この記事は連載「ラスト一押しの株主優待」の第2回です。業績・財務で持ちたいと判断した会社に、優待が「最後のひと押し」として付いてくる——そんな順番で私が実際に保有している優待銘柄を、1記事1銘柄で紹介していく連載です。第1回はコナカと巴工業の比較でした。
KDDI(9433)の株主優待が2025年に変わりました。
ネットでは「KDDI優待は改悪された」という声も見かけます。長年もらえていたカタログギフトがなくなり、内容が変わったのですから、そう感じる人がいるのも自然です。
私はKDDIを200株、長期間保有しています。配当も優待も受け取り続けてきた立場として、変更後の優待が実際どうなったのか、そして「改悪」と言われる中で私がそれでも持ち続けている理由を、配当や業績の数字とあわせて正直に整理します。
なお、この記事にはアフィリエイトリンク(PR)を含みます。また、特定銘柄の売買をすすめるものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
KDDI優待は2025年にどう変わったのか(変更後の内容)
まず、変更後の優待内容を整理します。KDDIの公式IR(株主優待ページ)で確認した、現行制度の内容は次のとおりです。
- 対象: 200株以上を保有する株主
- 1年以上5年未満の保有: 2,000円相当
- 5年以上の保有: 3,000円相当
そのうえで、受け取る内容を次の中から選べる形になっています。
- Pontaポイント(au PAY マーケット限定のPontaポイントとして使うと1.5倍に増量できる選択肢あり)
- ローソン・成城石井の商品セット(お菓子、発泡酒、レトルト食品、コーヒー、ワインなどから選ぶ形)
- 寄付(優待相当額を社会貢献活動団体へ寄付)
以前のような「カタログギフトから商品を1つ選ぶ」形から、Pontaポイント・商品セット・寄付のいずれかを選ぶ形に整理された、という変化です。日常的にau PAYやPontaを使っている人なら、ポイントで受け取れる選択肢はむしろ使い勝手が良いと感じるかもしれません。
なお保有期間は、同一株主番号で3月31日の株主名簿に連続して記録されている年数で判定されます。証券会社の変更や相続などで株主番号が変わると、保有期間がリセットされて対象から外れる場合がある、という点は公式でも注意喚起されています。長期保有区分を狙うなら、口座をむやみに移さないほうが無難です。
(優待の正確な内容・条件は改定されることがあります。実際に確認・申し込みをする際は、必ずKDDIの公式IR・株主優待ページで最新の情報をご確認ください。)
株数基準は「200株以上」。2025年4月の株式分割もあわせて押さえる
優待を考えるうえで、もう一つ押さえておきたいのが株式分割です。
KDDIは2025年4月1日に、1株を2株にする株式分割を実施しています。つまり、分割前に100株を持っていた人は、分割後には自動的に200株になります。
現行の優待基準は200株以上です。分割前の株価でいきなり200株を買うのはハードルが高かったところもありますが、分割によって1株あたりの株価が下がり、新たに買う人にとっても株数を揃えやすくなったという面はあります。
ここで「100株だと優待がもらえないのか」が気になる人もいると思います。私が公式IRを確認した範囲では、現行の優待基準は200株以上という記載で、分割前100株保有者への経過措置について特別な記載は見当たりませんでした。ただ、分割前から100株を持っていた人は分割で自動的に200株になっているため、その時点で現行基準を満たしている、という整理になります。これから新しく買う人は、200株を意識して株数を揃える必要がある、ということです。
繰り返しになりますが、株数の基準や経過措置の有無は制度改定で変わり得ます。最終的な条件は必ず公式の株主優待ページでご確認ください。
「改悪」と言われても私が売らない理由は、優待ではなく配当と業績
ここからが本題です。優待が変わったいま、私がKDDIを売らずに持ち続けている理由は、結局のところ優待ではありません。
私はKDDIを、優待目的というより、安定した配当と業績を期待して長期で保有してきました。優待は、第1回でも書いたとおり「最後のひと押し」であって、保有を決める主役ではありません。
私の保有実績で見ると、KDDIは取得単価ベースに対して株価が大きく育ち、含み益も配当も両方を稼いでくれている主力銘柄の一つです。旧NISA時代から持ち続けてきた銘柄で、長期保有区分の3,000円相当の優待を受け取れる年数にもなっています。
配当の面でも、KDDIは長く増配を続けてきた会社として知られています。参考までに、IR BANKなどで公開されている1株あたり配当金の推移を、2025年4月の株式分割を考慮した「分割後換算」に統一して並べると、おおまかに次のようになります。
| 決算期 | 年間配当(分割考慮後換算) |
|---|---|
| 2021年3月期 | 60円相当 |
| 2022年3月期 | 62.5円相当 |
| 2023年3月期 | 67.5円相当 |
| 2024年3月期 | 70円相当 |
| 2025年3月期 | 72.5円相当 |
(出典: IR BANK。分割前の表示額を、2025年4月の1:2分割にあわせて半額換算した参考値です。実際の支払額・1株配当は各期の正式発表をご確認ください。)
分割後換算でそろえると、2026年3月期に予想される配当(分割後ベースのおおよそ80円相当)と地続きで、毎年少しずつ配当が積み上がってきたことが見て取れます。優待が2,000円から3,000円に変わったかどうか以上に、この配当の積み上がりのほうが、私にとっては持ち続ける根拠として大きいというのが正直なところです。
もちろん、通信業界にも価格競争や規制、設備投資といったリスクはあります。増配がこの先も続く保証はありません。あくまで過去の実績がこうだった、という話として読んでください。
優待が変わったとき、売るかどうかをどう考えたか
優待の内容が変わると、「改悪されたから売ろうか」という気持ちになることがあります。私もニュースを見たときは、一瞬そう思いました。
でも、自分の保有理由に立ち返ったとき、私がKDDIを持っている主な理由は配当と業績であって、優待ではありませんでした。だとすれば、優待がカタログからPontaポイントや商品セットに変わったこと自体は、売る理由にはならない、と整理できました。
逆に言えば、もし「優待だけ」が目当てで持っていたら、変更のたびに揺さぶられていたと思います。第1回のコナカで痛感したのは、まさにこれでした。優待目的で買った株が塩漬けになり、優待の魅力だけでは下落に耐えられなかったのです。
だから私は、優待つきの株でも「優待がなくなっても持ち続けられるか」を基準にするようにしています。KDDIは、優待がどう変わっても配当と業績で持てる、と判断しているので売っていません。これはあくまで私個人の判断であり、同じ判断をすすめるものではありません。
まとめ:優待は「最後のひと押し」、本線は配当・業績・財務
ここまでをまとめます。
- KDDIの株主優待は2025年に変更され、現行は200株以上が対象。1年以上5年未満で2,000円相当、5年以上で3,000円相当
- 受け取り方はPontaポイント・商品セット・寄付から選ぶ形になった
- 2025年4月1日に1:2の株式分割があり、分割前に100株を持っていた人は分割後に200株になっている
- 私が売らない理由は優待ではなく、長く積み上がってきた配当と業績。優待はあくまで「最後のひと押し」
「優待が改悪されたから売る」ではなく、「この会社を優待抜きで持ち続けたいか」で考える——これが、コナカでの失敗を経た私の今の基準です。
KDDIのような大型株でも、私が買う前に見ているのは優待ではなく、配当・業績・財務です。優待は判断材料の最後に置いています。そうした個別株や配当の管理、NISAまで含めて、私は2015年からずっと楽天証券を1つの口座にまとめて使っています。11年使ってきて、今もメイン口座にしている証券会社です。
なお、本記事は私個人の保有実績と考え方の整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。優待・配当の内容は改定されることがあり、最終的な条件は必ずKDDIの公式IRでご確認ください。株式投資には価格変動リスクがあり、投資判断はご自身の責任でお願いします。
連載「ラスト一押しの株主優待」
業績・財務で持ちたいと判断した会社に、優待が「最後のひと押し」として付いてくる、という順番で私が保有している優待銘柄を1記事1銘柄で紹介していくシリーズです。
- 第1回:コナカと巴工業——優待で買って失敗した株と、業績で買って優待がついてきた株
- 第2回:KDDI(9433)の優待変更と、それでも持ち続けている理由(本記事)