「家族で登録するとポイントバックが2倍」という説明を見て、楽天証券の家族プログラムに妻と登録しました。ところが登録後に気づきます。私は手数料コースにゼロコースを設定していたため、その2倍がまったく効きませんでした。
同じ勘違いをする人は少なくないはずなので、実際に登録して分かったことを残しておきます。楽天証券を2015年から10年超メイン口座として使い、現在は約80銘柄・評価額およそ2,200万円を管理しているHIKOです。
この記事の3行サマリー
- 同姓・同住所なら提出書類は不要。家族の部店コードとお客様コードを入力し、家族側がメールの案内から同意して当日中に登録完了
- 目玉の超割ポイントバック1%→2%は、支払った手数料に対する還元。ゼロコースは国内株手数料が0円なので、2%をかける母数が存在しない
- 私のように売買頻度が低くゼロコースを使っている人なら、コースは変えず登録だけしておくのが現実的。逆に手数料を多く払っている人には超割コースが効く
楽天証券の家族プログラムとは|1親等以内の家族と紐づける無料サービス
家族プログラムは、楽天証券に口座を持つ家族どうしを紐づけると、ポイント関連の特典が上乗せされる無料サービスです。楽天証券公式の家族プログラム案内によると、対象は楽天証券の口座を持つ1親等以内の家族で、配偶者も含まれます。この記事の制度条件は、いずれも公式の案内および申込画面の記載を確認したうえで書いています。
紐づけても資産が合算表示されるわけではなく、家族の口座を自分が閲覧・操作できるようになるわけでもありません。あくまでポイントの取りこぼしを減らすための制度です。
登録は無料で維持コストもかかりません。だからこそ多くの解説記事が「登録しない理由はない」と書きます。それ自体は間違っていないのですが、得られる金額は人によってゼロになります。私がまさにそのケースでした。
家族プログラムの登録手順|同姓・同住所なら提出書類はゼロ
実際に踏んだ手順は次のとおりです。
- 楽天証券にログインし、家族プログラムの申込画面を開く
- 登録する家族(妻)の部店コードとお客様コードを入力する
- 申込内容を確認して送信する
- 妻あてにメールで通知が届き、妻が同意画面で同意して完了
申込は代表者1人がまとめて行う仕組みです。私が代表者になり、妻の操作は同意のみでした。申込から登録完了まで当日中に終わり、完了の連絡もメールで届いています。書類の郵送や審査待ちのような工程はありませんでした。
手元で必要になったのは妻の部店コードとお客様コードだけで、私の側で用意した書類は一つもありませんでした。準備で驚いたのは、本人確認書類も続柄を証明する書類も一切求められなかった点です。これは同姓かつ同住所だったためで、別姓または別住所の場合は住民票または戸籍謄本のアップロードが必要になります(発行から6ヶ月以内という条件付き)。
書類が不要なケースなら、家族のコードさえ控えておけば実作業は数分で終わります。
家族プログラムのメリットは2つ|超割の1%→2%と投信ポイントの+10%
メリットは大きく2つです。
| 特典 | 通常 | 家族プログラム登録後 |
|---|---|---|
| 超割コースの手数料ポイントバック | 1% | 2% |
| 超割コース大口優遇のポイントバック | 2% | 3% |
| 投資信託資産形成ポイント・ハッピープログラムの進呈ポイント | 100% | 110%(+10%上乗せ) |
解説記事で目玉として紹介されるのは、上段の超割コースのポイントバックです。還元率が倍になると書かれると、確かに大きく聞こえます。
しかし見落としてはいけないのが、この還元の母数が「支払った取引手数料」であるという点です。還元率が何倍になろうと、支払う手数料がゼロなら受け取るポイントもゼロになります。
ゼロコースだと超割2%のメリットは発生しない
楽天証券の国内株式には3つの手数料コースがあり、ポイントバックの有無はここで決まります。
| コース | 国内株式(現物・信用)の手数料 | 手数料のポイントバック |
|---|---|---|
| ゼロコース | いつでも誰でも完全無料 | なし |
| 超割コース | 55円/1回から | 手数料の1%(大口優遇達成で手数料無料かつ2%) |
| いちにち定額コース | 1日の約定代金合計100万円まで0円 | — |
私が設定していたのはゼロコースです。国内株の取引手数料が完全に無料になる代わりに、手数料に対するポイントバックはありません。手数料が0円である以上、その1%も2%も0円です。
つまり家族プログラムに登録しても、超割の特典を受け取る余地がそもそもなかったわけです。登録画面の「ポイントバック率が2倍」という説明は、超割コースを設定している人に向けたものでした。
家族プログラムのために超割コースへ変更すべきか|試算すると損になる
では、2%を受け取るために超割コースへ変更する価値はあるのでしょうか。手数料コースの変更画面まで進んで検討しましたが、変更しないという結論になりました。
ポイントバックは、支払った手数料の一部が戻ってくる仕組みにすぎないからです。約定代金5万円までの取引を例にすると、こうなります。
| 項目 | ゼロコース | 超割コース(家族プログラム登録済み) |
|---|---|---|
| 1回あたりの手数料 | 0円 | 55円 |
| ポイントバック | なし | 1ポイント(55円の2%) |
| 実質負担 | 0円 | 54円 |
年24回取引すれば、手数料1,320円に対して戻るのは26ポイント程度です。手数料を払わない選択肢が存在する以上、払った分の98%は戻ってきません。還元率が倍になることと、支出が減ることはまったく別の話です。
私は国内株の売買頻度が低く、米国株の売買もしません。手数料を払う機会自体が少ないので、超割コースに変えるメリットは最初から存在しませんでした。家族プログラムのために手数料コースを変えるのは順序が逆で、手数料コースは自分の取引スタイルに合わせて決めるものです。
投信ポイント+10%は実際いくらか|規模感を数字で確認する
超割の特典が効かなくても、投資信託資産形成ポイントおよび楽天銀行ハッピープログラムの進呈ポイントに+10%が上乗せされる分は、手数料コースに関係なく受け取れます。
ただし、こちらも規模感は把握しておいたほうがいいです。上乗せは進呈ポイントの1割なので、次のようになります。
| 年間の進呈ポイント | 家族プログラムの上乗せ分 |
|---|---|
| 100ポイント | +10ポイント |
| 300ポイント | +30ポイント |
| 500ポイント | +50ポイント |
上乗せ額は、受け取っている進呈ポイント数に応じて変わります。進呈ポイントが年間数百ポイント規模であれば、上乗せは数十ポイント程度という計算です。家計に影響する金額ではありません。それでも登録は無料で手続きは数分、維持の手間もゼロなので、コストがかからない以上プラスなら拾っておくという判断で問題ないと考えています。
進呈ポイントの条件は残高や設定によって変わります。自分がいくら受け取っているかは、楽天証券のポイント履歴で確認するのが確実です。
楽天証券の家族プログラムにデメリットはある?
金銭的なデメリットはありません。登録料も維持費もかからず、登録したことで手数料が上がることも、ポイントが減ることもありません。
ただし、注意点はいくつかあります。
- 家族の同意が必要。申込だけでは完了せず、相手が同意画面で操作するまで登録されません。相手に手間をかける以上、事前のひと声はあったほうがいいです
- 別姓・別住所の場合は書類提出が必要。住民票または戸籍謄本を発行6ヶ月以内で用意します
- ゼロコースだと超割の特典が効かない。この記事の本題で、期待値を見誤りやすい最大のポイントです
- IFA(金融商品仲介業者)経由・提携金融機関経由の口座はポイント特典の対象外です
- 資産の合算表示や家族口座の閲覧ができる機能ではありません。家計をまとめて管理したい場合は別の手段が必要です
デメリットはほぼありません。ただし「登録すれば大きく得をする」という期待で臨むと、私のように肩透かしを食らいます。
家族プログラムはどんな人におすすめ?
タイプ別に整理します。
| タイプ | 判断 |
|---|---|
| すでに家族が楽天証券に口座を持っている | 登録する。無料で数分、投信ポイントの+10%は確実に乗る |
| ゼロコースで売買頻度が低い(私のケース) | 登録はする。ただしコース変更はしない |
| 超割コースで手数料を毎年支払っている | 登録の効果が最も大きい。ポイントバックが倍になる |
| デイトレードなど売買回数が多い、大口優遇の条件を狙える | 手数料コースの選択自体を再検討する価値がある。この層は超割コースが合理的になりうる |
| 家族に楽天証券の口座がない | 家族プログラムだけを目的に口座開設するメリットは大きくない。NISAや投信積立など他の目的があるなら、あわせて利用するとよい |
手数料を払っている人ほど得をする制度です。逆に手数料をゼロにしている人にとっては、投信ポイントの+10%だけが残ります。
よくある質問
ゼロコースでも登録する意味はありますか。
あります。超割のポイントバックは発生しませんが、投資信託資産形成ポイントとハッピープログラムの進呈ポイント+10%は手数料コースに関係なく適用されます。無料で数分なので、登録しない理由は特にありません。
あとから超割コースへ変更できますか。
手数料コースは設定画面からいつでも変更できます。ただしこの記事で試算したとおり、家族プログラムの2%を目当てに変更すると、支払う手数料のほうが大きくなります。変更するかどうかは自分の売買頻度で判断してください。
別住所や別姓でも登録できますか。
できます。その場合は続柄を確認するため、住民票または戸籍謄本(発行から6ヶ月以内、発行元印が鮮明で申込者と家族の氏名が記載されているもの)のアップロードが必要になります。同姓かつ同住所なら書類は不要です。
子どもの口座も対象になりますか。
対象は1親等以内の家族なので、子も範囲に含まれます。ただし家族側にも楽天証券の口座があることが前提です。未成年口座の扱いは公式の申込画面で条件を確認してください。
家族が楽天証券の口座を持っていない場合はどうなりますか。
家族プログラムは双方が楽天証券に口座を持っていることが前提なので、まず口座開設が必要です。ただし本記事のとおり得られる金額は限定的なので、この制度のためだけに開設する必要はありません。NISAや投信積立を家族でも始めたい、という別の動機があるときに検討すれば十分です。
まとめ
- 家族プログラムは楽天証券の口座を持つ1親等以内の家族と紐づける無料サービス。妻と登録した
- 同姓・同住所だったため提出書類はゼロ。家族の部店コードとお客様コードを入力し、妻が同意して完了
- 目玉の超割ポイントバック1%→2%は、手数料コースがゼロコースだと母数が0円のため発生しない
- 特典目当ての超割コースへの変更は損。5万円の取引で55円払って戻るのは1ポイント程度
- 私のように売買頻度が低くゼロコースを使っている人なら、コースは変えず登録だけしておくのが現実的。手数料を多く払っている人には超割コースの効果が大きい
「登録すればポイント2倍」という説明だけを見て期待すると、自分に効くかどうかを取り違えます。まず自分の手数料コースを確認する。それがこの制度への正しい入り口です。
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※本記事は公開情報と個人の実体験にもとづく見解です。制度内容は変更される場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いします。