投資を始めて11年、気づけば保有銘柄は約80、評価額は約2,200万円になりました。含み益は+380万円ほどです。
でも、最初からこんな管理をしていたわけではありません。むしろ投資を始めた頃の私は、「資産管理」という言葉すら必要としていませんでした。銘柄がひとつしかなければ、管理も何もないからです。
この記事は、資産管理アプリの紹介記事ではありません。投資家として11年かけて、不要だったものが少しずつ必要になっていった、その過程の記録です。同じように保有が増えてきた方が、「自分にもそろそろ必要かな」を判断する材料になればと思います。
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最初の個別株コナカを買った頃は、資産管理なんて必要なかった
私が初めて買った個別株は、紳士服のコナカ(7494)でした。2015年、738円で100株。旧NISAが始まったばかりの頃です。
当時の私は、管理も何もありませんでした。持っている株は1銘柄だけ。証券口座にログインすれば、その1行がすべてでした。値動きを見るのも一瞬です。
そのコナカは、結局9年以上塩漬けになりました。取得時の738円を基準にすれば、今も含み損を抱えたままです。ほめられた投資ではありません。
ただ、この失敗を「1銘柄だけ持っていた時代」の象徴として振り返ると、あることに気づきます。銘柄が1つしかない時期は、管理の必要が一切なかったのです。エクセルもアプリも、当時の私にはまったく無縁でした。
投資11年で、管理する対象はこう増えていった
そこから11年、管理する対象は少しずつ増えていきました。時系列で並べると、こんな流れです。
- 最初は特定口座に個別株が数銘柄
- 旧NISAで高配当株や投信を買い足す
- 新NISA(成長投資枠・つみたて投資枠)が加わる
- IT企業に移って企業型DCが始まる(iFree S&P500で運用)
- 自社の持株会が別の証券口座に積み上がる
- 地域の偏りが気になって海外ETF(SPYM・HYG)を少額持つ
気づけば、資産が置かれている「場所」だけで5つ以上に分かれていました。楽天証券のなかでも特定口座・NISA成長投資枠・旧NISAと区画が分かれ、そこに企業型DC、持株会が別口座で乗っている状態です。
銘柄数も、1つだったものが約80になりました。一つひとつは大きな金額ではありませんが、「今、全部でいくらあるのか」を答えるのが、だんだん難しくなっていったのです。
これは投資が下手になったからではありません。むしろ逆で、続けてきた結果として、管理すべき対象が増えたのだと思っています。
約80銘柄をどう管理しているか|昔の手作業と今のビフォーアフター
いちばん変わったのは、「資産全体を把握する手間」です。ここは昔と今で落差が大きいので、少していねいに書きます。
昔:口座を1つずつ開いて、エクセルに転記していた
口座が分かれ始めた頃、私は資産の合計を出すのに、毎回こんな手順を踏んでいました。
- 楽天証券にログインして、特定口座・NISA口座の評価額を見る
- 別のタブで企業型DCの運営サイトを開き、評価額を確認する
- 自社の持株会の口座を開いて、残高を確認する
- 海外ETFのドル建て評価額を、その日のレートで円に直す
- これらをエクセルに手で書き写す
- 電卓で合計し、先月との差を見る
一度やるだけで15分から20分はかかりました。しかも、ログインするIDもパスワードもバラバラです。「今いくら持っているか」を知りたいだけなのに、ちょっとした作業になっていました。だから毎月はやらず、気が向いたときだけ。結果として、自分の資産の全体像をしばらく把握していない、という月もありました。
今:アプリを開くと、数十秒で全体が出ている
今は、資産管理アプリを開くだけです。銀行・証券・企業型DC・持株会・クレジットカードまで、連携した口座がすべて自動で合算され、資産総額が1画面に出ています。先月比も、資産の内訳も、開いた瞬間に見えます。かかる時間は数十秒です。
| 手順 | 所要時間 | |
|---|---|---|
| 昔 | 証券口座→DCサイト→持株会→ETF→Excel→電卓 | 15〜20分 |
| 今 | 資産管理アプリを開く | 数十秒 |
昔の15〜20分の手作業が、数十秒になった。この落差そのものが、私が資産管理を語りたい理由でもあります。
そしてここが本題なのですが——保有が増えるほど、一元管理の効きは大きくなる、ということです。1銘柄・1口座のときはアプリなど不要でした。でも80銘柄・5口座になると、手作業では現実的に追いきれません。管理の道具は、資産が増えたあとから効いてくるのです。
余談ですが、先日、楽天証券にログインしようとしたらメンテナンス中で、その口座単体の数字はその場で見られませんでした。特定の1口座に全部を頼っていると、こういうときに全体像が止まります。複数の場所に資産が散っているなら、横断してまとめて見られる状態にしておくほうが、気持ちの上でも落ち着きます。
資産管理アプリが必要になったサイン
「自分に資産管理アプリは必要か」を考えるとき、私自身が「そろそろだな」と感じた変化がいくつかありました。当てはまる数が多いほど、道具の効きは大きくなると思います。
- 口座が2つ以上に分かれてきた:証券が複数、あるいは証券+企業型DC+持株会というように、資産の置き場所が増えた
- 保有銘柄が増えてきた:個別株や投信が増え、「今の合計」が暗算できなくなった
- 配当金の管理が面倒になってきた:どの銘柄からいつ・いくら入ったのかを、都度たどるのが億劫になった(私は直近1年で税引前60万円ほどの配当があり、もう手作業では追えません)
- NISAと特定口座が混ざってきた:非課税枠をどれだけ使ったのか、特定口座とどう分かれているのかが見えにくくなった
- 家計簿(日々の支出)と資産(保有資産)を、まとめて見たくなった:貯まっていくお金と使うお金を、別々に見るのが面倒になった
私の場合はもうひとつ、世帯として見たいという理由がありました。わが家は夫婦二人暮らしで、家計は私がまとめて把握しています。銀行・クレジットカードは夫婦それぞれの分を連携し、資産と支出を世帯単位で見られるようにしています。生活費も資産も一緒に把握できるようになり、家計簿と資産管理を別々に見る必要がなくなりました。自分ひとりの証券口座だけでなく、世帯全体のお金の流れを1か所で見たくなったことが、道具を使い始める後押しになりました。
逆に言えば、口座が1つで銘柄も数えるほど、という段階では、まだ急いで導入しなくてもいいと思います。
半年に一度、資産全体を見直すようになった
道具が整ったことで、もうひとつ習慣が変わりました。半年に一度、資産全体を棚おろしするようになったことです。
具体的には、資産のうち日本株がどれくらいの比率か、海外資産・現金がどれくらいか、といった配分を見直します。私の場合は日本株に大きく偏っているので、そのバランスをどうするかを半年ごとに考えます。
これは、全体が数十秒で見える状態になったからこそできることです。合計を出すのに毎回20分かかっていた頃は、そもそも「配分を見直す」ところまで気力が持ちませんでした。把握が軽くなると、その先の「考える」に時間を回せるようになります。
資産管理は、数字を眺めることが目的ではありません。次にどう動くかを考えるための土台です。土台づくりが軽くなったこと自体が、私にとっていちばんの変化でした。
私が使っている資産管理アプリ
ちなみに私が使っているのは、マネーフォワードMEです。銀行・証券・企業型DC・持株会・カードまでまとめて連携できるので、世帯の資産と家計をこれ1つで見ています。無料でも複数口座を連携できます。
道具は何でもかまいません。大事なのは、自分の資産が増えて「手作業では追えない」と感じたときに、把握を軽くする仕組みを持っておくことだと思います。
まとめ|資産管理は、投資家として成長した証
投資を始めた頃の私は、コナカ1銘柄しか持っておらず、資産管理という言葉すら不要でした。それが11年かけて、約80銘柄・約2,200万円・5つ以上の口座へと増え、いつの間にか「手で合計する」のが現実的でなくなっていました。
資産管理が必要になったのは、投資が難しくなったからではありません。続けてきた結果、管理する対象が増えたからです。そう考えると、資産管理が要るようになったこと自体が、投資家として一歩進んだ証なのだと思います。
コナカ1銘柄しか持っていなかった頃には、想像もしていませんでした。
もし今、口座や銘柄が増えて「全体がぱっと見えない」と感じているなら、それはあなたの資産が育ってきたサインかもしれません。まずは、自分の資産が今いくつの場所に分かれているかを数えてみるところからで十分だと思います。
なお、投資判断は最終的にご自身の責任で行ってください。この記事は私自身の記録であり、特定の商品や手法をすすめるものではありません。