、メットライフ生命「既契約者さま専用資料 2026年4月版」(PDF・2026年2月作成・2026年8月15日確認)と、同社のよくあるご質問によります。

注意点公式の記載既契約者にとっての意味
円で使う資産なのに為替リスクを負う「外貨(米ドル・豪ドル)で運用する一時払の終身保険です」円建プランはなく、円に換えるまで為替が付いてきます。死亡保険金の最低保証も外貨建です
10年未満の解約は解約控除と市場価格調整の二重で弱い解約控除は「経過年数に応じて、積立金額に対して10.0%〜1.0%を差し引きます」急な資金需要に応える商品ではありません
市場価格調整が適用されないのは基準日に解約した場合だけ基準日を越えて(翌日以降)の解約は「再び市場価格調整が適用となります」日付の管理が1日単位で必要になります
受け取り方の骨格は契約後に変えられない「積立金定期支払特約(15)(中略)円建終身保険移行特約(15)は契約時にのみ付加することができます。また、この特約・特則のみを途中で解約することはできません」「契約後に受取通貨の変更はできません」特約を後から足すことも、付いている特約だけを外すこともできません(分割受取回数と目標額は変更可)
増額も契約者貸付もできない「保険契約者貸付:お取扱いできません」「増額:お取扱いできません」一部だけ現金化する手段は減額に限られます

このほか同資料には「この保険に高度障害保険金はありません」「この保険に配当金はありません」とも書かれており、減額後の基本保険金額が2万米ドル・2万豪ドル未満になる減額もできません。

「新規のお取扱い終了」はデメリットではなく環境変化です

新規取扱いの終了をデメリットに数える解説を見かけますが、販売の終了は新しい申込みの受付をやめることであって、すでに成立している契約の内容が変わるわけではありません。実際、同社は新規取扱いを終えたあとも既契約者向けの資料を2026年4月版として作成しており、積立利率・定期支払率と円支払特約用の為替レートは契約者向けページ(2026年8月15日確認)に掲載されています。

なお、正式名称は「積立利率変動型一時払終身保険(米ドル保険料建 15)/(豪ドル保険料建 15)」で、資料には「募集代理店により商品名が異なります」と明記されています。保険証券の商品名がサニーガーデンEXでなくても、正式名称がこれなら同じ商品です。

費用は率で開示されている|ただし資料から自分の契約の実額までは分からない

外貨建て保険の批判でよく見かけるのが「費用がいくらか分からない」という指摘ですが、この商品を「非開示」と断定するのは正確ではありません。同資料は保険関係費用を率で示しています。

費用の項目差し引かれる場所
死亡保障および保険契約の締結・維持にかかる費用最大1.05%(契約日が2022年3月以前の契約は最大1.54%)積立利率を決める際、指標金利の平均値に1.0%を増減させた範囲内で同社が定めた利率から差し引く
災害死亡保障にかかる費用年0.02%円建終身保険に移行後、同社が定めた利率から差し引く
年金を管理するための費用年金額の1.00%年金支払特約を付加した場合、毎年の年金支払時に差し引く

注意したいのは、1.05%は上限であって、全員から毎年1.05%が差し引かれるという意味ではないことです。この費用は積立利率を決める段階で引かれるため、案内される積立利率は費用控除後の数字です。

では、費用は高いのでしょうか。少なくとも既契約者向け資料は、契約者ごとに実際に適用されている費用率を個別に確認できる形ではありません。比較できる数字が手元にない以上、この記事では高い・安いを判定しません。


サニーガーデンEXの解約返戻金が決まる仕組み|式は1本だけ

同資料に示されている計算式は、次の1本だけです。

解約返戻金額 = 解約日・減額日の積立金額 ×(1 − 市場価格調整率 − 解約控除率)

出発点は、解約日・減額日の積立金額です。積立金額の育ち方は積立利率(最低保証は年0.01%)とコースで変わるため、いまいくらかはメットライフ生命に照会するのが確実です。ここから差し引かれるのが、市場価格調整率と解約控除率の2つです。

解約控除率は経過年数だけで決まる公表値

解約控除率は、公式資料に全数が載っています。分母は積立金額です。

経過年数解約控除率
1年未満10.0%
1年以上2年未満9.0%
2年以上3年未満8.0%
3年以上4年未満7.0%
4年以上5年未満6.0%
5年以上6年未満5.0%
6年以上7年未満4.0%
7年以上8年未満3.0%
8年以上9年未満2.0%
9年以上10年未満1.0%
10年以上0.0%

解約控除率は経過年数で決まり、契約日から10年以上経過した契約では0.0%です。基準日だから0.0%になるのではなく、その日までに経過年数が10年に達しているから0.0%だという順番です。なお控除の分母は商品ごとに違い、他社には基本保険金額を分母にしている一時払終身保険もあるので、他社と率を並べるときは何に対する率かをそろえてください。

市場価格調整率は自分では出しにくい部分

市場価格調整は、解約時に運用対象となっている資産(債券など)の価値を解約返戻金に反映させる仕組みです。同資料は「一般的に、債券の価値は、市場金利が高くなると下がり、市場金利が低くなると上がる性質があります」と説明しています。金利が上がっていれば解約返戻金は減る方向、下がっていれば増える方向に働きます。

計算式そのものは資料に載っていますが、式には「解約日・減額日に計算される積立利率」など契約者の手元にない値が入るため、保険証券や契約時の書面だけでは、現在の市場価格調整率を正確に算出できない場合があります。いま解約した場合の金額を同社に照会するほうが早くて確実です。

なお、外貨建の解約返戻金を円で受け取るには円支払特約を使います。適用レートは同資料によるとTTM−50銭(2026年2月現在)で、為替手数料が含まれ契約者の負担になると明記されています。外貨建て保険を解約するときの為替と税金については、こちらで詳しく計算しています


サニーガーデンEXの積立利率計算基準日|基準日に解約すれば市場価格調整は適用されない

ここがこの記事でいちばん重要なところです。メットライフ生命はよくあるご質問(ご契約者さま向け)「利率更改日とは何ですか。」で、次のように説明しています。

積立利率/基準利率計算基準日に解約/減額した場合は、市場価格調整が適用されません。積立利率/基準利率計算基準日における解約返戻金額は解約日における積立金額となります。なお、積立利率/基準利率計算基準日を越えて(翌日以降)の解約となる場合は、再び市場価格調整が適用となりますのでご注意ください。

積立利率/基準利率計算基準日以降に解約・減額した場合、解約控除は適用されません。(契約により解約控除がない場合もあります。)

※契約により、取り扱いが異なる場合があります。詳しくはご契約の約款などをご確認ください。

出典はメットライフ生命 よくあるご質問「利率更改日とは何ですか。」(2026年8月15日確認)です。つまりサニーガーデンEXでは、積立利率計算基準日に解約・減額した場合、市場価格調整は適用されません。翌日以降は再び適用されます。ここがこの商品でいちばん見落とされやすいところだと思います。10年という単位の話に見えて、実際には1日単位の話だということです。なお引用の末尾にあるとおり、取り扱いが契約によって異なる場合がある点は前提として押さえておいてください。

なお、引用中の「基準日以降に解約・減額した場合、解約控除は適用されません」と、先ほどの解約控除率の表(10年以上で0.0%)は矛盾しません。10年を過ぎた契約では、解約タイミングを左右するのは市場価格調整が適用されるかどうかという一点に絞られます

契約日から次の基準日までに何が起きるか

積立利率計算基準日は、契約日から10年ごとの契約応当日です。10年目だけの話ではなく、20年目・30年目にも同じ日が来ます。解約控除と市場価格調整がどの時点でどうなるかを並べると、次のようになります。

解約日の時点解約控除率(経過年数で決まる)市場価格調整(適用の有無)解約返戻金(外貨建)
契約日から1年未満10.0%適用される積立金額×(1−市場価格調整率−10.0%)
1年目の契約応当日以後9.0%適用される積立金額×(1−市場価格調整率−9.0%)
5年目の契約応当日以後5.0%適用される積立金額×(1−市場価格調整率−5.0%)
9年目の契約応当日以後1.0%適用される積立金額×(1−市場価格調整率−1.0%)
10周年の前日1.0%適用される積立金額×(1−市場価格調整率−1.0%)
10周年の当日=積立利率計算基準日0.0%適用されない積立金額
10周年の翌日0.0%再び適用される積立金額×(1−市場価格調整率)
20周年の当日=次の基準日0.0%適用されない積立金額

10周年の前日と当日で、解約控除率が1.0%から0.0%へ下がるだけでなく市場価格調整の適用まで変わるのが、この表でいちばん大きい段差です。解約返戻金はすべて外貨建なので、円で受け取る場合はここから円支払特約の為替レート(TTM−50銭)が適用されます。

基準日は契約日と同じ月日で、2015年契約なら2025年の契約応当日、2016年契約なら2026年の契約応当日というように契約ごとに違います。自分の契約がこのとおりかは、約款とメットライフ生命への照会で確かめてください。

基準日をねらうなら「解約日」の定義と新利率の確認経路を先に押さえる

「10年経ったから」ではなく「積立利率計算基準日を確認する」というのが、この商品の実務です。押さえておく点が3つあります。

1つ目は解約日の定義で、ここは資料によって書き方が違います。既契約者さま専用資料には「『解約日』はメットライフ生命における書類受付日もしくは保険契約者が指定した日のいずれか遅い日となります」(円建終身保険へ移行した場合は書類受付日のみ、という注記付き)とあり、契約者が指定した日を選べる書き方です。

一方、同社の手続き全般のよくあるご質問は、解約日(効力発生日)を手続き方法で説明しています。

解約日(効力発生日)は、手続き方法により異なります。【書面で手続きした場合】「不備のない書類が当社に到着し、受付を完了した時点」【WEBで手続きした場合】「WEB上での解約手続きを完了し、解約データが当社に到着した時点」

出典はメットライフ生命 よくあるご質問「解約しました。解約日(効力発生日)はいつですか。」(2026年8月15日確認)です。自分の契約でどちらの扱いになるかを、この2つの資料だけで決めることはできません

基準日という1日に解約日を合わせたいなら、書類を取り寄せて記入し、提出するまでの日数から逆算することになります。指定日が使えるのか、書類の提出期限はいつなのかを、事前にメットライフ生命へ確認してください。

2つ目は、更改後の積立利率をいつ知ることができるかです。先ほどの利率更改日についてのよくあるご質問には、確認方法として次のように記載されています。

・利率更改後、1週間程度を目安に発送される「積立利率/基準利率更改のお知らせ」でご確認いただけます。(契約により送付されない場合があります。積立利率/基準利率のみご確認可能です。) ・更改日以降に発行される「ご契約内容のお知らせ」または「ご契約者さまWEBサービス」などでもご確認いただけます。 ・コールセンターまたはホームページよりご確認いただけます。

ここに時間関係のねじれがあります。市場価格調整が適用されないのは基準日に解約した場合で、翌日以降は再び適用されるのに、更改後の利率を知らせる郵送物が発送されるのは更改後1週間程度が目安です。つまり、郵送物が届くのを待ってから基準日の解約を決める、という進め方は成り立ちません。

注意|「新しい利率を見てから基準日に解約する」という段取りが必ず組めるとは限りません。WEBサービスやコールセンターも確認方法として案内されていますが、基準日までに必ず新しい利率を確認できるとまでは書かれていません。基準日より前に、更改後の利率の確認経路・解約日の指定可否・書類の提出期限の3点をメットライフ生命に確認してください

3つ目は、続ける場合もその日が起点になることです。基準日には新しい積立利率が適用され、そこから次の10年が始まります。市場価格調整が適用されず解約控除もかからない日が来ることは、解約の好機を意味しても、解約すべき日を意味しません


サニーガーデンEXの3つのコース|同じ利率でも受取率が違う

契約時に選んだコースで、お金の受け取り方が変わります。自分がどのコースかを確定させないと、判断の話が始まりません。

コース付加している特約お金の受け取り方
定期支払コース積立金定期支払特約(15)契約の1年後から毎年、定期支払金を一生涯受け取る
目標設定付定期支払コース上記+円建終身保険移行特約(15)定期支払金に加え、解約返戻金の円換算額が目標額に達すると自動的に円建終身保険へ移行
積立金増加コース主契約のみ受け取らずに積立金を増やす

定期支払額は、定期支払コースが「基本保険金額×積立利率」、目標設定付定期支払コースが「基本保険金額×定期支払率」です。定期支払率は積立利率に応じて段階的に決まります。

適用されている積立利率定期支払率
年1.0%未満0.01%
年1.0%以上1.5%未満0.50%
年1.5%以上2.0%未満1.00%
年2.0%以上2.5%未満1.50%
年2.5%以上3.0%未満2.00%
年3.0%以上3.5%未満2.50%
年3.5%以上3.00%

同じ積立利率でも、コースによって毎年の受取率が違います。差が出るのは損得ではなく、受け取らない部分が積立金に残って目標額へ近づくという設計の違いによります(仮定を入れた具体的な金額は後半の比較テンプレートで扱います)。なお、定期支払金には市場価格調整と解約控除は適用されません。

ここで誤解しやすいのが積立利率です。積立利率は積立金額や定期支払額を計算するための率であって、契約者が実際に受け取る投資リターンそのものではありません。実際の手取りは、市場価格調整と円に換える為替レートを通った後の金額になります。

契約後に変えられるもの・変えられないもの

変えられないのは、先ほどの表で引用した特約・特則の構成と受取通貨です。受け取り方の骨格は、契約時に決まったままになるということです。

一方、分割受取回数は「変更できます。変更は書類受付日の次の年単位の契約応当日から適用されます」、目標額は「円建終身保険移行前に限り、何回でも変更できます」(300%は目標変更時のみ指定可)と記載されています。受け取り方が生活に合っていないと感じたら、まず変更できる範囲から確認してみてください。

すでに円建終身保険へ移行している場合は、別の話になります

目標設定付定期支払コースでは、契約日から3年経過以後の判定日に「解約返戻金の円換算額が目標額(円換算一時払保険料の110%・120%・130%から選択)以上」となると、自動的に円建終身保険へ移行します。移行後は同資料によると、運用・受取通貨が円になり、積立利率は同社所定の利率(年0.03%が最低保証)となり、解約・減額の際の市場価格調整と解約控除は適用されず解約返戻金額は積立金相当額になります。基準日をねらうという話は、移行済みの契約には当てはまりません。判断は、円の利率と死亡保障の要否だけになります。


サニーガーデンEXのケース別判断|先にそろえる6つの数字

冒頭の早見表で自分の行が分かったら、次は数字をそろえます。どのケースでも見るものは共通です。

確認する数字入手先
① いま解約した場合の解約返戻金メットライフ生命に照会(外貨建の額と、円支払特約を使った場合の円換算額の両方)
② 次の基準日と、その日に解約した場合の解約返戻金の見込み基準日は保険証券の契約日から逆算。金額はメットライフ生命に照会
③ 更改後の積立利率ご契約者さまWEBサービス・コールセンター等。郵送は更改後1週間程度が目安なので確認経路を事前に問い合わせる
④ 定期支払金の額と、これから受け取る回数契約者向けの案内。コースと付加している特約は保険証券・契約時の書面
⑤ 死亡保障額保険証券。外貨建なので円換算額は為替で変わる
⑥ 同じ通貨で代替した場合の利回り外貨のままなら外貨預金・外貨MMF、円に換えるなら預金・個人向け国債などの公表利率

①②③は照会や経路の確認が必要で、④⑤は保険証券と手元の書面で拾え、⑥は自分で調べる部分です。この6つがそろわないうちは、続けるか解約するかの比較は成り立ちません。この記事に出てくる利率・金額の例は、説明のために私が置いた仮定です

早見表の行ごとに、追加で見ておきたいこと

  • 近く円で使う予定がある: 決め手は、使う時期と次の基準日の前後関係だけです。「今年が基準日の年だから今年中に手続きすればよい」と考えるとその日を過ぎます
  • 外貨のまま持ち続けられる: 外貨預金や外貨MMFに死亡保険金の最低保証はないので、利率が近くても中身は同じではありません。ただし最低保証されるのは外貨ベースの金額で、円換算額が一時払保険料の円換算額を下回ることがあると資料にも明記されています。円建ての元本保証とは別物です
  • まだ10年たっていない: 待てば解約控除率は1年ごとに1.0ポイント下がりますが、これは差し引かれる率が下がるという話であって、待てば手取りが増えるという話ではありません。市場価格調整については、同社のよくあるご質問「市場価格調整とは何ですか。」に「ご契約時(または利率更改時)よりも金利が上昇したタイミングで解約請求されると、市場価格調整は解約返戻金を減少する方向に働き、金利が下落したタイミングであれば、増加させる方向に働きます」と記載されています(出典・2026年8月15日確認)。経過年数が浅いというだけで大きく損をすると決めつけず、まず実額を照会するのが先です。一部だけ現金化する減額にも、市場価格調整と解約控除は適用されます

「今すぐ解約・基準日に解約・そのまま継続」を並べる比較テンプレート

「で、結局解約したほうがいいのか」の答えは、3つの選択肢を同じ形式で並べないと出ません。

選択肢手元に入る金額決め手になる条件
A|今すぐ解約積立金額×(1−市場価格調整率−解約控除率)。円で受け取るなら円支払特約のレートも通ります使う時期が次の基準日より前に来る。または、いま照会した額で必要額に足りている
B|次の基準日に解約基準日に解約すれば、外貨建ての解約返戻金額は積立金額(市場価格調整が適用されず、経過年数10年以上なら解約控除もかからないため)。円で受け取るならここから円支払特約のレートを通ります基準日まで待てる。かつ、その日に解約日を合わせる段取りを事前に確認できている
C|そのまま次の10年を継続確定した金額は出せませんが、これから受け取る定期支払金+次の基準日時点の解約返戻金+その間ずっと続く死亡保障の3つに分解できます。前の2つは更改後の積立利率を仮定すれば概算でき、3つ目は金額ではなく要否で見ます概算した①+②が、AまたはBの金額を他の置き場所に同じ期間置いた場合を上回るか。上回らない場合でも、死亡保障に残す価値があるか

AとBは、メットライフ生命に照会すれば金額で比べられます。Cだけは仮定を置かないと数字になりません。それでも「何と何を足すのか」までは分解できるので、次に枠組みを示します。

継続の価値は「定期支払金+将来の解約返戻金+死亡保障」に分解する

ここで使う数字はすべて私が置いた仮定で、メットライフ生命が公表した積立利率でも実在の契約でもありません。基本保険金額100,000米ドル・積立金額100,000米ドル・更改後の積立利率が年2.0%で10年間変わらない・その間解約しない、という前提を置きます。

継続の価値の内訳仮定を入れた計算見方
① これから受け取る定期支払金定期支払コースなら、定期支払額は基本保険金額×積立利率で年2,000米ドル。10年で20,000米ドル受け取った分は積立金に残りません
② 次の基準日時点の解約返戻金受け取らずに積立金増加コースで年2.0%が10年つくと、100,000米ドルは約121,899米ドル(100,000×1.02の10乗)基準日に解約すれば市場価格調整も解約控除も適用されないので、外貨建ではこの積立金額がそのまま解約返戻金になります
③ その間続く死亡保障金額化しません必要か不要かだけで判断します

注意したいのは、①と②を単純に足せないことです。コースの違いは同じ原資の配分なので、毎年2,000米ドルを受け取ればその分は②に残りません。目標設定付定期支払コースなら定期支払率1.50%で年1,500米ドルとなり、受け取らない部分が積立金に残って目標額に近づきます。継続の価値は、この3つのうち自分がどれを必要としているかで決まります

比べる相手はAまたはBです。AやBで受け取った解約返戻金を、同じ通貨で年2.0%運用できる置き場所に10年置けば、計算上の増え方は②と同じになります。差になるのは、いま解約すると市場価格調整(と10年未満なら解約控除)を通ること、継続なら死亡保障が続くこと、更改後の利率が2.0%とは限らないこと、円で使うなら為替の4点です。これは「だから継続が有利」という話ではなく、比べ方の枠組みです。実際の金額は更改後の利率・為替・受け取り方で変わり、どれを選んでも元本割れの可能性は残ります。

私ならこう判断します

契約していない立場なので、資料を読んだうえでの判断軸として書きます。判断軸を先に決めておくと、照会した数字が届いたときに動けます。私なら、次のどれかが強く当てはまるなら継続を検討します。

  • 死亡保障がいまも必要(外貨建でも遺族に残す意味がある)
  • 円に換える予定がなく、外貨のまま持ち続けるつもりがある
  • 毎年の定期支払金を生活費や使いみちに組み込んでいる

逆に、次のように揃っているなら、基準日に解約した場合の金額と他の選択肢を並べて比べます。

  • 死亡保障はもう必要ない
  • 使うのは円で、時期もある程度決まっている
  • 外貨のまま持ち続ける理由が特にない

どちらも「解約すべき」「継続すべき」という結論ではありません。決めるのは、上の6つの数字がそろってからです。


「10年たったのでサニーガーデン プライムへ」は要注意|乗り換え前に確認する4点

メットライフ生命は2026年6月29日のリリースで、一時払終身保険「サニーガーデン プライム」を7月1日から営業社員の直販および保険代理店で販売すると発表しました(金融機関代理店では同年4月から先行販売)。従来の米ドル建に加えて円建プランが新設され、利率保証期間も選べます。リリースには「2015年の発売以来、好評をいただいている『サニーガーデンEX』をリニューアルした商品です」と明記されています(メットライフ生命 プレスリリース・2026年8月15日確認)。

ここで押さえておきたいのは、「リニューアル」という言葉は、既契約が自動で新商品に切り替わるという意味ではないということです。乗り換えは、原則としていまの契約を解約して新しい契約を結び直すことになります。同社のよくあるご質問には、保障の空白期間や重複期間を生じさせないための「条件付解約制度」「乗換時の取扱に関する特約」の説明もありますが、取り扱いには一定の条件があると記載されているので、使えるかどうかは新契約の担当者に確認してください。ただしこれらを利用しても、新しい契約の条件で計算し直しになるという点は変わりません。勧められたときに確認する点は4つです。

確認する点なぜ確認するか
① いまの契約の解約返戻金はいくらになるか市場価格調整と解約控除を通ったあとの金額が、そのまま新契約の原資になります。解約日が基準日にあたるかどうかで変わるので先に照会します
② 新契約の実質的な利率はいくらか表示されている積立利率がどの期間に適用され、費用を差し引いたあとの数字なのかを契約締結前交付書面で確認します。円建プランが選べることは為替リスクの扱いが変わるという意味で、利回りが有利になることではありません
③ 新しい契約で何年の解約控除が発生するかいまの契約で10年かけて0.0%まで下げてきた解約控除が、新契約では最初から始まります
④ 死亡保障額と保障内容がどう変わるか契約年齢が上がれば、同じ資金を入れても死亡保障額は変わり得ます。最低保証の条件も新しい契約の内容になり、後継商品だから保障が引き継がれるわけではありません

公益財団法人 生命保険文化センターも、解約について「一度解約した生命保険は元には戻りません。もう一度契約する場合、年齢がアップした分保険料が割高になったり、健康状態によっては、新たに契約できないことがあります」と説明しています(出典・2026年8月15日確認)。4点を並べたうえで、それでも新契約のほうがよいと判断できるなら乗り換える、という順番です。


解約したお金の置き場所は、使う時期と通貨を先に決める

避けたいのは、置き場所を決めないまま解約手続きをしてしまうことです。決める順番は、商品ではなく使う時期と通貨が先になります。

使う時期置き場所の候補見るところ
数年以内に円で使う普通預金・定期預金・個人向け国債など使う時期までに元本割れの心配がないか。個人向け国債は発行後1年経過すれば国が額面で買い取りますが、直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685が差し引かれます(財務省
円に換える時期を自分で選びたい外貨預金・外貨MMF為替手数料と、円に戻すときのレート
10年以上先に使うNISAの非課税枠を使った投資信託など値動きに耐えられる期間があるかどうか

注意したいのが、通貨をまたいだ利率の比較です。仮定として置いた米ドル建の積立利率2.0%と、円建の預金や個人向け国債の利率は、通貨が違うので数字だけを並べても優劣を決められません。円に換えるレートが契約時より円高なら、円ベースの成績は下がるからです。円で使う予定のお金なら円建ての選択肢と、外貨のまま置くなら外貨の選択肢と比べるのが出発点になります。円建ての貯蓄性保険を実利回りに直して比べた記事は、こちらにまとめています

なお円建ての古い契約もお持ちなら、昔の契約は解約しないほうがよい場合がありますので先に確認してください。

保険を解約したこと自体が、投資を始める理由にはなりません。生活防衛資金が足りていないなら、リスク資産に移す段階ではありません。使う時期と通貨が決まらないまま投資に移すのも順番が逆で、上の表で「10年以上先に使う」に当てはまるお金だけが、NISAの非課税枠を使った長期投資の対象になります。

この記事は保険の解約を勧めるものではありません。以下は、解約後の資金を投資に回す場合の選択肢として置いている広告です。

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よくある質問(FAQ)

Q1. サニーガーデンEXは契約から10年たったら、解約したほうがよいですか?

10年経過は解約すべき日という意味ではありません。サニーガーデンEXでは、積立利率計算基準日(契約日から10年ごとの年単位の契約応当日)に解約・減額した場合、市場価格調整は適用されません。翌日以降は再び適用されます。解約控除率は経過年数で決まり、10年以上たっていれば0.0%です(同社のよくあるご質問には、契約により取り扱いが異なる場合がある旨の但し書きもあります)。ただしこれは引かれる要素が小さくなる日という意味であって、続けるかどうかの答えではありません。判断に必要なのは、基準日に解約した場合の金額・更改後の積立利率・今後も死亡保障を持つ必要があるかの3つです。

Q2. サニーガーデンEXを解約すると、いくら戻りますか?

公式資料の計算式は「解約返戻金額=解約日・減額日の積立金額×(1−市場価格調整率−解約控除率)」です。解約控除率は契約日からの経過年数だけで決まり、1年未満の10.0%から1年ごとに1.0ポイントずつ下がって10年以上で0.0%になります。一方の市場価格調整率は、解約日に計算される積立利率など契約者の手元にない値が式に入るため、保険証券や契約時の書面だけでは正確に算出できない場合があります。金額を知るにはメットライフ生命に照会するのが確実です。

Q3. 後継の「サニーガーデン プライム」に乗り換えたほうがよいですか?

一律に言えることはありません。プライムは2026年に販売が始まった別の契約で、円建プランや利率保証期間の選択肢が加わっています。「リニューアルした商品」という表現は、既契約が自動で新商品に切り替わるという意味ではなく、乗り換えは原則としていまの契約を解約して新しい契約を結び直すことです。原資は市場価格調整と解約控除を通ったあとの解約返戻金になり、契約年齢は申込時点のものになり、解約控除の期間も新しい契約で最初から始まります。勧められたときは、解約返戻金の額・新契約の実質的な利率・新契約で発生する解約控除の年数・死亡保障額と保障内容の変化の4点を先に確認してください。


まとめ

  • 最初にやることは、保険証券で契約日を確認することです。解約控除率も次の積立利率計算基準日も、契約日から決まります
  • 判断に必要なのは、基準日に解約した場合の金額・更改後の積立利率・今後も死亡保障を持つ必要があるかの3つです
  • 解約返戻金は「積立金額×(1−市場価格調整率−解約控除率)」で決まります。解約控除率は経過年数だけで決まる公表値(1年未満10.0%から10年以上0.0%)ですが、市場価格調整率は手元の書面だけでは正確に算出できない場合があります
  • サニーガーデンEXでは、積立利率計算基準日に解約・減額した場合、市場価格調整は適用されません。翌日以降は再び適用されます。同じ日が20年目にも来ます。基準日より前に、解約日の指定可否・書類の提出期限・新しい利率の確認経路をメットライフ生命に確認してください
  • 継続を選ぶ場合の価値は、これから受け取る定期支払金・将来の解約返戻金・死亡保障の3つに分けて、いま解約する場合と比べます
  • 「サニーガーデン プライム」への乗り換えは新しい契約です。勧められたら、解約返戻金の額・新契約の実質的な利率・新契約で発生する解約控除の年数・死亡保障額と保障内容の変化の4点を先に確認してください

最後にもう一度。本記事の試算は、公式の計算式に私が置いた仮定を入れたもので、メットライフ生命が公表した数値ではありません。特定の商品の解約・購入・継続を勧めるものでもなく、保険・投資いずれも元本割れの可能性があります。最終的な判断は、ご自身の保険証券・契約のしおり・約款と最新の情報を確認したうえで行ってください。

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