IT企業に転職してすぐ、福利厚生の説明に「持株会:奨励金10%」とありました。保険会社時代にも似た制度はありましたが、「会社の株を買うなんてリスクでは」と思って入りませんでした。でも10%の奨励金という数字が気になりました。調べると「リスクはあるが、使い方次第でお得」という声が多く、結局加入することにしました。半年使ってわかったことをまとめます。


自社持株会とは

自社持株会とは、毎月の給与から一定額を天引きして、自分が勤める会社の株を積み立てる制度です。多くの上場企業が導入しており、会社から**奨励金(上乗せ補助)**が出るのが最大の特徴です。

たとえば奨励金10%の場合、毎月1万円を拠出すると、会社が1,000円上乗せして1.1万円分の株を購入してくれます。これは単純に10%の即時リターンとも言えます。


メリット:奨励金は強力な武器

持株会の最大の魅力は奨励金です。奨励金5〜10%の会社が多く、これだけで他の投資商品では得られない即効性のある利益になります。

奨励金10%・毎月1万円積立の場合(年間):

  • 自己拠出:12万円
  • 奨励金:1.2万円
  • 合計購入額:13.2万円

株価が変わらなければ、年間1.2万円の「利益」が確定しています。定期預金や債券では考えられない水準です。

また、1株未満の端株から積み立てられるので、高額な株にも少額から参加できる点も魅力です。


リスク:集中投資の怖さ

持株会の最大のリスクは、自社株への集中投資です。

会社員は給料も賞与も自社の業績に依存しています。そこに資産まで自社株で持つと、会社が傾いたとき「収入」と「資産」が同時に失われます。これを「二重のリスク」と言います。

実際、かつて大手企業の社員が持株会で数百万円分の自社株を持っていたところ、経営悪化で株価が暴落し、同時にリストラされたというケースもあります。

持株会で過度に集中させるのは危険です。


賢い使い方:「奨励金だけもらってさっさと売る」

持株会をうまく使うポイントは、奨励金を受け取ったら定期的に売却することです。

具体的には:

  1. 持株会で毎月積み立てる
  2. 一定額(例:30万円分)になったら売却
  3. 売却資金をNISAのインデックスファンドに回す

これで「奨励金10%の即時リターン」だけ享受しつつ、集中リスクを避けられます。持株会から証券口座への移管手続きは多くの会社で可能です(要確認)。

私は奨励金10%の恩恵を受けながら、3ヶ月ごとに売却してNISAに回す運用にしています。


加入すべき?判断基準

状況判断
奨励金5%以上ある加入を強く推奨
奨励金なし他の投資を優先
会社の経営が不安定慎重に検討
自社株がすでに多い追加は避ける

奨励金5%以上なら、少額(月5,000〜1万円程度)で加入し、定期的に売却する形が合理的です。


まとめ

自社持株会は「奨励金」という強力な武器がある半面、「集中リスク」という落とし穴があります。

  • 加入するなら少額から
  • 奨励金を受け取ったら売却してNISAへ
  • 自社株への依存度を上げすぎない

うまく使えば、会社員だからこそ使える資産形成ツールになります。


※本記事は2026年4月時点の情報をもとにしています。持株会の詳細は各社の規程をご確認ください。投資は自己責任でお願いします。