これは旧NISAで個別株投資をした10年間を、購入年ごとに振り返るシリーズです。①は2015年、NISA初年度の話です。


NISAで個別株を選ぶと、初心者はかなりの確率で損します。私も2015年に始めて、1銘柄は9年経っても含み損のままです。原因はシンプルで、「株価の安さだけで選んだから」です。同じ失敗を繰り返してほしくないので、実際の数字とともに書き残しておきます。


2015年、NISAを始めた

2015年の春、NISAを始めました。非課税で投資できる制度の魅力は理解していたものの、何を買えばいいかはさっぱりわかりませんでした。

口座だけ先に開設してしまったので、銘柄選びの基準がない。そこで私がとった方法は、証券会社の画面で株価を眺めて、10万円以内で100株買える銘柄を探すというものでした。


2015年に買った2銘柄と、その結末

コナカ(738円 × 100株 = 73,800円)

スーツ専門店のチェーンです。選んだ理由は3つ。

  1. 知っている会社だから安心
  2. 738円で100株7万円台で買える
  3. 株主優待でスーツが買える

業績や財務は一切調べていません。

その後、株価はじりじりと下がり続けて200〜400円台で長く推移し、結局9年5ヶ月そのまま塩漬けになりました。途中で損切りせずに持ち続けた結果、旧NISAの非課税枠で配当だけが年2回入り続けます。2015年12月から2023年12月までの16回で、配当合計は16,000円(1株10円×100株×16回)です。

そして2024年11月26日、私は1つ判断をしました。旧NISAの非課税期間が2024年末で切れるため、特定口座に「非課税の含み損」のまま自動移管されるのを避けたかったのです。

具体的には次のクロス取引をしました。

  • 旧NISAの100株を247円で売却(取得738円→売却247円で確定損 -49,100円)
  • 同じ日に特定口座で100株を248円で買い戻し(取得単価を248円にリセット)

結果として、銘柄としては今も100株保有していますが、口座区分は旧NISAから特定口座に切り替わり、取得単価は738円から248円にリセットされました。

項目金額
旧NISA購入額(2015年)73,800円(738円×100株)
旧NISA売却額(2024/11/26)24,700円(247円×100株)
旧NISA確定損-49,100円
旧NISA配当累計(16回・非課税)+16,000円
特定口座買戻し(同日)24,800円(248円×100株)
確定損益合計約-3万円

ここで注意したいのが、NISA口座の損失は損益通算ができないという点です。同年に特定口座で出た利益と相殺できません。-49,100円は税制上「無かったこと」になります。それでも私はクロス取引を選びました。9年5ヶ月持ち続けて、配当だけはきっちり受け取れた口座を、「非課税期間の終わり」というタイミングで一度区切りたかったのです。

特定口座での取得単価は248円になったので、ここから値上がりすれば普通に課税対象。逆にここから含み損が増えても、今度は損益通算が使える特定口座にいる、というのが今の状態です。

丸紅(746円 × 100株 = 74,690円)

大手総合商社。「大企業なら潰れないだろう」という安心感で選びました。

2017年9月に売却。売却価格は749.9円とほぼ購入時と同水準でしたが、2年間の配当(6,700円)を含めると+31,990円でした。

ただ、これは「たまたま当たっただけ」です。業績を読んで判断したわけではなく、ただ待っただけ。丸紅はその後2024年に3,000円台まで上昇していますが、私が正しく業績を見ていたなら売らなかったはずです。再現性のない成功でした。

2015年購入銘柄の損益(配当込・コナカはクロス取引まで)
¥31990
丸紅(売却・配当込)
¥-33100
コナカ(旧NISA売却+配当)
丸紅は確定プラス、コナカは旧NISAで-49,100円の損失確定(配当16,000円を含めても約-3.3万円)

2銘柄合計ではほぼトントンですが、1つの失敗で数年分の利益が消えるのが個別株の怖さです。


NISAで個別株を選ぶと失敗しやすい理由

個別株で損をするのは、運が悪かったからではありません。選び方に構造的な問題があります。

2015年の私の選び方には、初心者がやりがちな失敗の型が3つすべて重なっていました。

失敗パターン①:「株価が安い銘柄」で選ぶ

株価が低い=割安ではありません。株価は発行済み株式数によって変わるだけで、「1株300円の会社」が「1株3,000円の会社」より安いとは限りません。

私はただ「10万円で100株買える」という基準で銘柄を絞っていました。これは銘柄選びの根拠にはなりません。

失敗パターン②:「知っている会社」で選ぶ

「コナカは知ってる」「丸紅は大企業」という理由で選びましたが、自分が知っているかどうかと、株が値上がりするかどうかは無関係です。

知名度と成長性は別物です。

失敗パターン③:「株主優待」で選ぶ

「スーツを優待でもらえればお得」という発想でコナカを選びましたが、優待は投資判断の根拠になりません。

スーツ1〜2着分の優待より、株価が7割下がったことの損失の方がはるかに大きい。なお、コナカの優待は2023年に廃止されています。


初心者がやりがちなNG行動まとめ

ここまでの失敗を整理すると、こうなります。

  • 株価の安さで選ぶ → 安い≠割安
  • 知っている会社で選ぶ → 知名度≠成長性
  • 優待で選ぶ → 優待≠投資判断の根拠
  • 業績・財務を調べない → 当たるかどうかは運頼み
  • 売りどきを決めずに買う → 含み損を抱えたまま動けなくなる

個別株でこれらを全部避けるには、企業分析の知識と継続的な情報収集が必要です。初心者が最初から取り組むには、ハードルが高すぎます。


では、初心者はどうすればいい?

初心者がNISAで始めるなら、インデックス投資一択です。

個別株は「どの企業が伸びるか」を自分で判断する必要があります。一方、インデックス投資なら、企業分析に時間をかけなくても、長期で市場全体の成長を取り込めます。日経平均やS&P500、全世界株式などの指数に連動する投資信託を毎月定額で買うだけです。

代表的な商品は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」、通称オルカン。新NISAの積立投資枠で毎月定額を買い続けるのが、現時点で初心者に最もすすめられる方法です。

具体的なやり方は以下の記事にまとめています。


「何を買えばいいか分からない」という方へ

「何を買えばいいか分からない」という状態のままでも、NISA口座だけは先に作っておいてOKです。口座を持っているだけでは損しませんし、勉強しながら少額から始めることもできます。

NISAを始める方に多く選ばれているのは楽天証券。NISA口座の開設は無料、投資信託の購入手数料も無料です。

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まとめ

2015年の私の失敗を一言でいうと、「知識なしで個別株を選んだ」です。

個別株選びに必要な企業分析を省いたまま始めて、9年5ヶ月持ち続けたコナカは、結局2024年11月のクロス取引で旧NISAの含み損を確定させました。NISAは利益が非課税になる代わりに、損失も「無かったこと」にされます。当時インデックス投資を知っていれば、もっと早くから資産を増やせていたはずです。

初心者はまずインデックス投資から始める。 これが10年分の失敗から出た答えです。個別株で遠回りするより、最初からインデックス投資で積み立てた方が、結果的に早く資産は増えます。

これからインデックス積立を始める方は、クレカ積立の具体設定が次の論点になります。証券口座おすすめ比較【30代投資家が楽天・SBI・松井を11年使って正直比較】内の「クレカ積立の具体設定」セクションで楽天証券・SBI証券それぞれの設定画面と獲得ポイントを試算しています。

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※本記事は私個人の運用実績をもとにした体験談です。投資は自己責任でお願いします。

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HIKO

保険業界10年勤務・30代IT会社員ブロガー

保険業界10年勤務後、IT企業に転職。生命保険・損害保険の「売り手側の論理」を知った上で、本当に必要な家計管理・投資の情報を発信。NISAや固定費削減の実体験をもとに、30代サラリーマンのお金の不安を減らすことを目指しています。

保険業界10年 IT転職 NISA実践中 固定費削減経験あり