この記事は連載「ラスト一押しの株主優待」の第6回です。業績・財務で持ちたいと判断した会社に、優待が「最後のひと押し」として付いてくる——そんな順番で保有している優待銘柄を1記事1銘柄で紹介してきた連載です。

ラクト・ジャパン(3139)は、チーズやバターなどの乳製品と、食肉・畜産物の原料を扱う食品専門商社です。株主優待として食品のカタログギフトがもらえる銘柄で、2025年に優待制度の変更がありました。私はこの株を300株保有しています。

この記事の結論 ラクト・ジャパンの優待は、2025年11月末基準から2年以上の継続保有が必須になり、100株で3,000円相当、300株で5,000円相当のカタログギフトです。優待利回りは0.5〜0.9%と大きくなく、投資リターンの本体は予想配当利回り3.79%のほうです。私は優待目的ではなく、アジア11カ国に展開する事業基盤と配当を本線として300株を保有しています。

なお、この記事にはアフィリエイトリンク(PR)を含みます。また、特定銘柄の売買をすすめるものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。

この記事で分かること

  • ラクト・ジャパンの優待内容(カタログギフト・必要株数・継続保有条件)
  • 100株・300株を新規で買うといくら必要か
  • 2025年の優待変更は改悪か、拡充か
  • 優待利回りと配当利回り、どちらが大きいか
  • アジア展開という会社の強みと、財務・配当の実績
  • よくある質問(買い増し時の継続年数、貸株の扱いなど)

ラクト・ジャパンの株主優待とは?内容と必要株数

ラクト・ジャパンの株主優待は、公式IRの株主優待ページで確認すると次のとおりです(出典:ラクト・ジャパン公式IR「株主優待」 http://www.lactojapan.com/ja/ir/about/benefit.html 、2026年7月9日確認)。

毎年11月30日現在で、普通株式100株以上を保有し、かつ2年以上継続して保有している株主が対象です。権利確定は年1回・11月末のみです。

コース保有株式数継続保有2年未満継続保有2年以上
Aコース100株以上300株未満対象外カタログギフト3,000円相当
Bコース300株以上対象外カタログギフト5,000円相当

継続保有2年以上の判定は、株主名簿の基準日である11月30日と5月31日の時点で該当株数を保有し、すべての基準日の株主名簿に同一株主番号で5回以上連続して記載されていることが条件です。連続記載の回数は、その株数(100株もしくは300株)を保有した時点からカウントされるため、100株から300株に買い増した場合、Bコースの継続カウントは300株にした時点から数え直しになります。

カタログの中身は、同社が選定した食品ギフトです。Aコース(3,000円相当)は三祐のチーズセット(パルミジャーノレジャーノ・デンマーククリームチーズ・ゴーダなど)、Peekabooの生乳ジェラート、町村農場のバターセット、マイスター山野井の焼豚とソーセージのスライスセットなど。Bコース(5,000円相当)はチーズ6種セット、キハチフードホールのアイスギフト12個、平田牧場の金華豚ローススライスとバラのしゃぶしゃぶセットなど、より充実したラインナップになります。優待品の代わりに、認定NPO法人セカンドハーベスト・ジャパンへの寄付を選ぶこともでき、発送時期は毎年2月末を目処です。

私自身、300株に買い増したのが最近のため、Bコースの継続保有2年以上の条件を満たすのはこれからで、まだ優待は受け取っていません。なお、優待の正確な内容・条件は改定されることがあります。実際に確認・申し込みをする際は、必ず公式IRをご自身でご確認ください。

100株・300株を新規で買うといくらかかる?

2026年7月8日時点の株価3,480円で確認すると、Aコースの対象になる最低ラインの100株を新規に取得するには約34万8,000円、Bコース(5,000円相当)になる300株なら約104万4,000円が必要です(出典:IR BANK ラクト・ジャパン https://irbank.net/3139 、2026年7月8日確認)。前述のとおり、買ってすぐ優待がもらえるわけではなく、2年以上の継続保有を満たして初めてカタログギフトが届く点には注意が必要です。

ラクト・ジャパンの優待は改悪された?2025年の変更内容

優待株を検討するときに気になるのが「過去に改悪・廃止はなかったか」だと思います。この連載でもKDDIや松風では実際に優待の変更がありました。ラクト・ジャパンも、2025年1月14日に優待制度の変更を開示しています(出典:ラクト・ジャパン「株主優待制度の変更に関するお知らせ」2025年1月14日開示)。基準日(11月30日)と進呈時期は変更されていません。

変更前(2024年11月末基準まで)

保有株式数継続保有3年未満継続保有3年以上
100株以上クオカード1,000円分カタログギフト3,000円相当

変更後(2025年11月末基準から)

コース保有株式数優待内容(2年以上保有)
Aコース100株以上300株未満カタログギフト3,000円相当
Bコース300株以上カタログギフト5,000円相当

会社が挙げている変更点は2つです。1つ目は、300株以上の区分(Bコース・5,000円相当)を新設し、まとまった株数を持つ株主への優待を拡充したこと。2つ目は、優待の対象になる継続保有期間を**「3年以上」から「2年以上」に短縮**したことです。

この変更は、改悪と拡充の両面があると私は見ています。拡充の面は、300株で5,000円相当という上位コースができたことと、上位優待に届くまでの期間が3年から2年に縮んだこと。一方で改悪の面は、以前は継続保有年数に関係なく100株を持っていればクオカード1,000円分がもらえたのが、変更後は**2年未満だと一切対象外(ゼロ)**になったことです。中長期で保有する株主に還元を寄せる方向の見直し、という整理ができます。

優待利回りと配当利回り、どちらが高い?

2026年7月8日時点の株価3,480円で優待利回りを単純計算すると、Aコースの100株(3,000円相当)は約0.86%、Bコースの300株(5,000円相当)は約0.48%です。金額が大きいBコースのほうが、必要な投資額が3倍になるぶん、優待利回り自体はむしろ下がります。

一方、同時点の予想配当利回りは**3.79%**です(出典:IR BANK ラクト・ジャパン https://irbank.net/3139 、2026年7月8日確認)。優待利回り(0.5〜0.9%)と比べて、配当利回りのほうがはるかに大きい数字です。ラクト・ジャパンでも、投資リターンの本体は配当であり、食品カタログの優待はそこに付いてくるおまけという位置づけだと考えています。

一目評価|私の見方

ここまでの内容を、私の主観で5段階評価にまとめると次のとおりです。あくまで私個人の見方であり、投資を推奨するものではありません。

項目評価根拠
総合評価★★★☆☆優待も配当も突出はしないが、アジア展開を含めた事業基盤とのバランスは取れている
優待★★★☆☆100株3,000円・300株5,000円相当のカタログ。2年継続保有が必須で優待利回りは0.5〜0.9%
配当★★★★☆予想配当利回り3.79%、配当性向を14%台から25%台へ段階的に引き上げ
財務★★★☆☆自己資本比率33%。商社型のビジネスで薄利だがROEは12.1%まで改善
割安度★★★☆☆PER10.09倍(予)・PBR1.08倍で、極端な割安でも割高でもない
長期保有★★★★☆優待は中長期保有者に還元を寄せる方向。売上は5年で+54%と成長

ラクト・ジャパンはどんな会社?海外事業の強みを解説

ラクト・ジャパンの営業利益率が2%台にとどまるのは、業績が悪いからではなく、原料を仕入れて売るトレーディング(商社)が事業の中心だからです。薄い利幅で大量にさばくビジネスモデルなので、利益率は構造的に低く出ます。

この会社の特徴は、海外事業の広さです。1998年の創業直後からシンガポールに駐在員事務所を開設し、現在はシンガポール・マレーシア・タイ・インドネシア・フィリピン・中国・米国・オーストラリア・オランダ・イタリア・日本の11カ国14拠点に展開しています(出典:ラクト・ジャパン公式サイト「グループ会社・拠点一覧」、2026年7月9日確認)。世界各国から調達した乳原料を、アジアの日系企業や現地食品メーカーに供給する事業が柱の1つです。

会社の決算説明資料によると、2024年11月期の事業部門別売上高構成比は、国内の乳原料・チーズ部門が66.8%、食肉食材部門が約12.8%、機能性食品原料部門が3.0%で、アジア事業(乳原料販売12.6%+チーズ製造販売3.3%)は合計**15.9%(271億78百万円)**を占めています(出典:ラクト・ジャパン「2024年11月期 決算説明資料」、2026年7月9日確認)。国内の乳原料・チーズ部門も海外から原料を調達しているため、実質的な海外関連の取引はこの数字以上に広がっていると考えられますが、確認できる開示ベースの数字としてはアジア事業単体で売上の約16%です。

売上高は2020年11月期の約1,108億円から2024年11月期の約1,709億円まで、5年で約54%伸びています(出典:IR BANK ラクト・ジャパン https://irbank.net/3139/kessan 、2026年7月8日確認)。世界各国から乳原料を調達し、アジアを含む販売ネットワークを拡大してきたことが、売上成長の背景にあると私は見ています。

ラクト・ジャパンの財務・配当・株価指標

数字を1つの表にまとめると次のとおりです(出典:IR BANK ラクト・ジャパン https://irbank.net/3139 、同/kessan、およびラクト・ジャパン「2024年11月期 決算説明資料」、いずれも2026年7月8〜9日確認)。

指標数値補足
自己資本比率33.05%商社型で在庫・仕入れが大きく、極端に高くはない
営業利益率2.61%(2024年11月期)薄利多売型の商社ビジネス
営業利益額44.6億円(2024年11月期)2020年11月期29.6億円から5年で約1.5倍
ROE12.1%(2024年11月期実績)前期比で大幅に改善、会社は今後もレベルアップを目指す方針
営業キャッシュ・フロー+6.36億円(2024年11月期)運転資本が増加する中でもプラスを確保
一株配当130円(2024年11月期)予想は132円(2025年11月期)
配当性向25.3%(2024年11月期)2020年14.3%から段階的に上昇
株価3,480円(2026年7月8日時点)
PER10.09倍(予想)割高感は薄い水準
PBR1.08倍解散価値をわずかに上回る
予想配当利回り3.79%優待利回り(0.5〜0.9%)を大きく上回る
ラクト・ジャパン(3139)の営業利益率の推移
2.67%
2020/11
2.51%
2021/11
2.02%
2022/11
2.01%
2023/11
2.61%
2024/11
営業利益率(%)の推移。2%前後で推移する薄利型の商社ビジネスですが、営業利益額そのものは5年で約1.5倍に伸びています。出典:IR BANK ラクト・ジャパン 業績 https://irbank.net/3139/kessan

配当は、2020年11月期87円・2021年55円・2022年85円・2023年100円・2024年130円と、年ごとの利益変動で上下しつつも、配当性向を14.3%から25.3%へ段階的に引き上げてきています。

こんな人に向く・向かない

ここまでの内容を踏まえると、ラクト・ジャパンは次のような人に向いていると考えています。

  • 食品カタログの優待は「おまけ」と割り切り、アジア展開を含めた事業基盤と配当を本線に据えられる人
  • 2年以上の継続保有を前提に、腰を据えて持てる人
  • 予想配当利回り3%台後半を、事業が伸びている会社で取りにいきたい人

逆に、次のような人には向かないと思います。

  • 買ってすぐ優待がほしい人(2年未満は対象外で、短期では何ももらえません)
  • 優待利回りの高さそのものを重視する人(0.5〜0.9%と大きくありません)
  • 高い利益率や自己資本比率の厚さを重視する人(商社型で利益率2%台・自己資本比率33%です)

私が「売る条件」

私が300株を持っているのは、アジア事業を含めて売上を伸ばし続けている事業の土台と、配当性向を段階的に引き上げてきた実績という2点です。

ただし、「持ち続ける理由」だけを並べると自分に都合よく正当化しているだけになりかねません。この連載の第1回で書いたコナカでは、まさにそれをやって9年5ヶ月の塩漬けを経験しました。だから、私がラクト・ジャパンを売ると判断する条件もはっきり書いておきます。

  • 売上の成長が止まり、営業利益額も伸びなくなったとき(アジア事業を含む取扱量拡大というこの会社の強みが崩れたと判断できるとき)
  • 配当性向の引き上げが止まり、減配に転じたとき
  • 薄利の商社ビジネスで採算が悪化し、営業利益率が1%を割り込んで定着したとき

逆に言えば、これらが起きていない限り、食品カタログの優待が多少変わったくらいでは売りません。これはあくまで私個人の判断であり、同じ判断をすすめるものではありません。

今の株価で新規に買うか

結論として、私なら、まずは100株から配当株として検討します。優待は「おまけ」という位置づけです。

理由は次の3つです。

  • 売上高が5年で約54%伸びている事業の土台(アジア11カ国展開を含む)
  • 予想配当利回り3.79%という配当の実績
  • PER10倍前後・PBR1倍前後という、割高感の薄い評価

一方でリスクとして、営業利益率が2%台と薄い商社ビジネスであり、原料価格や為替の影響を受けやすい点は踏まえておく必要があります。なお、これはあくまで私個人の見方であり、ポートフォリオ全体で食品関連株が集中していないことが前提です。買いを止めたりすすめたりするものではありません。

よくある質問

Q. 優待をもらうには、いつまでに何株買えばいいですか? 基準日は毎年11月30日です。最低ラインは100株(Aコース)ですが、基準日の保有だけでなく2年以上の継続保有(基準日で5回以上連続保有)が必要です。買ってすぐの100株では、その基準日の優待はもらえません。

Q. 100株から300株に買い増すと、Bコースの継続年数はどうなりますか? 公式の継続保有条件は「100株もしくは300株を保有された時点からカウントする」とされています。100株のときに積み上げた継続年数はBコースには引き継がれず、300株に買い増した基準日から改めてカウントが始まります。

Q. 貸株サービスを使うと継続保有はリセットされますか? 公式の継続保有の定義は「同一株主番号で5回以上連続して記載」とされています。貸株サービスの利用などで株主番号が変わると、この条件を満たせなくなる可能性があるため注意が必要です。取り扱いの詳細は、利用している証券会社にご確認ください。

まとめ

  • ラクト・ジャパン(3139)の株主優待は、11月末基準・100株以上・2年以上継続保有が条件の食品カタログギフト。100株で3,000円相当、300株で5,000円相当
  • 2025年の変更では、短期でもらえたクオカード1,000円分が廃止された一方、300株区分の新設と継続年数の短縮(3年→2年)で拡充された面もある
  • 優待利回りは0.5〜0.9%にとどまるが、予想配当利回り3.79%は優待利回りを大きく上回り、投資リターンの本体は配当
  • アジア11カ国14拠点に展開する事業基盤があり、売上高は5年で約54%、営業利益額は約1.5倍に成長
  • 私は優待目的ではなく配当と事業基盤を本線として300株を保有しているが、買い増して日が浅く、優待の継続保有条件を満たすのはこれから

なお、本記事は私個人の保有実績と考え方の整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。優待・配当・業績の内容は変わることがあり、最終的な条件や数字は必ずラクト・ジャパンの公式IRでご確認ください。株式投資には価格変動リスクがあり、投資判断はご自身の責任でお願いします。

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このシリーズは今後も、私が保有している優待銘柄を1記事1銘柄で取り上げて続けていく予定です。

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HIKO

保険業界10年勤務・30代IT会社員ブロガー

保険業界10年勤務後、IT企業に転職。生命保険・損害保険の「売り手側の論理」を知った上で、本当に必要な家計管理・投資の情報を発信。NISAや固定費削減の実体験をもとに、30代サラリーマンのお金の不安を減らすことを目指しています。

保険業界10年 IT転職 NISA実践中 固定費削減経験あり