かんぽ生命「新ながいきくん」は得か損か|45年保有でIRR年1%前後の実態

平成時代を生きた30代・川崎市在住の HIKO です。保険業界で10年働いたあと IT企業へ転職、現在は FP2級として家計と投資の発信をしています。本記事では、かんぽ生命の終身保険「新ながいきくん」を、解約返戻率と内部収益率(IRR)の両面から検証します。 「新ながいきくん」は終身の死亡保障を持ちつつ、長期保有で解約返戻金が積み上がる貯蓄性タイプの終身保険です。よく「ながいきくんは元本割れする」と言われますが、これは半分正解で半分誤解です。払込期間中に解約すると返戻金が払込総額を大きく下回りやすい一方、払込終了後はゆっくり返戻率が上がり、長期保有でようやく100%を超えていく設計になっています。本記事では公式の保険料例(2026年5月時点)に、終身保険一般の返戻金水準と税制値を組み合わせて、デメリットと損益分岐点を概算で確認していきます。 本記事の返戻率・IRRは、2026年5月時点の公式保険料例と、終身保険一般の解約返戻金水準を基にした概算試算です。実際の返戻金は契約年齢・性別・予定利率・契約者配当の有無・契約プランによって変動するため、最終判断は必ず設計書で確認してください。 結論:「新ながいきくん」の特徴は3点に整理できる 検証してみると、新ながいきくんの貯蓄性は次の3点に整理できます。いずれも一般的な終身保険水準での概算評価です。 払込期間中の解約は元本割れリスクが高い:払込終了前に解約すると返戻率は100%を大きく下回るのが通常。低解約返戻金プランはさらに払込期間中の返戻金が抑えられる 実質利回り(IRR)は控えめ:払込終了後に長期保有してようやく返戻率が100%を超える設計で、長期IRRは年率1%前後にとどまりやすい 税優遇は一般生命保険料控除のみ:終身保険なので一般枠の対象。他の生命保険で枠を埋めている人は税メリットが乗らない ここから先は、公式の保険料例と、終身保険一般の返戻金水準を使って数字で整理していきます。 なぜ「かんぽ」は高齢層・親世代に強いのか 新ながいきくんの検討で多いのは「郵便局で勧められた」「親が長年入っている」「学資の流れで紹介された」というケースです。かんぽ生命が高齢層・親世代に支持されてきた理由は、商品設計より販売チャネルの特性にあります。 全国の郵便局窓口で相談・手続きが完結する:銀行よりも店舗数が多く、地方でも徒歩圏でアクセスできる 対面で書面を見ながら手続きできる:オンライン中心の民間生保より、紙ベースで進めたい層には心理的ハードルが低い 長年の馴染みがある:親世代から数十年契約しているケースも多く、ブランドへの信頼が世代をまたいで継承されやすい 「公的」というイメージ:実際には2007年に民営化されているものの、郵政グループの一員という印象から安心感を抱きやすい このアクセスの良さは、保険のように内容を理解しにくい商品では大きな価値になります。一方で、同じ理由から次のような行動も起きやすくなります。 郵便局員に勧められるまま加入し、保障内容を細部まで確認しないまま継続する 「貯蓄になる」という説明だけで、終身保険を資産形成商品と認識して加入する 高齢の親が「よく分からないが郵便局で言われたから」と契約を維持している 2019年に発覚した不適切販売問題以降、かんぽ生命のコンプライアンス体制は段階的に改善されています。とはいえ、相談時に保険契約者として商品理解を主体的に行うことの重要性は、どの保険会社・どのチャネルでも変わりません。窓口で勧められる商品が「自分の目的に合っているか」を判断する責任は、最終的に契約者側にあります。 保険業界で働いていた頃の感覚としても、「貯蓄になるから安心」という説明だけで終身保険に加入しているケースは少なくありませんでした。商品自体の良し悪し以前に、「自分の目的が死亡保障なのか貯蓄なのか」を契約前に明文化することが、後悔を避ける一番の近道です。 「新ながいきくん」の公式条件を整理する まず2026年5月時点でかんぽ生命公式が示している条件を整理します。 項目内容商品種類終身保険(普通終身保険)/定額型・ばらんス型・おたのしみ型の3タイプ契約可能年齢定額型 15〜85歳/ばらんス型 15〜65歳/おたのしみ型 15〜70歳基本保険金額100万円〜1,000万円保険料払込期間加入年齢ごとに設定(30歳加入→55歳払込済 など、25〜20年区切り)保険料例(30歳男性・500万円・55歳払込済)定額型 13,900円/月、おたのしみ型 15,350円/月解約返戻金プラン通常プラン/低解約返戻金プランの2種類倍型ばらんス型に2倍型・5倍型あり(払込期間中の死亡保障を2倍・5倍に上乗せ)取扱期間取扱中(2026年5月2日に保険料改定) 「新ながいきくん」は3タイプある終身保険のシリーズ名で、本記事では中心となる定額型で検証します。死亡保障は終身で続き、解約返戻金は年数経過に応じて積み上がる伝統的な貯蓄性終身保険の建付けです。 なお、低解約返戻金プランは「保険料を抑える代わりに払込期間中の解約返戻金を低く設定」する仕組みです。払込終了までは返戻金が通常プランの7割程度に抑えられるのが一般的で、払込期間中の解約は通常プラン以上に不利になります。 試算:30歳男性・基本保険金額500万円・55歳払込済の払込総額 公式の保険料例(定額型)で計算します。 月額保険料:13,900円 払込期間:25年(30歳〜55歳) 払込総額:13,900円 × 12ヶ月 × 25年 = 4,170,000円 これに対して死亡保障は基本保険金額500万円で終身。返戻金の積み上がり方は次のセクションで詳しく見ますが、現行近辺の終身保険レンジでは「払込期間中はゆっくり、払込終了直後にぐっと、その後も少しずつ」増えていく階段状の動きをするのが一般的です。 解約返戻金の推移と損益分岐点(概算試算) かんぽ生命は契約年齢・性別ごとの個別返戻金表を公表していないため、ここでは現行近辺の終身保険レンジを参考に概算で示します。30歳男性・500万円・25年払込・定額型の通常プランで、解約返戻金の目安は次の通りです(実額は契約時の設計書で必ず確認してください)。 経過年数(年齢)払込累計返戻金目安返戻率目安5年経過(35歳)834,000円約42〜50万円約50〜60%10年経過(40歳)1,668,000円約100〜120万円約60〜72%15年経過(45歳)2,502,000円約180〜205万円約72〜82%20年経過(50歳)3,336,000円約270〜295万円約81〜88%25年経過(55歳・払込済直後)4,170,000円約385〜410万円約92〜98%30年経過(60歳)4,170,000円約410〜430万円約98〜103%35年経過(65歳)4,170,000円約440〜460万円約105〜110%45年経過(75歳)4,170,000円約480〜510万円約115〜122% 上記は一般的な終身保険水準での概算で、契約者配当の有無や予定利率改定によって変動します。払込終了直後(55歳)でも返戻率は100%を割るのが通常で、損益分岐点(返戻率100%)は概ね**払込終了から5〜10年後(60〜65歳)**になります。 低解約返戻金プランの場合、払込期間中の返戻金がさらに3割程度抑えられるため、払込終了前の解約はより不利になります。逆に払込終了後は通常プランに近い水準まで戻る設計が一般的です。 「ながいきくんは元本割れする」というのは、払込期間中の解約と損益分岐到達前の解約を指していることが多い表現です。「払込終了まで25年・損益分岐到達まで30〜35年」という時間軸を許容できるかが選択の最大論点になります。 実質利回り(IRR)を試算する 時間価値を考慮した内部収益率(IRR)を計算します。条件は次の通りです(返戻率は前述の一般的な終身保険水準を基にした概算で、実際の返戻金は設計書次第で変動します)。 拠出:月13,900円を25年間(300回) 受取:解約返戻金一括 返戻率と保有年数の組み合わせでIRRが大きく変わります。 解約タイミング返戻率目安受取額目安年率IRR目安55歳(払込済直後)約95%約396万円マイナス(元本割れ)60歳(払込済5年後)約101%約421万円年率約0.1%65歳(払込済10年後)約108%約450万円年率約0.7%75歳(払込済20年後)約118%約492万円年率約1.0% 長期保有して返戻率を最大化しても、IRRは年率1%前後というのが、現行近辺の終身保険レンジでの貯蓄性の実態です。返戻率118%という見た目の数字に対して、実質利回りは年率1%前後。これが「45年資金を拘束した上での実態」です。 生命保険料控除のメリットを差し引いてみる 「新ながいきくん」の死亡保障部分の保険料は一般生命保険料控除の対象です。年収500万円・所得税10%・住民税10%帯で概算します。 一般生命保険料控除の控除額(新制度) 年間払込保険料が80,000円超の場合、控除額は以下の上限まで取れます。 所得税:最大40,000円 住民税:最大28,000円 月13,900円×12ヶ月=年166,800円の払込なので、控除額は上限ベースで適用されます。 25年間の節税合計 所得税:40,000円 × 10% = 4,000円 住民税:28,000円 × 10% = 2,800円 年間節税額:6,800円 25年間の節税合計:6,800円 × 25年 = 170,000円 ただし、既に他の生命保険(収入保障保険・他の終身保険・個人年金保険など)で一般生命保険料控除を使い切っている人は、節税メリットはゼロです。30代既婚の方は収入保障保険などに加入しているケースが多く、控除枠が空いていないことが少なくありません。 ...

2026年5月15日 · 最終更新: 2026年5月31日 · HIKO

明治安田「じぶんの積立」は得か損か|実質利回りをIRRで検証

平成時代を生きた30代・川崎市在住の HIKO です。保険業界で10年働いたあと IT企業へ転職、現在は FP2級として家計と投資の発信をしています。本記事では、明治安田生命「じぶんの積立」の実質利回りを IRR ベースで検証し、定期預金・個人向け国債・NISA と並べて整理します。 ネット上の評判では「元本保証で安心」「返戻率108.3%はお得」という声が目立つ「じぶんの積立」ですが、デメリットも数字で確認しておきたいところです。元本保証・3年経過後はいつでも100%以上で解約できる安心感が魅力な一方、10年満期まで保有しても実質利回り(IRR)は**年率約1.07%**にとどまります。生命保険料控除を加味してもIRRは概算で年率約2.5%。元本保証商品としては優秀ですが、NISA 等の他選択肢との比較・物価上昇を考慮した実質購買力の観点では、選び方を整理してから入る商品です。本記事では公式条件(2026年5月時点)に基づき、メリット・デメリットを数字で確認していきます。 結論:「じぶんの積立」の特徴は3点に整理できる 「じぶんの積立」は元本保証・いつでも100%以上で返ってくる安心感が売りです。検証してみると、特徴は次の3点に整理できます。 実質利回りは控えめ:10年満期保有しても IRR は年率約1.07%。生命保険料控除込みでも概算年率約2.5%にとどまる 10年単位の資金拘束がある:5年払込→さらに5年据置で108.3%。3年未満の解約は元本割れ、5年解約だと返戻率100%ジャストで増加分はゼロ 税優遇は一般生命保険料控除のみ:他の生命保険で控除枠を使い切っていれば、税メリットの上乗せはありません ここから先は、公式条件と一般的な税制値を使って数字で整理していきます。 「じぶんの積立」の公式条件を整理する まず2026年5月時点の公式条件を整理します。 項目内容月額保険料5,000円〜(複数口契約で増額可)払込期間5年保険期間10年5年払込終了時返戻率100.0%(元本割れなし)10年満期時返戻率108.3%中途解約時の元本保証3年経過後から返戻率100%以上加入年齢被保険者6〜75歳・契約者18歳〜生命保険料控除区分一般生命保険料控除の対象 商品の建付けは「5年間月払い→そのまま5年据え置き→満期で返戻率108.3%」というシンプルな貯蓄型保険です。元本割れリスクが低く、預金より少し増える商品として位置づけられています。 なお、最低額は月5,000円ですが、口数を増やせば月2万円程度まで積み増しできます。ただし保険料控除の上限は所得税で年8万円超で頭打ち(控除額4万円)になるため、月1万円前後で頭打ちに近づきます。 試算:月1万円×5年払い込み・10年満期の実質利回り 月1万円×60ヶ月(5年)の払込で計算します。 払込総額:10,000円 × 60ヶ月 = 600,000円 満期受取額:600,000円 × 108.3% = 649,800円 増加額:49,800円 ここまでは単純な算数ですが、ポイントは「60万円が一括ではなく月1万円ずつ拠出された」「払込終了後5年間は据え置き」という時間構造です。 時間価値を考慮した内部収益率(IRR)を計算すると、月次IRRは約0.089%、**年率に換算すると約1.07%**になります。 返戻率108.3%という見た目に対して、実質利回りは約1.07%/年。これが「10年拘束した上での実態」です。 参考までに、5年払込が終わった直後に解約すると返戻率は100.0%、つまり IRR は年率ほぼ0%になります。「5年積み立てて100%で返ってくる」と聞くと安全に感じますが、5年間の機会を考えると実質的な増加はほぼ生まれません。 解約返戻金の推移:3年未満で解約すると元本割れする 公式のシミュレーション表によると、解約時の返戻率は以下のように推移します。 経過年数返戻率1年経過100%未満(元本割れ)3年経過100.0%5年経過(払込終了)100.0%7年経過104.5%10年経過(満期)108.3% 公式サイトには「3年経過後はいつでも100%以上の解約返戻金」との記載があります。3年未満で解約すると元本割れする点は要注意です。 また、5年経過時点(払込終了)でも返戻率は100.0%ジャストで、増加分(49,800円)はすべて残り5年間の据え置き期間に乗ってくる形になります。家計の急変で5年で解約してしまうと、60万円を5年間動かせなかっただけ、という結果になりやすい設計です。 生命保険料控除のメリットを差し引いてみる 「じぶんの積立」の大きな魅力は、保険料を払いながら一般生命保険料控除を受けられる点です。年収500万円・所得税10%・住民税10%帯で試算します。 一般生命保険料控除の控除額(新制度) 年間払込保険料が80,000円超の場合、控除額は以下の上限まで取れます。 所得税:最大40,000円 住民税:最大28,000円 月1万円積立時の節税額(年) 月1万円×12ヶ月=年12万円の払込なので、控除額は上限ベースで適用されます。 所得税:40,000円 × 10% = 4,000円 住民税:28,000円 × 10% = 2,800円 年間節税額:6,800円 5年間の節税合計 ただし、既に他の生命保険(医療保険・終身保険など)で一般生命保険料控除を使い切っている人は、節税メリットはゼロです。30代既婚男性の多くは医療保険や収入保障保険に加入しているため、控除枠が空いていないケースが少なくありません。 仮に控除枠がフル活用できたとして、5年間の節税合計は 6,800円 × 5年 = 34,000円。 ...

2026年5月15日 · 最終更新: 2026年5月31日 · HIKO

iDeCoに「50歳以上の追加枠」案──氷河期世代救済と報じられたが、本質は別にある

FP2級・投資歴11年のHIKOです。私自身はNISAと企業型DCで老後資金を積んでおり、iDeCoは制度上の重複の関係で併用していません。 2026年4月、自民党の議員連盟が「iDeCoに50歳以上限定の追加拠出枠を作る」という提言案を出しました。多くの報道は「氷河期世代の老後不安への救済策」というフレームで伝え、SNSでは「投資余力のない人を支援できていない」という反発が広がりました。 ただ、提言の元になった米国401kの制度を掘ると、これは世代救済ではなく、ライフサイクル後半の積立余力増加に対応した年齢ベース制度である可能性が高い、というのが見えてきます。30代の視点で整理します。 iDeCo「キャッチアップ拠出枠」とは何か(現時点では「提言段階」) 自民党の資産運用立国議員連盟が2026年4月にまとめた**「資産運用立国2.0に向けた提言」の中で、iDeCoや企業型DCに50歳以上限定の追加拠出枠(キャッチアップ拠出枠)**を設けるよう、政府に検討を求めたものです。 現時点で明らかになっている方向性は次のとおりです(まだ制度化されておらず、上限額や開始時期も決まっていません)。 対象は50歳以上 通常の掛け金上限に上乗せして拠出できる枠を新設する方向 掛け金は全額所得控除、運用益は非課税(通常のiDeCoと同じ枠組み) 米国の確定拠出年金(401k)の「catch-up contribution」を参考 iDeCoの基本的な仕組みは企業DCがない30代こそiDeCoをやるべき理由で解説しています。 なお、これとは別に2026年12月から通常のiDeCo拠出上限自体が引き上げられます(企業年金なしの会社員で月23,000円→62,000円など)。キャッチアップ枠は、この拡大後の通常上限にさらに上乗せする発想です。 「氷河期世代救済」と報じられたが… 報道の見出しは「氷河期世代の資産形成を支援」「iDeCoで氷河期世代を救済」というトーンが目立ちました。 確かに、氷河期世代(おおむね1993〜2004年ごろに社会に出た層)は20〜30代を非正規や低賃金で過ごし、資産形成のスタートが遅れた人が多い世代です。いま50歳前後でようやく暮らしが安定し、老後の準備を取り戻したい——そういう層に届けるのが提言の意図、と紹介されました。 ただ、参考にされた米国の制度を見ると、この「世代救済」というフレームは少し違って見えます。 米国401kのキャッチアップは「ライフサイクル後半」の制度 米国の401kにおけるキャッチアップ拠出は、特定世代を救うための一時的な制度ではなく、50歳以上を対象にした恒久的な年齢ベース制度です。 なぜ50歳という線が引かれているか。米国の家計データを背景に整理すると、こういう構造があります。 住宅ローンの負担が軽くなる(持ち家層の多くが返済終盤に入る) 子育てが終わる(教育費のピークを越える) 収入が生涯ピークに近づく 退職が現実的な期限として見えてくる つまり、可処分所得と「老後資金を本気で積み増したい動機」の両方が、50代で同時に高まりやすい。そこに合わせて税優遇枠を厚くする、というライフサイクル設計の制度です。 日本側の政策意図には「氷河期世代支援」「金融所得倍増」といった政治的メッセージも含まれているとみられます。ただ、制度設計そのものは米国型の「年齢ベース追加拠出」に近づく可能性があります。 SNSの反発「投資余力がない」という声 提言が報じられると、SNSではこんな反応が相次ぎました。 「投資に回すお金がない」 「公的年金で食えないからこうなった」 「結局、金持ち優遇では」 気持ちはわかります。iDeCoは所得控除がメリットの中心なので、所得が低ければ節税額も小さく、そもそも掛け金を出す余力もない、という構造です。 ここで一次データを確認します。 単身40代のデータが示すもの(限定的解釈) 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(2023年)」の単身世帯調査によると、40代単身世帯の金融資産保有額はこうなっています(金融資産非保有を含むベース)。 区分金額平均559万円中央値47万円 このデータが示せるのは、「40代の単身世帯」に限った金融資産の偏りです。氷河期世代全体の困窮を直接示すものではない点には注意が必要です。二人以上世帯や負債は含まれず、住居の持ち家比率なども反映されていません。 それでも、平均と中央値が10倍以上開いているという事実は残ります。少数の高資産層が平均を引き上げる一方で、半数は47万円以下——という分布の偏りは、税優遇制度の議論には影響します。 税制優遇は構造的に「余力がある人」を後押しする 所得控除型の制度(iDeCo・小規模企業共済など)は、設計上どうしても「掛け金を出せる人」「税率が高い人」ほど恩恵が大きくなる仕組みです。 掛け金を出せない → 控除の対象がない 所得税率が低い → 節税額も小さい 所得税率が高い(高所得層)→ 節税額が大きい NISAや英国のISAのように、所得控除を使わず運用益非課税を中心に設計する制度もあります。掛け金時点の所得控除を組み込む設計は、節税効果が所得に応じてスケールするぶん、メリットの偏りが出やすい構造になります。 iDeCoのキャッチアップ拠出枠を新設しても、この構造的な性格は変わりません。「投資余力がない人を救う制度ではない」という前提を、報道も読者も共有したほうが議論が噛み合うと思います。 低年金そのものへの対策は、別ルートで考える必要があります。よく挙げられる王道はこの2つです。 基礎年金の保険料納付期間の延長(現行40年からさらに延長) 短時間労働者の厚生年金への適用拡大 2024年の年金財政検証では、女性や高齢者の就労拡大、賃金上昇を背景に、若い世代の平均的な年金水準は実質的に上がる見込みも示されています。「氷河期世代だけが特別に低年金になる」とは限らない、という点もあまり知られていません。 若い世代こそ、本来この制度の恩恵を最大化できる iDeCoのような所得控除+運用益非課税の制度は、理屈の上では若い人ほど有利です。 複利が効く期間が長い 節税の年数(控除を受けられる年数)が多い 投資先のリスクを長期で吸収できる ところが、制度設計上は若年層ほど有利なのに、実際には可処分所得の少なさから20〜30代の加入率は高くありません。ここにも「制度メリットを享受できる人」と「実際に使える人」のズレがあります。氷河期世代の議論と相似形の構造が、若い世代側にも存在しているわけです。 報道のサイクル上、注目を集めやすいのは「50代向け追加枠」「氷河期世代救済」といった見出しのほうです。若い世代向けの恒久的な仕組みは「すでに使える制度」として日常化し、ニュースになりにくい。今ある制度を最大限に使うほうが、新制度を待つよりはるかに合理的だと思います。 30代の私はどう受け止めたか 私自身は企業型DCがあるためiDeCoを併用していませんが、もし企業型DCのない会社員なら、iDeCoは最優先で検討する制度だと考えています。NISAだけだと所得控除がないので、節税という強力な武器を一つ使わないことになるからです。 その上で、今回のキャッチアップ拠出枠の話を整理すると、論点は2つに収束します。 2026年12月の通常枠拡大が先に来る。まずはこの新上限の活用が現実的な選択肢 キャッチアップ枠が導入されても、税優遇の恩恵を最も受けやすいのは長期間積み立てた人である点は変わらない 長期制度では「いつ始めるか」と同じくらい、「どの金融機関を選ぶか」で差が積み上がります。制度議論がどう転んでも、ここは個人の手で動かせる部分です。 企業DCがない30代はiDeCoを最初に検討 通常上限の引き上げが先に来ることを踏まえると、土台になるのは長期の通常拠出です。手数料無料の金融機関を最初に選んでおくと、長期で十数万円の差になります。 iDeCo口座の比較を見る → まとめ 自民党議連の2026年4月提言で、iDeCoに50歳以上限定の追加拠出枠が提案された(現時点では提言段階) 報道は氷河期世代救済として扱ったが、参考にされた米国401kは世代救済ではなく、50代で積立余力が増えるライフサイクル設計の制度 40代単身世帯の金融資産は平均559万円・中央値47万円(2023年調査)と乖離が大きいが、これは限定的なデータで氷河期全体の困窮を直接示すものではない 所得控除型の税優遇は構造的に「掛け金を出せる人」を後押しする。低年金そのものへの下支えは公的年金側で議論する必要がある 制度上は若い世代こそが税制優遇の最大の受益者になりうるが、加入率が低いというズレも残る。新制度を待つより、今ある制度を最大限に使うほうが合理的

2026年5月12日 · 最終更新: 2026年6月6日 · HIKO

企業年金の利回り1.68%時代へ|元本確保型のままでいいのか30代向けに解説

日本生命が2026年5月8日、企業向け団体年金保険(一般勘定)の2025年度配当込み利回りを1.68%に引き上げる方針を発表しました。 結論から言うと、これは元本保証型としてはかなり改善した数字です。ただし30代の資産形成という視点では、少なくとも現時点では、NISA・iDeCoを優先する構図は変わらないというのがFPとしての見立てです。 この記事はこんな人向け 会社の企業年金(DB・DC)をなんとなく放置している人 「元本保証で増える商品」が気になっている人 NISAと貯蓄型保険のどちらを優先すべきか迷う30代 保険業界に10年在籍したのちIT企業へ転職した、平成時代を生きた30代のHIKO(FP2級・投資歴11年)が、このニュースを「個人の家計目線」に翻訳します。 結論|1.68%は「元本保証としては良い」、ただし主役にはならない 最初にもう一度結論を整理します。 1.68%はメガバンク普通預金(0.2%)の約8倍で、元本保証型としては合格点 ただし**直近の国内消費者物価上昇率(年2%台)**には届いていない可能性がある オルカン・S&P500は過去の長期実績ベースでは年5%前後で語られることが多く、依然として大きな差 多くの30代にとっては、NISA・iDeCoを軸に据える戦略を変える数字ではない この4点をふまえて、以下で「何が起きたのか」「なぜ起きたのか」「個人はどう動くべきか」を順に見ていきます。 ニュースの3行要約|「1.68%」「配当込み」「一般勘定」を分解する 報道のポイントを3行で整理します。 対象:企業向け団体年金保険(厚生年金基金・確定給付企業年金などで企業がまとめて加入する商品) 区分:一般勘定(元本と一定の利率が保証される運用区分) 数字:2025年度の配当込み利回りを1.68%に引き上げ(約5年ぶりの水準) 背景:国内外の金利上昇と株高による生保各社の運用環境改善 注意点として、「予定利率」と「配当込み利回り」は別物です。予定利率は契約時に保証される最低保証部分で、配当込み利回りはそこに運用実績に応じた配当を上乗せした実質利回りを指します。今回引き上がるのは後者です。 団体年金の世界では、0.1〜0.2%の改定でも大きなニュースになります。企業が負担する掛金や、母体企業の年金債務評価に直結するためです。1.25%前後が続いていた水準から1.68%への引き上げは、企業年金担当者にとっては「ようやく一息つける」体感の改定です。 なぜいま上がったのか|日銀の政策転換が効いている 背景を一段深掘りすると、日銀のマイナス金利解除以降、国内金利環境が緩やかに変わりつつあり、生保の主力運用先である国内債券の利回りも改善していることが大きいです。生保の一般勘定は債券中心の構成のため、長期金利が戻れば数年遅れで運用利回りに反映されます。今回の改定はその時間差リターンが表に出てきた形です。 「1.68%」はどれくらいすごいのか|5つの体感比較 数字単体ではピンと来ないので、身近な利回りと並べてみます。 比較対象利回り(年率)1.68%との差メガバンク普通預金約0.2%約8倍大手ネット定期預金(1年)約0.4〜0.5%約3〜4倍個人向け国債(変動10年)約0.7〜1.0%(直近実勢)約1.7〜2倍直近の国内消費者物価上昇率約2%台届いていない可能性オルカン・S&P500(過去長期実績の目安)年5%前後で語られることが多い約3分の1 (注:オルカン・S&P500の「年5%前後」は過去の長期インデックス投信実績から語られる目安で、将来を保証する数値ではありません。物価上昇率は総務省統計局の公表値を参考。利回り水準は2026年5月時点の各種公開情報・報道ベース) 「預金よりはずっと良いが、株式インデックスには届かない、インフレにもギリギリ届かないかもしれない」——これが1.68%の体感値です。 そもそも「一般勘定」とは|元本保証の代わりに利回りは抑えめ 一般勘定は、生命保険会社が契約者から預かった保険料を、自社の責任で運用する勘定区分です。元本と一定の利率が保証される代わりに、運用がうまくいっても契約者が受け取る配当には上限があり、運用が悪化しても保険会社側が穴埋めする仕組みです。 対になるのが特別勘定で、こちらは投資信託のように運用実績がそのまま契約者の資産価値に反映されます。変額保険・変額年金は特別勘定タイプです。 区分元本保証利回りの上限主な商品一般勘定あり配当込みでも控えめ終身保険・個人年金・団体年金(保証型)特別勘定なし運用実績次第変額保険・変額年金 各社開示資料ベースでは、一般勘定は国内外の公社債を中心に、株式・不動産・オルタナティブを一部組み入れたポートフォリオが一般的です。今回1.68%まで上がったのは、国内外の金利上昇で債券の利回りが戻ってきたことが一番大きな要因と読み取れます。 業界の中から見た「予定利率上昇」の意味 ここは、保険業界10年で見てきた中の人としての観点です。 予定利率や配当が上がったというニュースが出ると、保険会社の営業現場では貯蓄型保険を推しやすくなります。販売員側の心理として「いまが入り時です」という訴求がしやすくなるからです。 ただし販売側にいた立場で正直に書くと、現在の円建て貯蓄型保険は、資産形成の"主役"にはなりにくいというのが当時から変わらない感覚でした。理由は3つあります。 **付加保険料(手数料相当)**が外部からは見えにくく、IRRで見ると表面利回りより必ず低くなる 途中解約のペナルティが大きく、流動性が極めて低い NISA・iDeCoの税優遇を使い切る前に保険でロックする経済合理性が薄い 団体年金は「保険会社×企業」の大口契約なので、個人向けより条件が良くなる構造です。個人がそのまま1.68%にアクセスできるわけではない点は、誤解しないようにしたいところです。 NISA・iDeCoとの位置づけ|なぜそれでも"主役"を変えないのか NISA・iDeCoと並べたときの位置関係を整理します。 商品想定利回り(年率)元本保証税優遇流動性団体年金(一般勘定・配当込み)約1.68%あり企業負担分は損金算入等低(個人は直接加入不可)個人年金保険(個人契約・円建て)約0.4〜1.2%(IRR概算)あり個人年金保険料控除低iDeCo(インデックス投信)過去実績ベースで年3〜5%の目安なし拠出時・運用益・受取時60歳まで原則引き出し不可NISA(インデックス投信)過去実績ベースで年3〜5%の目安なし運用益非課税高(いつでも売却可) (注:iDeCo・NISAの「年3〜5%」は過去の長期インデックス投信実績から語られる目安で、将来を保証する数値ではありません) 元本保証としては優秀ですが、長期の資産形成では**「税優遇」と「複利」の差**が依然として大きい——これがNISA・iDeCo優位が続く理由です。さらにNISAは流動性が高く、ライフイベントへの対応力という点でも優位です。 企業型DCを元本確保型で放置している人はどう考えるべき? このニュースに反応して動いてほしいのは、実は企業型DC(確定拠出年金)を元本確保型のまま放置している人です。 実際、企業型DCを「入社時から一度も商品を変更していない」人はかなり多いです。会社が選んだデフォルト商品(多くは定期預金・保険系の元本確保型)に、毎月の掛金が積み上がり続けている状態です。 もし20代から元本確保型100%のままなら、過去10年以上の株式上昇をほぼ取り逃している可能性があります。今回の団体年金1.68%ニュースは「金利が戻ってきた」というポジティブな話ですが、それでも過去10年の世界株式の上昇には遠く及びません。 DCは60歳まで原則引き出し不可なので、20代・30代の運用期間は構造的に長くなります。短期的な値動きよりも、長期で複利を効かせられる商品配分になっているかを一度確認する価値があります。 「会社が勝手に運用してくれていると思っていた」という人ほど、一度確認してみる価値があります。 具体的な放置リスクの試算と、見直し手順は別記事で詳しく書いています。 関連:企業型DCを元本確保型で放置しているとどうなるか 元本確保型のままだといくら差がつくか|機会損失シミュレーション 「過去10年の上昇を取り逃している可能性」と書きましたが、抽象的なので具体的な数字に落としてみます。あくまで一定利回りが続いた場合の単純試算で、将来を保証するものではありませんが、差のスケール感をつかむには十分です。 前提は、毎月2万円を30年間積み立てるケースです。利回りを「団体年金1.68%(元本確保型に近い水準の目安)」と「株式インデックスの過去長期実績の目安5%」で置いた場合、積立元本720万円が30年後にどうなるかを比較します。 月2万円×30年積立 利回り別の到達額(試算) 720万円 元本のまま 935万円 1.68%で運用 1665万円 5%で運用 毎月2万円を30年積み立てた場合の積立終価の試算。月複利・税金や手数料は考慮しない概算。利回りは将来を保証する数値ではありません。 数字で並べると差がはっきりします。 ...

2026年5月9日 · 最終更新: 2026年6月25日 · HIKO

家賃25万円の世帯年収はいくら必要か|共働き1,300万・単独1,500万が現実ライン【手取り比率で逆算】

家賃25万円を無理なく払える世帯年収は、共働きで1,300万円、単独(一馬力)なら1,500万円が現実ラインです。貯蓄・投資を並走させる安全圏は世帯年収1,500〜1,800万円。額面ではなく手取り月収の28%以下で考えるのが鉄則で、世帯年収1,200万円では家賃25万円は手取りの35%前後を占め、貯蓄ペースが急落します。 本記事は2026年5月時点の社会保険料率・所得税率・住民税率をもとに試算しています。実際の手取り額は年齢・扶養家族・住宅ローン控除等の有無で変動します。 平成時代を生きた30代会社員・HIKOです。夫婦二人暮らし(子どもなし)、世帯年収1,200万円の共働き夫婦。保険業界10年→IT企業、FP2級保有。独身時代は港区1K・家賃16万円、結婚を機に川崎へ転居しました。「家賃25万円を払える世帯」を世帯年収から逆算する設計目線で書きます。 結論:家賃25万円なら世帯年収はいくら必要か 先に数値で出します。 家賃25万円を無理なく払える世帯年収の目安は、共働き世帯で1,300万円以上、単独世帯(一馬力)なら1,500万円以上です。貯蓄・投資を並走させるなら世帯年収1,500〜1,800万円が安全圏になります。逆に世帯年収1,000万円未満で家賃25万円を選ぶと、手取りの40%超を住居費が占め、教育費・老後資金の積み上げが構造的に止まります。 「家賃25万円 世帯年収」「家賃25万 年収」で検索したときに最初に欲しいのはこの数値だと思います。以下、なぜこのレンジになるのかを手取り比率別に逆算で示します。 早見:世帯年収レンジ別の判定 世帯年収家賃25万円の手取り比率(概算)判定500万円70%超物理的に不可能700万円50%前後生活崩壊ライン1,000万円40%前後貯蓄ほぼ不可能1,200万円35%前後節約前提・貯蓄鈍化1,300万円(共働き)30〜32%共働きなら現実ライン1,500万円28%前後標準・貯蓄並走可能1,800万円超25%以下安全圏 判定はあくまで「家賃25万円・夫婦二人・子どもなし」の前提です。子どもの有無や貯蓄目標で重さは変わります(後述)。 家賃25万円の必要世帯年収【手取り比率別 早見表】 家賃を「世帯手取り月収の何%にするか」で必要年収が変わります。家賃25万円を逆算すると以下のようになります。 手取り比率必要な世帯手取り月収必要な世帯年収(額面・概算)評価25%100万円約1,800万円安全圏(貯蓄・投資が並走できる)28%約89万円約1,500〜1,600万円標準(貯蓄ペースは鈍るが回せる)30%約83万円約1,400〜1,500万円やや重い(貯蓄目標は要調整)35%約71万円約1,200〜1,300万円やや重い(教育費・貯蓄との両立に注意)40%約63万円約1,100万円節約・先取り貯蓄前提でないと厳しい 額面年収から手取りへの圧縮率は、世帯年収1,200〜1,800万円帯で**おおむね70〜75%**で計算しています(社会保険料・所得税・住民税控除後)。共働きで2人分の所得控除・社会保険料が分散される世帯はやや圧縮率が高め、単独で1,500万円以上を稼ぐ世帯は税率が跳ね上がるため圧縮率が低めになります。 ここで重要なのは、「世帯年収1,200万円なら家賃25万円が払える」という単純な額面比較は実態とズレるということです。世帯年収1,200万円の世帯手取りは、共働きか単独かで差がありますが、おおむね月70〜80万円前後。家賃25万円は手取りの30〜35%前後になり、貯蓄・投資の余地は小さくなります。 家賃25万円は手取りいくらなら払えるのか 「家賃25万 手取り」で調べる方は、年収ではなく今の手取り月収で払えるかを知りたいはずです。手取り月収から逆引きすると、家賃25万円の許容ラインは以下のとおりです。 世帯手取り月収家賃25万円の比率判定手取り40万円約63%不可能。生活費が出ない手取り50万円50%生活崩壊ライン手取り60万円約42%貯蓄ほぼ不可能手取り70万円約36%節約前提・貯蓄鈍化手取り80万円約31%共働きなら回せる手取り90万円約28%標準・貯蓄並走可能手取り100万円25%安全圏 家賃25万円を「無理なく」払う目安は、世帯手取り月収90万円(家賃比率28%)以上です。手取り40万円・50万円で家賃25万円を選ぶと、住居費だけで手取りの半分以上が消え、食費・光熱費を払った時点で残高が尽きます。手取り70万円台でも比率は35%前後で、貯蓄ペースは確実に鈍化します。 家賃のような長期固定費は、ボーナスを含めない「毎月の世帯手取り」だけで完結できる金額に設定するのが原則です。 世帯手取りに対する家賃25万円の負荷イメージ 数字だけだと体感しづらいので、世帯手取り別に「家賃25万円が占める割合」を可視化します。 世帯手取り月収に対する家賃25万円の比率(%) 42% 手取り60万 36% 手取り70万 31% 手取り80万 28% 手取り90万 25% 手取り100万 家賃25万円÷世帯手取り月収。28%以下が安全圏、35%超は家計が硬直化しやすくなります 世帯手取り90万円(世帯年収1,500万円前後)でようやく28%に収まります。逆に手取り70万円(世帯年収1,200万円前後)だと36%で、貯蓄・投資の余地は小さくなります。 年収500万・600万・800万・1,000万・1,200万で家賃25万円を選ぶと何が起きるか 「家賃25万 年収」の検索意図には、「今の自分の年収で本当に払えるのか」を確認したいニーズが含まれます。年収レンジ別に、家賃25万円を選んだ場合の手取り比率と家計シナリオを示します。 年収(額面)月収手取りの目安家賃25万円の比率起きること500万円(単独)約32〜33万円約76%物理的に成立しない。生活費が出ない600万円(単独)約38〜40万円約63%食費すら確保できないライン800万円(単独)約50万円約50%貯蓄ゼロ・突発支出で即赤字転落1,000万円(単独)約62万円約40%貯蓄不可・教育費・老後資金が積み上がらない1,200万円(単独)約72万円約35%節約前提でなんとか黒字。貯蓄ペースは年100万円未満1,200万円(共働き)約80万円約31%共働きなら回せるが、産休・育休で破綻リスク1,300万円(共働き)約86万円約29%現実ライン。貯蓄は年100〜200万円が限界1,500万円(共働き)約96万円約26%標準。NISA・iDeCo並走で年300万円貯蓄が可能1,800万円(共働き)約113万円約22%安全圏。教育費・老後資金を並行積立できる 世帯年収1,200万円で家賃25万円を選ぶと何が起きるか 私自身の世帯年収帯です。手取りベースで月70〜80万円のうち25万円が家賃に消えると、残りは45〜55万円。ここから食費・通信・光熱費・保険・交際費・被服・医療を引くと、貯蓄に回せるのは月5〜10万円。年間60〜120万円のペースになります。 世帯年収1,200万円で目指したい貯蓄・投資ペースは年200〜300万円。家賃25万円を選ぶとこのペースの半分以下になり、教育費・老後資金の積み上げが10〜15年単位で遅れます。「払えるけど詰まる」のが世帯年収1,200万円帯のリアルです。 世帯年収1,000万円以下で家賃25万円は構造的に不可 年収500〜800万円の単独世帯で家賃25万円を選ぶと、家賃比率が50〜76%に達します。これは「節約すれば何とかなる」レベルではなく、食費・通信費・光熱費を払った時点で残高が尽きる構造です。検索で辿り着いた方が年収500〜800万円帯であれば、家賃を15〜20万円に下げるか、世帯年収を1,300万円以上に引き上げる二択になります。 家賃を抑えるエリア選びは川崎の家賃は高い?武蔵小杉・川崎駅・溝の口のエリア別相場と安く住む方法、世帯収入を引き上げる選択肢は手取りが少ないと感じた原因は家賃だったを参照してください。 共働き世帯と単独世帯で必要年収はどう変わるか 「家賃25万 共働き 年収」「家賃25万円 必要年収 共働き」を調べる人が多いので、ここを丁寧に分けます。 共働き世帯(夫婦二人で稼ぐ)の場合 共働きは所得が2人に分散されるため、税負担が単独より軽くなります。世帯年収1,500万円を「夫800万円+妻700万円」で分けると、それぞれの所得税率は20%帯に収まり、社会保険料も分散されるので世帯手取りは約1,150万円(月96万円)になります。 ...

2026年5月8日 · 最終更新: 2026年7月2日 · HIKO

企業型DCを元本確保型のまま放置は危険──インフレ時代の実質目減りと30代の見直し3つ

「企業型DCに加入しているけれど、元本確保型のまま放置している」——この状態の人が、加入者の**5人に1人(21%)**います。 退職給付の実質的な価値は、物価上昇が続いた場合、20年で24%減少するケースも示されています(三井住友信託銀行の試算)。元本は減らなくても価値が削られる可能性がある、というのがインフレ局面の論点です。 ただし、元本確保型が合理的なケースもあります。FP2級・投資歴11年・自分の企業型DCに約2年加入しているHIKOの目線で、放置のリスクと「向く人もいる」両方を整理し、30代会社員が今すぐ確認すべき3つの見直しと運用商品の変更手順までまとめます。 この記事の結論(3行まとめ) 企業型DCを元本確保型のまま放置すると、インフレで実質価値が下がる可能性 30代は「積立余力×運用期間×制度拡充」が同時に揃う見直し最適タイミング 配分変更+スイッチングはWeb操作10〜20分程度で完了することが多い 結論:DCは「持っているだけ」では価値が削られやすい 知っておきたい数字値企業型DC加入者のうち、元本確保型のみで運用している人21%同じくiDeCo加入者の元本確保型のみ比率17%退職給付の実質価値の目減り試算(20年・物価上昇継続時)△24%企業型DCの加入者数(2024年度末)862万人(前年比+4%)確定給付(DB)の加入者数887万人(前年比△2%) 出典:運営管理機関連絡協議会、三井住友信託銀行、日本経済新聞2026年5月報道 何が起きているのか:DCがDBを上回る時代 企業年金の主役は、確定給付(DB)から確定拠出(DC)へと交代しつつあります。 2024年度末:DC 862万人/DB 887万人(差25万人) 2025年度に逆転見込み 中小企業の導入が牽引:事業所数は前年比+12%(5万8326件) これまでDBは「会社が運用責任を持つ」仕組みでした。低金利下で運用が立ちゆかなくなり、企業はDCに切り替えています。 大きな構造の流れ:終身雇用崩壊からNISA推進まで このDCシフトは、単独の制度変更ではなく、もっと大きな構造変化の一部です。 終身雇用が前提でなくなった:転職・副業が当たり前になり、退職金で報いる雇用慣行が縮小 退職金そのものが縮小:日本の退職金額は長期的に減少傾向 DBが企業財務を圧迫:低金利と長寿化で「給付額を約束する」仕組みが立ちゆかない DCへの移行:運用責任を会社から従業員個人へ NISA・iDeCoの拡充:「自分で作る退職金」を国が後押し 要するに、「会社がリスクを背負う時代」から「個人が運用責任を負う時代」へ舵が切られています。DCはその象徴であり、放置していい性質の資産ではなくなっています。 私自身も保険業界からIT系企業に転職したとき、入社手続きの紙の山の中にしれっと「企業型DC加入手続き」が入っていました。当時は「会社が勝手に積み立ててくれるやつ」程度の認識でしたが、商品を選ぶ意識を持っていたかどうかが、結果として後で効いてきます。 企業型DCを元本確保型のまま放置するとどうなる? 元本確保型は、定期預金や保険商品などで「元本を割らない」設計の商品です。価格変動を避けたい人には合理的な選択肢ですが、インフレ局面では実質的な購買力が下がる可能性があります。 iDeCoより企業型DCの方が元本確保比率が高い 元本確保型のみ比率企業型DC21%iDeCo17% iDeCoは自分で口座を開設して始めるため、ある程度「投資の意志」を持って入る人が多い構図です。一方、企業型DCは半ば自動的に加入させられるため、商品選びを後回しにしたまま放置されやすい——この差が4ポイント分として表れていると考えられます。 「元本は減らないからセーフ」の落とし穴 三井住友信託銀行の試算では、退職給付の額を物価上昇率で割り引いた**「実質退職給付」が20年で24%減**となるケースが示されています。あくまで物価上昇が続いた場合の試算ですが、インフレ率が運用利回りを上回る期間が続けば、実質価値が削られる方向に働くのは事実です。 具体的にイメージすると、いまの2,000万円で買える生活水準が、20年後には1,520万円分の生活水準まで縮小しうるという試算です。 元本確保型の利回りが実際にどの程度なのかは、企業年金の利回りが1.68%へ引き上げられた件を30代向けに整理した記事で数字を追っています。日本生命の団体年金(一般勘定)でも配当込み1.68%という水準で、物価上昇率2%台には届きません。「元本確保型は減らない」と「実質価値は守れる」は別の話だ、という構造がここでも確認できます。 なぜ企業型DCは定期預金のまま放置されやすいのか 放置率がiDeCoより4ポイント高い背景には、構造的な理由があります。 入社時に自動加入となり、商品選びの意識が薄いまま始まる 会社の説明会・運用教育が単発で、変更タイミングを逃しやすい 給与明細にひっそり載るだけで、自分のIDで運用画面にログインしたことがない人も多い 投資経験がない場合、「とりあえず元本確保型」を選んでそのまま忘れる つまり、「危険な選択をした」のではなく**「選び直す機会を持たないまま時間が過ぎている」**人が多い、というのが実態に近いと感じます。 元本確保型が向いている人もいる ここは大事な前提として書きます。元本確保型は誰にとっても悪、ということではありません。 次のような人にとっては合理的な選択肢です。 退職まで5年を切っている人:相場下落の回復を待つ時間がない 生活防衛資金が不足している人:DC残高にも安全資産を置いておきたい 値動きで眠れなくなる人:精神的な耐性は本人にしかわからない 既に他の口座(NISA等)で十分にリスクを取っている人:DCはバランス取りに使える ポイントは、**「自分で考えた上で選んでいるか」**です。本記事で「危険」と書いているのは、選択肢を比較しないまま放置している状態を指しています。 複利の差を試算してみる 「結局いくら違うのか」を、シンプルなモデルで見ておきます。 毎月1万円を30年間積み立てたケース(年利は仮定値): 運用方法想定年利30年後の評価額元本360万円との差元本確保型(定期預金水準)0.01%約360.5万円+約0.5万円株式インデックス(仮定)5%約832万円+約472万円 ※ 想定年利5%は、世界株式の長期平均リターン(過去数十年の名目リターン水準)を参考にした仮定値です。将来の運用成果を保証するものではありません。実際は相場・経費率・拠出金額・期間で結果は大きく変わります。 このモデルでは、元本確保型との差は約470万円規模になる可能性があります。年利の前提が下振れすれば差は縮みますが、月1万円程度の積立でも、長期では数百万円規模の差に開きうる、というのが複利の効果です。 なぜ30代が見直しの最適タイミングなのか 「複利の時間が長いから」だけでは説明が浅いです。30代が最適と言える理由は、「積立余力 × 運用期間 × 制度活用余地」の3軸が同時に揃う数少ない時期だからです。 年代積立余力運用期間見直し後の効果20代所得が不安定で限定的長い期間は十分でも積立額が小さい30代収入が安定し始め、教育費ピーク前退職まで25〜35年残る積立余力×期間の積が最大化しやすい40代教育費・住宅ローンのピークで枠が埋まる中程度余力が足りず動きづらい50代余力は出るが期間が短い限定的大きく動かす意義が小さくなる 特に40代以降は教育費の出費がピークに入るため、新たに月1〜2万円のマッチング拠出を追加する余力が削られがちです。30代は「家計に余白があり、かつ複利が最大化する」交点にあたります。 加えて、26年4月のマッチング拠出上限撤廃や、26年12月の月6万2,000円への引き上げといった制度拡充が「ちょうど30代の今」起きている点も大きい。制度の追い風と複利の追い風が重なる10年です。 30代が今すぐやるべき見直し3つ ① 運用商品ラインナップを確認し、必要なら振り替える 最低限、国内株式・先進国株式・全世界株式・S&P500のインデックスファンドがあるかを確認しましょう。信託報酬の低いものが選択肢にあれば、振り替えは検討に値します。 ...

2026年5月7日 · 最終更新: 2026年7月2日 · HIKO

クレカタッチ決済とSuicaはどう違う?川崎・京急・東急ユーザーの使い分けとVisa割で得する金額

「JRが非対応のいま、川崎民にとってクレカタッチ決済は本当に得なのか?」 結論から書くと、Suicaの完全代替にはなりません。 ただし京急〜都営直通や武蔵小杉〜渋谷・大手町のような「私鉄完結ルート」を週に何度も使う人なら、5月末までのVisa割キャンペーンで月最大600〜1,000円が自動で戻る計算になります。 川崎在住・都内勤務の30代会社員として、自分の家計目線で「使うべき場面」と「Suicaに戻す場面」を整理しました。 結論:川崎民の使い分け早見表 使うシーンおすすめ京急川崎→泉岳寺・日本橋(都営直通)クレカタッチ(全区間対応・Visa割の対象)武蔵小杉→渋谷・横浜(東急東横線)クレカタッチ(全区間対応)武蔵小杉→大手町(東急→東京メトロ)クレカタッチ(3月25日〜相互利用OK)川崎(JR)→東京・新橋・渋谷Suica(JR非対応のため)川崎(JR)→品川→京急Suica(JR部分が非対応)バス・JR・全国移動Suica(対応範囲が圧倒的) 実際に京急川崎駅で試したメモ 京急川崎駅でクレカタッチを使って改札を通ってみたところ、気づいた点は2つです。 対応端末は改札に3台:駅全体の改札のうち、クレカタッチ対応の端末は3台でした。利用者が増える時間帯はここに人が集まりやすい構造です 反応速度はSuicaより遅い:かざしてから「ピッ」が鳴るまで一拍あります。Suicaのタッチ即通過のテンポに慣れた身からすると、もう一歩のもどかしさがあります つまり、速さ・確実さで言えばSuicaが優位です。クレカタッチは**「Visa割の還元を取りにいくときだけ意識的に使う」**くらいの位置づけにしておくと、ストレスなく付き合えます。 何が変わったのか:3月25日に相互利用が解禁 2026年3月25日から、東急・東京メトロ・都営地下鉄・小田急・相鉄など関東11社局で、クレジットカードのタッチ決済による相互乗車が可能になりました。 これまでは事業者ごとに別々の改札判定だったため、東急で乗ってメトロへ直通する場合などはICカードに戻すしかありませんでした。今回の解禁で、乗り換えをまたいでも同じカード1枚で完結するようになったのが最大の変化です。 京急電鉄は2025年12月23日から都営地下鉄と先行連携しており、3月25日以降は11社局の相互利用にも加わっています。Visa・Mastercard・JCBのタッチ決済対応カード、またはスマホのウォレットに登録したカードで利用できます。 川崎民の実用シーン3選 京急川崎→日本橋・東銀座(都営浅草線直通) 京急本線から都営浅草線へそのまま入る通勤・出張ルートです。カード1枚で改札を抜けられるので、定期券範囲外の移動が多い人ほど便利になります。 武蔵小杉→渋谷・横浜(東急東横線) 東横線は全区間でクレカタッチが使えます。週末の渋谷・横浜への買い物移動で、Suicaのチャージ残高を気にせず使えるのは地味に効きます。 武蔵小杉→大手町・表参道(東急→東京メトロ) 3月25日以降に新しく開通した動線です。直通利用でも改札の自動判定でクレカ1枚完結になります。 クレカタッチ決済 vs Suica/PASMO 比較表 項目クレカタッチ決済Suica / PASMOチャージ不要(後払い)必要対応範囲私鉄・地下鉄中心、JR非対応全国の鉄道・バス・店舗運賃計算10円単位に切り上げ1円単位乗継割引非対応対応改札通過対応改札が1〜2台に限定・反応にラグの報告あり安定・全改札で利用可ポイント還元カード還元+Visa割(5月末まで30〜50%)Suicaポイント等の通常還元バス・店舗バス非対応、店舗はカード還元のみ鉄道・バス・店舗で共通利用 要するに、「ちょっと得な後払いカード」と「速くて確実なICカード」 の二刀流が現実解です。 Visa割で実際いくら戻るか:5月末までの試算 Visa割キャンペーンに対象カードを登録すると、対象路線の運賃の30%がキャッシュバックされます(上限600円、月2,000円分の運賃が対象)。三井住友カードやイオンカードなど一部のVisaカードは**最大50%**にアップします。 期間は2026年5月末まで。今日(5月8日)からだと残り約3週間です。月の対象運賃別に、戻る金額をまとめます。 月の対象運賃30%還元(通常Visa)50%還元(対象カード)1,000円利用300円戻り500円戻り2,000円利用(対象上限)600円戻り1,000円戻り3,000円利用600円(上限到達)1,000円(上限到達) 私鉄を週2〜3回往復する人なら、月2,000円ラインはあっという間に到達します。5月末まで残り約3週間でも、対象カードを登録するだけで月600〜1,000円が自動で戻る計算です。 逆に「JR中心で動く人」「定期券範囲内しか乗らない人」は対象運賃が積み上がらないので、Visa割の恩恵はほぼありません。自分が使う路線が対象かどうかを先に確認してから登録を判断すると無駄が出ません。 注意点:使う前に知っておきたい4つ クレカ対応改札は駅によって1〜2台のみのことが多く、混雑時に詰まる 運賃が10円単位に切り上げられ、乗継割引も非対応(私鉄完結ルートでもSuicaより数十円高くなることがある) JR東日本は非対応。川崎(JR)→東京・新橋・渋谷ルートはSuica必須 乗る駅は対応していても降りる駅が非対応だと、駅員精算が必要になることがある(品川駅・天空橋駅・八丁畷駅・横浜駅などの一部の乗り換え改札口は要注意) まとめ:普段はSuica、サブとしてクレカタッチが正解 家計目線で結論を出すと、川崎ユーザーが選ぶべき動き方は次のとおりです。 メイン決済はSuica/PASMO:JR・バス・全国移動・チャージ後の安定感はやはり最強 私鉄完結ルートだけクレカタッチに振り分ける:京急〜都営直通、東急〜メトロ直通など 5月末までは対象Visaカードを必ず登録:登録1回で月600〜1,000円が自動で戻り、やらない理由がない 特にVisa割の登録は今日でもできて、登録後の自動還元です。対象カード(三井住友・イオンなど)を持っているなら、今すぐ済ませてしまうのが家計のためになります。 「使う改札」と「戻す改札」を分けるだけで、面倒さなしに月数百円の差が積み上がる——それがいまの川崎民にとってのクレカタッチ決済の正しい付き合い方だと思います。

2026年5月7日 · 最終更新: 2026年7月2日 · HIKO

銀行口座の解約方法まとめ|15分で終わる?必要書類・信金の落とし穴まで解説

銀行口座の解約は、必要書類さえ揃えば1口座15〜30分で終わります。 ただし、信用金庫だけは別です。開設店舗以外だと1時間以上かかるケースもあります。 私(HIKO・30代会社員・FP2級)は実際に、ゆうちょ銀行・横浜銀行・信用金庫2つ・労働金庫の5口座をまとめて解約しました。この記事では、必要書類・所要時間・銀行ごとの違い・信金の落とし穴を全部まとめます。 1. 銀行口座解約にかかる時間と必要なもの|結論 最初に要点だけまとめます。 所要時間:1口座あたり15分〜30分(窓口・電話どちらも) 必要なもの:本人確認書類・キャッシュカードまたは通帳・届出印 手数料:基本0円(残高の送金手数料は別途かかる場合あり) 手続き場所:窓口が原則。電話・郵送で完結する銀行もある 注意点:引き落とし口座になっていないか事前に確認 詰みポイント:信用金庫は他店舗開設の口座だと所要時間が倍以上 「解約は支店に行かないとできない」と思い込んでいましたが、横浜銀行は電話一本で完結しました。後述しますが、銀行の種類によって対応が驚くほど違います。 2. 銀行口座の解約に必要なもの|共通チェックリスト どの銀行でも基本的に必要なのは次の3点です。 必須持ち物 持ち物補足本人確認書類運転免許証・マイナンバーカード・パスポートなど顔写真付き1点キャッシュカードまたは通帳両方あれば両方持参が安心届出印口座開設時に登録した印鑑 印鑑をなくしている場合 届出印を紛失している場合は、改印届(印鑑を変更する手続き)を先にする必要があります。当日に新しい印鑑を窓口に持っていけば、改印 → 解約の流れで同日処理してくれる銀行が多いです。ただし、本人確認書類が複数枚必要になったり、後日郵送確認になるケースもあるため、訪問前に電話で確認するのが確実です。 通帳・キャッシュカードをなくしている場合 通帳・カードの紛失届を出したうえで解約手続きに進む流れになります。本人確認書類の提示が通常より厳しめになるので、運転免許証+マイナンバーカードなど2点持参すると安全です。 残高の受け取り方法|迷うなら現金受取でOK 残高がある場合は「現金で受け取る」「他行口座へ振込む」のどちらかを選びます。他行振込を選ぶと振込手数料(数百円)が引かれる銀行もあるので、迷うなら現金受取でOKです。数十万円までなら現金受取+メインバンクのATMで入金がいちばん安く済みます。 3. 銀行種別ごとの違い|窓口・電話・郵送の比較 これが今回いちばん知ってほしい部分です。銀行の種類によって手続きの自由度がまったく違いました。 比較表 種別主な手続き方法他支店対応特徴メガバンク窓口(一部電話可)◯ どの支店でもOK全国どこでも完結しやすい地方銀行窓口・電話・郵送△ 銀行によるネット系地銀は電話完結が多い信用金庫窓口のみ・開設店または近隣店× エリア外不可地域密着・引き止めありゆうちょ銀行窓口(全国どこでも)◎ 全国の郵便局でOKアクセス最強労働金庫窓口◯ 同一県内ならOK財形など特殊商品があると手間増 メガバンク 支店一元管理が進んでいるため、最寄りの支店で開設店の口座も解約できるケースがほとんどです。混雑する平日昼時間を避ければ、最も効率的に終わる種別。 地方銀行(横浜銀行など) 銀行によって対応がかなり異なります。横浜銀行はコールセンターで本人確認 → 解約完了まで電話のみで終わりました。郵送で書類を取り寄せて返送するパターンの地銀もあります。 信用金庫(ここが最大の鬼門) 正直、信金は一番めんどくさいです。時間効率だけで見れば、ネット銀行と比較して別世界レベルで非効率です。ネット銀行に慣れている人ほどストレスを感じるはずです。 なぜ面倒なのか、構造的に説明します。 顧客が支店単位で管理されている(メガバンクのような本部一元管理ではない) 結果として、開設店以外で解約しようとすると書類取り寄せ・本部確認の工程が増える 所要時間が 30分 → 1時間超 に膨らむ さらに「他行への乗り換えを引き止められる」コミュニケーションコストも発生 回避方法は2つだけです。 必ず開設店舗で手続きする(最もスムーズ) 開設店舗が遠い場合は事前に電話で「他店舗開設口座を○○支店で解約できるか」を確認してから動く これを知らずに最寄り支店に飛び込むと、私のように1時間超を吸われます(後述します)。 ゆうちょ銀行 全国どこの郵便局でも手続き可能。最寄りの郵便局で完結するので、移動コストが最も低い種別です。 労働金庫(ろうきん) 労働者向けのため、財形貯蓄や社内預金などの特殊商品が紐づいているケースがあり、その場合は事前に解約や移管が必要になります。今回の私のケースは普通預金のみだったので15〜30分で終わりました。 4. 私の実体験|5口座解約レポ ここからは、実際に5口座解約してきたレポートです。すべて子どもの頃に親が作ってくれた口座で、解約時の状況は次のとおりです。 サマリー表 #銀行残高手続き方法所要時間引き止め1ゆうちょ銀行ほぼゼロ窓口(最寄り郵便局)15〜30分なし2横浜銀行ほぼゼロ電話のみ15〜30分なし3城南信用金庫約20万円窓口(最寄り支店)1時間超あり4芝信用金庫約20万円窓口15〜30分なし5中央労働金庫約20万円窓口15〜30分なし 残高は信金2行+労金の3行とも現金で受け取りました(送金手数料を避けるため)。受け取った現金はその日〜数日以内に楽天銀行のATMで入金しています。 1. ゆうちょ銀行|最寄りの郵便局でサクッと完結 最初に解約したのはゆうちょ銀行でした。残高はほぼゼロ。最寄りの郵便局に本人確認書類・キャッシュカード・届出印を持参して窓口に並ぶだけです。全国どこの郵便局でもOKなのが本当に楽でした。15〜30分で完了。 ...

2026年5月6日 · 最終更新: 2026年7月2日 · HIKO

楽天ブラック vs プレミアム|年22,000円を回収できる人・損する人を公式情報で4軸検証

ある日、楽天e-NAVIにブラックカードのインビテーションが表示されました。 年会費33,000円。プレミアムの3倍です。 「年500万円使う人ならブラック」とよく言われますが、本当に元が取れるのか。公式情報を全部突き合わせて、世帯家計で試算しました。 結論を先に書いておきます。楽天ブラックは「年500万円使う人のカード」ではなく、「夫婦で海外に複数回行く人のカード」です。 理由はシンプルで、通常の買い物でも楽天市場でも、プレミアムとブラックの還元率は同じだからです。主要な差分は限られた4軸(モバイル・クレカ積立・プライオリティパス・コンシェルジュ)にしかありません。そしてその4軸を全部足しても、多くの人は差額22,000円を回収できません。 なお、本記事では除外した要素として以下があります(除外理由付き)。 保険利用付帯条件: 海外旅行傷害保険の自動付帯/利用付帯は両カードで条件が異なる場合がありますが、最新仕様は公式で都度確認が必要なため、本試算では金額換算しません ブランド別特典差(Visa/Master/JCB/Amex): 国際ブランドごとの細かな付帯特典差は本記事の主軸ではないため除外 キャンペーン非定常分(入会後ポイントUP等): 一時的な施策で恒常価値ではないため除外 利用枠1,000万円の事業用途的価値: 個人の家計用途では利用枠300万円で十分なケースが大多数のため除外 この記事の前提・仮定条件 数値はすべて2026年5月時点の楽天カード公式サイト記載に基づきます 楽天市場・楽天モバイル・楽天証券をすでに使っている前提で試算します 為替は1USD=155円で換算します クレカ積立還元はプレミアム=最大値1.0%として試算します(楽天証券公式で銘柄条件により0.5〜1.0%とされており、最大値で見ることで「ブラック有利になりにくい前提」で計算します) プライオリティパス仕様は一般情報で定説の「ブラック=無制限・同伴者1名無料」を採用します(公式ブラックカード紹介ページには明示記述なし、後述の透明性開示参照) HIKOは現在プレミアム保有中、インビ受領後に継続を決定した立場で書いています 楽天ブラック vs プレミアム 公式スペック比較 公式サイトの記載を並べると、こうなります。 項目プレミアムブラック差年会費11,000円33,000円+22,000円利用可能枠最高300万円最高1,000万円+700万円基本還元率(街)100円=1P(1.0%)100円=1P(1.0%)差なし楽天市場 カード特典分1倍1倍差なし楽天市場 火・木特典最大4倍最大4倍差なしお誕生月特典+1倍+1倍差なし楽天証券クレカ積立銘柄条件により0.5〜1.0%100円=2P(2.0%)最大1.0%楽天モバイル特典5GB/月クーポン10GB/月クーポン+5GB/月海外旅行傷害保険最高5,000万円最高1億円+5,000万円国内旅行傷害保険最高5,000万円最高5,000万円差なし動産総合保険最高300万円最高300万円差なし国内空港ラウンジ本会員無料利用可同等プライオリティパス年5回まで無料/6回目以降US$35/同伴者US$35無制限・同伴者1名無料(一般情報)大コンシェルジュなし24h対応あり大国際ブランドVisa/Master/JCB/AmexVisa/Master/JCB/Amex同等 ここで強調しておきたいのは、通常還元率はプレミアムもブラックも1.0%で同じということです。楽天市場のSPUカード特典分も両方「1倍」で差はありません。 「年500万円使えばブラックは元が取れる」という言説をネットでよく見ますが、利用額そのものが還元差を生む仕組みは公式スペック上存在しません。 差額22,000円を回収する4軸シミュレーション 主要な差分は次の4軸です(前述のとおり、保険利用付帯条件・ブランド別特典差・キャンペーン非定常分・利用枠1,000万円の事業用途的価値はこのシミュレーションから除外しています)。 軸1: 楽天モバイルクーポン差(+5GB/月) プレミアム5GB → ブラック10GB。差は5GB/月。 楽天モバイルの段階制料金で1GBあたりの実勢価格を110円相当とすると、年間の差は約6,600円です。ただしこれは「実際にそのGBを使い切る前提」での試算で、5GB以内で済む月は差が出ません。 保守的に実効値 年4,000円〜6,600円として扱います。 軸2: 楽天証券クレカ積立還元差(最大1.0%差) ブラックは公式に「100円=2P(2.0%)」と記載されています。 プレミアム側は楽天証券公式で銘柄条件により0.5〜1.0%とされています。本記事では**最大値1.0%で試算(=ブラック有利になりにくい前提)**で計算しています。「最大値で計算してもブラック有利になる結論」のほうが結論として強く出るからです。 月積立額年積立額差1.0%で年差額50,000円(NISAつみたて枠)600,000円6,000円100,000円(成長枠込み)1,200,000円12,000円 軸3: プライオリティパス差(割り切り採用:ブラック=無制限・同伴者1名無料) ここが一番定量効果が大きい軸です。 プレミアムの公式仕様(楽天カード公式記載) 年5回まで無料 6回目以降US$35(約5,425円) 同伴者US$35(約5,425円) ブラックの仕様(一般情報・本記事採用) 無制限利用 同伴者1名無料 プレミアムで夫婦海外旅行に行くと、本会員は5回枠で無料でも、同伴者は毎回US$35かかります。これがブラックなら同伴者無料です。 海外渡航パターンプレミアム同伴者料金ブラック追加価値単身海外 年1回(往復2回利用)0円0円単身海外 年5回(往復10回)5回超過分 US$35×5=27,125円27,125円夫婦海外 年1回(往復・同伴者2回)US$35×2=10,850円10,850円夫婦海外 年2回(同伴者4回)US$35×4=21,700円21,700円夫婦海外 年3回(同伴者6回)US$35×6=32,550円32,550円 夫婦で海外年2回行くだけで、同伴者料金だけで21,700円。ここでほぼ差額22,000円が埋まります。ブラックの本当の存在意義はここです。 軸4: コンシェルジュサービス(時間価値で評価) 24時間対応の電話コンシェルジュ。レストラン予約・チケット手配・旅行手配・ゴルフ予約などを代行してくれます。 定量化のポイントは時間価値モデルの一例として時給2,500円で換算します(実際の機会費用は職種・状況・自分でやることのストレス耐性で大きく変動するため、以下の数字はあくまで参考値です)。30代会社員の時給を2,500円と置くと、 利用シーン自分でやった場合の所要時間時間価値(時給2,500円換算)レストラン予約代行 1回30分1,250円出張手配 1回1〜2時間2,500〜5,000円ギフト選定 1回1時間2,500円旅行プラン手配 1回2〜3時間5,000〜7,500円 年間利用回数時間価値合計(概算)0回(使わない)0円年3回(軽く使う)4,000〜7,500円年5回(実用的に使う)10,000〜15,000円年10回以上(依存的に使う)20,000円〜 時給が高い職種・忙しい人ほど価値が高くなります。逆に時間に余裕がある人・自分で予約するのが苦にならない人には0円相当です。 ...

2026年5月5日 · 最終更新: 2026年5月6日 · HIKO

旧NISAから新NISAへの移行を全公開/2024年に私が下した判断と1年後の検証

2024年1月から新NISAが始まりました。同時に、旧NISAで持っていた銘柄を「ロールオーバーするのか」「特定口座に移管するのか」「売って新NISAで買い直すのか」を選ぶ判断が、誰にでも降りてきました。 私の場合、2015年から旧NISAで個別株を中心に積んできた残高が複数あり、移行の判断は1銘柄ずつ違う答えになりました。きれいに「全部こうしました」とはいきませんでした。 この記事では、その判断ロジックと、1年経った今の検証をすべて公開します。とくに、9年5ヶ月塩漬けにしていたコナカ株を、2024年11月26日に「旧NISAで247円売却→同日特定口座で248円買戻し」というクロス取引で処理した一次体験は、ネット上にもほとんど書かれていない実例なので詳しく書きます。 平成時代を生きた30代、川崎市在住、夫婦二人暮らしのHIKOです。投資歴11年(2015年NISAスタート)、保険業界10年からIT企業に転職、FP2級保有。最初の個別株は738円で買ったコナカ(7494)で、いまも特定口座に100株保有継続中です。最大の成功はJTの+376,930円、最大の失敗は青山商事の-310,960円。NISAという制度をフル活用してきたつもりが、移行のタイミングで「制度の限界」と「自分の判断ミス」が両方あぶり出された、という記事になります。 この記事はこんな人に向けて書いています。 旧NISAの非課税期間が終わる銘柄を、移管か売却か迷っている 新NISA成長投資枠を、旧NISA銘柄の買い直しに使うかどうか決めかねている 移管後の取得単価がどう扱われるかが正直よく分かっていない 旧NISAで含み損になった銘柄を「損切りして損益通算したい」と思っている 1年経過後、実際の手取り配当がどう変化したかの実例を知りたい 結論:私は「3パターン使い分け+1銘柄はクロス取引」で旧NISAを解体しました 最初に結論から書きます。私は旧NISA保有銘柄を以下の4処理に振り分けました。 処理主な対象判断基準自動移管(待つ)軽微な銘柄判断する手間に対してリターンが見合わない銘柄クロス取引で取得単価リセットコナカ(7494)含み損のまま長期保有予定だが、移管後の損益管理を簡単にしたい銘柄売却(益出し)JT(2914)含み益が大きく非課税のうちに利益確定したい銘柄売却(損切り)→新NISAで買い直さない青山商事・中北製作所銘柄選定の失敗を認めて資金を別へ振り向けるもの ロールオーバー(旧NISA→新NISA)はできません。 これが2024年改正の重要ポイントで、誤解している人がまだ多いです。詳しくは次のセクションで書きます。 大前提:旧NISA→新NISAへの「ロールオーバー」は廃止されました まず制度の話を整理しておきます。これを誤解したまま判断すると、後悔します。 2023年までの旧NISA(一般NISA・つみたてNISA)には、5年または20年の非課税期間がありました。一般NISAの場合、非課税期間が終わる年に「翌年の新しい非課税枠にロールオーバー(移管)する」ことで、非課税期間を延長できる仕組みがありました。 ところが、2024年からの新NISAスタートに伴い、この旧NISA→新NISAへのロールオーバーは制度として廃止されました。旧NISAの非課税期間が終わった銘柄は、自動的に特定口座(または一般口座)に払い出されることになります。 つまり、旧NISA銘柄に残された選択肢は、実質的に次の3つです。 非課税期間終了を待ち、特定口座に自動移管される(何もしない) 非課税期間内に売却する(益が出ていれば非課税で利益確定) 非課税期間内に売却し、新NISA成長投資枠で買い直す 「ロールオーバーで非課税延長」はもう選べません。私の場合、2015年に買ったコナカは2019年末で5年の非課税期間が終わったので、当時はロールオーバーで非課税を延長していました。延長後の非課税期間は2024年末で終了するため、2024年中に何らかの判断を下す必要がありました。 コナカ(7494):旧NISA247円売却→同日特定248円買戻しというクロス取引 ここが今回の記事の核です。ネット上の旧NISA移行記事はほとんどが「自動移管された/売却した/買い直した」の3択しか書いていませんが、私はもう一つの選択肢を取りました。 何をしたか 2024年11月26日、私は楽天証券の口座で次の取引を1日のうちに実行しました。 取引口座価格株数金額売却旧NISA247円100株24,700円買戻し特定口座248円100株24,800円 取得時738円×100株 = 73,800円なので、旧NISAで247円売却した時点で確定したのは -49,100円の譲渡損です。一方、買戻しによって特定口座に取得単価248円のコナカ100株が新規建玉として立ちました。 スプレッドは1円×100株 = 100円。手数料は楽天証券の現物売買手数料コース(私は一日定額コース)を使ったので0円。実質コスト100円で「旧NISA口座を清算しつつ、特定口座に取得単価をリセットした状態でコナカを引き継ぐ」ことができました。 なぜ自動移管ではなくクロス取引にしたか 自動移管を待つ場合、2024年末の最終取引日終値(仮に250円とする)が特定口座の取得単価として記録されます。これでも「移管後の取得単価リセット」自体は起きるので、結果はクロス取引と似ています。 それでも私がクロス取引を選んだ理由は3つあります。 タイミングを自分で選べること。年末の最終週は流動性が薄く、終値が想定外に動くリスクがある。11月の落ち着いた相場で処理したかった 取引履歴が明確に残ること。「旧NISA247円売却・特定248円買戻し」という記録が残ることで、将来このコナカを売却するときに「実際の本当の買値は738円だったが、税務上の取得単価は248円」という説明が自分に対しても明確になる 配当金の口座区分を早めに切り替えたかったこと。2024年内に特定口座の建玉にしておけば、2025年以降の配当金は特定口座の源泉徴収扱いに切り替わる クロス取引のメリット・デメリット整理 項目自動移管(待つ)クロス取引(自分で実行)手数料0円スプレッド+売買手数料(私の場合100円)タイミング12月末最終日に自動自分で選んだ任意の日取得単価その日の終値売却・買戻し当日の約定値取引履歴「払出」という形で残る売却・買戻しの2レコードが明確に残る損益通算できない(旧NISAの損は通算不可)できない(同上) ポイントは、いずれにしてもNISAの売却損は損益通算できないという点。これが次のセクションの落とし穴の話に直結します。 NISA損益通算不可という落とし穴 NISAの一番見落とされやすい仕様がこれです。 何が起きるか 通常、特定口座で株式を売却して譲渡損が出た場合、その損失は同年内のほかの譲渡益や配当益と損益通算でき、節税につながります。3年間の繰越控除も使えます。 ところが、NISA口座(旧・新どちらも)で発生した売却損は、 同年内の特定口座の譲渡益と損益通算できない 翌年以降の繰越控除に使えない 配当課税との通算もできない **「税金がかからない代わりに、損が出ても税務上の救済も一切ない」**というのがNISA口座の正体です。 私のコナカで具体的に何が起きたか 旧NISAでの売却損 -49,100円は、税務上は完全に「ないもの」として扱われます。 たとえば私が同じ年に特定口座で別の銘柄を売却して+50,000円の譲渡益が出ていた場合、 通常の特定口座同士の取引であれば、この+50,000円とコナカの-49,100円を相殺して、譲渡益はわずか900円。税金は20.315%×900円 = 約183円で済む ところが、コナカの売却損は旧NISA発のため通算できず、+50,000円の全額が課税対象になる。税金は20.315%×50,000円 = 10,158円 つまり、NISAで含み損になった銘柄を「損切りで節税」しようとしても、まったく節税にならないのです。これは旧NISAも新NISAも同じ仕様です。 じゃあクロス取引は無意味だったのか いいえ、無意味ではありません。クロス取引の目的は「節税」ではなく「税務上の取得単価のリセット」と「保有口座の整理」です。 私のコナカは特定口座に取得単価248円で再スタートしたので、もし将来400円まで上がって売却した場合、譲渡益は (400-248)×100 = 15,200円。税金は20.315%×15,200円 = 3,088円。本当の買値738円基準では大きな含み損のまま売っているのに、税務上は譲渡益として課税されるという捻じれた結論になります。 ...

2026年5月5日 · 最終更新: 2026年6月12日 · HIKO